彼らの物語、僕の視点|妙見宙の語るBL世界

男性が語る、深みと共感のBLワールド

タイ・韓国・台湾・スウェーデン|2025年に見た海外BLドラマ感想

先日は2025年に最終回を迎えた日本のBLドラマについて振り返りましたが、せっかくなので今回は、2025年に各種動画配信サービスで視聴し終えた海外BLドラマの感想をまとめていこうと思います。
今回取り上げる作品は、2025年制作というわけではなく、少し前の作品も含まれています。

視聴時は基本的に字幕を追いながら見ているため、細かい演技や演出については見落としている部分も多いと思います。
その分、国内作品の感想よりも、物語や設定、展開といったストーリー面に重きを置いた感想になると思います。

タイ、韓国、台湾、スウェーデンと制作国はさまざまですが、配信サービスは一度にたくさん契約できないため、少しFOD多めのラインナップになっています。
それぞれの国ならではの価値観や、物語の描き方の違いを感じられたのも、海外BLドラマならではの楽しさでした。

なお、以降の感想はストーリーの内容に触れる部分もあるため、多少のネタバレを含みます。未視聴の作品がある方は、その点だけご注意ください。

 

Spare Me Your Mercy(タイ/FOD)

医師でもあるSAMMON先生による小説が原作のドラマで、テーマは安楽死
日本の作品で例えるなら、『チーム・バチスタ』シリーズの『螺鈿迷宮』にBL要素を加えたような印象の作品です。

安楽死推進派の医師・ガン(※役名です)と、安楽死を行っている犯人を追う警察官ティウを軸に、関係者それぞれの思惑が複雑に絡み合い、BL要素がありつつも、サスペンスとして十分に楽しめる内容になっていました。

ガン医師とティウは、安楽死というテーマにおいて、どう考えても分かり合えない立場の組み合わせです。
最悪の場合、ティウはガン医師を殺人犯として逮捕しなければならないわけで、2人の幸せそうなシーンを見ていても、内心ずっとハラハラさせられました。
その緊張感が途切れない点も、この作品の大きな魅力だったと思います。

ラストシーンについても、個人的には悪くない落とし所だったと感じました。
原作小説ではその後の物語も描かれているそうなので、機会があれば読んでみたいですね。英語ですが……。

 

4 minutes(タイ/FOD)

こちらも同じく、SAMMON先生の小説が原作です。
ある事故をきっかけに、ピンチの場面では「それが起こる4分前に戻る」能力を手に入れた主人公・グレートと、彼がとある事情で訪れることになった病院の研修医・タームを中心に描かれる物語です。

本作も、多くの登場人物の思惑が絡み合う複雑な構成が魅力ではあるのですが、ラストに関しては『Spare Me Your Mercy』と比べると、やや納得度が低かったように感じました。
「この人、誰だっけ?」と思ってしまう人物がラスボス的な立ち位置だったり、かなりの人数が亡くなったりと、少しモヤっと感が残ったのが正直なところです。

なお、『Spare Me Your Mercy』にはいわゆる濡れ場はほとんどありませんが、本作はかなり攻めたシーンが多く、その点での温度差には驚かされました。

 

名前のない季節(韓国/YouTube

いわゆる学生BLの王道的な展開を描いた作品です。
1話15分前後・全8話構成で、正確には『名前のない季節』が6話、『自転車に乗って』という別名作品が2話分あります。
ただし、同じ世界観で描かれているため、ここではまとめて感想を書きます。

短尺構成ということもあり、全体的にコンパクトにまとまっていて非常に見やすいです。
その一方で、尺の都合上どうしても無難な展開になりやすく、奇をてらったストーリーや大きなどんでん返しは控えめ。
安心して見られる反面、人によっては少し物足りなさを感じるかもしれません。

 

Last Twilight(タイ/FOD)

これはもう、どえらいドラマでした。
日本の作品で例えるなら、『ひだまりが聞こえる』を視覚障害というテーマに置き換え、物語の強度を鬼のように強化した作品、という印象です。

まず脚本がとにかく素晴らしい。
伏線の散らばせ方と、その回収のタイミングが非常に巧みで、物語に引き込まれる力が段違いでした。
1話60分前後・全12話というかなりのボリュームにもかかわらず、中だるみをほとんど感じさせない構成なのも驚きです。

また、エンディング曲も強く印象に残りました。
タイ語の楽曲にもかかわらず、思わずダウンロードしてしまったほどで、今でも聴くたびにドラマのシーンが鮮明によみがえり、目頭が熱くなります。

 

ヤングロイヤルズ(スウェーデンNetflix

こちらは、ある意味で逆方向にどえらい作品でした。
スウェーデンの高校を舞台に、王子ヴィルと、作中の高校ではどちらかというと「貧しい側」に位置づけられる一般家庭出身のシーモンによる、身分違いの恋愛を描いた物語です。

実は視聴を始めたタイミングは、今回取り上げる作品の中でもかなり早く(たぶん2024年末ごろ)だったのですが、全3シーズンとボリュームが多いこともあり、何よりあまり積極的に「続きが見たい」と思えなくて、完走までにかなり時間がかかりました。

というのも、登場人物のほとんどが自己中心的で、他人を思いやる行動をほとんどしないんですよね。
友人を裏切るのも当たり前、王子であるヴィルでさえ、ルール違反やモラルに反する行動を繰り返します。
唯一、脇役のフェリスが途中で「人の心」を取り戻し、ピンチに陥ったヴィルとシーモンを支えようとするのですが、正直視聴者側からすると焼け石に水
そのため、最終回直前の顛末には「正直、ザマァとしか思えない」という感想を抱いてしまいました。

ここで終わっていれば、まあ平均点くらいの評価にはなったと思います。
しかし、その後ヴィルが王位継承権を放棄し、かなり雑な形でシーモンと結ばれて物語が終わってしまうんですよね。
そもそも、2人の関係がうまくいかない原因って、ヴィルが王族だからという理由だけではないと思うんです。
王室も別に恋愛そのものを否定しているわけではなく、「国民の理解を得るために準備が必要だから、今は目立つ行動を控えてほしい」と言っているだけ。
それなのに、シーモンは無自覚に火に油を注ぐような内容をSNSに投稿し、ヴィルも反発心から拗れるような言動を重ねてしまう。
その結果、どんどん制限が厳しくなっていくわけで。

王族に限らず、立場によって自由にできないこと、思うようにいかないことは誰にでもあるはずです。
そこを相手の立場を慮り、覚悟を持って行動できるかどうかが、パートナーとして大切な部分だと思うのですが、ヴィルとシーモンからはその覚悟が最後まで感じられませんでした。
正直、最終回から数週間後には、また喧嘩して周囲を振り回しているんじゃないかと思ってしまいます。

 

