ムー大陸の音楽探検

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ビバ!歌謡曲22〜「まちぶせ」

ムー大陸です

 

 

私のお気に入りの歌謡曲を紹介していくビバ!歌謡曲のコーナーです。今回は定番でしょうか、この曲、

 

「まちぶせ」

 

です。

三木聖子盤

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石川ひとみ

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これは1976年の三木聖子氏のデビュー曲です。三木氏は当時トップアイドルと呼べるほど売れていた訳ではありませんし、この曲もそれほど大きなヒットにはなりませんでした。

1981年石川ひとみ氏がこの曲をカバー、これが大きなヒットとなります。今ひとつ売れていなかった石川氏はこの曲のヒットで一躍人気アイドルの仲間入りです。また、三木氏のオリジナルも見直され、高く評価されるようになりました。三木氏はその頃既に引退していました。短期間の活動だった事もあって、彼女は引退後も根強くひたむきに支持するファンがいるタイプのアイドルでした。現役時代を知りませんが私も好きですね、ドラマ「悪夢にようなあいつ」では沢田研二氏演じる主人公の妹役、とても良かったです。

 

そんな訳で、この「まちぶせ」という曲はオリジナルの三木聖子盤、そして、ヒットとなった石川ひとみ盤という甲乙つけ難い二つの名バージョンが存在する珍しい歌です。大抵、決定版のようなものが一つある場合が殆どなんですが、少なくとも私はどちらかが好きと中々割り切れないほど両方好きなのです。

という事で、今回はこの二つのバージョンを比較しながら、この曲の素晴らしさを追いかけていきましょう。

 

まず、二人の歌の違い、キーは三木氏はAm、石川氏はG♯m、なので、石川氏の方が高いです。歌唱力という面では石川氏の方が上だと思います。ただ、三木氏の歌は喋っている声のようなんです。その声がこの歌の歌詞にリアリティを与えていると私は感じるのです。一方、石川氏の声は高い澄んだ声で、正に歌声を感じます。歌い方は三木氏はドライでナチュラルです。石川氏はウェットで技巧的です。それぞれ持ち味が出ています。

 

さて、この曲はザックリ言えば、Aメロとサビに分かれます。三木氏と石川氏、Aメロとサビの歌い方が反対なんです。三木氏はAメロを語尾を伸ばしながら歌います。

「夕暮れの街まちかぁどぉ」

っていう感じ。「ど」を自然に伸ばします。

「見覚えのあるふ・た・り」

もしっかり間を置きます。

 

一方、石川氏は

「夕暮れの街かぁど」

と語尾を切ります。

「見覚えあるふ・たぁり」

は「り」を少し前のめりで入れます。

 

つまり、Aメロに関して言うと、三木氏はしっかり歌い、石川氏はあっさり歌う印象です。ただ、三木氏の歌い方はナチュラルで、石川氏はアレンジしているように思えます。

三木氏が

「あなたとこんな風に」

と自然に歌うところ、

石川氏は

「あなたとこぉんな風に」

と意識的にここは伸ばします。

全体的に三木氏のオリジナルを意識して石川氏が変えたのかなと感じます。

 

そして、サビです。

三木氏は、

「好きだぁ たのよ あなた」

と「だ」と「た」の間を切ります。

 

石川氏は、

「好きだぁ〜たのよ あなた」

と繋げます。

ここでは三木氏があっさり、石川氏はしっかりの印象です。三木氏はナチュラル、石川氏には歌唱力を感じます。

 

その後の

「胸の奥でずっと」、

三木聖子盤はここが最高です。声が少し裏返り、ナチュラルから一気に感情が溢れる表現です。胸を打ちます。

石川氏は澄んだ声でしっかり歌いますが、感情の爆発はありません。石川ひとみ盤は「好きだったのよ あなた」の方にやや重点があるように思います。また、感情を抑えて「あなたを熱く見た」感を出しているとも言えます。

 

サビの最後、

「あなたを振り向かせる」の「を」が一番高いところです。ここは三木氏は明確ではないです。石川氏の方がしっかり音が取れて出ています。ただ、三木氏はここでも小さく感情爆発を持って来て訴えかけて来ます。素晴らしい。

 

二番以降も同様の傾向です。

三木氏はナチュラルで、音符通り進み、サビ後半で感情爆発があります。

石川氏は歌唱力を駆使し、アレンジしながら、サビでも感情を敢えて抑えます。

 

二人の歌い方はかなり違います。印象も結構変わります。でも、中々、甲乙つけ難いですね。年齢とかによって、どちらがストライクの世代かで好みが決まるなんて有りがちかも知れませんが、後から聴くと決めかねます。

 

この曲は荒井由実氏の作詞作曲です。ユーミン自身のカバーバージョンもシングルヒットしていますが、これは自作自演なので、このブログ的にはニューミュージックであって歌謡曲ではない位置付けですし、それ以前に全く魅力的ではありません。思わずけなしてしまいましたが、この名曲を産んだのは彼女です。

メロは歌謡曲そのもので、アレンジをした松任谷正隆氏もあまり評価していないようなコメントを残していました。確かに当時ユーミンが自身で歌っていた曲と比べると新しさが無いでしょうか。松任谷氏のアレンジは素敵です。最後、イントロに戻って手拍子入るのベタですが、好きです。三木盤、石川盤ほぼアレンジが変わらないのは、カバーの時石川氏側からオリジナルに近いアレンジでとリクエストがあったとのこと。

一方で、メロディを高く評価しなかった松任谷氏も「あの歌詞はさすが」と言っていました。まぁ、そうなんでしょうね。この曲はやはり歌詞なのでしょう。この歌詞は三木聖子氏の実体験をユーミンが聞いて書いた詞と言われています。私が想像するに、多分他の人がくれたラブレターは見せていないでしょうが、偶然を装い帰り道で待っていたのかも知れません。

 

いや、しかし、今なら少しストーカーっぽさを感じるこの歌詞をドラマチックにサラリと書いてしまうのは天才的です。また、歌詞には一切出て来ない「まちぶせ」というタイトルが絶妙。実際、物騒な言葉じゃないですか。「待ち伏せ」って感じだったら、時代劇っぽいし、危うさがありますが、何故か平仮名にしただけで、それを通してしまうセンスも恐るべしです。

一応、ユーミンに敬意を表し、彼女のバージョンも貼ります。また、他にも多くの歌手がカバーしていますが、三木氏、石川氏と比べるほどのものは無いと思っています。

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あなたはどのバージョンがお好きでしょうか?

それでは、また。

 

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