森男のこんなん買いましてんニュース 2026年1月号



今年一発目のお題は、こんなん買いましてんニュースです。要は買い物自慢ですね。いつもはジャンル問わず買ったものをランダムに紹介してるのですが、ここ最近わりとプラモを買ってまして、それだけで1回分になっったので今回はプラモ編となります。


●ドイツ5cm対戦車砲PAK38 タミヤ 1/35

言わずと知れたタミヤMMの最新作です。これはもう買うしかなかった、、。

内容的には私がどうこういうまでもない仕上がりですね。それにしてもPAK38がMMで出るとはスゲーなーと。


んで「MMで大砲キットが出るのって久しぶり、、っていうかずっと出てなかったなー、最後のはどれだったんだっけ?」と調べてみたら、なななんとPAK40の次でした!これはびっくり。発売は1975年なので、ぴったし50年!。半世紀って、、。シリーズナンバーでいうとPAK40がMM47で、PAK38がMM392ですよ旦那!

その前が25ポンド砲(MM46)で、PAK40以降に大砲は出ず、ドイツの対空機関砲3種(最後のFLAK37はMM145)のみです。1/35という括りに広げても、メタルシリーズNo.2のパックハウザーの次です(写真はNo.1の歩兵砲18型。パックハウザー持ってないんすよ。欲しいなあ、、)。パックハウザーがPAK38の前としても、発売は82年頃(カタログ登場年から推測。正確には不明)なので40ン年ぶりの新規大砲キットとなります。


でもまあよくよく考えると大砲キットって人気ないでしょうから、こんなもんなんでしょうね。逆に海外メーカーがポンポン出してるのが不思議です。大砲の作品って展示会でもまあ見ませんものね。私はとても好きなんですけど。イイですよ、大砲。メカニカルで可動部が多くて、小さいけど存在感もあって、なんというかバイクキットに似たような面白さがあります。


なんであれ、現在のタミヤの最高技術でPAK38がキット化されるっていうのはたまらんですね。これほんと昔から気になってる大砲なんですよ。


なんでかというと、最初期のMG誌(85年4月号。フィン空バッファローが表紙の号)でこれの記事があってそれの印象がスゲー残ってたからなのです。

スクラッチ作例(凄くよく出来てた)と実物のディテール写真、富岡吉勝氏の解説などなど、7ページも割いてこの砲を紹介してます。冒頭のイラストは小林源文氏。「なんで?」っていう豪華さです。今から考えるとわけわからん、、。でもこの記事のおかげで私の中でPAK38は変な位置を占めちゃったのでした。そういうオッサン、案外多いかも、、。

富岡氏の記事では冒頭のタイトルからして「かわいそうな5センチ砲」。要は、ドアノッカーという弱スギキャラのPAK36や伝説のハチハチの中に埋もれちゃったカワイソウな砲なのよ。でも、登場時期を考えるとかなり優秀な砲だったのよ、という内容でした。当時の私はそのなんかけなげな印象に惹かれたのですが当然キットはなくそのままになってたのでした。その後他社から出たときはなぜか食指が湧かずだったのでした。結局南極、タミヤのPAK38が欲しかったってことなんですよね。


そう考えると、40年も待ってたキットっていうことになります。いつ作れるかわからんですけど、この箱絵どおりに作ってみたいですね。さぞや楽しかろうと思います。


で、PAK40のキットを今回久しぶりに手に取って開けてみました。すると、フィギュアのランナーの袋に動く戦車シリーズのミニカタログが入ってました。うーん、昔のタミヤらしいですねえ、、。値段が300円なので、初版ではなくとも初期のものと思われます。

折角なので袋から出してみました。っていうか中を見たくてムズムズしてしまったのだ(笑)。でももったいないので袋を破らずホッチキスを外して出す、という相変わらずのセコさぶりを発揮したのはヒミツ。

ミニタンクの74式がMBT71になってるので、80年ごろまでのものと思われます。

いや、いいですねえ、、。PAK40を買った子供がこれをみて「次のお年玉でこれ買うど!!」って鼻息を荒くしている様子が目に浮かびます(笑)。それにしても、MMのキットにこういうちょっとジャンルの違うシリーズのカタログを入れるのってさすが、って感じです。また、安価なキャラメル箱のキットを買って、こういうおまけが入ってたらほんと嬉しいですよね。まあカタログって要は宣伝広告なのですが、子供たちにとっては大事なエンタメですからね。学校に持っていって友達に見せびらかせたりしたかもなあ、とかとか。こういうちょっとした心遣いができるのがタミヤタミヤたる所以、なんだと思います。


●SEMOVENTE L40 da47/32 イタレリ 1/35


前々から欲しいなーと思ってそのままだったのですが、先日たまたま中古が割りと普通の値段で売ってたので購入。これほんと好きなんですよねー。でもすぐ作れないからナー、って買わないままだったのです、、っていうか私はそんなんばっかです。

まあなんであれ買ってよかったです。んで、どうもこれまた再販されたようですね。アマゾンをみたら発売予定となってました。それで中古価格が暴落(?)したのかも。


内容的にはピシッとした仕上がりで、カラーの塗装図も綺麗ですしデカールもカルトグラフ製と抜かりはない、という感じ。この車両のベースとなったL6はタミレリで出たときHJ誌作例で作りましたが、作ってて楽しかった記憶があります。

買ったとはいえ、モデルビクトリアのレジンキットも今もって作れてないので、どーしたもんやらなのですが、、。

以前も紹介したかもですが、この通り、どーやって抜いたのかまったく分からないという驚愕レジンキットなのです。

なのでほんといつか作りたいんですけどねえ、、。こればっかですねえ、、。


それにしてもこの車両、いいですよね。元になったL6共々かわいいです。これくらいのサイズの戦車だと1/16で出して欲しいなあって思います。買うかどうかはわからんですけど(笑)。


●Japan Infantry(1942-1945)ICM 1/35


ウクライナのICMの日本兵セットです。これ、ずっと品切れだったのですが先日再販されてるのを知り、慌てて2箱購入。ほんとよく出来てるんですよ。海外の日本兵キットの中では一番じゃないかと私は思ってます。

ヘッドの表情やポーズ、装備の再現性などなど申し分ありません。

特筆すべきは、装備パーツに九七式手榴弾が入ってる点。これ、多分今でも唯一のパーツ化です。しかもメチャよく出来てます。

このキットは、以前ホロ(ファインモールド)のHJ誌作例で使いました(スケールモデルレビューVol.5にも掲載)。んで、これが最初に出会ったICMフィギュアで、あまりの出来のよさにびっくらこいたのをよく覚えてます。