永遠の1位/2位の反撃(台湾/FOD)
タイトルは異なりますが、こちらは続きものの作品です。
『永遠の1位』は大学生時代、『2位の反撃』は社会人になってからの物語で、同じ世界観の中で学生BLと社会人BLの両方を楽しめる、なかなかお得な構成になっています。

「永遠の1位」から「2位の反撃」までの空白期間がちょっと長すぎない? とか、唐突に挟まれる日本語のセリフの意図は何? など、細かいツッコミどころはなくはありません。
それでも、全体を通して見ると、最後まで楽しく視聴することができました。

個人的に印象に残ったのは、『永遠の1位』で主人公シューイーの親友ポジションだったジョンウェンとユーシンの2人が、『2位の反撃』では一切登場しなかった点です。
学生時代の友情がそのまま続くとは限らない、という現実を突きつけられたようで、妙なリアルさを感じてしまいました。

 

おわりに

今回視聴した本数はまだそこまで多くないため、各国のBLドラマの傾向を語れるほどではありませんが、それでも国ごとに価値観や物語の組み立て方に違いがあることは強く感じました。
だからこそ、今後もさまざまな国のBLドラマを引き続き見ていきたいと思っています。

これまで『2gether』の印象が強く、「タイBLは自分には合わないかもしれない」と思っていたのですが、実際には探せばしっかり好みに合う作品もあり、今回の視聴を通してその認識は大きく変わりました。
一方で、スウェーデン作品については、今回は正直あまり相性が良いとは言えなかったのですが、まだ判断するには早いとも感じています。
ぜひ名誉挽回の機会があれば、別の作品にも挑戦してみたいところです。

海外BLドラマは、国内作品とは異なる文化や価値観に触れられるのが大きな魅力だと思います。
今後も視聴本数が増えたら、またこうして感想をまとめる記事を書いてみたいと思いますので、その際はぜひ読みに来ていただけると嬉しいです。

 

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2025年日本BLドラマを振り返る|ヒューマンドラマ化と二極化の一年

みなさんお久しぶりです。

2025年は、日本のBLドラマにとって「今年も豊作だったな」と素直に思える一年でした。
地上波と動画配信サービスの両方でさまざまな作品が展開され、青春ものから大人の恋愛、少し尖った設定の作品まで、ジャンルや空気感も本当に多彩だったと思います。

実は去年の2月に詐欺に遭ってしまい、その対応に追われていたこともあって、ブログの記事自体はあまり更新できていませんでした。
ただ、その一方でBLドラマはしっかりと追い続けており、視聴本数だけは例年通り、むしろ多かったかもしれません。

また、ドラマ以外にも2025年はBL映画やBL舞台も非常に充実しており、そちらについても感想を書きたい気持ちはあるのですが、記事がかなり長くなってしまいそうなので、今回は割愛します。
さらに、去年の後半からは動画配信サービス(主にFOD)を中心に海外BLも見るようになり、語りたい作品が増えているのですが、こちらについても今回は触れずにおこうと思います。

この記事では、2025年に最終回を迎えた日本のBLドラマの中から、僕が実際に視聴した作品について、軽めに感想をまとめていきます。
すでに最終回まで放送・配信されている作品が対象となるため、以降はネタバレありで書いていきます。
なお、『続・BLドラマの主演になりました』と『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 ファイナル』については、前シーズンをまだ視聴できていないため、今回は未視聴扱いとしています。

 

スロウトレイン

詳細は過去記事を見てください。

myokensora.hatenablog.com

いわゆるBLドラマというよりは、BL要素のあるヒューマンドラマ、という印象の作品でした。
同姓パートナーという存在が「特別なもの」ではなく、人生における当たり前の選択肢のひとつとして自然に描かれていた点が、とてもよかったです。

今振り返ると、2025年後半に放送された『美味しい離婚届けます』や『ぼくたちん家』のような、「BLという枠に収まりきらない、男性同性愛要素を含んだヒューマンドラマ」の先駆け的な作品だったのかもしれません。

 

未成年

詳細は過去記事を見てください。

myokensora.hatenablog.com

改めて自分の過去記事を読み返すと、かなり頑張ってポジティブに書いていて、思わず笑ってしまいました。
放送当時はSNSの盛り上がりがすごくて、少なからずその空気に流されてしまっていたのかもしれません。反省……。

時間が経って少し冷静になって見ると、どうしても以下の点が気になってしまいました。

① アフターストーリーまで視聴しましたが、水無瀬の成長がほとんど感じられない点(交友関係や母親に強く言い返せないところなど)。

② キスシーンが多すぎて、物語に引き込まれにくい点。
ストーリー展開に必ずしも必要とは思えないキスが続くと、どうしても集中力が削がれてしまいます。

③ 蛭川の母親の存在。
本作の重要なテーマは「未成年であるが故のままならなさ」だと思うのですが、彼女の存在によって「母親にSOSを出すのが最善」という構図になってしまいます。
実際、作中でも蛭川自身が「ここで暮らしたい」と言いかけるシーンがあります。
それにもかかわらず、最終的に母親に助けを求めない展開には、作者の都合というか、設定上の矛盾を感じてしまいました。

こうした理由から、残念ながら『未成年』は、僕の好きなBL作品トップ10からは外れることになりました。
未成年ファンの方、ごめんなさい。

 

ふったらどしゃぶり

詳細は過去記事を見てください。

myokensora.hatenablog.com

普通に面白かったですよね。
世界観や空気感も含めてとても好みだったので、関連作品である『メロウレイン』や『ナイトガーデン』も、ぜひ実写化してほしいなと思っています。

 

被写界深度

詳細は過去記事を見てください。

 myokensora.hatenablog.com

これはもう、一本のアート作品と言っていいと思います。
映像、音楽、演技のどれもが美しく、全体のトーンがとても洗練されていました。
特に印象に残っているのはエンディング曲の入り方で、あまりにも良すぎて、放送後に楽曲をダウンロードし、一時期は鬼リピしていたほどです。

正直なところ、ストーリー自体にはやや物足りなさを感じる部分もありましたが、その点をこの作品の「芸術点」がかなり補っている印象があります。
過去記事でも触れましたが、コミックス2巻分の内容を、1話30分・全6話のドラマに収めるのは、やはり少し無理があったのではないでしょうか。

 

恋愛ルビの正しいふりかた

正直に言うと、前半はそこまで面白いとは感じていませんでした。
ただ、物語が進むにつれて徐々に引き込まれていき、高校時代の気持ちのすれ違いが明らかになってからは、「なんとかこの2人が無事にくっついてほしい」と強く思うようになりました。

細かいツッコミどころは多々あるものの、作品全体を台無しにしてしまうほどの致命傷にはなっていない印象です。

また、高校時代にクズだった人物が、大人になってからもきっちりクズのままだった点は、個人的にかなり評価が高いポイントでした。

 

