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国内の建造量倍増へ…政府が策定、「造船業再生ロードマップ」の全容

国内の建造量倍増へ…政府が策定、「造船業再生ロードマップ」の全容

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政府は2035年に国内の建造量倍増を目指して「造船業再生ロードマップ」を策定した。28年めどで造船業界を水平、垂直統合により1―3グループに集約、建造能力の増強と自動化やデジタル技術の活用による10%のコストダウンを実現し競争力を確保する。アンモニアや水素を燃料とするゼロエミッション船など次世代船の技術や、国際ルール策定でもけん引し、脱炭素化を軸とする新たな市場の獲得を目指す。米国やグローバルサウスとの連携も図る。

日本の造船所は中国や韓国と比べて規模が小さく、複数の船を同時に建造できずコスト面も不利だ。19年をピークに業界全体の建造能力も下がっている。半面、日本船主の発注量は減っておらず、22年以降は3―4割を中国メーカーに発注せざるを得ない状況だ。

このため資本や技術提携などで連携・グループ化を進め、設計や製造、鋼材調達などのメリットを生み出し需要の取りこぼしをなくす。経済安全保障上からも「日本の船は日本で作る」(金子恭之国土交通相)とし、年間建造量を24年の907万総トンから35年に1800万総トンに倍増させる。ただ近年、国内での建造実績がないLNG運搬船は、今後のエネルギー政策を見ながら検討する。産学官・地域連携による人材確保と育成も図る。海外企業とはライバルの韓国企業との提携も是々非々で視野に入れる。

実現に向け官民で1兆円規模の投資を行う。国は3800億円規模の基金を立ち上げ、経済安保上の重要技術や次世代造船ロボットの研究開発を支援する。25年度補正予算で1200億円を措置した。業界は3500億円規模を調達し設備投資する。さらに官民で2800億円規模のグリーン投資も行う。

日刊工業新聞 2025年12月29日

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