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メガソーラーのトラブル防ぐ…環境省、違法再生エネ入札制限

メガソーラーのトラブル防ぐ…環境省、違法再生エネ入札制限

入札は総合評価落札方式に移行。地域に受け入れられている発電所を優遇する

環境省は政府機関が購入する電力を選ぶ入札方式を見直し、法令に違反する再生可能エネルギー事業の電力を扱う事業者の入札を制限する方向で検討に入った。大規模太陽光発電所(メガソーラー)による地域トラブルが後を絶たず、公共調達によって法令違反に歯止めをかける。また、コストだけでなく再生エネの“質”も評価し、二酸化炭素(CO2)排出量の低さや地域と共生する発電所を優遇する。2026年3月の閣議決定を目指す。

環境省は公共機関を対象とした「環境配慮契約法」の基本方針を見直す。府省庁が契約する電力会社を決める入札方式を有識者が議論しており、地域共生が図られていない再生エネ発電所の電力調達を避けることを明記する。法令に違反した再生エネ発電所から調達した電力を扱うと、入札に参加できないようにする。12月中に結論を出す。

入札方式は総合評価落札方式に移行する。配点はコスト評価分が最高100点、環境配慮など質の評価で同50点を加算する。自然破壊や災害リスクがなく、地域に受け入れられている発電所であることも加算の評価項目に入れる。

他にも、新しい発電所から電力を購入する「追加性」も評価に加える。古い発電所から電力を買い続けても社会全体の再生エネが増えないため。再生エネ利用を推進する国際的な企業連合「RE100」は稼働15年以内を追加性の目安にしている。

さらに発電時のCO2排出量を基に計算する排出係数や再生エネ比率も評価する。政府は国の機関が購入する電力について、30年度に再生エネ比率を60%とする計画を掲げている。入札において排出係数や比率も評価し、計画達成を促す。

メガソーラーによる自然や景観の破壊、災害リスクをめぐって発電事業者と住民とのトラブルが各地で起きている。総務省が22年度に調査した861市町村のうち16・6%が未解決のトラブルを抱えていた。9月から関係省庁が連絡会議を設置して対応を検討している。

日刊工業新聞 2025年12月5日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
国の指針をベースに自治体も指針をつくります。企業では、リコーやみんな電力も再生エネ調達指針を持っています。電気を買う側からのプレッシャーによって、健全なソーラーが評価されるようになってほしいです。

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