雨上がりの僕らについて

真城の母親・美都子さんのインパクトがあまりにも強烈で、彼女のエピソードがひと段落してからの展開に、どうしても蛇足感を覚えてしまいました。

また、シリアスなシーンの最中に急にギャグっぽい展開へ転ぶ場面もあり、そのテンポ感が個人的には少し苦手でした。
原作漫画通りの展開なのかもしれませんが、実写で見るとややしんどく感じる部分です。

主演の一人である堀さんについても、どちらかというとバラエティ向きな印象が強く、実際に彼のYouTubeチャンネルの雰囲気を見ていると、なおさらそう感じてしまいました。

 

40までにしたい10のこと

『ひだまりが聴こえる』のときも感じましたが、テレ東さんの行う原作改変は本当に上手いですよね。
雀の同僚や慶司の学生時代の先輩といったオリジナル要素が加わることで、主演2人のキャラクターがより立体的に描かれていました。

ただ、この作品をかなり雑に要約すると、「まともな恋愛経験がなく拗らせまくった40手前のおっさんが、イケメンの部下に突然告白され、舞い上がってデートを重ねるものの、ある日会社の同僚に関係がバレそうになった際、部下がとっさに口にした言葉に拗ねて別れてしまう。しかし、クリスマスイブ(おっさんの誕生日でもある)にやっぱり寂しくなり、よりを戻そうとする話」という感じになります。
なので、改変によって2人の関係性が丁寧に描かれた分、結果的に雀さんの身勝手さが、より際立つ形になったなという印象でした。

 

Love Sea

「よし、集中して見よう」と思っているのに、気がつくとスマホに手が伸びてしまっていた作品でした。
その理由を考えてみると、主に次の2点が思い当たります。

① 愛先生の声が高めで、物語的にも騒がしいシーンが多く、じっと聞いていると少ししんどく感じることがある点。

② 物語上の壁を乗り越え、「いよいよ愛先生と海心が結ばれるのか」と思った矢先に、また愛先生が新たな壁を作る、という展開の繰り返しで、どうしても飽きが来てしまう点。
最終回時点では一応結ばれている2人ですが、正直、また喧嘩しそうですよね。

一方で、サブカップルであるGLカップルの2人はとても魅力的でした。
また、ロケ地となっている海が本当に美しく、聖地巡礼したい気持ちが強くなった作品でもあります。

 

あなたを殺す旅

被写界深度』と同じく、1話30分・全6話構成と聞いたときは少し不安がありましたが、こちらはコミックス1巻分の実写化ということで、物語のボリューム的には特に過不足のない仕上がりでした。
やはり、このフォーマットだとコミックス1巻分くらいがちょうどいいのだと思います。

ヤクザものというジャンルではあるものの、主演2人から滲み出る「素のいい人感」が隠しきれておらず、どうしてもヤクザっぽく見えないな、という点は少し気になりました。
ただ、それを差し引いてもドラマ全体としては結構好きな作品です。

 

タクミくんシリーズ

設定がここまで振り切れていると、逆に細かいことがあまり気にならなくなるんだな、という印象でした。
ただ、その一方でカップルの数が多すぎるようにも感じます。
個人的には、もう少し主人公の2人にフォーカスして描いてもらえた方が、物語としては見やすくなったのではないかなと思いました。

 

25時、赤坂で Season2

正直に言うと、Season1は少し苦手というか、ほとんど内容を覚えていません。
ただ、「白崎くんがなんだか面倒くさいやつだった」という印象だけは、なぜか記憶に残っていました。

ところがSeason2は、驚くほど見やすくなっていました。
メインの5人それぞれにきちんと見せ場が用意されていて、全員がとても魅力的に描かれていたと思います。
物語としても素直に面白かったです。

これもテレ東さんによる原作改変がかなり入っているそうですが、そのバランス感覚が本当に見事ですよね。
原作はまだ続きがあるようなので、Season3にも期待してしまいます。

 

修学旅行で仲良くないグループに入りました

ドラマ化されると聞き、放送に先立って原作の小説も読んでみたのですが、正直なところ「内容が薄いな」と感じてしまいました。
言い方は悪いですが、小学生の日記のような印象です。

その原作をほぼそのままドラマ化しているため、全体的に起伏の少ない展開になっており、見ていて物足りなさが残りました。
個人的には、せっかく時間を取ってドラマを見る以上、ある程度の起承転結や、心に残る感動ポイントがないと、「時間を無駄にしてしまったな」と感じてしまいます。

 

パンクストライアングル

千明くんの女性っぽい所作がどうしても気になってしまいました。
カップルの一方を過度に女性的に描くのであれば、無理にBLにしなくてもいいのでは、というのが個人的な意見です。

ただ、後半はファッションショーの映像の迫力もあって、かなり引き込まれました。
服飾学校という、普段の生活ではなかなか触れることのない世界を覗けた点も含めて、その部分はとても良かったと思います。

 

おいしい離婚届けます

BL要素のあるヒューマンドラマですが、前半は『毒恋』からコメディやファンタジー要素を抜いたような印象で、きちんと法廷バトルが描かれており、普通に面白かったです。

ただ、後半に進むにつれて、主人公サイドが気持ちを語ると相手があっさり納得してしまう、という展開が続き、少し物足りなさを感じました。
最終回までその流れだったのが、個人的にはやや残念でした。

 

ぼくたちん家

見ていて、昔のドラマ『すいか』を思い出したのですが、調べてみたらプロデューサーさんが同じなんですね。
『すいか』が好きだった身としては、その空気感を現代にオマージュしたような本作も、とても楽しく視聴できました。

及川さんの、少し抜けたところのあるおじさんの演技も印象的で、個人的にはかなり好みでした。

 

セラピーゲーム

湊役のNAOYAさんの雰囲気がとにかく印象的でした。
両性的という言葉がしっくりくる佇まいで、役柄にも非常によく合っており、見事な演技だったと思います。
また、ママ役の山中さんがかなりハマっていて、その存在感も作品の空気作りに大きく貢献していました。

脇役として小西さんや井出上さんなど、個人的に好きな俳優さんが出演していた点も、評価が高くなるポイントです。

 

ifの世界で恋が始まる

第1話がとにかく素晴らしかったです。
僕自身もサラリーマンという立場なので、共感できる部分が多く、かなり感情移入しながら物語に引き込まれました。

設定やキャストはとても魅力的だっただけに、本作も1話30分・全6話構成だったことが悔やまれます。
後半はどうしても駆け足な印象が強く、少し消化不良に感じてしまいました。
原作は小説1巻分とのことですが、コミックスと比べると小説の方が情報量は多いと思うので、この構成ではやはり短かったのではないでしょうか。

 

10dance

映像のクオリティが非常に高く、思わず見入ってしまう作品でした。
とにかく「これは相当お金がかかっているな」ということが一目で伝わってくる映像で、ダンスホールの空間や電車の車内装飾など、細部までじっくり目を凝らして見たくなります。
噂通り、Netflixは本当に制作費が潤沢なんだな、と実感させられました。

