低所得者、挙動不審者、町田

M-1グランプリ2025を敗者復活から。

 

敗者復活Aブロック

ミカボ
徳永英明に使用料が必要

 

おおそらモード
女性役がマユリカ

 

TCクラクション
ちょっとずつ色々面白くて良い

 

イチゴ
え、なに、めちゃくちゃ面白い。個人的敗者復活1位。

やっぱりこういうのが自分は好きなんだなと思った。

 

ゼロカラン
面白いたとえあるある羅列したい

 

ネコニスズ
後半の落とし方が見事

あと同じ事務所のウエストランド井口に話題を振るな

 

20世紀
結論が見えてるのにもってくよね

 

20世紀が勝ち残り

 

敗者復活Bブロック

センチネル
ユニットバスからの入浴。これがやりたいがための設定てのがね。

 

ひつじねいり

道頓堀隕石ピンと来ないよな、面白いんだけど

 

ドーナツ・ピーナツ
あんまりハマらなかったなあ

 

フランツ
ボケの人のフォルムがニセ高比良くるま感
あと緑の方が13番に飛び込まない(最初に埋まるから)

 

例えば炎

カネツヨの流れはちょっとな

 

カナメストーン
明るくてバカっぽくて雰囲気よくて笑いやすい

 

カベポスター
運び方が丁寧でもう安心して笑える

 

カナメストーンが勝ち残り

 

敗者復活Cブロック

生姜猫
若者だな

 

大王
結成1年目そしてファニーバンク

 

スタミナパン
回復系ピンクのミニスカスケスケびしょびしょセクシー爆乳くのいち

でも麻婆じゃないほう。

 

今夜も星が綺麗
声がいいのと声がでかいの

 

黒帯
面白いけどうっすら無駄が多い

 

ミキ
たけしの指摘から仕上がり方が思わぬ方向へ。これでいいじゃない。

 

豆鉄砲
修学旅行のふちという概念。いいと思う。

 

ミキが勝ち残り。

審査員票3票を得たカナメストーンが敗者復活

 

本戦

ヤーレンズ

結婚願望。てかタイトルが不要なくらいただずーっとくだらないボケを連打し続ける面白おじさん楢原と自分を出しつつも打ち返していく出井。コント設定に入らないネタとなり、より自身がやっているラジオ感が強くなった。これだけバッキバキに仕上がっているのに最終決戦残れないとか、本当にどうかしている。このままずっと面白いんだろうけど、もうM-1としての天井は見えてしまったかな、とも思った。

 

めぞん

女友達。話の展開としてはよくあると思うんだけど、それを熱量でドラマチックに見せる力業で持って行った感。もちろん素のキャラクターありきのネタなんだとは思うけど、さすがにちょっと演劇がかっている気がしないでもない。

 

カナメストーン

ダーツの旅。敗者復活からの勢いそのままに、なんとまあ朗らかな漫才よ。見ていてイヤな気分が全然しない、本当に楽しい漫才。声のトーンの高さが決め手なんだろうけども、これを「日本中のイルカがこっち向いてると思う」という一言で表現したフット後藤がTHE Wの司会では見せない技量に痺れる。

 

エバース

車。審査員も絶賛する本当に面白い漫才。予選1位も異論なしの大傑作。今年はエバースが実力で持っていくんだな、とこの時確信したんだけど、この確信が当たらない怖さ。こんな漫才披露してるのに優勝できないとか、怖い。本当に怖い。そのくらい面白かったんだよ本当に。

 

真空ジェシカ

ペーパードライバー講習。もう面白いのは誰もが知っている。だからこそ「まだ何かあるんじゃないか」を期待し、そこに達しなかったときの減点と戦っているコンビ。「質のいい客」はずるいってー。

 

ヨネダ2000

バスケット。エバースの漫才ではないが、これで尿検査陽性が出ないのはマジで狂気。DA PUMPの「if…」もそうだし、今回の松浦亜弥桃色片想い」もそうなんだけど、主に30代から40代に直撃する選曲を20代の二人がやってるというのも恐ろしい。ちなみに本当にどうでもいいが、あややがバスケットやってる画像が写真集にあったような気がして検索したけど出てこない。

 

たくろう

リングアナウンサー。ミルクボーイ駒場が指摘していた「挙動不審であることに理由がついた」が本当に言いえて妙。理由なく挙動不審より理由がある挙動不審のほうが笑えるもんなあ。

 

ドンデコルテ

デジタルデトックス。40代独身低所得者もどきの自分にはもう笑えるところしかない。ただひたすら面白かった。売れてほしい。

 

豪快キャプテン

小さいバッグ。変なこと言ってるはずで、聴いているうちに変じゃないかな、と思えてくると思いきや、やっぱり変で、じゃあそれを変だと指摘するのかなと思いきや、やっぱり変なまま終わる。ここまででけっこう笑い疲れがあり、正直出番順で損した感はある。これも笑神籤の仕業。

 

ママタルト

初詣。ここも出番順がもうちょい早ければなあという感じがした。昨年のキャッチコピー「デカすぎるにもほどがある!」を受けての今年が「じゃあ、あんたが太ってみろよ」が結果的に一番面白かった気がして。テレ朝系列なのになぜ昨年も今年もTBSのドラマから拝借するのかは謎。

