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炭素クレジット流通拡大…九大と味の素が設立、社団法人が目指す社会

炭素クレジット流通拡大…九大と味の素が設立、社団法人が目指す社会

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九州大学の馬奈木俊介主幹教授と味の素は、温室効果ガス(GHG)削減価値を取引できるカーボンクレジット(炭素クレジット)市場の活性化を目指す一般社団法人Circular Value of Carbon(CVoC)を設立した。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用し、企業が簡単に炭素クレジット付き商品を販売し、消費者が普段の買い物で購入できる社会をつくる。賛同企業を募って民間主導で炭素クレジットを普及させる。

CVoCはブロックチェーンを使って炭素クレジットを非代替性トークン(NFT)化し、細分化して商品に付ける環境を提供する。B2C(消費者向け)商品を扱う大企業も炭素クレジット付商品を供給しやすくなり、消費者も買いやすくなる。馬奈木主幹教授は「商品に標準的に付くことで炭素クレジット市場が拡大する」と狙いを語る。

また消費者はデジタル上で炭素クレジットをため、まとまったら企業に譲渡できる。消費者も炭素クレジットの流通に参加することでGHG削減事業に関心を持てる。味の素は消費者に行動変容の機会を提供できることに賛同し、CVoCに参加した。

炭素クレジットは、再生可能エネルギー発電や自然の再生などによるGHGの削減・吸収が認められると発行される。CVoCは海外の民間団体が運営するボランタリー・クレジットの調達を支援する。他に日本政府が認証する「J―クレジット」なども扱う。

企業は炭素クレジットを購入することでGHG削減事業を資金支援できる。ただ、トン単位で扱われることもあり、消費者への流通は難しかった。またGHG削減効果が疑われる認証事業もあった。CVoCはブロックチェーンを使うので消費者も事業内容を確認できる。さらに、排出量をオフセット(打ち消し)して使用済みとなった炭素クレジットの再利用も防げる。

日刊工業新聞 2025年12月24日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
飛行機に乗るとクレジットを買ってオフセットしています。kg単位のクレジットを数百円単位で購入できます。できれば日本産の地域が分かるクレジットにしてほしいです。海外産でも良いのですが、国内線に乗ったのだから、国内でと思います。

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