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「最低でも1割上がるのでは」…半導体調達難で価格上昇の流れ、逆風強まるPC市場の行方

「最低でも1割上がるのでは」…半導体調達難で価格上昇の流れ、逆風強まるPC市場の行方

昨年は「ウィンドウズ10」のサポート終了に伴う買い替え需要が発生(ヨドバシカメラ新宿西口本店)

「ウィンドウズ」買い替えの反動

2025年のパソコン(PC)市場は活況を呈した。米国政権の関税政策が二転三転しPC業界も翻弄(ほんろう)された1年だったが、米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」の10月のサポート終了や、教育現場のデジタル化を進める「GIGAスクール構想」が需要を喚起した。一方、26年は25年からの反動減が見込まれるほか、部材価格の上昇も懸念材料だ。PCメーカーは難しいかじ取りを迫られている。(阿部未沙子)

半導体調達難、価格上昇の流れ

米調査会社のIDCが25年10月に公表した調査によると、同年7―9月の世界のPC出荷台数は前年同期比9・4%増の7580万台。市場の占有率では首位が中国レノボ、その後に米HP、米デル・テクノロジーズが続く。また、MM総研(東京都港区)は、同年11月末時点で25年度の国内PC出荷台数を前年度比29・6%増の約1750万台と予測した。

理由の一つがウィンドウズ10のサポート終了だ。25年11月、ヨドバシカメラ新宿西口本店(東京都新宿区)を訪れると、サポート終了を踏まえた買い替えを呼びかける幕が掲げられていた。同店では同9―10月に買い替えが増えたという。パソコン専門チームの田村知也グループリーダーは「ウィンドウズ10のサポート終了を受けて、セキュリティー面を気にする顧客が多かった」と振り返る。

25年の需要の盛り上がりを経て、26年は反動減が見込まれる。MM総研は26年度の国内PC出荷台数を前年度比30・4%減の約1217万台と推測する。特にPC価格の上昇は、消費者の購買意欲をそぐ一因となる。

例えば、部材価格の上昇はPC価格の上昇に追い打ちをかける。データセンター(DC)の建設が相次ぐ中、「メモリーとソリッド・ステート・ドライブ(SSD)がAI(人工知能)関連(の需要)に取られている」(中村成希MM総研取締役研究部長)とし「(半導体メーカーは)PC向けの供給を絞っている」(同)とみる。

さらに中村氏は「26年は顕著にこの傾向が表れる」と推測。実際シャープは、メモリーをはじめとした部材価格の上昇を営業減益要因に挙げるなど影響を見込む。中村氏は「PC価格が最低でも1割は上がるのではないか」と見解を示す。

一方、PC価格の上昇は付加価値の向上とも受け止められる。PCメーカーが引き続き注力するのはAIPC。AIPCはNPU(ニューラルネットワーク・プロセッシング・ユニット)を搭載したPCを指すことが多い。ヨドバシカメラ新宿西口本店の田村氏は「AIPCの知名度の高まりを感じる」と話す。PC各社のAIとの関わり方が注目される。

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日刊工業新聞 2026年01月05日

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