その豪華な舞台装置に負けないくらい、俳優さんたちの演技も素晴らしかったです。
特にダンスシーンは、ど素人の僕にも気合いや熱量がはっきり伝わってくるほどで、練習量が相当だったことが容易に想像できました。

一方で、ストーリー面ではやや中途半端というか、観終わったあとにモヤモヤが残る部分もありました。
とりわけ、杉木さんのパートナーである房子さんの扱いが不憫で、彼女が少しでも報われてほしかったな、という気持ちが強く残っています。

ただ、そうしたマイナス点を補って余りあるほど、映像美と俳優さんたちの本気のダンスが圧倒的だったのも事実です。
総合的に見て、十分に「見て損はない」作品だと思いました。

 

おわりに

全体を振り返ってみると、2025年の日本のBLドラマは、『スロウトレイン』や『美味しい離婚届けます』、『ぼくたちん家』のように、いわゆる「BLドラマ」というよりも、ゲイの人物が自然に登場するヒューマンドラマが増えてきた一年だったように感じます。
恋愛そのものよりも、生き方や人間関係にフォーカスした作品が目立っていたのが印象的でした。

一方で、BL作品として見ると、『タクミくんシリーズ』や『修学旅行で仲良くないグループに入りました』のような、物語は比較的薄めで、イケメン同士のイチャイチャを楽しむことに重きを置いた作品と、『25時、赤坂で Season2』、そして尺の都合でやや駆け足にはなっていたものの『被写界深度』や『ifの世界で恋が始まる』のように、設定や物語そのもので視聴者を惹きつける作品とで、二極化が進んでいるのかなとも思いました。
この界隈では前者のタイプの方が人気がある印象ですが、個人的には後者の作品が好みなので、今後もぜひ頑張ってほしいところです。

 

今回触れた作品の中には、また個別でじっくり感想を書きたいものもいくつかあります。
その際は、よければまた読みに来ていただけるとうれしいです。

 

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大胆すぎる濡れ場とモヤる結末 BL映画『美味しい運命』感想【ネタバレあり】

この夏、地上波ではBLドラマが次々と放送され、大きな盛り上がりを見せています。
どうやらその波は映画にも広がっているようで、夏から冬にかけてBL映画の公開が相次ぐ予定です。(前回の記事で紹介した『鯨が消えた入り江』もその一つですね。)

今回は、その中でも9月5日から18日までの2週間限定で池袋シネマ・ロサにて上映された『美味しい運命』を観てきました。
全国公開ではなく池袋のみ、しかも宣伝も控えめだったこの作品。「これは気になる!」と足を運んできた次第です。

すでに上映は終了しているため、今回の感想記事もネタバレありでお届けします。

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映画『美味しい運命』感想

原作:無し

 

あらすじ・作品概要

主人公の憐は、妹を原因不明の自殺で失ったことをきっかけに心を閉ざし、「解決屋(トラブルシューター)」として日々を過ごしています。
依頼を受けてターゲットとなった男性を誘惑し、時にはセックスまでしてしまう――そんな危うい生活を続けていました。

そんなある日、妹が命を絶った現場で倒れていた元ホストのナヲトを助けたことから、思わぬ同居生活が始まります。
家事を一手に引き受けてくれるナヲトと過ごす日々は、憐にとって心地よく、少しずつ彼の心の氷も溶けていきます。
しかし、その先には驚きの展開が待っていて……。

本作は「OP PICTURES+」レーベルのオリジナル企画によるBL映画第5弾。主演の向理来さんをはじめ、山内大輔監督、そしてBL監修のかさいあみさんが5度目のタッグを組んで制作された注目作です。

 

大胆なセックスシーンに驚き

まず驚かされたのは、冒頭からいきなり始まるかなり濃厚なセックスシーン。
しかも主人公の憐だけでなく、他の登場人物にまで同じレベルの濃さで描かれるセックスシーンが用意されていて、「え、これってピンク映画じゃないよね?」と思わず心の中でつぶやいてしまったほどです。
劇場の大画面で繰り広げられる濃密な絡みは、正直なところ想定以上。
体感的には上映時間の半分くらいを男同士のセックスシーンに費やしていたのでは……というくらいのインパクトがありました。
実際はそこまで長くはないのでしょうが、印象が強すぎです(笑)。

後から調べてみてわかったのですが、主演の向理来さんはかなり有名なAV男優さんとのこと。
その経験値ゆえか、セックスシーンに妙なぎこちなさがなく、キャラクターの設定にも自然にハマっていました。
ある意味では作品に説得力を与えていた部分かもしれません。
一方で、他の俳優陣はAV出身ではないようで、それでもここまで思い切った演技に挑戦されていたのには純粋に感心しました。ギリギリのラインを突いた大胆さに、ただただ驚かされるばかりでした。

 

ストーリー的には……

物語を追っていく中で、正直かなり引いてしまう展開もありました。

ナヲトはホスト時代、常連客に売掛金を飛ばされてしまい借金に追われ、食事も満足に取れずに倒れていたところで憐と出会います。
やがて憐の協力でその女性を見つけ出すのですが、なんと裏の風俗に売り飛ばして借金を返済してしまうのです。
この時点で倫理観が大きく揺さぶられ、素直に物語を楽しむことが難しくなりました。

さらに驚かされたのは、憐の妹の自殺にナヲトが深く関わっていたという事実。
ホストになる前、ナヲトは地下アイドルとして活動しており、憐の妹はその熱心なファンでした。
ファン活動のために借金を背負った末に、彼女は自ら命を絶ってしまったのです。
ナヲトはその“アイドル時代の失敗”をホスト時代にも繰り返していたわけで、観ていて嫌悪感を抱かずにはいられませんでした。

一方の憐も、解決屋として依頼された男性を誘惑し、罪のない人を陥れて人生を狂わせてしまう存在です。
結果的に主人公2人のどちらにも感情移入できず、「憐にいつかバチが当たるのでは?」「実はナヲトは昔、憐が陥れた人の関係者で復讐に来たのでは?」といった展開を期待しながら観ていたのですが、実際には憐とナヲトがあっさり結ばれてハッピーエンド、という結末にモヤモヤが残りました。

あらすじでも触れましたが、本作は同じスタッフ陣による向理来さん主演のBL映画第5弾。
どうにも「監督が向理来さんを撮りたいから作った作品」という印象が拭えませんでした。
確かに向理来さんのビジュアルは魅力的で、さまざまな表情をカメラに収めたくなるのも理解できます。
しかし、もう少しストーリー面に力を入れてくれたら、作品全体の印象は大きく変わったのではないかと思います。

 

