
須磨浦公園からの眺め。日の出ではなく日の入。2026年でなく2025年撮影。
新年明けましておめでとうございます。
正月休みもそろそろ終わってしまいますね。皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は年明けになって近くの神社に初詣に行ったくらいです。あとはとにかく家で寝たりだらだらしていました。お正月はこういうかんじでいいと思っています。
無為な時間を過ごすことにも意味があるような気がしています。
年末に友人と「toi books」に行ってきました。もともと大阪の本町にあったお店ですが、2025年に移転して、駒川商店街の脇にできました。敷地には以前「本のお店スタントン」というお店があったようです。

toi books。右奥が駒川商店街。
選書がぼくの好みにハマっていて、素晴らしい本屋さんでした。3冊買って年末年始に読んでいます。その1冊が『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』でした。
「ネガティブケイパビリティ」は(この記事内では中点を取って表記することとします)、不確実で解決できない事態を受け入れる能力のことです。本のなかでは以下のように説明されています。
私たちは「能力」と言えば、才能や才覚、物事の処理能力を想像します。学校教育や職業教育が不断に追求し、目的としているのもこの能力です。問題が生じれば、的確かつ迅速に対処する能力が要請されます。
ネガティブ・ケイパビリティは、その裏返しの能力です。論理を離れた、どのようにも決められない、宙ぶらりんの状態を回避せず、耐え抜く能力です。
帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』朝日新聞出版、2017年、9ページ
なるほどなと思ったのは、生きていて経験する事態のうちですぐに問題解決のできる領域は想像以上に少ないという認識でした。これは30年ほど生きてきて実感があることです。正解の決まっている問題を解くことをポジティブケイパビリティとするならば、そういった方策が有効ではないことはすべてネガティブケイパビリティの範疇です。
本を読んでいて、「なんとかやっていくしかないな……」と踏ん張ってきたこれまでの日々を振り返りました。あの日々、あの姿勢は私の身につけた生きる術だったのだなと救われた気になりました。そしてそれをこれからも続けていくのだな、と思います。
さて、こうネガティブケイパビリティについて書いてきて、新年の目標を語るのは主張がブレるように感じられますがそうではありません。能力としてはポジティブとネガティブの両輪が必要だと思っています。また、目標を言葉にするのは必ずしも「問題解決」を意味するとは限りません。
どういうことか。文章を書くという営みは、自分でもよくわからない自分の頭のなかの思考を言葉に変換して、自分自身で納得する作業だからです。これは事態に対してポジティブ/ネガティブな態度を取る前段階の、そもそもの事態の認識です。言葉にしたうえで、解決できそうなことだったら対処をし、そうでなかったらひたすら待つのです。事態が自分の権能の及ぶものかどうかを見極めるための術と言ってもよいでしょう。だからいまの自分と向き合って、今年じっくり向き合いたいことを言葉にすることには意味があると思うのです。
そんな思索を年末年始していました。新年は普段考えないような壮大なことを考えがちですね。というわけで私の今年の目標は、住んでいるこの場所を楽しむことです。
この場所というのは大阪のことであり、そこから気軽に旅に行ける関西一円のことでもあります。東京から大阪に引っ越してきて3年半。いろんなところに行ってきましたが、まだまだ足を延ばせていないところもあります。
いつまでこの地に住むか決めていません。最近になって別の場所へ引っ越したい気持ちも出てきました。幼少期から引っ越しが多かったので、だいたい3年くらい経つと住む場所を変えてみたくなるのです。もし大阪に住んでいる時間に期限があるならば、それまでを存分に楽しみたいと思い、この目標にしました。これまでだったらたぶん答えを急いですぐに引っ越していました。いまはそうではなくて、ただこの時間を大切にしたいと思うのです。
最後にちょうど聴いていた曲から歌詞を引用します。「音楽」について歌っているのですが、Itを「時間の流れ」として解釈すると別の味わいがあります。
It will take us through the night
And where I'll go
Can't explain I'll never know
But it's beautiful
It Run's Through Me
Tom Misch『It Runs Through Me』、2018年
いい年にしたいですね。皆さんもよい日々、よい旅を。









































































































