“引きこもり”から“副社長”に就任した20代女性を直撃。「30歳で人生が終わる」から、“前向きに働けるようになった”転機
2025年6月1日、大阪府に本社を構える「ヴァンパイア株式会社」の副社長に20代女性・なぴさんが就任した。同社のコンセプトカフェに創設から業務委託として携わり、1年後に店長(氏族長)就任。その後、正社員採用を経て、1年ほどで副社長に抜擢された。ゲーム開発やイラスト制作などのコンテンツ事業に強みを持つ同社を担う若き才媛に話を聞いた。
――副社長就任、おめでとうございます。異例のスピード出世だと思いますが、事前にどんな打診があったのでしょうか。
なぴ:ありがとうございます。弊社は昨年末に副社長だった方が退任され、社長の加藤洋平より「現在いるヴァンパイアの従業員から副社長を選ぶと思う」という趣旨の話はされていました。「なぴちゃんも候補である」ということでしたが、私としては、まだ数年先の話だろうと思っていました。
実際に打診をされたのは5月中旬頃でした。決め手は「どうせやるなら、早いほうがいいんじゃない」という言葉。確かに私はヴァンパイアでの仕事にやり甲斐を感じていましたし、マネージメント業務にも関心を持っていて。やるならば、若いうちにやろうと考えがシフトしていって、数回の面談ののち、お引き受けすることになりました。
――なぴさんはコンカフェのほうでもご活躍だったので、キャストとしてのお務めが終わるのは淋しいという方もいるのではないでしょうか。
なぴ:ありがたいことに、私のことを推してくれている方も多くて、副社長就任を喜んでくれています。6月14日に私の最後の大きな生誕祭があったのですが、キャストとしてやりたいことをやり切った、悔いのないイベントになったかなと思います。
――現在でこそ人気キャストとして‟推されている”なぴさんですが、その昔は‟推す”側だったとか。
なぴ:そうなんです。実はヴァンパイアを知ったのも、推し活があったからなんです。私は幼い頃から、オタク気質だった兄の影響で、いろんなものを推して生きてきました。その対象は漫画やアニメのキャラだったり、アイドルだったりするのですが。大学時代、ヴィジュアル系バンドが好きで、彼らが行ったVRイベントに携わっていたのがヴァンパイア社だったんです。いろんなものを推してきたこともあって、‟推し仲間”が全国にいます。なにかに熱中できる時間は、それなりに幸せでした。
――それなりに?
なぴ:これまでの人生は、推し活そのものは楽しくありましたが、逆に言えば、‟推し”だけが生き甲斐でした。自分の人生が主軸ではなくて、推しのためにある人生だったんです。そんなに長く生きる気もなくて、「30歳くらいで人生が終わるだろうから好きな推し活をところんやろう」と思っていたフシさえあります。

なぴさん
“異例のスピード出世”の背景は
‟推す”側から、‟推される”側へ
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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