評価

ストーリー:★★☆☆☆

キャラクター:★★★☆☆

演技:★★★☆☆

エロ度:★★★★★

メッセージ性:★☆☆☆☆

 

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批判寄りの僕とポジティブな友人 映画『鯨が消えた入り江』感想【ネタバレあり】

先日、友人と一緒に映画『鯨が消えた入り江』を観てきました。
公開から少し時間が経ったこともあり、話題もひと段落ついた頃かなと思うので、今回はネタバレありで感想を書いていこうと思います。

ただ、僕の感想はどうしても批判寄りになりがちで……(笑)。
せっかく友人と一緒に観たので、今回は少し趣向を変えて、その友人の感想を中心に紹介してみることにしました。
僕と友人の受け止め方の違いなんかも楽しんでもらえたら嬉しいです。

劇場にて。

www.march.film

 

映画『鯨が消えた入り江』感想

原作:無し

 

僕の感想

友達の感想に入る前に、まずは僕自身の感想を簡単に書いておきます。
ちなみに今作は Netflixで一回、劇場で三回、計四回 観ています。その上で感じたのはこんなところです。

良かったところ

・映像がとにかく綺麗で、見終わったあと「また台湾に行きたいなあ」と思わせてくれた

・音楽が各シーンにしっかりマッチしていて、物語に自然に溶け込んでいた

・主演の二人がイケメンで演技も良く、キャラクターに不自然さを感じなかった

気になったところ

・初見では時系列がかなり分かりにくく、他の方の考察記事を読んでやっと整理できた

・手紙が届くタイミングに少しご都合主義を感じた

(基本は「天宇の手紙は10年前の阿翔へ」「阿翔の手紙は10年後の天宇へ」届くのに、物語の重要な場面ではそのルールが曖昧になっていた印象)

・阿翔が台北に行かなかった=その分、他の誰かが犠牲になったのでは? という点が気になり、少しもやもやした

 

友人の感想

ここからは、友人の感想を僕との対話形式で紹介していきます。

 

作品全体について

僕「映画どうだった? 面白かった??」
友人「めっちゃ良かった! 俺の好きなタイプのストーリーだった!!」

 

友人「阿翔が天宇を死なせないように必死なのが切なかったな」

僕「どこか印象に残ったシーンはある?」
友人「ラストの海岸のシーンはよくやってくれたと思う。日本の映画だったら、電車で目が合うところで終わりそうだけど、やっぱりハッピーエンドって分かるほうがいいよね。というか、冒頭の花火が巻き戻るシーンって、そういうことだったんだな」

僕「……ちょっと待って。複数回観てる僕より解像度の高い感想やめてもらっていいですか(笑)」

 

僕「時系列に関しては理解できた?」
友人「分かりにくいところもあったけど、なんかすごいことが起きて、丸く収まったっぽいから大丈夫!!」

僕「手紙が届くタイミングについてはどう?」
友人「たぶん、そこに届いて欲しいと強く願った届け先に届くんだよ!!」
僕「ポジティブだなぁ。」

 

僕「阿翔が台北に行かなかったことで新たな犠牲者が出たかもしれないし、阿翔と俞心は出会わないから、俞心は作家じゃなくなっちゃうかもだけど、どう思う?」
友人「その辺はなんとも言えないね……。あ、でもグァバは犬だから記憶残ってて欲しいな。それで、電車で再会した後の二人が旅路を辿ってるときにグァバと出くわして、それがきっかけで阿翔も天宇と旅したことを思い出す、みたいな後日談があると嬉しいなぁ」

僕(なんで急に犬の話??)

 

まとめ

こんなふうに、観終わったあとにあれこれ議論できるのも、この作品の魅力なのかもしれません。
僕一人で観ていたら気づかなかった視点も多くて、友人と感想を語り合うことで物語の解像度がぐっと上がった気がします。

 

評価

ストーリー:★★★☆☆

キャラクター:★★★★☆

演技:★★★★★

エロ度:★☆☆☆☆

メッセージ性:★★★☆☆

 

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音楽とカメラが紡ぐ、ふたりのまっすぐな恋と再生の物語 FOD独占配信ドラマ『被写界深度』感想【ネタバレあり】

楽天アフィリエイトを利用しています。

 

ここしばらく、日本のBLドラマの新作がぱったり途絶えていた中で、6月下旬からFOD独占で配信が始まった『被写界深度』。
久々の新作ということもあり、個人的にかなり期待していました。

というのも、主演のひとり・宇佐卓真さんは『ひだまりが聴こえる』にも出演されていて、以前から少し気になっていた俳優さん。
そしてもう一人の主演、平野宏周さんは『ウルトラマンZ』で主演を務めていた方で、ウルトラマン好きの自分としては見逃せない組み合わせでした。

そんなわけで、FODをサブスクして気合いを入れて視聴開始。
話を毎週楽しみに追いかけ、先週とうとう最終回を迎えたので、いま感じていることを少し整理しながら、感想を書いてみようと思います。

聖地巡礼もしてきました!

www.fujitv.co.jp

 

ドラマ『被写界深度』感想

原作:未読(ドラマ視聴時は)

 

映像も音楽も、そして演技も──。クオリティの高さに驚いたBLドラマ

まず何より驚かされたのは、作品全体のクオリティの高さです。
1話で、学校の屋上から見える海の美しさに、一瞬で画面に引き込まれました。
この屋上は物語の中で何度も登場する、いわば主人公二人の“拠点”のような場所。
光の感じ、空の色、遠くに見える海。どのシーンも構図が素晴らしくて、「よくこんなロケ地見つけたな……!」と感心してしまいました。

屋上だけではありません。

5話のライブシーンや、最終回の電話シーンなど、静と動を織り交ぜながら、思わず見とれてしまうような映像が随所にあります。
画作りへのこだわりが強く感じられました。

音楽もまた、とても印象的でした。
ピアノを中心にした切ないメロディが、登場人物たちの心の揺らぎにぴったり寄り添っていて。
僕はこれまでBLドラマのサントラを購入したのはまだ3作目くらいですが、思わず今作もダウンロードしてしまいました。
それくらい、楽曲がドラマの世界観とぴったり重なっていたんです。

そして、俳優陣の演技について。
BLドラマは若手俳優の登竜門とされることが多く、正直これまで「演技がまだちょっと不安定かも…?」と感じた作品もありました。
でも『被写界深度』に関しては、むしろ俳優たちの熱量が画面越しに伝わってくるほどで、まったく心配いりませんでした。

宇佐卓真さんは、すでにいくつかのBL作品に出演されていて、『ひだまりが聴こえる』や『25時、赤坂で』、さらにショートドラマ『人違いから始まる恋もある』では主演も務めています。
今回の早川くん役では、音楽好きな青年を演じるためにギターの猛練習もされたそうで、作中で彼がOP曲を歌うシーンも登場します。
実はその歌、宇佐さん自身の歌唱バージョンがiTunesやAmazon Musicでも配信されているんです。
音楽が物語のキーアイテムである今作において、役者本人が演奏し、歌うことで、視聴者の納得度もグッと上がったように思います。
「宇佐さんが早川を演じてくれて本当に良かった」と心から感じました。