今度またジオラマに登場願いたいなあと思ってたのですが、ずっと入手できず困っていたのです。なのでほんと嬉しかったですね。個人的な印象ですが、海外メーカーの中ではICMとミニアートのフィギュアはほんとよく出来てますね。表情とかポーズとか実に自然でいいんですよ。こういうのは、個人の好みの差があると思うのでどれがどうじゃなくて、送り手受け手の相性かなあっていう気もしますけどね。あと、銃器や装備のチョイスのセンスもいい。両社の武器セット、ほんといいですよ。今後も頑張ってほしい&応援したいメーカーのひとつです。


●九七大艇 ハセガワ 1/72


私の所属する模型クラブの展示会では、毎回部員有志が中古キットを持ち寄って、フリーマーケットを併設しています(売り上げの一部は寄付)。んで、キットを出しても売り上げ分誰かのキットを買っちゃうという、共食いタコ足食いになるわけです(笑)。私もその例に漏れず在庫はプラマイゼロ、、、じゃないか。プラスになってます。


今回、買えたのがこのキットだったわけです。いいですよねえ、、。たみゃらん、、。

しかも2箱(笑)。先輩O氏の出品で、値切ったところ(コラコラ)2個で1000円!でした。あざっす!!

それにしても、この箱絵、一体どーゆーシチュエーションかよーわからんですけど、とにかくカッチョいいのでヨシ!って感じですね。箱絵は勢いがないとアカン!。


で、このキット私は既に持ってまして、3個も持ってどーすんのですがカッチョいいからいいの!(笑)。今回買えた2箱はそれぞれ開封済みと未開封で、箱の程度も良いのと悪いのと2ランクだったので、綺麗な箱に未開封を入れて売ろうと思います(ウソです)。

今回の箱絵のはどうも2版目らしく、初版の箱絵は離水している様子を描いたもののようです。で、上写真の右のが3版ですね。以後、田中ショウリ氏の写真(実機写真にしかみえないやつ)の版とかがありましたね。


で、2版目の成型色は濃緑色だったんですね。3版は明るいグレーです。昔って、プラモは色を塗らずに組み立てるのは普通でしたから、そのための濃緑色だったんでしょうね。逆にグレーとかだとお客さんから敬遠される一因になってたのかもなあ、とも。


おぼろげに覚えてますけど、昔ってマニアとかじゃない普通の大人も、プラモを買って作るのがライトな娯楽の一つになってたような記憶があります。そういう人たちって、塗料なんて買わず組み立てるだけで満足する、みたいなスタンスだったような。プラモの王道の楽しみ方ですね。で、それを「どうだっ!」って感じで家のリビングとかに飾ってたような。テレビドラマでも「家族の悩みを聞き流しながらプラモを素組みでのほほんと作る親父」みたいなシチュエーションがありましたよね。友達の家に行ったら、お父さん作のプラモがあって「をををを、、」とびっくらこいたことも少なからずあったような。


なんでかというと、なんつってもお父さんなのでウチらみたいなんが買えない&見たことないような高級キットを作ってるんですよね。例えばタミヤのハーレーとかって、そういうお父さんたちが買ってたのかなあ、とかとか。あ、でも今でもそういうお父さんっていうか大人っているのかな?いるでしょうね。いてほしいな。


なんであれ、プラモってもうかなりの歴史があるのでこの成型色の変化みたいに、時代時代によって気付かないうちに変わったところもいろいろあるんだろうなあ、と思いました、、ってなんか変な話になっちゃいましたね(笑)。次で最後です。


●M36ジャクソン襲撃砲戦車 タミヤ 1/35


これが最新の買い物。中古店のショーウインドーにどーんと置いてあって、1日悩みまくって、翌日またそのお店に行って購入。あー、、。でも嬉しい、、。

タミヤのリモコンキットは基本どれも高値ですが、これはかなり安かった(9000円弱)です。でも箱はほぼピカピカで、中身も未開封。なんでこんな安かったんだろう、、。

リモコンの仮止め用の輪ゴムまで生きてました。これ、普通溶けるんですけどね。保存環境が良かったんでしょう。内容は店頭でも確認させてもらいましたが、大体そういう時ってもうドキがムネムネしてるのでろくに見ちゃいねーんすよね。で、帰ってから検分して「おおお、ほんまに状態ええやん、、、」ってなりました。いやー、買ってよかった、、。


検分してて「おや」と思ったのが、フィギュアランナー(「アメリカ戦車兵セット」のもの)が入ってた点。リモコンキットとしてはゴージャスですよね。T34やⅣ号戦車など、普通はアクセサリーパーツがオミットされてるものなんですけど。

M10にはフィギュア入ってなかったよなあ。でも値段が同じなのはなぜ?と手持ちのM10を確認してみたら、代わりにジェリカンや砲弾が含まれるランナーが入ってました。

こうやってバランスをとってたんですね。それにしてもこのM10のランナー、豪華ですね。砲弾がかなりキッチリ作られているような。マチルダやⅢ号戦車など他の130モーターのシリーズはMMと比べてどうだったんでしょうね。


それにしてもタミヤのリモコンキットはええですよねえ、、。箱絵を見るだけでうっとりしてしまいます。たまたまですがM36もM10も高荷義之画伯の筆によるもので、ほんと素晴らしいと思います。

M36の箱絵は、あまりに好きすぎたので、中四国AFVの会のマスコット「せんしゃん」のキットの箱絵でパロったほど。ほんとすいません!!

いやほんとなにやってんだですけど、まあそれくらい好きなんですね。構図から上の文字列とのバランスとか、何から何までほんと凄くいいと思います。


リモコンキットはもっと欲しいんですけど、今回のような程度と価格がつりあったものにはまあ出会えないでしょう。良品って売りに出てても最低1万円代後半からですからね。ちょっと買えないです。だって買っても棚に入れてニヤニヤ眺めるだけですから(笑)。でもⅢ号戦車はほんと欲しいなあ、、。あとⅣ号とⅢ突とイージーエイトと(キリがねー)。


ジャクソンの箱絵の奥の壊れた車両は1トンハーフトラックの対空砲搭載型(Sd.kfz10/4)ですね。背景付きの箱絵の脇役(友軍車両とか敵軍のやられ役など)ってキットになってない珍しいものがときどきあって、惹き付けられたものです。飛行機キットだとハセガワの72の九七式戦闘機が撃墜してるSB-2とか。「なんだこれ?ダサカッチョイイ!!」って思いましたねえ。子供の私にとって、箱絵はそういう沼への入り口になってましたね(笑)。