 

最終決戦

ドンデコルテ

名物おじさん。名物おじさんがいかにして名物おじさんになるのか、という正解を見せつけられた気がして。まあそんなことはどうでもいいくらいに面白かったんで、本当に売れてほしいです。

 

エバース

腹話術。全然何の問題もなく面白かったんだけど、自身の1本目が強すぎたことと後のたくろうが良すぎたことで優勝を逃してしまった。1本目の強度でウイニングランをさせてくれない今のM-1。マジで怖い。

 

たくろう

海外。yahooの天気予報を見ているで勝負アリだったかな。

 

8票を獲得したたくろうが優勝。ここ数年は毎年僅差僅差言われていますが、それでも納得できてしまう面白さだったと思います。エバースの実力は本物で、そして切に売れてほしいドンデコルテ。たくろうはこの先しばらく無茶ぶりをさせられ続けるのでしょうが、どこまでもつのでしょうか。それが心配でならない。

 

バッキバキに仕上がった漫才も痺れるのですが、カナメストーンやヨネダ2000のような朗らかなネタが印象に残った年でした。別に「誰でも楽しめる漫才」なんて求めてないし、時代のニーズにマッチしているとも思わない。ただ今の自分の精神状態には漫才師が極限まで磨き続けてきたネタの鋭利さよりも、同じくバチバチに仕上げてきていてもどこか楽し気のある漫才が刺さったということです。

 

あとは場外乱闘にはなってしまったが。笑い飯哲夫のコメントがいつもよりしゅっとしていたのは「いいこと」だと思います。粗品の言ってることが絶対では決してないとは思っているが、「結果的に哲夫の審査がああなった」ことが答えでしょう。

 

自分からすれば好みの差はあれど全部面白くてね。粗品はプロですからそうじゃないと思うんですが、少なくとも自分程度の素人には全部面白いんですよ。こんな面白い番組に文句言える人たちは粗品並みのプロの審美眼を持っているか、ただの身の程知らずなんだと思います。2025年にお笑い好きではなかったことに気づいてしまった人間の感想でした。また来年。

 

脱法

NHK「未解決事件」File.07「ベルトラッキ贋作事件」がめちゃくちゃ面白かったのでお知らせします。

 

NHK「未解決事件」シリーズは元々単発で放送されていたが、この秋にレギュラー放送が開始。レギュラー化されてからの放送だった「名古屋市西区主婦殺人事件」の被害者遺族に話を聞く回の直前に犯人が出頭することで事件が解決に至ったことで話題にもなった。「未解決事件」のタイトルの通り、人々の記憶に刻まれるような凶悪な犯罪や大規模犯罪が扱われることが多く、とてもじゃないがおちゃらけて見るような番組ではない。見るほうにも多少の気合が必要である。

 

しかし今回の「ベルトラッキ贋作事件」に関しては、もう見ている最中自分は面白くて面白くて仕方なかった。いや犯罪だから面白いことはないんだろうけども、コンゲーム小説を読むかのよう。いやもっといえばドラマ「コンフィデンスマン」シリーズを見るかのような謎の痛快さがあって、色々な意味で面白かった。

 

自分は美術関係に全然明るくないので、こんな事件が実際に起きていることは露も知らなかったわけだが、簡単に言えば絵画の贋作事件。総額40億円とも言われる被害額。大がかりな事件ではあるが、この事件は現代の犯罪にありがちな「組織的かつ首謀者が誰か分からないような犯罪集団による犯行」とはかけ離れた、贋作を描く才能があった画家とその身内による鮮やかな手口による贋作流出。美術品の価値とは何かを考えさせてくれる。

 

贋作を描いた当事者ベルトラッキは既に服役しており、地元のメディアにも出演するくらいの有名人。番組でもインタビューを撮っていたし、贋作をつかまされた美術館の学芸員からもリモートでインタビューされ、少しも悪びれていなかった。芸術の冒涜という意味では罪深いのかもしれないけど、金銭が動いただけで誰も傷つけてもいない。「いやあ、そうだよなあ。そもそも悪いと思ってたら描かないんだから、何言われても響かないよなあ」とか思いながら完全にベルトラッキ側の立場から見ていた。もちろん詐欺そのものを肯定するわけではないが、ベルトラッキが描いた贋作の多くがバブル時代の日本に売られていったというのだから、まあ、どっちが愚かなんだろうという気すらする。

 

番組の最後でベルトラッキ本人が贋作の可能性がある作品のカタログを見ながら「これについて語ることはないよ」と語る。しかし続けて「でも、これで全てじゃない」って言うんですよ。もうしびれたね。最高すぎる。「気づかれてないだけでまだあるよーん」って言ってるんだもん。面白すぎるだろ。

 

というわけで、中身も最高に面白かったんだけども、それと同時に自分は番組を見ている最中、あることがずっと気になっていたのです。

 

それは「贋作の絵画でおっぱい映りまくり」である。

 

番組中で取り上げられていた贋作のひとつにキスリング「モンパルナスのキキ」という作品がある。山田養蜂場の美術館(前述のベルトラッキ本人にインタビューしていたのがここの学芸員さん)が所蔵していた絵だが、ベルトラッキが自らが描いた絵だと認めている。この「モンパルナスのキキ」という絵が半裸の女性を描いた作品で、まあ番組中に幾度となく出るわ出るわキキのおっぱい。いい乳しているんですよモンパルナスのキキ。贋作だろうがなんだろうが、いいおっぱいであることに間違いはありません。

