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ハーレーダビッドソン「販売台数2割減」の衝撃… ホンダ・カワサキと大きく明暗が分かれたワケ

新たな顧客層を開拓しようとするも…

 旧態依然とした体制を打破しようとしたのが、ツァイツ氏でした。ハーレー初の電動バイク「ライブワイヤー」、アドベンチャータイプの「パンアメリカ」を世に送り出しました。そして日本でも人気のあるシリーズ「スポーツスター」を水冷モデルに一新し、高度な電子制御システムを搭載して販売しました。中型免許でも乗れる350ccモデルも市場投入します。  ツァイツ氏が新たな顧客層の開拓を目指したのは明らか。しかし、ハーレー社の販売台数を見ると分かる通り、この目論見は大きく外れてしまいます。 「パンアメリカ」は価格が230万円を超えますが、アドベンチャーモデルの絶対的な王者であるBMWのGSシリーズと価格はそれほど差がありません。長い歴史をかけて実績を積み上げてきたBMWとの比較において、突然発売されたハーレーのモデルに手を伸ばす人は少ないでしょう。よほどデザインを気に入った人でなければ購入の決断をしないのは容易に想像ができます。

日本では過剰なノルマで自爆営業も

 350ccのモデルは価格が安いものの、これは中国メーカーが基本設計したものをハーレー風に味付けしたもの。ハーレーブランドに憧れを持っていても、OEMとなると尻込みする人が多いのかもしれません。  電動バイクは早すぎたといったところでしょう。  2024年7月にハーレーの日本法人が販売店に対して過剰なノルマを課していたことが表面化しました。公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行ったのです。  ノルマが達成できなかった販売店は、自分たちで購入する“自爆営業”が横行していたといいます。  しかし、いくら厳しいノルマを課しても、売れるオートバイがなければ目標は達成しません。日本でのこの出来事は、アメリカ本社の行き詰まりを如実に物語っています。  ハーレーは上場企業として拡大を目指すメーカーではなくなったように見えます。上場を維持したまま経営を続けると、これからも迷走を続けることになるのではないでしょうか。 <TEXT/不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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