はじめに
2025/11/14(金)、大阪に開催された関西Kaggler会に参加してきました。 関西在住Kaggler勢を中心に、関東からもトップクラスのKagglerがこぞって参加する、金曜日の日中開催にも関わらず100名以上が集まるような脅威のコミュニティイベントです。
個人的な話ですが、今回の会場になったグランフロント大阪のThe Lab.は、その昔研究開発に携わってきた物体認識技術の展示で関わっていたことがあるので、ちょっとエモい気持ちになりました。
グランフロント、10年近く振りに来たかもしれない。 pic.twitter.com/rrsO01oMlT
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
この記事で書くこと、書かないこと
前回は初参加だったので、全体的にイベントの参加感に触れるようにしていましたが、今回は内容に触れつつ書いていこうかなと思っています。 ただし、配信なしということもあるので「その場に参加した人の特別感」を損なわないように、私が良いなと思ったポイントに絞って書いていきます。
参加される他の方や、記者さん、運営のWebページでなんやさんなどがレポートを書かれていたりすると思いますので、そちらも合わせて御覧ください。

交流会
第一部
JOAI(日本人工知能オリンピック)での中高生の育成とKagglerの関わり方について(paoさん&ryushiさん)
IOAI(国際人工知能オリンピック)の短期間に複数の課題を解く様式がKaggleライクであり、選抜に向けた問題設定にKagglerが関与して次世代のAI/機械学習人材を育てている。 それになぜ関わることにしたのか、どういう思いを持っているのかについて、Kagglerレジェンドの一人であるpaoさんと、圧倒的な人材ネットワークと企画力をもつRyushiさんのそれぞれの立場から発表いただきました。
Ryushiさんからは、Kaggleを通じて得たものが大きくコミュニティへ還元していきたいという熱い思いと、その還元の一つとしてPay it forward的に教育という未来への貢献活動に取り組んでいる話を伺うことが出来ました。
paoさんのお話では非営利だからこそ見返りを求めずやりたいことに全力を注げるという内容が強く印象に残りました。自分はアクションに対してより高いリワードを獲得できるように行動して、得られたリワードを投資して成長のサイクルを回したいという個・自身の成長にまだまだ意識が向いているなというのを思い知らされ、それが悪いわけでは無いものの人間のステージが数段違うなと改めて気付くきっかけになったかなと思います。
トップバッターでお話したRyushiさんはIOAI参加のため、自分のパートが終わるやいなやUAEはアブダビへ飛び立っていかれました。 未来の日本のための人材を育てる役割にも期待したいですが、Ryushiさんも無事にいって、安全に戻っていらっしゃい。次にあったときのお土産話、期待しています。
🇯🇵▶︎🇦🇪#関西Kaggler会 pic.twitter.com/sQkl4qcmcq
— Ryushi (@Ryukwirt) 2025年11月14日
お気をつけて。いってらっしゃい! @Ryukwirt
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
#関西kaggler会
鯖落ちパーツで安価に機械学習用マシンを作ってみる(bobfromjapanさん)
デカいモデルをトレーニングしようとするとGPUのメモリに乗るかどうかが問題になってくるけど、VRAMたくさん積むとそれだけでウン百万。 半導体価格も上がってきて気軽にRTX5090とか買えないなら、中古のサーバ用GPUを買って載せちゃえば安く済むんじゃない?やってみるかというお話でした。
#関西Kaggler会 Kaggler が本当にほしいもの pic.twitter.com/3ChMandiar
— たいち@最近全損してない (@HomesickTic) 2025年11月14日
素敵な早見表出てきた#関西kaggler会 pic.twitter.com/66vMpqwoIR
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
古いGPUだとCUDAが最新のものに対応してないので古いドライバを入れる関係でflash-attentionが動かなかったり、RTX4090なら20倍ほど早くなるくらい現実的な速度がでなかったりと問題は多々あり、 24/365で回し続けるでも無い限り電気代含めてGPUaaS系サービスを使うので十分だ。
という結論でした。 そりゃそうだと思いつつ、こういうのは楽しいかどうか好きかどうかの世界なので、各々の好きに触れられる機会はこういう勉強会ならではの醍醐味ですね。
素晴らしい発表 (cpp_takeさん)
タイトルがオチなので、記事に書くときホント困るやつですね。めっちゃ面白かったです。 発表タイトルは「ボディメイクのコンペティション BEST BODY JAPAN参戦記」でした。
よし、コンペの話だな!