ベルトラッキの贋作とされる絵。おっぱいの贋作は豊胸手術なのかな。やかましいわ。

 

でまあ、皆さまにどのくらい心当たりがあるか分かりませんが、自分はすぐさま「有吉弘行の脱法TV」を思い出しましたよ。

 

フジテレビで2度放送された「有吉弘行の脱法TV」。今年は放送されてない。フジテレビが脱法しかけていたからだろうか。それはともかく、以前放送された内容で「美術だったらおっぱい映しても大丈夫だろ」というものがあり、普通に映すのはアウトそうなものを美術作品として映し続けるという荒業をやってのけた。さすがにAVのパッケージはアウトだったけども、「美術作品ならいいんかい」という地上波の欺瞞がつまびらかになった瞬間だった。

 

そしてNHKでも「贋作だろうが美術品だったらおっぱい映してもOK」は図らずも証明されてしまったことになる。もうこうなったらベルトラッキにはおっぱい描き続けてもらうしかないな、と思いました。本当に。

 

もはやテレビはオールドメディアで地上波は斜陽産業で、マトモにおっぱいすら放送できないディストピアです。ネットにはたくさんおっぱいが転がってます。ネットフリックスでもたくさんおっぱいが出る作品があるのに、なぜ地上波はダメなのか。理解が出来ません。

 

しかし理解が出来ないことを嘆くより、「こういう方法があるんじゃないか」を愚直に追求する「有吉弘行の脱法TV」はやっぱりまた放送されるべきだし、ネットでたくさん転がっているおっぱいを尻目に、脱法おっぱいを地上波で放送することに心血を注ぐテレビマンがいるなら、それは応援しなければならない。

 

とりあえず脱法「脱法おっぱい」として、ベルトラッキの贋作の作品群の中にベルトラッキが描いてもいない卑猥なおっぱいの作品を放送してみるところから始めてはいかがだろうか。ベルトラッキが贋作を流出させた手口は「描かれていることは確認されているが、現物や作品の詳細が分からないものを描いた」ところから始まっている。ベルトラッキが「贋作はまだある」ことをほのめかしていたのだから、ベルトラッキが描いた贋作の贋作としてもうたっぷりいやらしいおっぱいの絵画をNHKは騙されたフリして放送すべき。自分で本当にしょうもないこと書いている自覚はあるんだけど、その一方でこの贋作事件の在り方の批評にもなっているのでは、と思ってみたり。んなわけあるか。

 

ともかく、この放送は最高に面白かったので、見られるチャンスがある人は是非。

 

過去作強すぎ

世にも奇妙な物語35周年SP~秋の特別編」の感想を。

 

35周年だからなのか、それとも4本撮る気力体力資金がなかったのかは分かりませんが、過去作1本を最後にもってくる構成に。今後もこれでいいと思うんですけどね。これのいいところ悪いところはまとめて最後に。

 

止まらなければ生きられないゲーム

山田涼介主演。知人の連帯保証人で多額の借金を負うことになった主人公。ケガをして入院しているときに大金を賭けたゲームに参加することを決める。それは「だるまさんが転んだ」であり、その声が頭に聞こえたときには止まらなければならず、それが出来ない参加者がひとりづつ消えていき、最後のひとりになるまで行われることに。途中借金を負わせた知人が同じゲームに参加していることになり、殺されそうになるも逆に相手が動いてしまうことで難を逃れる。最後のふたりにまで残ったが、最後の相手は同居している妻で、アレルギーの桃を顔面に押し付けられることで発作を起こし動いてしまい、主人公はゲームに負けて命を落としてしまう。

 

「だるまさんが転んだ」かつデスゲーム的な要素なので「ん?これはイカゲームのオマージュかなんかなのかね。にしてはなんかチープというか、アレですなあ」と思ったんです。「イカゲーム」見たことないんですけど。んでまあ調べてみたらどうやらこの作品、脚本は韓国の制作会社との共同開発なんですって。はあ。

 

んでまあリアルサウンドが完全なる提灯記事上げているので、ちょっと引用しますね。

韓国側のスピーディな脚本構成と感情の起伏、日本側の緻密な心理描写と構成美。その融合によって、単なる「デスゲーム」ではなく、極限状況における人間の倫理と感情の揺らぎが描かれることが期待される。『世にも奇妙な物語』が35周年で目指すのは、伝統的な恐怖から社会的・心理的スリラーへの進化なのかもしれない。

(中略)

世にも奇妙な物語』が35周年を迎える今回の作品で掲げた“日韓共同制作”という取り組みは、ただの話題作りでは終わらない。韓国の映像技術と、日本が得意とする繊細な心理描写。その両方を掛け合わせることで、これまでにない短編ドラマの形を生み出そうとしているのだ。

news.yahoo.co.jp一応元記事も載せておきます。いつまであるか知らんけども。少なくとも自分が感じたのは「割とよくあるテーマの割とひねりのないオチで全然怖くないし新しくない安めの作品」でしたけどね。別にこれ韓国関わっているから言ってるわけではなく、これを「世にも」の作品とするならそれは「ありふれた作品」でしかないわけですね。若者は楽しかったかもしれませんけど。かといって山田涼介ももう32。若者ではないか。あと提灯記事ね。「世にも」が社会的心理的スリラーやってないとでも思っているのか。正気か。

