ラピダス・ソニーセミコン・キオクシア…半導体メーカー、タッグで人材呼び込む
熊本県の台湾積体電路製造(TSMC)の製造子会社JASM(熊本県菊陽町)や北海道のラピダス(東京都千代田区)など、空前の新工場ラッシュに沸く半導体業界。だが、足元の喫緊の課題が人材不足。事業の継続性が求められる半導体産業にとって、人材の育成は今も未来も重要なテーマになる。半導体メーカーは学生を中心に「半導体の魅力」を伝え、人材を呼び込む。(小林健人)
ラピダスやソニーセミコンダクタソリューションズ(神奈川県厚木市)、キオクシア、ルネサスエレクトロニクスなどが集まり、2024年12月、各地の大学で半導体業界の魅力を伝えるイベント「SEMICON TALK(セミコントーク)」を始めた。ソニーセミコンの担当者は「大学で半導体を学ぶ優秀な学生を増やし、業界に人材を引き込みたい」とイベントの狙いを話す。
半導体は物理や電機、化学など、幅広い知識を必要とする産業の「総合格闘技」だ。また、過去の日本の半導体業界では、再編や事業撤退などもあり、年齢層の偏在もあると言われる。技術の継承という点から、半導体業界は安定的に人材を採用する必要がある。
こうした課題に対して、個々の企業がバラバラに活動するのではなく、業界全体として取り組む必要があると判断し、同イベントを始めた。
学生にとって、半導体業界には「地味、(技術的に)レガシー、地方勤務」(ソニーセミコン担当者)といったネガティブなイメージがあったという。そこで現役のエンジニアと直接対話できる機会を設け、仕事の魅力を発信している。同担当者は「半導体の勉強をする学生にはコンサルティングも人気がある。技術を磨くという半導体業界の魅力を伝えていきたい」と話す。
同イベントは今後も首都圏、関西など複数の大学で開催予定。加えて、ソニーセミコンは製造工場のある九州などで出前授業などを行っている。「半導体再興」には産学官の連携が欠かせない。
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パソコンやスマートフォン、自動車など現代社会のあらゆる電子機器に欠かせない「半導体」。安全保障上の戦略物資とされ、産業をめぐる国際競争は激しさを増す。その主たるプレイヤーである台湾積体電路製造(TSMC)やラピダス、キオクシアなどの動きや最先端の研究開発の動向を追う。
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