んで、この1トンハーフも「なんだこれ?カッコいいなあ!」って思ったのをよく覚えてます。ふと思ったんですけど、タミヤがこの1トンハーフのこのバージョンを新製品で出してくれたら、先日リニューアルされたM36と組み合わせてこの箱絵のジオラマが作れるなあ、とかとか妄想してしまうのでした(笑)。そしてさらに、冒頭で紹介したPAK38を載せた装甲キャビン付きのパックワーゲンも出せるじゃん!ってひらめいてしまったのでした。私あれ大好きなんですよ(でもドラゴンのは買ってないという)。なので、タミヤさん(急にさんずけ)よろしくお願いします!!(笑)。でも、1トンハーフって、最近タミレリで出したようなのでやっぱ無理かなあ、、でも、でも、という(笑)


というわけでお終いです。こないだも書きましたけど、プラモって作らなくても買うだけでほんとにニコニコできてしまうんですよね。こうやって箱を開けて検分するだけでもあれこれ楽しめるという。いい趣味を持っててよかったなーって思います。でも最近ちょっと買いすぎたので、当分は控えようかな、とも(でも多分すぐまた買う。私にはわかる)。


それでは。

 

2025年を振り返って

今回は毎年恒例の「今年を振り返って」です。昨年、これ書いたのがついこないだのような気がするんですけど、もちろんんなこたないという。1年なんてほんとあっちゅう間ですね。


とはいえ1年は短いようで長くて、去年の1月ごろに何をしてたのかほぼ覚えてないです。過去記事をみてたら、この頃はタミヤのパンサーを作ってました。

んで、中四国AFVの会に間に合いそうにないので、マチルダさんに変更。

んで、これも見事に間に合わず未完成となったのでした。あー、そうだったなあ、、。来年は最低どっちかだけでも完成させたいですね。


個人的なことはともかく、中四国AFVの会は4月に開催されまして盛況に終わりました。

来年は下関の開催となります。是非おいで下さい。


模型のお仕事は日本の試作戦車「チホ」の作例をしました。3月発売の「スケールモデルレビュー Vol.5」(ホビージャパン) 掲載です。

既存キットを改造して幻の試作戦車を作るというのは、いつもの新製品紹介の作例と違う筋肉が必要でちとワタワタしましたがほんと楽しかったですね。


この号は、チホ作例の他、私の作例が3点(写真はドラゴンのケヌ)も掲載されてます。これまた嬉しかったです。

今年の模型のお仕事はこれだけだったのですが、あれやこれやで自分にとって大切な掲載号となりました。今も発売中なので興味のある方は是非!


お盆には福岡と長崎に行きました。旅行ではなかったのですが、それなりに観光も出来てよかったです。

浦上天主堂の見学ができたのはよかったなあ、、。あと精霊流しの爆竹のインパクトがはんぱなかった、、。

そんなこんなで長崎はまた行きたいですね。


8月発売のスケールモデルレビューVol.6には、イラストコラムの3回目が掲載されました。

ショーシャはほんと好きな銃でして、自分なりの紹介ができて感無量です。このために色々調べて勉強になったのもよかったです。


今年、自分なりの手応えNo.1は、長年中断していたレジンキットの開発がかなり進んだことですね。型取り技法をほぼ確立できたのはでかかったです。

必要とするパーツが、結構な短期間で揃ったのは我ながら「おお、、。これまでの停滞はなんだったんや、、、」ってなりました。

来年は、この九六式三号艦戦キットの発売が一番の目標です。最低でもこれだけはやり遂げたい、、。


10月には久しぶりに東京に行きました。藤田嗣治画伯の「サイパン島同胞臣節を全うす」を見にいくためでした。

いや、もうほんと凄い絵でした。今でも時々思い出して「おおお、、、」ってなってます。観にいってほんとよかった、、。これが今年のハイライトかもです。


12月に入って、やっと東海が完成しました。個人作では1年半ぶりくらいの完成品です。

いやー、今年中に完成できてよかった。完成品を眺めてたらニコニコしちゃいますね。やっぱプラモは完成させてナンボ!だなあと(こないだ言ってたことと違うやん!!)。それはそれとして、完成したときの嬉しい感じとかほぼほぼ忘れてまして「あー、そうだそうだこれだよ」ってなりました。なんか新鮮でした。年1コは作らんとアカンなあ、と思った次第です。


とまあ例年通り「なんかやってるようななにもやってないような一年」でした。とはいえ色々手応えのあるお仕事も出来ましたし、個人的なこともあれこれ前に進めることが出来ました。当たり前の話ですが、どんなことでもちょっとづつでも進めたら進むんだなあ、と。来年も慌てず騒がず、しわしわ(方言・徐々に、少しづつの意)と着実にやっていきたいと思います。


それでは皆様よいお年を!

東海一一型 ファインモールド 1/72 (その4)

東海の続きです。やっと完成の目処がついてきました。

前回は塗装の仕上げに入ったくらいでしたね。今回は完成寸前までの過程を紹介します。


基本塗装のあと、油彩のバーントアンバーを薄めて塗って拭取ります。要はウォッシングですね。拭取りは先の細い綿棒を使います。

この細い綿棒はなくてはならないアイテムですね。拭取り終わるまでアホほど使います。それにしても、本来ならば綺麗なお姉さん(多分)のメイク仕上げで使われるつもりだった綿棒たちは「ええっ!なにこの仕事!!」ってなってるだろなーと。気の毒な気はしますが「仕方がない。これも運命(さだめ)じゃ、、」とブツブツ言いながら作業を進めます。


下の段ボール紙は、持ち手です。以後乾燥が遅い油彩をメインで使いますので、乾燥前にちょっとでも触れると塗装がパーになってしまうのです。また、筆の余分な塗料をこすり落とすベースとしても役立ちます。タイヤ部には洋白線を刺して、木工ボンドでダンボールに仮接着してます(この洋白線はそのままベース固定用になる)。


拭取りは完全に落とす手前くらいで止めます。パネルラインの境界や凹みにうっすらと残るくらい。完全に落とすと意味がないですし、かといって拭き残しすぎると大仰になるので加減が難しいところ。大体終わったらこれまた油彩で色調に変化を付けます。動翼部は金属ではないので、ちょっと色を変えてます。続いてはお楽しみのハゲチョロ塗装。クレオスのシルバーを使います。

クレオスのシルバー(8番)は、今もって最高の銀色塗料ですね。発色といい伸びといいすんばらしいです。筆はタミヤの極細面相筆です。これ、めちゃくちゃいいですね!この手の筆にしては安価ですしメチャ細いし塗料の含みもいいし、かなり長持ちします。そしてヨドバシとかですぐ買えるのが最高です。筆の類って、通販だとまあ買いにくい(売り切れだったり品質もわからないし高いので博打に近い、、)ので。お勧めです。