 

あなた博物館

川口春奈主演。恋人と山奥で迷い、助けを求めた先は自分の人生の全てが詰まっている「あなた博物館」と呼ばれる場所。自分のあらゆることが展示されていることに不気味さを覚えるも、これは恋人が仕掛けたサプライズ演出だと考える。しかし自分の展示が終わり恋人の展示になると様子が一変。偶然知り合ったはずの恋人が自分のことをつけ狙っていたこと、さらには過去に付き合っていた女性が皆失踪していることが判明。恋人は女性を狙うシリアルキラーであり、それに気づいた主人公は恋人を刺しあなた博物館から逃げ出す。しかし逃げている最中に自分の最後の光景が見える。主人公が見ていたのは「あなた博物館」と呼ばれる走馬灯だった。

 

「走馬灯だった」が全ての作品。まあ最初の「これはなんだろう」の不気味さからちょっとずつ明らかになっていく構成はよっぽど上記のデスゲームより怖かったけども、それでも「走馬灯だった」だけですからね。ワンアイディア。悪くはないがよくもない。

 

七階闘争

伊藤淳史主演。世の中で起きている事件は七階が多く、七階が無くなれば事件が減る。そのように考えた政府は世の中から七階の概念を失くすことを決める。今現在七階に住んでいる主人公は戸惑いを覚えつつも受け入れる。しかし職場の気になる女性がこの七階に執着している人物であり、「七階闘争」に巻き込まれていく。最終的に七階闘争の指導者はつかまり、運動も下火。主人公も活動を辞める。しかし職場の女性がこの運動に最後まで突き進み、行方も分からなくなる。結果世の中からは七階は消えたものの、彼女の意志を継ぐために再び七階闘争に主人公は立ち上がる。

 

この「なんだかよく分からない設定に現実に起きることをトレースし、最終的に着地ふわっと終わる」という作風、なんか覚えがあるなと思ったんだけども、スタッフロールで「原作 三崎亜記」で納得。映画化もされた「となり町戦争」の作者だ。自分も読んだ。「鼓笛隊の襲来」くらいまでは読んだんじゃないだろうか。調べてみたらこの作品は「鼓笛隊の襲来」の次に刊行された「廃墟建築士」に収録されている。何作か読んだんだけど、ずーっとこんな感じなのでもういいか、くらいになった気がするんだ。この作品も「こんな感じ」であり、なんか久々に読んだときの感覚を思い出した。「世にも」と相性はいい作品なのだけど、今は分からないが初期の作品はずーっとこんな感じです。自分が昔つけていた読書日記を引っ張り出してきたらこんなの書いていたので、蛇足ながら。

「バスジャック」三崎亜記
表題作をはじめとする7編の短編集。

「二階扉をつけてください」は「世にも」テイストで好きです。
星新一っぽいと言ったほうが正しいかもしれないが。
オチも完全に「世にも」なので、是非映像化して欲しいです。 

やっぱ「世にも」っぽさがあるんだよな。

 

ハッピーバースデー・ツー・マイホーム

役所広司主演。1991年の作品。通勤にも遠すぎる都心から離れた場所にマイホームを建てた主人公(役所)。なぜ自分はマイホームを建てたのかと自問するときには、必ず父親の影がつきまとう。遠すぎるがゆえ誰も遊びに来ないマイホーム。新築祝いをやっても誰も来ない。しかしそんな時に姿を見せたのが、亡き父の幻影。父親との間にあったわだかまりが解け、そしてマイホームは幸せなものだとしみじみ思うのだ。

 

この作品君塚良一が書いているんですよね。「踊る大捜査線」の体たらくを見ていると君塚良一の脚本なんて決してほめられたもんじゃないけど、この作品はやっぱり見終わった後で唸ってしまうんだよな。これも特別なことやっているわけじゃない。マイホームにわだかまりのあった父親の幽霊が出てきて和解する。字面にすると陳腐。しかし作品トータルで見ると「名作」って言って差し支えないんだよな。役所広司が凄いだけかもしれない。

 

最初にも少し触れたけども、過去の名作を放り込むことは「制作の余計な負担を減らせること」と「今の視聴者が昔の名作を見る機会になる」という点で非常に良いことだと思う。しかしその一方で「過去の名作を引っ張ってくると、相対的に新作のショボさが際立ってしまう」というリスクがある。過去から引っ張ってくるものは凡作ではなく名作なのだから当然といえば当然だけど、にしても今回は過去作が一本なのに強すぎて新作が霞んだ。ただの懐古厨だと言われるかもしれないけど、今の「世にも」には失われている良さが際立った。

 

今後「世にも」は過去作の使い方がカギになりそう。あと今後も「世にも」続けるつもりなら、早めにタモリの後釜を決めることとオープニングにちゃんと時間割くことをしてほしいですかね。「世にも」はまた来年ですね。

 

