BYD・現代自動車…日本市場で存在感増すアジア大手、迎え撃つ日本勢が試されること
要求高い市場、ブランド磨く
日本市場でアジアの大手自動車メーカーの存在感が増している。中国・比亜迪(BYD)は軽電気自動車(EV)「ラッコ」で注目され、現代自動車(ヒョンデ自動車)は小型EV「インスター」で販売台数をじわりと伸ばした。2026年は両社が日本市場の深耕にもう一段階アクセルを踏む。
「日本にフルコミットする」。BYDの日本法人、BYDジャパン(横浜市神奈川区)の劉学亮社長は「ジャパンモビリティショー2025」で高らかに宣言した。披露したラッコはBYD初の海外専用車。「背が高くスライドドア付き」という軽の売れ筋も押さえ、日本市場への本気度をうかがわせた。
日本では同社初のプラグインハイブリッド車(PHV)も25年12月に発売。価格は400万円を切り、コスト競争力を示した。26年夏に投入するラッコの価格設定も注目だ。
一方のヒョンデ。25年4月に発売したインスターがけん引役となり、同年の日本販売台数は8月時点で前年12カ月間の実績を上回った。日本法人、ヒョンデモビリティジャパン(横浜市西区)の七五三木敏幸社長は「基本性能が優れている」と拡販に自信を見せる。
26年春にはグループ傘下のキアが中型EVバン「PV5」で日本市場に参入する。法人需要を中心に同年に1000台、27年に2000台の販売を目指す。競合の少ない車種で市場の隙を狙う。
日本自動車輸入組合(JAIA)によると25年1―11月のBYDの新車販売は前年同期比64・4%増の3508台、ヒョンデは同76・8%増の992台。大幅増ではあるが、同期間のメルセデス・ベンツは4万6083台、BMWは3万1759台、フォルクスワーゲン(VW)は2万8381台と欧州勢はさらに先を行く。
キアのソン・ホソン社長は「日本は難しい市場」とし、海外勢から見た障壁の高さを示す。こうした中でも日本に注力するのは、要求水準の高い市場でブランドを磨く狙いもあるとみられる。迎え打つ日本メーカーは矜持を保てるか、商品力が試される。