ゲチョロの目処がだいたいついたところ。

塗ってて初めて思い至ったのですが、東海の搭乗方法は翼根元のステップ(あると思う。キットにそのようなモールドがあります)から胴体の上に登って、そこから少し歩いて(翼付け根は「ナムフ」なので)、キャノピー後部と上部の窓から降りるように乗り込むんですね多分。機体の構成上そうなっちゃうんですけど飛行機としては少し変則的な乗り方ですね。こういうの、塗装してハゲチョロ具合を考えるところで初めて気付くという。模型ってそういう意味でも貴重な気付きを与えてくれますね。


ゲチョロは人の踏むところやカウリングなど整備で着け外しするところ、可動部や端っこを主に狙ってやります。こういうの、剥がれるところは剥がれるし、剥がれないところは剥がれないのでなかなか難しいです。ただ、実機がここまで剥がれてたかというとそうでもないと思います。まあ、普通に考えたらここまでなる前に、、、という(涙)。まあ、なんと言いますか「リアル」と「リアリティ」は違うってことですね。とはいえ、日本軍機全般でいえば写真をみるとかなり剥がれた機体もありますし、綺麗なのもあるし。この辺はほんとよく分からないですね。


塗装の目処がついたところで、風防上部の窓の塗りが気になっていじってたら接着剤が染みこんでパーになってしまいました。磨いても変な凹みがついちった、、。っていうわけで透明プラ板で作りなおし。

最初はマスキングしてエアブラシで吹いたんですが、枠がどうしても綺麗に塗れない(小さすぎてマスキングがどうしてもずれちゃう)ので気合一発フリーハンドで筆塗りしました。でもやっぱガビガビに。小さいとこですし後で汚せばごまけそうだしまあいいか、と。


ルイス機銃は、ファインのナノシリーズのを使います。これ、ほんとメチャクチャよく出来てますね。スゲーです。接写しようとしても出来ないくらい小さいのに精密です。下の汚い台は文具のクリップです。ガビガビですいません。

リングサイトが省略されてますので自作してます。省略されてるっていうか、これをこのサイズでパーツ化するのはまあ不可能でしょうね。仕方ないです。ちと細かい作業ですが、これをやると精密感がグッとますので頑張ります。


リング部は、モーターのコードを真鍮線に巻いて切り出したもの。要は35のフィギュアのメガネと同じ方法です。この写真ではサイトが横棒になってますが、後で縦と気付いて付け直してます。これがやり直しバージョン。



最初は多分横棒だろうとそうしてたんですが、キットの箱絵にバッチリ描かれてて慌ててやり直したという。っていうか、思い込みで作業するなよ(笑) 縦棒は、リング内に収まってるんですけど細かすぎてちょっと無理でした。でもまあ、雰囲気がでてればいいでしょう(勝手だな、、)。


塗装小物ともどもほぼできたら、最後に張り線を付けます。トラディショナルな髪の毛を使います。

ほんとは黒いのが欲しいんですけど、もうわたしゃほぼ白髪ばかりなので仕方ないです。こうやって模型に自分の体の一部(大げさですが)を使うときいつも思うんですけど、万一この東海が何百年後も保存されたとしたら、この髪の毛を元に誰か(偉い博士とか)が私のクローン再生してくれるかも、とか妄想しちゃいますね(笑)


ベースです。飛行機模型は、ほんと壊れやすいので移動時の管理が大変です。でもベースを付けるとかなり楽になります。ベースはMDF(紙素材を木のように固めたやつ。ホムセンとかで売ってます)です。

とはいえ四角にすると大きすぎて間延びしてしまうので、今回はおむすび型にしてみました。で、接地部は草地のつもりでこれまた飛行機型にしました。これだけみると得体の知れない変なお菓子みたい(笑)草地は木の粉と麻紐を切りほぐしたもの。後でグリーンに塗ります。


塗装の仕上げはパステルで、全体のトーンを整えます。排気煙のススもパステルです。飛行機の塗装でパステルはあんま使わないかもですが、個人的にはこういうすすけたトーンが好きなのです。 

というわけで、ほぼほぼ完成してきました。後はちょっと手直しや修正などをしてお終いです。着手は確か去年の9月くらいでしたので、1年越しの製作になりました。やれやれ、です。しかも個人的な完成品ってよくよく思い起こすと一昨年のクォードガントラクター以来という、、。もうちょっとたくさん作りたいんですけど、他にやりたいことがあれこれある(レジンキット企画とか絵とか)から仕方ないですねえ。


ふと気付くと今年もあと3週間切ってるんですねえ。今年中に完成しそうでよかったです。完成したら、せっかくなので自然光で撮影して、それを東海製作記の最終回としてお披露目したいと思います。

 

 

 

森男のそれがどないしてんニュース 2025年11月号

今回は「それがどないしてんニュース」です。要はコネタ集、近況雑記ですね。

●東京に行きました

先月東京に行きました。2年ぶりくらいです。国立近代美術館で戦争画展をやってて、それが目的でした(10月に終了しました)。もっと正確に言うと藤田嗣治氏の「サイパン島同胞臣節を全うす」を見るためです。

2日続けて行きまして、両日ともずっとこの絵を見てました。1時間くらいでしょうか(幸い正面にベンチがあったので)。いや、ほんと見れてよかった、、。ひとことで言うと腰が抜けました。この絵の感想などまた改めて書ければいいなと思います(書かないかもですが)。

 

日程は例によってそんな余裕も無く駆け足でしたが、ポイントは抑えれましたし学生時代の先輩後輩らと会えてたくさん話せました。楽しかったです。

 

東京での戦利品はこんな感じ。ググッとこらえてなんとか減らしました。危険な局面は何度も迎えました(エルエスの十四年式を見たときはきわどかった、、)が理性が辛勝(ハアハア)。私も大人になったもんだ、、、(金がないだけだろ)。

また今度「こんなん買いましてんニュース」でいくつか紹介したいですね。

 

gooブログ完全終了

11月18日、これまで利用していたgooブログが完全終了しました。当日、ブクマしてるいつもの編集画面にいくとこれ。

わかってはいましたけど「あー、、、」としみじみ。「一切合財完全完璧に消滅」したわけです。

私含め他のサービスに引っ越した人は過去の投稿をウェブ上に残せましたが、引っ越さなかった人達の記録は完全に消えちゃったわけです。

終了前のgooブログのアカウントは320万もありました。しかし恐らくはほとんど休止したものだろうなあ、と。要はブログブームの時にアカウントを立ち上げて途中で飽きてそのままだった人たちが大半かという気がします。なんでそう思うかというと、私のブログですら最後の方だとランキングが1000位台でしたから。320万中の1000位ですよ。320万アカウントが生きていたならありえない数字です。