アイドル、爆弾、40代

アイドル

ラフ×ラフのアルバムリリースイベントに行ってきました。昨日行われたライブにも仕事で行けず、またこのあとあった販促イベントに参加することもなく、相変わらず無課金死ねばいいのにの参加でしかもずっと真顔で見ていたので、さぞ不審な人間に見えたでしょう。それでいいんです。適切な距離感。

 

2月に見た雪まつりのイベントでは歌わなかった曲がたくさん見れたので内心はノリノリだったんですけども、いかんせん見るという行為に必死になってしまい、それゆえの真顔。ジャックバウアー並みに本当に申し訳ないと思っている。以下メンバー別感想。

 

SNSの更新もコンスタントに話題になるようになってきた日比野芽奈はその振る舞いに迷いがなくなったように見えた。パフォーマンスの際にも「ここにいる奴ら一人でも捕まえて帰るぞ」という気迫を感じる。もちろん可愛い顔をしているのだが。あーりんとはまた別の角度でプロであり覚悟を感じる。さすが芸歴が長い。

 

高梨結は相変わらずキレイなお姉さんである。笑顔も素敵である。あと何気に歌が上手い。ラフラフの歌唱力担当は永松佐々木の二人が担うことが多いように思うが、高梨の歌唱力はけっこう映える。株と激辛だけじゃない。そのうちパフォーマンス中にデイトレードしてほしい。

 

夏目涼風はアイドルとして真っ当である。バラエティ的な部分で見せる側面は本当に珍妙であるし、このイベントで披露された「考える時間をください」における大喜利パートでは完全にやらかしていたけども、アイドル部分のパフォーマンスは実にそつなくこなし、そして堅実である。不思議な子だ。圧倒的に静止画よりも動画が可愛いのも不思議。

 

佐々木楓菜はちょっと調子が悪そうに見えた。気のせいだったら申し訳ない。イベントでも披露された「君ときゅんと♡」「カラフルタイム」を作詞作曲するクリエイターとしての才能も持ち合わせているラフラフ屈指の逸材なので、大切にしてあげてほしい。昨日のライブからの今日のイベント・対バンライブときて明日もFNS歌謡祭をかけたイベント。今が勝負なのは分かるが、ちょっと詰め込み過ぎという気もするので余計に心配。

 

永松波留は相変わらずロマン砲だ。まだ才能を爆発させてないけど、ラフラフが売れるとしたら日比野だけではなく永松が売れなくてはいけないのだ。今回のイベントも「私だけ北海道に来て大喜利やってないけどいいの?」という一言が可愛すぎた。永松の持つ魅力が爆発した瞬間にラフラフは売れてしまうのだ。そろそろ導火線に火がついてもいい頃だと思うんだけど。

 

アルバムリード曲「何満開(なんまんかい)」で心掴まれたのが藤崎未来。サビ前のパートを任せられているが、今までの曲では見られなかった力強い歌声を披露している。これがエモい。作詞作曲がエビ中私立恵比寿中学)に多くの楽曲を提供しているたむらぱん(田村歩美)という間違いのなさ。SNSでバズるとかそういう感じはしないけど、長く続けていく上で大切な曲になるのは間違いなさそう。というわけでこの曲の藤崎がすげえ良い。特にパート割りが絶妙で、歌っているラフラフメンバーもこの曲に体重が乗る感じがしているんじゃないか。佐々木が一番大事なところを歌っているのも唸る。この曲が生で見れたのが本当に収穫。

 

そしてリーダー齋藤有紗がこれまた「何満開」でとてもよい。どうしても笑いにウェイトがいきがちのリーダーではあるけど、アイドルとしてのポテンシャルもちゃんとあるんだぜと思わせてくれる人。そしてやっぱりこの人美人です。そう思わせてくれないくらい笑いに熱いところが最終的に笑ってしまうんだけども。

 

というわけで目は離せないけども、こちらから接触はしないラフラフさんたちを見終えて、次の現場へ。

 

爆弾

タイトルの通り映画「爆弾」を見てきました。一言で感想言えば「爆弾こわい」。

www.youtube.com

在日ファンクの曲は軽快でコミカルですが、映画はなかなかにハード。ちなみに在日ファンクのボーカルで役者もこなすハマケン(浜野謙太)は出てません。この映画を見た人が口をそろえて「この映画は佐藤二朗を見るためのもの」だと言うはず。劇中でスズキタゴサクを名乗る男は本名も素性も明かさないが、たぶん本名は「佐藤二朗」なんでしょう。佐藤二朗でしかないもの。

 

映画本編の感想はネタバレになってしまうので書きませんけども、見ながら、見終わってのどうでもいい感想をふたつ。一つは「この映画でもポップコーンって食えるんだな」ということ。自分は映画を見るときは基本何も口にせず集中したいタイプなので、どんな映画であろうと何も買いません。でまあ、映画のお供にポップコーンやら飲み物やらを買うことに関してとやかく言うつもりもないのです。それが笑って楽しめる映画ならなおさら。

 