そして、もうひとりの主演・平野宏周さん。
僕が彼の演技を見るのは『ウルトラマンZ』以来だったのですが、その後もいくつもの作品に出演されているようで、着実にキャリアを重ねてきた方なんですよね。
今作ではその印象を良い意味で覆されました。
特に印象的だったのは第5話、ライブ会場で早川を見つけたときの、あの目に涙を溜めた表情。
あえて泣かずにグッと堪えているその演技が、逆に心を打ちました。
3年間会えなかった時間の中で、どれだけ早川の存在が紺野の中に残り続けていたのか──。
セリフで語らず、目の演技だけで伝えてくる、そんな静かな名場面でした。

 

再び“好き”に向き合う物語──でも、もう少し紺ちゃんの変化も見たかった

物語としても、とても良くできた作品でした。
今作の大きなテーマのひとつは、「好きなことを諦めた少年が、大切な誰かとの出会いを通じて、再びその“好き”に向き合っていく」ということだと思います。
そしてそのテーマは、早川くんというキャラクターを通して、丁寧に、誠実に描かれていました。

好きなものを何かの事情で諦めたり、親友と喧嘩して気まずくなってしまったり──。
そんな経験って、大なり小なり誰にでもあると思うんですよね。
だからこそ、彼の葛藤や再生のプロセスに自然と気持ちが重なっていく。
感情移入しやすく、とてもよく練られた構成だと感じました。

ただ、個人的に少しだけ残念だったのは、紺ちゃん側の変化や成長があまり描かれていなかったことです。
僕が好きなBLドラマの展開のひとつが、「ふたりが出会ったことで、お互いに何かしら前向きな変化をもたらす」というもの。
どちらかが救われるだけでなく、もう一方も刺激を受けたり、自分と向き合うようになったりして、二人が“かけがえのない存在”になっていく──。
そんな物語って、応援したくなるし、すごく胸に残るんですよね。

被写界深度』は全6話構成で、そのうち第4話まではほぼ早川くん中心で進んでいきます。
紺ちゃんの視点が描かれ始めるのは後半の5〜6話あたり。
そう考えると、紺ちゃんの内面を深掘りする時間があまりなかったのも理解はできるんですが……やっぱりちょっと物足りなさは否めなかったかな、と。

全6話って、やっぱり短いですよね。もう少し尺があったら、紺ちゃんが抱えていた葛藤や、早川くんとの再会が彼にどんな変化をもたらしたのか、もう少しだけ見せてほしかったなと思ってしまいました。

 

原作との違いに感じたこと──日常の延長か、それともタイムリミットのある青春か

最終回を見終わったあと、どうしても気になって、原作漫画も読んでみました。
ドラマは、基本的には原作の流れを丁寧になぞって作られていたのですが、終盤にかけていくつか大きな違いがありました。

一番大きな違いは、ドラマオリジナルの展開として、紺ちゃんがニューヨークへ行く話が出てきたり、早川くんがレコード会社にスカウトされるという描写が加わっていた点です。
これらは原作にはない設定で、ドラマ独自のアレンジでした。

レコード会社との面接を通して、早川くんが「自分に正直に生きられているか」を考えることになり、結果的に紺ちゃんとの関係を見つめ直すきっかけにもなります。
また、紺ちゃんのニューヨーク行きという“タイムリミット”が明確に存在することで、二人の関係は一気に動き出す──そんな構成になっていました。

一方、原作ではもっと日常の延長線上で少しずつ距離が縮まっていく印象です。
劇的な出来事はありませんが、ふたりの関係は確実に変化していく。
そのふんわりとした空気感もまた魅力的で、「ああ、原作はこういう表現なんだな」としみじみ感じました。

ドラマではかなり思い切った改変だなと最初は驚きましたが、個人的にはこれは成功だったと思っています。
イムリミットがあるからこそ人は動き出すし、伝えなければいけない想いがはっきりする。ドラマならではの“見せ場”として、良い意味での緊張感やドラマ性を加えてくれたように思います。

イムリミットがあるからこそ動き出した二人と、何気ない日常の中でゆっくり距離を縮めていく二人。
どちらの描き方にも良さがあって、僕はどっちも好きです。
でも、みなさんはどちらの展開がお好みでしょうか?

 

続編が見たいと思える、余白のあるエンディング

このドラマ、全6話という短さもあり、観終わって真っ先に思ったのが「続編が見たい!」ということでした。

物語のラストでは、紺ちゃんがニューヨークへと旅立ち、ふたりは遠距離恋愛になるわけですが、その先の展開がどうにも気になって仕方ありません。
たとえば――異国の地で壁にぶつかり、孤独や挫折を味わう紺ちゃんを、遠くからでも早川くんが支える……そんなエピソードがあったら、絶対に胸が熱くなりそうです。

また、早川くんの性格的に、自分が紺ちゃんと付き合っていることをバンド仲間に打ち明けるまでにきっと時間がかかるだろうな……とか、あれこれ想像してしまいます。
そういう等身大の悩みや葛藤が描かれる姿も、きっと見応えがあるはず。

こんなふうに妄想がどんどん膨らんでしまうのも、6話という短さで描ききらなかった“余白”があるからこそ。
もしそうだとしたら、僕はもう完全に製作陣の思惑にハマってしまっていますね(笑)。
とはいえ、冗談抜きで続編は本気で見たいです!
関係者の皆さま、ぜひぜひご検討をお願いします……!

 

最後まで見届けて、改めて「いいドラマだったなあ」としみじみ。

被写界深度』という作品の余韻を、しばらくは大切に抱えていたいと思います。

 

評価

ストーリー:★★★★☆

キャラクター:★★★★★

演技:★★★★★

エロ度:★★★☆☆

メッセージ性:★★★★☆

 

Blu-rayはこちら

 

原作はこちら

 

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BL飯、作ってみた! その2

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BL作品に登場する料理を紹介する記事「BL飯、作ってみた!」を投稿してから、早くも2ヶ月が経ちました。
あの記事が好評だったかどうかは正直わからないのですが(笑)、個人的にはとても楽しかったので、懲りずに第二弾にチャレンジすることにしました。
料理の腕前は相変わらずですが、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
それでは、今回もゆるっとスタートです!

 

エビコロ(『美しい彼』より)

コロッケの成形って難しいんだなぁ……。

さて、第一品目は『美しい彼』から、清居の大好物「エビコロ」です。
レシピはありがたいことに公式SNSで公開されていたので、それを参考に作ってみました。

とはいえ、いざ作り始めると、エビの背わた取りという慣れない作業に四苦八苦……。
さらに、コロッケの成形も意外と難しい!