そういう休止アカの持ち主は、ブログサービスが終了すること自体知らない、また知ってても引っ越しがめんどくさいので(やってみるとそんなめんどくさくはなかったんですけどね。まあでも休止してる人はそこまでする意義を感じないでしょうね)消滅するにまかせたという感じだろうなと思います。

でも、放置ブログだったとてその時点までその人はなにがしかの内容を熱心にUPしていたわけです。その中には有益な情報ないし今後その価値がより高まる情報も多々あったかもです。また有益無益関係なく、ある人のある時代のある記録として考えると、それだけで価値はあったはずです。

そう考えると、ほんとうにもったいないっていうか切ないっていうか、なんともいえない気持ちになります。例えば「こないだできた彼女と今日初めてご飯食べにいった。うれしー!」「今日見た映画最高だった。どこが最高だったかというと、、」みたいな、その時々のその人達の「喜び」とか「感動」が消えて無くなっちゃったみたいに感じちゃうんですね。

まあもちろん、その人達のその時の気持ちはその人達のものなので(忘れてたとしても、その人の心の中のどこかに残っていることは間違いない)、余計なお世話なんですけど。けど、そういう「誰かの記憶」に私たちはもう触れることが出来ないわけです。やっぱ、寂しいですよね。かといってそういうのを普段見てるかというと見てないわけですけど。なんというか「可能性の喪失」という意味での話ですね。

ウェブ上のものって「いつまでもずっと残ってる」みたいなイメージがありますが、んなことないんだよなと改めて思いました。ウェブっていうか情報産業の根底は経済原理(つまり金)なのでいつなくなってもおかしくないという。例えばグーグルですら、いつまであるのかずっとあるのかの保証は一切ありません。もし永遠にグーグルがあったとて「儲からないから」という理由で何かのサービスが一方的に破棄・改変される可能性は常に存在しています(営利企業なので)。

では、公的機関なら残せるかというと、これまた「んなこたない」ですね。公的機関も突き詰めると税金(=お金)という経済原理で動いてますからね。予算は限られているので福祉など今生きている人達のためのお金が足りなくなってきたらそれまでです。現に、文化財保護分野でそういう事例を漏れ聞くことが多くなってるような。

しかしこれはいいとか悪いとかそういう話じゃないよなあ、と思います。「何かを残す」ってとても大事なことなんですけど、必ずどこかの誰かがそのためのコストを支払わないとアカンのですよね。で、その金を誰が出すのか?そもそもそれに金を払う価値があるのか?そしてその価値は誰がどういう基準で決めるのか?っていう。公的事業というのは市民の意見を汲んで公平に行うのが大前提なのであれもこれもは不可能です。

もし個人的に本当に何か残したいものがあるのなら、その人(要は民間)がなんとかするしかないのかも、とも。もしくはその個人の思いを公的なコンセンサスを得る運動を起こすという手もありますが、どちらもほんと難しいよな、と。

私は村上春樹氏の小説「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」がとても好きです。そこに図書館が出てきます。図書館にあるのは本ではなくて、ある小さな獣の頭骨です。それぞれの頭骨の中にはそれぞれ誰かの「夢」が詰まってます。頭骨の「夢」は司書(物語の主人公)にしか「読む」ことができません。司書が頭骨をなでるとそれが熱を帯びてきて、司書にその夢を伝えます。その夢は取り留めのない断片的なもので、意味をなさないものです。しかし、司書はその夢にはそれぞれなんらかの意味があることは分かるし、それがとても大切なものであることもよく分かります。でも、だからといってそれが何かの役に立つ重要なものかというとそうでもない、ただただ「古い夢」でしかないという、、。今回のブログ終了の件で、ふとそのことを思い出しました。なんか長々描きましたけど、要は「なんか切なくなっちゃった」ってことですね(笑)

 

●猫ちゃん

嫁の森子(仮名)が買ってきた猫ちゃん。最初は1個だけ買ってきて「いいねえ」って言ってたんですが、その後お店にはお友達が増え、買わざるを得なかったとのことで今こんな感じ(笑)

私は大概オッサンですけどこういうの、いいなあと。ほっこりしますよね。飴が付いてるのは、お菓子のおまけ扱いにするためかもしれません。付属のカードもそれぞれ違うのもいいですね。

 

買ったはいいんですけど、落ち着き先を決めないとアカンですね。最初の1個はこういう風に電灯の紐を守ってもらってます(笑)

ハリネズミ(?)は別で買ってきたものを嫁の森子(仮名)が付けました。

そういえば、こういう紐式スイッチの電灯って今はあんまないんですかね。昭和っすねえ、、。今は壁スイッチとかリモコンだもんなあ、、。

さて他の子はどこに飾るかは未定なのでとりあえずの落ち着き先として、お絵描き机の前に立ててあるMkb42(モデルガン)に掛けてみました。Mkbはこういう風にイイ感じのお菓子の袋の絵とかを貼り付けて今こんな感じ(笑)

最初は目の前に好きなモデルガンがあったらいいよなあって立て掛けてたんですけど、マガジンが丁度いいマグネット台になるのに気付いてこうなっちゃいました。ほんとマガジンとマグネットって相性いいんですよ。メモとか張ってたりします(笑)

 

●「再会」して嬉しかった話。

書店をぶらぶらしてたら、ミッシェルガンエレファント(宇宙一カッコイイバンド)が表紙の「音楽と人」が。

「??? なんかの再販?」って発売年月をみたら最新号です。どうも、来年のデビュー30周年を記念した動きがあってそれを受けてのものだそう。雑誌は過去のインタビューの再録を中心にした構成でした。「音人」は当時ミッシェルのインタビューがあったらほぼ買ってたのですが、読んだことのないインタビューもあって読み応えありました。時期によるメンバーの気持ちの変化などの解説もよかった。全体的に中の人の「ミッシェル愛」があふれる、とても素敵な誌面でした。「やっぱ、みんな今でも好きなんだよなあ」と

それにしても、再録とはいえ「ミッシェルが表紙の音楽雑誌の新刊を買う」という行為ができたこと自体がなんか嬉しかったのでした。

なんであれ、ミッシェルはほんと最高なので聴いてみて下さい。私は今もずっと聴いてます。ほんと飽きないんですよね。ずっとカッコイイ。スゲーと思います。

●「分かる」と「分からない」の間

ある部品を再仕上げするため外でスプレーを吹いて、ブロック塀の隙間に差して乾かしてました。

帰宅した嫁の森子(仮名)がこれを見て「こんなん外に出してたら通報されるよ!!」と怒られました。うーん、、、。「これが何かひと目でわかるって、大概やで、、、。普通の人はコレを見てアレの一部ってすぐわからんよ多分、、、」(とは言わなかった)。

私の部屋にはトイガンがゴロゴロしてて、そういうのをずっと見てると分かるようになっちゃうんだなあ、と。「門前の小僧、習わぬ経を読む」ですねえ、、。で、普通ならこれって何かわかりませんよね?ピース!