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
#関西kaggler会
評価指標を理解し、トレーニングとチューニングを繰り返し、最後にPrivateLBによって順位が評価される。BBJもKaggleも途中経過が見られるLBがあるかないかしか変わらないよね? ということでLBをVLLM as a Judgeでマッチョ画像にスコアつけて筋肉の採点をPublic LBで見られるようにする仕組み作ったよ。という内容。
おふざけ100%ということでもなく、LLM as a Judgeでスコアベースに評価するとなぜその点数なのかの信頼性が担保しづらく、どちらが良いのかを評価するPair-wiseな方法だとスコアがつかないのでLBとして扱いづらいので、ハイブリッドな方式でやったらそこそこ上手く行ったよという普通に知見になる内容で、笑い的にも技術要素的にもとても面白かったです。
ボディメイクの大会?いやいや出ないよ笑って冗談気味に受け答えしてますが、普段Kaggleやろうぜ!っていって断られてるやつと結局同じ事やんなーとか思ったり思わなかったり。
ryochinboさん
過去に見たURLを取得してベクトルDBに突っ込んでくるクリッピングの仕組みと、そこから検索させるRAGの仕組みを合体させた自作ツール「くりとらぐ」の紹介でした。 はじめは「作った便利なツールの紹介」と思って聞いてしまっていましたが、後半は「DX推進の為に」と頭を切り替えると、自分の職場状況とも重なって少しつらい気持ちになりました(笑)
DXは「業務の変革」が必要なので、全員に届けるためにまず使ってもらう、知ってもらう。それを社内の制約を乗り越えたうえで、実現していく為の工夫をしつつ取り組んでいく一例として興味深い内容でした。 一方で、みんな使ってくれてAIを理解することが出来て一撃課題解決!というものでもなく、各社のいろんな悩みが垣間見えた気がします。
AIを使うことを自分事化させるの難しいなと思っているけど、やっぱ使ってもらう場とか体験が大事なんかな
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
#関西Kaggler会
第二部
未完(takaitoさん)
資料出来てないの未完ではなく、自分はどこまでも成長し続けられるという意味での未完なのかなと感じました。(後々話を聞くとそういう面もありそうでしたが笑)
3人いる説でおなじみのtakaitoさんは、今年から大学の研究員としての立場も加わり更にやることを増やしました。から発表スタート。 ご本人もおっしゃっていましたが、生存バイアスバリバリの再現性が低すぎ問題があるので、真似したい!とはあんまりならないのですが、取り入れられるエッセンスは多分にあるいつもどおりの素晴らしい発表でした。 自分も体育会系文系人間なので、気合い大事わかる。
やはり皆さん印象に残ったのは、来年の自分は今の自分より忙しい。だから後じゃなくて今やるんだ。というスライドだったんじゃないかなと思います。
来年の自分は今年より忙しい
— しぃたけ (@cpp_take) 2025年11月14日
これ、たかいとさんに言われたら誰も反論できないだろうな#関西kaggler会
やらない理由じゃなくてやる理由を探せ 自己啓発系やパワハラ文脈ででてくることも多いので、ネット文化では比較的ネガティブに伝わるこの言葉ですが、やる理由の一つはコレだよなと思って聞いていました。 自分でもKaggleやろうぜ!を断られるたびに、今以上に暇になることないから仕事忙しいのは断る理由にならんぞ?と内心思ったりしていましたが、自分の考えの一部でもベクトルがtakaitoさんと近い方向にあった事がしれたのは収穫です。 それをどう波及させていくのかは自分の課題ですね。
Ryushiさん同様に、コミュニティへの貢献意識という点を話されていて、イベント運営や書籍執筆のお話もある中で、努力の最高到達地点であり続けるという、らしいなという言葉も飛び出していました。
努力の最高到達地点
— 2g (@okifukuto) 2025年11月14日
パワーワード
#関西Kaggler会
起業。そして、Kaggleトップ層の「狂気」と「戦略」(chumajinさん)
takaitoさんの発表を受けて、「アベンジャーズの一人です」のつかみ。やっぱり話面白い。 努力の到達点に続いて、Kagglerで培ったスキルや人脈を活かした起業ということで、キャリアの到達点ともいえるレジェンズの一人の発表です。
序盤は、起業に至るまでのKagglerとして積み重ねをお話しいただき、後半はGMが狂ってるというなんとも緩急ある発表。 読む資料ではなく聞かないと分からない話の構成になっていたので、無理にでも関西Kaggler会参加してよかったなと改めて思いました。
takaitoさんもchumajinさんも、すごい人たちは人間としても見習いたいなって思ってたら、GMが狂ってる話が出てきて草
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
#関西Kaggler会
狂ってるは決して悪口ではなく、常人なら理性で止まるところを止まらない。一つの物事に変態的に執着して突き詰める先にある叡智。そういったものを得る為の一つのファクタであると私は受け止めました。
負けるのって嫌だし、GPU思いっきり回して勝負に行ってウン万の請求に耐えたのに勝てなかったりすると、何だったんだろうかという気になると思います。 JOAIの発表されたRyushiさんが、鳥コンペで勝てなくてKaggleが少し嫌になってしまったと話されていましたが、トップ層であってもそういう事があるので、始めたばかりなら尚更です。
そんなやられたら勝てんわってレベルをさも当然にやった上で負けるのをくりかえせるのは狂気だよ
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
#関西Kaggler会