今回も例によって料理好きの友人に助けてもらいながら、なんとか完成にこぎつけました(笑)。

実食してみると、シンプルな味付けで優しい味わい。
ただ、エビコロ単体だと少し物足りなさを感じたので、今回は市販の中濃ソース(←関東に来て初めて見ました)をかけていただきました。
タルタルソースなどを添えると、さらに満足感がアップすると思います!

ちなみに今回は、ちょっとコストを抑えようとバナメイエビを使ったのですが、正直、食感がやわらかくて「エビを食べてる!」という感じがやや薄めでした。
これから作ろうと思っている方には、多少お値段は張っても、ブラックタイガーなどしっかりした食感のエビを選ぶことを強くおすすめします!

 

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厚揚げのみそはさみ焼き(『きのう何食べた?』より)

厚揚げ、大好き!

続いて、二品目は『きのう何食べた?』から「厚揚げのみそはさみ焼き」です。

きのう何食べた?』は、職場の先輩から「若い子ばかり追いかけてないで、ベテランの演技も見てみなさい!」とおすすめされたドラマ(笑)。
とりあえずプライムビデオでシーズン1の第4話を視聴し、ネカフェで原作コミックの4巻の途中まで読んでみました。

作品の感想はまた別の機会にするとして、今回は作中に登場する数ある料理の中から、僕でも簡単に作れそうな「厚揚げのみそはさみ焼き」に挑戦。
公式からレシピ本も発売されているようですが、今回はネカフェで読んだコミックの記述を暗記して、そのままトライしてみました。

作ってみた感想はというと——
厚揚げに切れ目を入れる作業でうっかり貫通させそうになりつつも(笑)、なんとか無事に完成。
予想通り、あまり手間も時間もかからず、サクッと作ることができました!

ただ、オーブントースターでの加熱だけだと、ネギの辛みが少し残ります。
辛みが苦手な方は、ネギだけあらかじめレンチンするか、別で軽く火を通しておくと、より食べやすくなると思います。

 

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ウィンナー目玉焼き丼(『シュガードッグライフ』より)

半熟卵は大正義。

さて、三品目は、前回の記事でも大変お世話になった『シュガードッグライフ』から、「ウィンナー目玉焼き丼」です!

これは、唯純くんと天沢さんの関係がぐっと深まるきっかけになった、大事な料理ですね。
作中でもとても印象に残っていたので、今回作ってみることにしました。

レシピには「水をさしながら目玉焼きを半熟に仕上げる」と書かれていたので、素直にやってみたのですが…… 水と油がバチバチ跳ねまくって、若干パニックに(笑)。
フライパンの前で「あっつ!」とか言いながら、なんとか無事に半熟に仕上げました。

そして今回のレシピに限らずですが、醤油とみりんの組み合わせってヤバいですね。
今までほとんどみりんを使ったことがなかったんですが、この企画を始めてから常備するようになりました。
焼きおにぎりを作るときも、醤油にみりんをちょっと加えるだけで、一味も二味も違う……! (話が逸れましたが、それくらいみりんの偉大さに気づかされたという話です。)

それにしても、こんな美味しいものを即興でパパッと作ってしまう唯純くん、改めてすごい。 本気で友達に欲しい……!としみじみ思いました。

 

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サツマイモ入りカレー(『僕らの食卓』より)

ヴェトナムのカレーにはサツマイモが入っているというウワサ。

四品目は『僕らの食卓』から、「サツマイモ入りカレー」です!

実はそろそろネタ切れの予感がしてきたので、BL作品に登場する料理のレシピを検索してみたところ、ドラマの公式SNSでレシピが公開されているのを発見!
せっかくなので、そのレシピを参考に作ってみることにしました。

ちなみにドラマも後日プライムビデオで視聴したんですが……めっっちゃよかったです!!
派手さはないけど、じんわり心に沁みる感じで、すごく好きな作品になりました。
(こちらもいずれ、きちんと感想記事を書きたいなと思っています。)

というわけで、久しぶりにカレー作りに挑戦。
予想はしていましたが、カレーって一回作ると結構な量になりますよね……。
一人暮らしにはなかなか手強いボリュームでした。

今回のカレー、特徴的だったのは、ジャガイモとサツマイモの両方が入っていること。
この組み合わせ、ちょっと珍しいですよね。
食べながら「あ、今度はサツマイモだ」「こっちはジャガイモだ」と、味の違いを感じるのがすごく楽しかったです!

 

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天使のケーキ(『魚住くんシリーズ』より)

意外と綺麗に焼き上がりました!

生クリームはぜひ用意して欲しい。


五品目は、榎田尤利先生の小説『魚住くんシリーズ』から、「天使のケーキ」に挑戦しました!
今回の企画では初めてのデザート作り。
「天使のケーキ」は、卵白だけを使って真っ白に焼き上げる、なんとも贅沢なシフォンケーキです。
レシピは、榎田先生の作品に登場する料理をまとめた公式レシピ本から。

このシリーズが好きな方ならご存じかと思いますが、「天使のケーキ」は、作中で、過去のトラウマから味覚障害を抱えていた魚住くんが、少しずつ回復していく中で、大切な人たちと一緒に食べたいと頑張って作った、すごく印象的な料理なんですよね。
読んでいたときのあの感動を思い出しながら、気合いを入れて作ることにしました。

……とはいえ、シフォンケーキって、正直ハードル高そうじゃないですか?
というわけで、今回も料理上手な友人を召喚!(笑)
もちろん僕も、卵白の泡立てを頑張りました! 

見た目はふわふわで、かなりボリュームがありそうに見えるんですが、食べてみると軽い口当たりで、びっくりするほど食べやすかったです。
さらに、気の利く友人が生クリームも用意してくれていて……これがまた最高の組み合わせ!
(やっぱりシフォンケーキ単体だと、どうしても口内の水分持っていかれるので、ありがたかったです)

初めてのデザート作り、大成功でした!

 

レシピ本はこちら

 

ゆかたの夏野菜みそ汁(『僕らの食卓 おかわり』より)

冷蔵庫の奥からクミンを引っ張り出してきた!

六品目は、漫画『僕らの食卓 おかわり』から、「ゆかたの夏野菜みそ汁」に挑戦しました!
ドラマがすごく良かったので、原作も読んで、さらに続編の『おかわり』も手に取ったんですが……これまた最高でした。
あの優しくてあたたかい空気感が、本当に大好きです。

さて、今回作った「ゆかたの夏野菜みそ汁」、実はレシピの詳細は公開されていないんですよね。
なので、漫画の描写をヒントに、具材を自分で選びました。
まず確実に登場していたトマトとオクラ。
それに加えて、絵を見るともう一種類、輪切りの野菜が入っていそうだったので、夏野菜らしくズッキーニを選択。

さらに、単行本の帯に作者さんのお気に入りのみそ汁の具材はジャガイモと書いてあったので、ジャガイモも追加してみました!
……ただ、ジャガイモにしっかり火を通そうと煮込んでいたら、トマトがちょっと煮崩れちゃいました。 でも味はばっちり!