 

●私はリス

部屋をちょっと片付けてて、タミヤの新砲塔チハの箱を手に取るとメチャクチャ重くて「!?」となって箱を空けたらマルシンのモーゼルM712(モデルガン)のパーツ一式が入ってました。1丁半分くらいありますが、全パーツは揃ってないので箱に入れといたんですね。

蓋を開けて「あー、そうそう「とりあえずこれに入れとけ」ってこうしたんだっけ。結構パーツそろってるな。ああ、新品の20連マグ2本もあるな。これ、県外の知人が近所のお店に在庫あるよって声掛けてくれてわざわざ送ってもらったんだよな、、。パーツ揃えて組み上げたいな、、」ってほっこりしてたんですけど、よく考えるとふと箱を手にしなければここにこれが入ってるって忘れたまま行方不明になっちゃうところだったわけで、、。危ないとこやで!箱書きくらいしとけよな昔の自分!!(笑)

あー、きわどいところでした(そうか?)。んで、プラモの箱はこういうのに便利(そこそこの大きさで蓋付き、それなりに丈夫って箱は案外ない)なんですね。んで、そういえば他にもモーゼルのパーツあったよなあって探したら出てきました。

新品パーツもいくつかありました。ラッキー!(お前が買ったんやろ。ラッキー!じゃねえよ)。でも先に書いたとおりいくつかパーツが抜けてるので1丁にならないのです。大事なパーツがいくつも抜けてます(暇な人は探してみよう!!)。そのうちちゃんと揃えて組み上げたいですね。で、こうやって写真に撮ってわかったんですけど、パーツの在庫把握するのに便利ですねこれ。ひと目でわかります。どれもパーツをまとめて袋にいれてそれっきりなので、何があるのかとかわかんないんですよね。

 

●作らなくてもええんやで

というわけで、模型の棚をそれなりに整理しなおしたのでした。

私はモデラーの中でも比較的在庫が少ないほうと思います。これで全体の7割くらいです。んで、この中の半分くらいのは作るつもりがありません。眺めてニヤニヤするためのものです(笑)。メチャクチャ珍しい!!ってキットはないですけど、すぐ手に入るわけでもないって感じの「ちゅーとはんぱやなー!キット」が多いですね。「これ持ってるんだぜ」って自慢したらすぐ誰かに「じゃあこれは持ってる?」って速攻でマウントとられるくらいのレベルです(笑)

プラモって不思議な商品でして、作るのが目的なんですがそれはあくまでメーカー推奨(笑)の最終目的であって、こういう風に積んでたまに箱を開けてニヤニヤする、っていうのも立派な目的として成立するんですね。いやほんとなんですってば(笑)

本とかレコードはそれに近いものがありますけど、読んでない本の背をみてニヤニヤできるかというとあまりできない(できる人はいるかもですが)わけで、ちょっと違いますね。前も書きましたけど、プラモって未完成状態が商品としての完成形という不思議な存在でして、だからこそ積んでニヤニヤもできるという。ほんと不思議です。

おっと、なんだかんだで長くなってしまいました。今回はこれでお終いです。

そんなこんなでふと気付けば今年もあと1ヶ月ですね。ついこないだまで暑いー!!って言ってたのに、、、。残りわずかとはいえ、今やってることをちょっとでも進めて行きたいですね。それでは。

 

九六式三号艦戦キット開発記(その4)

前回と前々回は型取りをメインに書きましたが、今回はその型取りの目的である三号艦戦キットの進捗状況について書きたいと思います。「その1-3」はこの記事の最後にリンクを貼ってますので、この投稿が初見かつ興味のある方はそちらからご覧下さい(長いですけど、、)。


さてとりあえず、キットの構成パーツの紹介です。機首、スピナー、プロペラ、ラジエター、尾輪、キャノピー部、気化器の空気取り入れ口の7パーツ。

全パーツともバリなどは大体は取り除いた状態です。キットでもこれくらいで梱包しようと思ってます。


機首パーツの排気管の横の線は不要部です。ここは出っ張ってるのでレジンが流れにくく、そのために設けたバリ(プラペーパー)なんですね。

「その3」に書いた通り、フォルムは「航空機総集」の図面を再現するつもりで造型しています。

こちらは以前ホビージャパンの作例(2015年5月号掲載)として製作したものです。機首部の形状は「世界の傑作機」の図面(「総集」が元ネタ)をもとに私がアレンジしています。

こっちが今回のです。

ご覧の通り、少し違います。先に書いたとおり、今回の主題としては「総集」図面に出来るだけ近い形状にすることでした。自分なりに、ですけどまあまあ近いものになったんじゃないカナーと思ってます。

 

こちらはラジエターと尾輪。

ラジエターの正面のグリル部は「総集」図面から少し簡略化しています。これは型取り上の都合です。

 

「総集」図面は縦方向の格子があるなどもう少し複雑です。今から考えたら別パーツにしてもよかったなあ、と。もし再生産するならこれ込みで改良したいです(気の早い話ですが)。尾輪は流線型のカバーが付いています。これは図面にならってます。支柱は一応造型しましたが金属線で置き換えないとまあ折れるので(なんつってもレジンですから、、)、インストでその旨推奨したいと思ってます。


気化器の空気取り入れ口と機首後部のキャノピー基部です。前回例示したやつですね。

「気化器の空気取り入れ口」と断定口調ですがほんとはどうなのかは不明です。「総集」図面に描かれているものに準じて造型しました。でもまあ、普通に考えると気化器の空気取り入れ口ですよねえ、、。キャノピー基部はキットのキャノピーとフィットするようにしましたが、ピッタリとはいかなかったです。これまたすいません。


プロペラとスピナーです。

ファインモールドのキットのプロペラはホワイトメタル製のゴージャスなものなので、それをそのまま使ってもらったらイイじゃん!なんですが、寿エンジンとイスパノは回転方向が逆なんですね。よって、プロペラも逆なのです。作りなおすの大変でした。


ホビージャパンの作例は見栄えもあってホワイトメタルのパーツをそのまま使いました。「まあ、気付く人もそんなにおらんだろう」と。で、その後鈴木社長に作例を見ていただく機会がありました。社長は開口一番「これ逆だよ!」と。ううむ、、、さすがであります、、、。