けどまあ今回の「爆弾」もそうだけど、「この内容ってわかっててポップコーン食いながら見るもんかね」問題は自分の中でなかなか決着しない。爆弾犯と警察の息詰まる攻防を見ながらお前はポップコーン食うのかね、と。恐ろしいことに映画が終わって帰るときに不躾ながら他人のポップコーンの容器見たら、大抵のポップコーンがなくなってるのよ。あの緊迫感の中、どんな気持ちでポップコーン頬張れるんだよ。そんな呑気にポップコーン食うスキマなんてあの映画の中にあったのか、と。そんなこと考えたら映画の中身より「この内容でポップコーンをカラにする神経」のほうがよっぽど怖いなと。そんな中ほとんど手つかずでポップコーンを残していた中学生か高校生くらいの子がいた。その感性を大事にしてほしいとオジサンは切に願う。なぜその歳でこの映画を見に来たのかは謎だけど。

 

もう一つはこの映画、フジテレビも金出しているんですね。それなのに「99人の壁」が復活しないこと。これがもう哀しくて哀しくて。映画の宣伝としてネプリーグに出演した正名僕蔵広辞苑に載っている「爆〇」という言葉を答えろという問題で「爆乳」と答えてしまいSNSが盛り上がったのは記憶に新しいが、だったら主演の佐藤二朗(主演は山田裕貴なのかも)が司会でタゴサクっぷりも存分に発揮できるフジで放送していたクイズ番組「99人の壁」が特番で復帰してもよさそうなもんなのに、そんな話全く聞かないのがマジで哀しい。色々準備が大変な番組であることは承知しているんだけども、それでもこんなお誂えの機会なんて滅多にない。にも関わらず復活しない。もうフジが金も余裕もないんだろうな、というのを感じさせる一件。

 

それはともかく、「爆弾」、見てよかったです。

 

40代

最後は自分が中学高校の同級生と飲んだよというだけの話です。この歳になると話題は上記のようなアイドルの話でも最近見た映画の話でもなく、家族の話か健康の話か、はたまた思い出話になるわけです。それでいいんです。久々に会えて楽しかったよ。これは心から本当に。

 

久々の休みだったので、やりたいことやりたい予定を詰め込んだら思いのほか充実した1日になってしまった。年に1度あるかないかの大盤振る舞いです。

 

お笑い好きじゃなかった

11/1から「DOWNTOWN+」が配信開始されるじゃないっすか。

 

ダウンタウン松本人志が文春の報道を受け裁判に注力するとしてテレビから姿を消したのが2024年のことでした。同年11月には松本側が訴訟を取り下げたものの、そこからテレビに復帰する等の動きが見られなかったが、今年に入って独自の配信プラットフォーム「DOWNTOWN+」を始動させることを発表した、という流れ。

 

松本の性加害に関する疑惑が依然として残る中、配信が開始されるという点に反発する人もいるのだとか。特に配信番組に出演が予定されている芸人のファンがああだこうだ言う投稿がtwitterあたりには散見され、なんだか不毛だなと思う。別にダウンタウンの番組に出ることが加害を容認しているだとか松本側に立っているというわけでもなかろう。出演する芸人だってそこらへんを全部ひっくるめて考えてオファーを受けているだろうに。自分の意識が先走って応援する芸人の人格を考慮しないっていうのはなんだかよく分からないが、まあそういうもんなのだろう。

 

言い方は悪いかもしれないが、こんな風に言われてしまうリスクを抱えながらも、それでも多くの芸人(じゃない人もいるけど)が出演する。もちろんギャラが高いとかの理由があるのかもしれないけど、やっぱり芸人の立場からすれば「ダウンタウンの番組に呼ばれる」ということは特別なことなのだろう。世間への見え方も大事ではあるが、それでもなお出演する人がたくさんいるということは、出演する側の評価としてそういうことなのだ。これって結構大事なことじゃないかと思うのだけど。

 

だからまあ、注目度は高い。とりわけお笑い好きなら見ない手はないくらいの勢い。月額1100円と少々高額ではあるものの、それでも多くのお笑い好きが目にするのだろう。

 

でも自分は見ない。なぜなら、月1100円を払って見るまでの興味と期待がないからだ。

 

これは性加害がどうこうの話のポリシーはまったく関係ない。もし松本にこのようなトラブルが起きておらず、今もって現役でバリバリテレビに出ていたとしても、いや出ているのならなおさら見る気がしない。バラエティ見るのにお笑い見るのにお金払ってまで見なくても、自分は無料のテレビバラエティでいいやってなる人。

 

こういうこと書くと「コンテンツに金を払わないとか大人のやることではない」とか言われそうだ。いや言われてるな既に。もっともだと思う。そりゃ自分だって見たい配信は金払って見てきた。けどテレビで散々無料で見てきたダウンタウンの、松本人志のお笑いを、今更金払って見るほどの興味があるかと言われれば、正直そんなにない、というだけの話。

 

でまあ自分で気づいてしまったんですよ。ああ自分は本当のお笑い好きじゃないなって。ずっとお笑い好きだと思って40年ちょっと生きてきましたけど、結局ダウンタウンの配信見るのに毎月1100円払うのが惜しいくらいにしか好きじゃないんだって。自分にがっかりしている。松本の報道に対するポリシーを抜きにすれば、お笑い好きなら誰しもが金払って見るようなコンテンツに食指が動かない。こんなもんお笑い好きでもなんでもないじゃん。同様の理由で「めちゃイケ」岡村オファーシリーズ最新作の配信も全くそそられなかった。こっちに関しては「終わるべくして終わった」番組という認識があり、これ以上もう何を見せられても「終わってるしなあ」としか思えないからだ。

nageyarism.hatenablog.com

自分はただ「テレビから無料で流れる無駄に面白いバラエティ」が好きだっただけなんだと思う。自分の世代にとってダウンタウンはお笑いの象徴みたいなもの。その象徴がこれから作る笑いの世界に金が払えないだなんていうのは、それはもうお笑い好きでもなんでもないや。自分の何か新しいものを受容しようとする貪欲な感性が鈍ってきている証拠だ。このまま朽ちるがいい。

