非公開の国際卓越大審査、東大は継続…透明性高めて納得いく説明を
「政治的な判断だろう」の声も
世界最高水準の研究大学を生み出す国際卓越研究大学制度。第2期公募では、東京科学大学と京都大学の2校が認定候補に選ばれ、東京大学が継続審査となった。申請した大学はガバナンスの刷新など組織を挙げて審査に臨んできたため、不採択の大学には厳しい結果となった。
「政治的な判断だろう。現実問題、東大を落としたら日本は日本一の大学を失うことになる」と関西の大学幹部は話す。この幹部は不祥事が相次いだ東大が継続審査になったことを東大への救済と受け止めた。
実際、東大の学内でも認定は「絶望的」と言われてきた。制度としても継続審査は想定されていなかった。そのため他の大学関係者の間では結果に納得がいかず、政治判断に理由を求める人は少なくない。文部科学省の有識者会議は継続審査の理由として、東大の計画は意欲的で評価できるが、全学の理解を得て実行できるか実現性を確かめる必要があるとした。計画はよいが、ガバナンスが課題とした。
対して早稲田大学へは、計画は先進的、ガバナンスについては総長のリーダーシップを評価した。不採択の理由は理工系人材の増員ペースが速く、質を担保できるかの懸念を払拭できないとした。早大は「質の高い教員や研究者を短期間で獲得する方法論について説明が不十分であったと反省している」と振り返る。ただ、卓越大の候補はいずれも急速な増員を掲げており、すでに人材の奪い合いが起きている。限られた人材をどこから獲得するかが問題になっている。第1期で認定された東北大学に人材を引き抜かれた私大からは恨み節が聞かれる。
不採択の大学の中には任期を1年残して総長選が始まった大学もある。選挙戦で落ち着かない日々が続く。副作用は小さくない。
卓越大の審査の過程は非公開だ。他大の審査内容は秘密とされているため、採否について大学は納得し難く、各大学の計画作りに協力してきた企業や地域からも理解が得づらい。国は審査の透明性を高め、社会への説明を通して各大学を支えてきた応援団を離散させない一手が必要になる。