そんなこんなもあって非常にメンドクサかったんですけど、プロペラパーツを作ったというわけです。それにしても、メタルのプロペラはとてもよく出来てまして、ピカピカに磨くと最高です。

イイ感じでしょ(笑)。

 

回すともっとイイ感じです。プラよりも質量があるので、よく回りますし迫力もあります。後流を感じられるほど。

個人的にキットを作る時はこのペラバージョンもやろうかなあ、と。


キットに全パーツを仮組みしたところ。ディテールが分かりやすくなるように油彩で墨を入れています。

このキットは原形を作る際の現物合わせのベースとなったので、パテとか瞬着がへばりついたりしてます。後でばらせるように木工ボンドでの仮接着です。ガビガビですいません。素組みで何もいじってません。


パーツ製作で一番気を使ったのが胴体部と機首部との勘合です。改造キットなのでここはできるだけ自然に付くようにしたかったのです。

とはいえ、技術不足でそれなりの出来になってしまいました。要は、製作時にすり合わせが必要ってことです。


機首部のアップです。

ご覧の通り、勘合はぴったりじゃないです。すいません。まあでもこれが限界でした。改造キットを作るのは初めてでして、ベースキットとの勘合をきちんとするってのはほんと難しいなあと。原形はピッタリでも複製すると寸法がちょっと変わっちゃうんですね。この辺の按配はほんと場数を踏むしかないんだろうなあ、と。でも、今後もこういう改造キットは作りたいと思ってますので以後精進したいところです。


機首部を正面からみたところ。

シリンダーの出っ張りは側面より上面の方に向けて出っ張ってます。これも「総集」の正面図に準じています。「世傑」や「丸メカ」には側面図しか載ってなくて、それだけをみると側面方向に出っ張っているような印象になります。んが、大元の総集図面だとこういう感じなんですね。イスパノのシリンダーの角度とも一致します(「その3」参照)。


というわけでパーツの紹介でした。先に書いたようにラジエータのグリル部などいろいろやり残した感はあるのですが、またやり直したりしてるともう永遠にキットが発売できないので(笑)、ここは一旦これでOK!にしたいと思ってます。


パーツの生産は目処が付いたので、次はパッケの製作に移ります。とりあえず、箱絵を描いてます。

これは大体のイメージを掴むためのラフですが、これを清書したいなあと。背景も考えないとなあ、、、あ、インストの下書きも始めないと、、といった感じでまだまだ先は長そうです。レジンキットだからそんなに凝らなくても、、という感じかもですが、以前せんしゃん(中四国AFVの会のマスコット)のキットを作ったとき箱絵とかインストのパッケを作るのがとても楽しく、またやりたいなあと思ってたのです。


とはいえ、いつまでも発売できないのもイヤなので頑張りたいと思ってます。なんつってももう10年近くもひっぱってますからねえ、、。とりあえず、遅くとも来年の夏くらいに発売できればいいなと思ってます。

「気の長い話だな!!」って思われるかもですが、現状の他のもろもろの「やらなアカンこと」を考えるとそれくらいになっちまうんすよ、、、。っていうかこのキットを待ってくれてる人はいるのか?という根本的な疑問はあるのですが(笑)。もし万一、待ってくれてる方がおられるとしたら(ありがとうございます)、当分生温かく見守ってあげてつかあさい。

過去の記事はこちらです。

morinomorio1945.hatenablog.com

morinomorio1945.hatenablog.com

morinomorio1945.hatenablog.com

 

森男の型取り万歳! (その2)

前回は、ゴム型取りの概要と自分なりに考えた製作法を紹介しました。今回はその製作法をもう少し詳しく説明します。この方法はとても気に入ったのですが、それでも問題・改善点はあるのでその辺も紹介できればと。前回のエントリーを未読だとなんのこっちゃかもなので、興味のある方はまず前回の投稿をお読み下さい。

上の写真は今回複製したパーツです。九六式三号艦戦の機首、ラジエター、スピナー、プロペラ、尾輪、キャノピーのベース部、気化器の空気取り入れ口です。

ではまず、このプラペーパー(以下PP)を使うゴム型の製作方法の名前を付けたいと思います。でないと文章内で従来の方法と区別するのが分かりにくくなりますからね。とりあえず「PP式」とします。一方、油粘土を使う従来の製作法は「粘土式」とします。

前回は機首パーツで紹介しました。今回は別のパーツで説明してみます。機首パーツを皮切りに、他のパーツを型取りしているうちに、PP式ならではのやり方がわかってきて徐々に進化してきたんですね。

これはキャノピーのベース部(左)と気化器の空気取り入れ口(右)です。原型はエポパテです。

どんなものであれ、原形はまあエポパテが主体になりますね。

まず原形の周囲にPPを貼り付けます。

表面がザラっとしている部分はマスキングテープです。ゴム型の境界面になるならPPでもマスキングテープでもいいのです。

裏側にはレジン流入用の凸をエポパテで作って張り付けます。ご覧の通り、両パーツとも裏側はシンプルです。気化器カバーの裏は機体への取り付けガイドになる小さい凸がありますがほぼ平面、ベース部裏は胴体にはまり込む凸モールド(白いところ。プラ板)があります。この凸だけが飛び出てるというわけです。

レジン流入用の凸は後からゴム型に彫刻刀で彫ってもいいのですが、それだと好きな形には出来ませんしまあ上手く彫れません。ゴムは柔らかいのですが、彫刻刃の刃が逃げるので思ったような感じに彫りにくいんですね。パーツに直接触れる箇所は、このようにエポパテで造型してやるのが確実のようです。

しかし、流入用の溝は全てこのようにエポパテで作る必要はなく、そこから先の溝は彫刻刀で少し荒く彫っても問題ないのですね(後述)。また、この凸はエポパテである必要はなくて例えばプラモのランナーとか爪楊枝を利用してもよいです。ケースバイケースですね。

さてこれで原型の準備が整いました。次にそれをコップの中でどれくらい傾けるかを考えます。要は空気が角などに溜まらずレジンに押し出されるようにしないとアカンわけです。ここはPP式、粘土式ともどもゴム型取りのキモのひとつです。傾きが悪いときちんとレジンが流れず不良品となります。

このパーツだと、これくらい斜めにすれば大丈夫そうです。マジックで大体の角度の線を引き、コップをハサミで切ります。コップは試飲用とかの小さいやつです。

切ったコップの断面形状になるよう、先の原形のPPにPPを張り足します。

これで、コップ内に望む角度で原形が収まるわけです。

 

コップに入れるとこんな感じ。

コップとの間には少し隙間がありますが、ここはそれほど神経質になる必要はないです。大体コップに接していればOKです。

 