 

 

 

ただ、その一方で「過去に松本人志の映画に金払ったことへの不信感じゃねえかな」って気も少しだけするので、そういう泥みたいな自分の感性のほうはいまだ現役だねえとも感じる。あとまあほんの少しだけ「これだけ大風呂敷広げておいて本当に面白くなるの?」は正直ある。

 

微調整

高校生クイズ」2025見ました。

 

昨年度をベースとして、どろんこ○×、タイマンダッシュ、バラマキなどを散りばめ、青春要素を盛り込んだ「こういうのでいいんだよ」がちゃんと詰め込まれていた安心できる番組に。タイマンダッシュで男女の走る距離が変更されていたのは非常に良い。やはりそうあるべき、という微調整があったのもよい。

 

ただし昨年のことを踏襲しすぎて、「この先何が起こるんだろうか」というハラハラ感はあまりなかったように思える。あまりに昨年過ぎた。ベースはベースで構わないから、ここにもう一つ何か「昨年とはちょっと違うこと」が入るだけで視聴者も出場した高校生もハラハラ感があったんじゃないかと。津波注意報で日程がズレこんだアクシデントがあったので、もしかしたら他に何か用意していたことが出来なかった可能性はある。だからそんなに声高に言うことでもない。昨年の踏襲でも「知の甲子園」よりは百億倍マシなのだから。

 

あとはまあ、クイズの中身かなあ。〇×やタイマンダッシュあたりは本当に良くできていて文句なし。1回戦の勝ち抜け早押しや決勝の早押しはやはり「クイズのためのクイズ」であり、どうしても競技クイズ感があって自分はなじまない。もちろん「競技クイズ」という世界があり、そこで強い者が高校生クイズでも強いという図式はキレイで分かりやすいのだけど、これを続けている以上はもう先細っていくしかない。私立の名門を公立の名門が倒すのがジャイアントキリングなのだろうか。クイズなんかやったことないギャル3人組がメガネドヤ顔男子を出題ジャンルの偏りでもってなぎ倒していく理不尽さが起こすジャイキリのほうが面白くないか。「結局クイズ研究会じゃないと勝てない」なら、それはやっぱり数多の高校生が出ようと思わないんだよなあ。最後はクイズのための知識で構わないから、最後まではクイズのための知識ではない「何か」が介在していても、高校生クイズは、いや高校生クイズだからこそいいんじゃないかと。

 

でもまあ、今の「高校生クイズ」に参加しようと思うのはクイズノックに憧れをもって参加しているような高校生だろうから、ただクイズのためのクイズを答えてカッコよければいいのかもしれない。そこは時代だ。オッサンのノスタルジーよりは今の高校生に合わせて作ればいいんだろう。

 

今のテレビの中で出来る範疇で、ここ2年の「高校生クイズ」は頑張っているとは思う。次のステップは「これならクイズ研究会じゃなくても勝てるんじゃないか?青春のイベントとしてアリじゃないか?」ともう少し広い層にアピールすることよ。だからこそクイズのジャンルを幅広く、そしてクイズのための知識ではカバーしきれない「高校生の日常に即したクイズ」が欲しいよな。こんなこと贅沢な注文なのかもしれないけど、最悪の状況を脱した今だからこそ、こういうことこそ声高に言うべきだと思ってる。CANDY TUNEのメンバー多答クイズぐらいあったっていいだろう。今回も本当にアニメゲーム芸能問題少なかったよな。これらはジャンルとしてもう成り立たないんですかね。はあ。

 

 

ヒゲと佐久間と北大で

藤村忠寿と佐久間宣行の対談を北大祭(北海道大学祭)まで観に行きました。完全なる備忘録です。

 

藤村忠寿大泉洋を世に出した「水曜どうでしょう」のディレクター。大泉洋からはヒゲと呼ばれ、どうでしょうの出演者としてもお馴染み。佐久間宣行は元テレ東でテレビプロデューサー。代表作は「ゴッドタン」「ピラメキーノ」で、今はYouTubeでも番組を持ち、Netflixでも番組を作る売れっ子。ラジオも面白い。この二人が北大で対談するというのだから、これは素直に見たかった。

 

当日仕事があるのは確定していたが、なんとかまあ仕事の時間を調整して(無理やり午前中に押し込んだとも言える)行けるめどがついたのでチケットを購入。張り切りすぎて発売直後に少しだけ高い前方優先席を即購入したら、なんと最前列だった。そんなに焦らなくてもよかったらしい。

 

完全に私事ではあるが、20年ぶりの母校の学校祭でもあった。藤村Dは年次は全然違うが北大の学部の先輩にあたるし、またアルピーのANNに乱入したときからただのファンでしかない佐久間Pも生で見たい。どうせなら母校の大学祭も久々に見てみたい。いろんな要素が偶然に重なった結果の行動でもある。