それでも尚歩みを止めず、進み続けた先にあるのが金メダル、プライズ、優勝であり、勝つということはそういう狂った人たちを相手にしているんだと思うと、メダルの価値に対する考えがアップデートされたような気がします。
非Kagglerからすると、関東からわざわざ平日のド昼間にKaggleという1テーマの勉強会に参加するのも狂っているし、懇親会でコンペの解放共有し合って酒飲みながら成長しようとするのもなかなかな狂い具合だと思ってます。 ますます上位を目指すにあたって、熱量とも言いかえられるこの狂気を増す為に、しっかり復習してどんどん薪を焚べていかないとですね。
解法をディスカッションに投稿する際のサマリー図の作り方(kuto_boproさん)
毎度すごく見やすい解法紹介のポスターを作っているきょうへいさんの発表です。 Kaggleのサマリー図に限らず、分析結果を伝えてネクストアクションを促しアウトカムを高めていくような伝えるスキルは非常に重要となるので、興味深く聞かせていただきました。
きょうへいさんのサマリ図 #関西Kaggler会 https://t.co/QuQMPuWGWz
— こへっち (@kohecchi) 2025年11月14日
などなど、きょうへいさん独自のメソッドというよりは、整理術やスライド作成術としていわれる情報の集大成だったように思います。 結局それが出来ていないのは、情報の整理の仕方、必要な情報をそうでない情報の取捨選択、それを高い解像度で行うための問題に対する深い理解があるかどうかだなと感じました。
これもまた情報の整理や選び方の分野で狂っているほど突き詰めた、最高到達点といえるでしょうか。
最後に書籍紹介もされていたので、買って勉強したいと思います。
※個人的には、この本もおすすめです(Google流 資料作成術)メモ:ノンデザイナーズ・デザインブックhttps://t.co/lFDbF8ZBh6
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
#関西Kaggler会
量子化 × ファインチューニングはどの組み合わせから試すべき?(shinchi0さん)
資料 しんちろ節満載で始まった発表、今回のレーベンシュタイン距離は0でした。
NLP/LLMコンペにおいて、パラメータ数がデカいほど強いLLMを採用するにあたって、メモリに乗るかどうかが重要。 単精度32bit/倍精度64bitで表現される浮動小数点数型を、8bit整数型に変換することで出力性能の劣化を防ぎつつ省メモリ化を目指す事が今回のテーマの量子化です。 文献や分野によって意味合いが微妙に変わるので、こういった定義を事前にしてくれるのは、後々資料を振り返ったときにとても助かりますね。
この量子化についてQLoRAやGPTQ、AWQなど様々な方法があり、フルファインチューニングしてから量子化するのか、量子化してからLoRAのファインチューンをしていくのが良いのか こういったLLMを扱うときにどのような方針で進めるのが良いのか、誰もが悩むTipsを検証実施込みで発表してくれるのは論文一本分の価値がありますね
結論として今回のMAPコンペのデータで検証した限りでは、QLoRAのデファクトスタンダードな方法から試すのが良さそうとのことでした。
ツイート数ランク、敗北
前回、初参加で2位になったツイート数ランキング。 今回は感想を呟くだけでなく、ハッシュタグを追うときに読みやすくなるように等のホスピタリティを意識した+αの投稿が数の底上げをするのではと反省を活かし、発表タイトルと発表者を投稿する様にちょっと工夫していました。
前回圧倒的1位のろんさん不在で迎えた今回はそこそこ自信があったのですが。。。
本日のツイート数ランキングです。 一位が圧倒的すぎる。 #関西Kaggler会 pic.twitter.com/mUuaKIJ6JV
— たいち@最近全損してない (@HomesickTic) 2025年11月14日
また2位でした。。。
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月14日
ここでも金🥇が取れんのか
ノベルティはK4 Digitalさんのタンブラー頂きました!#関西Kaggler会 pic.twitter.com/4SUYSsEq6l
やはり悔しいですね。 懇親会で無限さんにも、反省してPDCA回して来てとお言葉いただいたので、3回参戦・銀2金1の最速Master昇格目指してコミュニティの盛り上がりに貢献していきたいと思います。 (毎分1以上なのでタイプスピード上げていくか、ブラインド投稿出来るようにpost専用キーを設定するか、物理の工夫も必要かな🤔)
おわりに
スポンサーセッションには触れていませんが、TuringさんElithさんからはatmacup開催のお知らせがあり、関東Kaggler会やMAP,Jigsaw,Code Golf振り返り会、次回の関西Kaggler会(!?)のお知らせなど、次のイベントアナウンスも盛りだくさんでした。 懇親会も豪華な食事に複数種類の海外ビールが飲み放題で、美味しいご飯を囲んで久しぶりの挨拶からチーム組もうの相談、関西Kaggler会初参加やKaggle自体これからやろうという皆さんともお話できて、楽しい時間を過ごさせてもらいました。

登壇者の皆さん程の影響力はないと思いますが、せっかく貴重な一枠をもらって関西Kaggler会に参加させてもらっているので、関西勢にも関東のイベントの様子を伝えたり、なんらかコミュニティに貢献できていれば良いなと思います。
今朝6時に解散してからホテルで気を失い、酒抜きがてら梅田から新大阪まで散歩して無事到着。
— HIROSE Tomoki(広瀬 友貴) (@nakakiiro) 2025年11月15日
関西Kaggler会めっちゃ楽しかったです!運営、登壇者、懇親会で絡んでくれた皆様ありがとうございました!! pic.twitter.com/UEw9B0qk2B



