ヤゲオが芝浦電子を傘下に、電子部品業界で高まる再編機運
電子部品業界で再編の機運が高まってきた。2025年は温度センサー大手の芝浦電子をめぐり、台湾電子部品大手・ヤゲオとミネベアミツミのTOB(株式公開買い付け)合戦が注目された。結果、同意なき買収を提案したヤゲオが芝浦電子を傘下に収めることになった。資本市場の要請に伴い、事業ポートフォリオの見直しのための売却や提携が広がる中、台湾をはじめとした海外勢の存在感も増している。
芝浦電子に対しては、ヤゲオが2月に買収を提案。ミネベアミツミは4月にホワイトナイト(友好的な買収者)として名乗りを上げたが、TOBは不成立に終わった。一方、ヤゲオが提示したTOB価格はミネベアミツミを上回り、10月にヤゲオによるTOBが成立し、決着した。
電子部品業界では、日本企業が海外企業を傘下に収める構図が続いていた。いちよし経済研究所の張谷幸一社長は、ヤゲオが芝浦電子の同意がないままTOBに乗り出し、成立したことについて「エポックメーキング(画期的)なことではないか」と見解を述べた。
さらに、国内でも再編の動きが出た。マクセルは村田製作所のマイクロ一次電池事業を買収し、エネルギー事業を拡大する。また、京セラはコネクター事業の成長に向けて、日本航空電子工業と資本業務提携契約を締結した。
海外との連携も相次ぐ。メイコーは台湾・博智電子(桃園市)と業務提携し合弁会社を設立すると発表。コーセルは台湾・ライトン・テクノロジー(台北市)と共同開発品ブランドを立ち上げるなど、台湾企業との結び付きも深まる。
いちよし経済研究所の張谷社長は個人的な見解としつつ「(台湾企業が)台湾だけにとどまる場合、リスクがある」とし「日本にも足場を置きたいというニーズがあるのではないか」と台湾有事への懸念を背景に指摘する。選択と集中を通じた資本収益性の向上に加え、外的な要因も再編を後押ししそうだ。
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