 

このブログは元をたどれば大学の情報の授業で「自分でHP作ってみろや」という課題があり(当時の教養の情報なんてそのレベルだった)、そこで作ってみたのがこの「投げヤリズム」なのである。スタートは大学での戯れ。それが今でも形を変えてこんなにダラダラ続けているのだから笑ってしまう。いや笑えないのか。

 

そんなことを考えつつも会場のクラーク会館へ。中に入るのはそれこそ20年ぶり。会館の中身が全然変わってないところが大学という空間の恐ろしいところである。電子チケットとは本当に便利なもので、スマホをかざして何の混乱もなく講堂へ。

 

対談開始前の最前列からの風景。下手に藤村D、上手に佐久間Pが座りましたので自分は佐久間P側にいた。

 

ちなみにすぐ傍の壇上に上がる階段が使用禁止になっていたが、これは前日来ていた春とヒコーキ(バキバキ童貞でお馴染みぐんぴぃと土岡によるお笑いコンビ・タイタン所属)が鬼ごっこして壊したらしいことがTwitterで判明。つい撮影してしまった。階段もバキバキである。

 

学生運営の呼び込み「藤村先生・佐久間先生」で二人登場。さすがにこの二人を「先生」呼びするのは聴衆も本人たちも違和感しかなかったらしく、会場が少しザワつく。

 

一応学生が「司会進行」の役割ではあったのだが、対談する二人がそもそも裏方の人間だとは思えないほどトークが上手く、ほぼ学生の出番はなかった。対談テーマも複数用意されていたが、開始数分で「こりゃ時間内に終わらないな」と感じる勢いで二人が喋るので、結局ふたつほどテーマが消化されなかったのはご愛敬である。放っておけばこの後2時間でも3時間でも喋っていたのだろうが、なにせこのあと沢木耕太郎の講演が控えていたので押すこともできないという事情もあり。

 

「どうでしょう」のファンである佐久間Pがどのようにして番組が出来たのか、という内容からトークが始まり、あとはもう一応テーマに沿って喋りはしたものの、ただただ面白い興味深い話を90分ノンストップで聴けたというだけ。佐久間Pが喋りが達者なのはラジオで当然知っているわけだが、なにせ藤村Dも百戦錬磨でトークが上手い。たぶん対談企画した大学生もこんなに勝手にしゃべり続けると思わなかったんだろうな。

 

印象に残ったトークを挙げておくと、藤村Dの「視聴者の意見は聞かない」だろうか。視聴者も要望しているときは熱を帯びているが、それはただ言い出していることに対して盛り上がっているわけで、実行に移したところでそれ以上の盛り上がりはないというような話だったかと思う(完全にうろ覚えだ)。とりわけSNSの意見に左右されがちな最近のテレビに対して言っているなこれは。また「(どうでしょうで)原付で走る映像が続いても、マラソン中継がほぼ同じ映像なのにも関わらず2時間なんとなく見られてしまうから大丈夫だ」というのも笑ってしまった。確かになあ、と。

 

佐久間Pは「自分がちゃんと知らないことはできない」という話。先日IT企業がアニメ作りたいからと呼ばれて会議をしていたが、会議の参加者が誰も最近のアニメを見ていなくて「お前ら誰もアニメ見てねえじゃねえか」と珍しくキレた話をしていた。そこにかこつけて佐久間Pが手掛けるアイドル「ラフ×ラフ」の話も少しだけ登場し、アイドル手掛けてみて3年が経ち、ようやくアイドルのことが少し分かり始めたと言っていた。これはもしかして売れるのか、ラフ×ラフ。

 

そして佐久間Pの佐久間Pたる所以を見せつけたのが「忙しい中どうやってメディアの作品を見る時間を作っていますか?」という質問に対し「忙しい中見る時間を作るのではなく、メディアを見る時間のスキマに仕事をしている」という回答の中の一幕。ラジオリスナーである自分は「メディアを見るスケジュールと仕事のスケジュールを同列に管理している」ことはもちろん知っていたのだが、その証左として「前日に北海道入りして午前中に朝からシネマフロンティア(札幌駅ビルにある映画館)で映画見た」というなかなか考えられないエピソードを披露。本人が「これ引かれると思うんですけど」と言っていたが、このエピソードはさすがに半日休みがあったら何したいと目を輝かせて喋る佐久間P過ぎた。

 

というわけで司会の学生が時間配分に苦慮しつつも対談は終了。本当にあっという間の90分だった。ちなみに間近で見る佐久間Pは言われているほど大きさは感じなかったが、キンタロー。がやっているモノマネは顔の造形と笑い方が激似であることが肌をもって感じられたのが収穫です。

 

おそらくまあこんな機会は二度とないわけで、そこに立ち会えたのは素直に楽しかったです。最近のテレビは「得体の知れない人が出てくる場所」ではなくて「何かやった人を連れてくる分かりやすい場所」になっていると二人。それだけテレビというメディアに余裕がなくなり相対的な価値が落ちているという意味なのだが、それでもやはり自分は「何かザワザワするもの」をテレビで見たいんじゃあという気持ちもあるので、とりあえず死ぬまでずっとテレビ見続けるんだと思います。