先日は2025年に最終回を迎えた日本のBLドラマについて振り返りましたが、せっかくなので今回は、2025年に各種動画配信サービスで視聴し終えた海外BLドラマの感想をまとめていこうと思います。
今回取り上げる作品は、2025年制作というわけではなく、少し前の作品も含まれています。
視聴時は基本的に字幕を追いながら見ているため、細かい演技や演出については見落としている部分も多いと思います。
その分、国内作品の感想よりも、物語や設定、展開といったストーリー面に重きを置いた感想になると思います。
タイ、韓国、台湾、スウェーデンと制作国はさまざまですが、配信サービスは一度にたくさん契約できないため、少しFOD多めのラインナップになっています。
それぞれの国ならではの価値観や、物語の描き方の違いを感じられたのも、海外BLドラマならではの楽しさでした。
なお、以降の感想はストーリーの内容に触れる部分もあるため、多少のネタバレを含みます。未視聴の作品がある方は、その点だけご注意ください。
Spare Me Your Mercy(タイ/FOD)
医師でもあるSAMMON先生による小説が原作のドラマで、テーマは安楽死。
日本の作品で例えるなら、『チーム・バチスタ』シリーズの『螺鈿迷宮』にBL要素を加えたような印象の作品です。
安楽死推進派の医師・ガン(※役名です)と、安楽死を行っている犯人を追う警察官ティウを軸に、関係者それぞれの思惑が複雑に絡み合い、BL要素がありつつも、サスペンスとして十分に楽しめる内容になっていました。
ガン医師とティウは、安楽死というテーマにおいて、どう考えても分かり合えない立場の組み合わせです。
最悪の場合、ティウはガン医師を殺人犯として逮捕しなければならないわけで、2人の幸せそうなシーンを見ていても、内心ずっとハラハラさせられました。
その緊張感が途切れない点も、この作品の大きな魅力だったと思います。
ラストシーンについても、個人的には悪くない落とし所だったと感じました。
原作小説ではその後の物語も描かれているそうなので、機会があれば読んでみたいですね。英語ですが……。
4 minutes(タイ/FOD)
こちらも同じく、SAMMON先生の小説が原作です。
ある事故をきっかけに、ピンチの場面では「それが起こる4分前に戻る」能力を手に入れた主人公・グレートと、彼がとある事情で訪れることになった病院の研修医・タームを中心に描かれる物語です。
本作も、多くの登場人物の思惑が絡み合う複雑な構成が魅力ではあるのですが、ラストに関しては『Spare Me Your Mercy』と比べると、やや納得度が低かったように感じました。
「この人、誰だっけ?」と思ってしまう人物がラスボス的な立ち位置だったり、かなりの人数が亡くなったりと、少しモヤっと感が残ったのが正直なところです。
なお、『Spare Me Your Mercy』にはいわゆる濡れ場はほとんどありませんが、本作はかなり攻めたシーンが多く、その点での温度差には驚かされました。
名前のない季節(韓国/YouTube)
いわゆる学生BLの王道的な展開を描いた作品です。
1話15分前後・全8話構成で、正確には『名前のない季節』が6話、『自転車に乗って』という別名作品が2話分あります。
ただし、同じ世界観で描かれているため、ここではまとめて感想を書きます。
短尺構成ということもあり、全体的にコンパクトにまとまっていて非常に見やすいです。
その一方で、尺の都合上どうしても無難な展開になりやすく、奇をてらったストーリーや大きなどんでん返しは控えめ。
安心して見られる反面、人によっては少し物足りなさを感じるかもしれません。
Last Twilight(タイ/FOD)
これはもう、どえらいドラマでした。
日本の作品で例えるなら、『ひだまりが聞こえる』を視覚障害というテーマに置き換え、物語の強度を鬼のように強化した作品、という印象です。
まず脚本がとにかく素晴らしい。
伏線の散らばせ方と、その回収のタイミングが非常に巧みで、物語に引き込まれる力が段違いでした。
1話60分前後・全12話というかなりのボリュームにもかかわらず、中だるみをほとんど感じさせない構成なのも驚きです。
また、エンディング曲も強く印象に残りました。