そしてこのみそ汁、仕上げにクミンを加えるのがポイントなんです!
ふわっと広がるエスニックな香りが、めちゃくちゃ食欲をそそります。
みそ汁にクミン、意外だけど相性抜群なので、ぜひ試してみてほしいです!

 

原作はこちら

 

どの料理も、作品へのリスペクトを込めて、楽しく作ることができました。
また気になる料理があったら、気負わず挑戦してみようと思います!

 

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「今さらミュージカル?」って思ったけど、予想を超える完成度――舞台『チェリまほ The Musical』感想【ネタバレ極力なし】

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今回は舞台『チェリまほ The Musical』の感想です。
東京公演は無事に千秋楽を迎えましたが、これから愛知公演が始まり、さらに9月にはBlu-rayの発売も予定されています。
そのため本記事では、まだ観ていない方やこれから観劇を予定している方にも安心して読んでいただけるよう、物語の核心には触れず、極力ネタバレなしで感想を綴っていきます(設定など、どうしても必要な箇所には少しだけ触れます)。

cherrymaho-musical.com

 

舞台『チェリまほ The Musical』感想

原作:既読(ドラマもアニメも視聴済み!)

 

「今さらミュージカル?」と思いながらS席ゲットしました

舞台『チェリまほ The Musical』を観に行こうと思ったきっかけは、BLドラマ『彼のいる生活』で主演を務めていた坂井翔さんが、本作のキャラクター・六角くんを演じるとSNSで知ったことでした。
六角くんは、主役である安達と黒澤の後輩にあたるキャラクターで、原作でもちょっとかわいげのある存在です。

実は僕、このブログでも何度か書いている通り、かわいい系のキャラが実写化されたときに成人男性が演じると、どうしても違和感を覚えてしまうことが多いんです。
けれど『彼のいる生活』で坂井さんが演じた夏川くんには、その“違和感”がほとんどなくて。
以来、坂井さんの演技には注目していました。

六角くんの雰囲気にもぴったりだと思ったこともあり、これはぜひ観てみたい、と。
そして同時に、チェリまほに関してはドラマから入って、原作もアニメもチェック済みということもあって、「今さらミュージカルってどうなんだろう……?」という気持ちも正直ありました。

とはいえ、とりあえずチケット抽選には応募してみるか、という軽い気持ちで申し込んでみたところ、あっさりS席が当選。そんな流れで、観に行くことになりました。

 

予想を裏切る完成度! チェリまほミュージカルの魅力

前述の通り、「今さらチェリまほをミュージカルでやる意味あるのかな?」なんて思っていたんですが、結論から言うと――めちゃくちゃよかったです。

まず、原作の雰囲気がミュージカルという形式に意外とマッチしていて、違和感があまりなかったのが驚きでした。
歌やダンスが自然に物語に溶け込んでいて、「あ、チェリまほってこんな表現の仕方もアリなんだな」と新鮮な気持ちで観られました。

キャストもそれぞれの役にぴったりで、中でも脇を固める朝比奈さん、藤崎さん、六角くんといったキャラクターたちが本当に良い仕事をしていて印象的でした。
特に朝比奈さんなんかは、印象が変わったというか、ドラマや原作より安達を含む後輩たちを気にかけている様子が増していて、すごく好きになりました。

ギャグとシリアスのバランスも絶妙で、休憩なしの2時間半弱が本当にあっという間。
舞台って、シリアス寄りだと重く感じて途中で疲れてしまったり、逆にコメディすぎると気持ちが冷めてしまったりしがちですが、その中間を絶妙に攻めていて、飽きることなく楽しめました。

それから、キャストが一人でまるまる一曲歌いきるシーンが多数あり、振り付け込みで「これ、長台詞より大変なんじゃ…?」と思う場面も。
それでも全員が見事にやりきっていて、本当に圧巻でした。

そして終演後には撮影OKタイムもあり、それだけでも嬉しいのに、なんと出演者全員が曲に合わせて踊ってくれます。
その曲も振り付けもとても可愛らしくて、必死にカメラを回しました(笑)。
あ、そういえば安達役の松田凌さんが途中で振り付けを間違えて、「やっちゃった~」って顔をしていました。こういったハプニングが見られるのも舞台の魅力ですね。

役者さんたちが心から楽しんでいる様子が伝わってきて、観ているこちらも笑顔に。
元気をもらえたような気がして、最後まで大満足の舞台でした。

撮影タイムをありがとうございました!

 

完成度は高いけど…“欲張りファン”の小さな願い

全体として本当に満足度の高い舞台だったのですが、あえて気になった点を挙げるとするなら――まずひとつは、柘植・湊カップルの描かれ方について。

個人的には、ミュージカル版の2人もとても良かったので、もっと本筋に絡んでくれればと思いました。
原作やドラマでも魅力的なカップルですが、今回の舞台ではちょっと存在意義が薄く感じてしまった印象です。
とはいえ、綿矢湊役の中山咲月さんは原作のイメージに驚くほどぴったりで、登場するだけで目を引く存在感がありました。

もう一点挙げるとすれば、やや後半が駆け足気味に感じられたところ。
これは舞台という尺の制約上仕方ない部分もあると思うのですが、心理描写をもう少し丁寧に掘り下げてくれたら、ラストの感動がさらに増したんじゃないかな……なんて思ったりもしました。

とはいえ、これらはあくまで「もっと見たかった!」という贅沢な願望から来るもの。
全体としての完成度の高さや満足感に影響するほどのものではありませんでした。

 

ミュージカル版チェリまほ、まだ間に合います!

というわけで、9月に発売予定のBlu-rayを買うかどうか、今、本気で悩んでいます(笑)。
あの感動をもう一度味わいたいし、きっと何度見返しても楽しめるはず。

さらに、パンフレットの最後にはなんとも気になる“続編匂わせ”が……!
ぜひぜひ実現してほしいと願わずにはいられません。

4月25日からは愛知公演もスタートします。
もし行ける方がいたら、ぜひ足を運んでみてください。
すでにドラマや原作を知っている方はもちろん、ミュージカルから初めて「チェリまほ」に触れる方にもわかりやすく楽しめる内容になっているので、本当におすすめです。

舞台ならではの熱量と、キャストたちの愛がたっぷり詰まった『チェリまほ The Musical』――ぜひ、たくさんの人に届きますように!

 

評価

ストーリー:★★★★☆

キャラクター:★★★★★

演技:★★★★☆

エロ度:★☆☆☆☆

メッセージ性:★★★☆☆

 

Blu-rayはこちら

[rakuten:book:21589190:detail]

 

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