タイ語の楽曲にもかかわらず、思わずダウンロードしてしまったほどで、今でも聴くたびにドラマのシーンが鮮明によみがえり、目頭が熱くなります。
こちらは、ある意味で逆方向にどえらい作品でした。
スウェーデンの高校を舞台に、王子ヴィルと、作中の高校ではどちらかというと「貧しい側」に位置づけられる一般家庭出身のシーモンによる、身分違いの恋愛を描いた物語です。
実は視聴を始めたタイミングは、今回取り上げる作品の中でもかなり早く(たぶん2024年末ごろ)だったのですが、全3シーズンとボリュームが多いこともあり、何よりあまり積極的に「続きが見たい」と思えなくて、完走までにかなり時間がかかりました。
というのも、登場人物のほとんどが自己中心的で、他人を思いやる行動をほとんどしないんですよね。
友人を裏切るのも当たり前、王子であるヴィルでさえ、ルール違反やモラルに反する行動を繰り返します。
唯一、脇役のフェリスが途中で「人の心」を取り戻し、ピンチに陥ったヴィルとシーモンを支えようとするのですが、正直視聴者側からすると焼け石に水。
そのため、最終回直前の顛末には「正直、ザマァとしか思えない」という感想を抱いてしまいました。
ここで終わっていれば、まあ平均点くらいの評価にはなったと思います。
しかし、その後ヴィルが王位継承権を放棄し、かなり雑な形でシーモンと結ばれて物語が終わってしまうんですよね。
そもそも、2人の関係がうまくいかない原因って、ヴィルが王族だからという理由だけではないと思うんです。
王室も別に恋愛そのものを否定しているわけではなく、「国民の理解を得るために準備が必要だから、今は目立つ行動を控えてほしい」と言っているだけ。
それなのに、シーモンは無自覚に火に油を注ぐような内容をSNSに投稿し、ヴィルも反発心から拗れるような言動を重ねてしまう。
その結果、どんどん制限が厳しくなっていくわけで。
王族に限らず、立場によって自由にできないこと、思うようにいかないことは誰にでもあるはずです。
そこを相手の立場を慮り、覚悟を持って行動できるかどうかが、パートナーとして大切な部分だと思うのですが、ヴィルとシーモンからはその覚悟が最後まで感じられませんでした。
正直、最終回から数週間後には、また喧嘩して周囲を振り回しているんじゃないかと思ってしまいます。
永遠の1位/2位の反撃(台湾/FOD)
タイトルは異なりますが、こちらは続きものの作品です。
『永遠の1位』は大学生時代、『2位の反撃』は社会人になってからの物語で、同じ世界観の中で学生BLと社会人BLの両方を楽しめる、なかなかお得な構成になっています。
「永遠の1位」から「2位の反撃」までの空白期間がちょっと長すぎない? とか、唐突に挟まれる日本語のセリフの意図は何? など、細かいツッコミどころはなくはありません。
それでも、全体を通して見ると、最後まで楽しく視聴することができました。
個人的に印象に残ったのは、『永遠の1位』で主人公シューイーの親友ポジションだったジョンウェンとユーシンの2人が、『2位の反撃』では一切登場しなかった点です。
学生時代の友情がそのまま続くとは限らない、という現実を突きつけられたようで、妙なリアルさを感じてしまいました。
おわりに
今回視聴した本数はまだそこまで多くないため、各国のBLドラマの傾向を語れるほどではありませんが、それでも国ごとに価値観や物語の組み立て方に違いがあることは強く感じました。
だからこそ、今後もさまざまな国のBLドラマを引き続き見ていきたいと思っています。
これまで『2gether』の印象が強く、「タイBLは自分には合わないかもしれない」と思っていたのですが、実際には探せばしっかり好みに合う作品もあり、今回の視聴を通してその認識は大きく変わりました。
一方で、スウェーデン作品については、今回は正直あまり相性が良いとは言えなかったのですが、まだ判断するには早いとも感じています。
ぜひ名誉挽回の機会があれば、別の作品にも挑戦してみたいところです。
海外BLドラマは、国内作品とは異なる文化や価値観に触れられるのが大きな魅力だと思います。
今後も視聴本数が増えたら、またこうして感想をまとめる記事を書いてみたいと思いますので、その際はぜひ読みに来ていただけると嬉しいです。
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