前回の説明では、PP式は粘土式のようなずれ止めが出来ないと書きました。でもあれこれ考えてずれ止めを作る方法をひねり出しました。PPに穴を開けてプラ棒を入れます。

こうすると、両方のゴム型に凹ができます。レジン注入時にはそこにプラ棒を入れてやればいいわけですね。でも実際はこれがなくても大丈夫な印象です。後に書きますが型はコップ内にピッタリ収まるので気をつけて入れればずれは基本的に発生しないんです。ずれたら致命的な形状のパーツの場合だけこうすればいいかも?と。

原形を入れたコップにゴムを流す前に、パーツ部に筆でゴムを塗ってやります。ゴムは気泡が混ざりやすく、原形部に気泡が残ったままだとその気泡も注型されてしまうのでここは注意しないとアカンところです。これまた粘土式も同じですね。

ゴムを筆で原形に塗ってやると、少し後にゴム内の気泡がぷつぷつと浮き上がってきます。その後すぐコップに入れて、ゴムをコップ一杯に流してやります。原形が縦になるので塗ったゴムが流れて周囲に再度気泡が混ざりこむ可能性もある、結構乱暴なやり方です。でも今回5つ作ったゴム型で気泡でダメになったものはなかったです。

気泡対策を確実にしたければ、この状態で気泡が抜けたことを確認してゴムが硬化するのを少し待ってから、改めてゴムを作り、コップにゴムを注げばいいんじゃないかと思います。ゴムの完全硬化までは8時間程度掛かりますが、硬化し始めるのは案外速いんですね。その時点で改めてゴムを作って流し込んでやれば大丈夫な気がします。

これがコップにゴムを流し終わったところ。凸凹になってるのは、前回書いたように埋め草の以前のゴム型です。PP式のいいところは、どのゴム型もコップ形になるので(当然ですが)埋め草を作りやすいんですね。

PPの上端は、写真のようにコップからはみ出るくらいにします。硬化後にゴム型を割る際、ここから割っていけばいいわけです。また、コップなので必要なゴムの量が確実に分かるのもイイです。粘土式だと見当もつかないんですよね。以前本か雑誌で、注入前に木の粉を入れた袋を入れて型の体積を測るという技法が紹介されてました。「なるほど!」と思いましたね。でもPP式だとその必要もないのですね。

ゴムが硬化してコップを剥がしたところです。

写真ではちょっとわかりにくいですけど、うっすらとPPの縁が見えています。ここが型の接合面です。

PPとゴムは一体化してませんので、少しずつはがしていくと勝手にゴムが分離していきます。

PPをコップ断面ピッタリにしていれば、もっとあっさり分離するはずですが縁はところどころゴムで一体化しているので、そこは剥がすというより割っていく感じになります。断面は汚くなりますが、パーツには無関係の場所ですしこれもずれ止めになるんですね。


ゴムを分離するとこんな感じです。

前回も書きましたが、PP式はPPの厚み分隙間ができます。しかしながら、PPの厚みは0.17ミリ。バリと考えるとまあ許容範囲です。また、この形状のパーツだと原形より0.17ミリ厚くなるわけですが、これまた許容範囲でしょう。しかし、これまたケースバイケースで、もしこの厚みが問題になるパーツの場合はその分を想定して原形を作成すればいいわけです。

 

前回の機首パーツのゴム型と違うのはレジン注入用の溝がない点です。機首のゴム型を作った後に思いついたんですね。「これ、溝を外側に彫ったら楽じゃね?」と。これがその注入部です。

レジンはコップの縁から入って、底に周りこんでパーツ部に注入されるというわけです。コップなので当然ながらレジンが漏れないんですね。また、注入口をゴム型内に設けるよりも、型を小さくできるという利点もあります。前回の機首パーツはレギュラーサイズのカップを使ったのですが、それは注入口を内蔵したからです。この方式にすればこれと同じ小型カップで収まったかも、と。

内側にも溝を彫ります。先に書いたように、パーツ近辺のエポパテ製の溝から先はこのように荒くたくてもいいんですね。V型の彫刻刀やデザインナイフで彫ります。

ゴムは割れやすいので溝は角をつけないのが理想です。ほんとはU字の彫刻がいいのかもしれませんし、そもそも最初からランナーとかで溝を付けといてもいいのかも。これまたケースバイケースですね。

ゴム型をコップに入れてレジンを流します。ゴム型は当然コップと同じ形になってるので、はめ込むだけでいいのですね。灰色がレジンで、ここが注入口です。

コップは側面から見ると楔状になっています。なので最終位置まで押し込めば自然に両方の型が密着します。また、円形なのでゴム型にかかる圧力も均等になります。どちらも勝手にそうなるのが凄い!と。

これらはやってみる前には気付かなかった利点です。粘土式の輪ゴム縛りの手間、型ずれとレジン漏れの心配が自然になくなっちゃってるんですね。しかもこっちはゴム型をコップにいれただけという。うーん、なんて楽なんだ、、。

レジンが硬化してコップを外したところ。外した、というか剥がしたというのが正しいです。なのでコップは使い捨てとなります。レジンは紙に固着しちゃうんですね。

ご覧の通り、底部にレジンが漏れてますが外に漏れることなく収まってます。しかし漏れたとてコップとの隙間以上に漏れることはありません。また、漏れたレジンは微量です。

ゴム型を外します。ここが一番ドキンチョワクワクするところ。はい、オープーン!!(テンション高いな、、)。

十分にレジンは流れており、綺麗に複製できています。

 

レジンをゴム型から外したところ。ゴム型の中でこういう風にレジンが流れてるってことですね。

ご覧の通り、PPの隙間にはそのままレジンが流れています。こうやってみると、レジンの流動性が非常に優れていることが分かります。

光りを通すとこんな感じ。

PP部にもきちんとレジンが流れてることがわかります。

んで、全パーツを30個を目処に複製量産したところ、パーツに気泡が残って不良になる確率が明らかに減りました。気泡が皆無、というわけではありませんがレジンキットとしては許容範囲のレベルです。これは、レジンがパーツ周囲のPPに流れ込むことで気泡が押し出されパーツ部に残りにくくなったからでしょう。これも想定外のメリットでした。商品として量産する場合はやはり歩留まりが大事になってきますので、この不良率の激減は非常に有難いですね。

ゴムとレジンは原型をとても細かく反映するという特性があります。下の写真を見ても分かりますが、PPとマスキングテープの表面の違いがはっきり分かります。右上の縁のシマシマは瞬間接着剤のはみ出しをぬぐった痕ですね。とても褒められたものじゃないんですけど、切り取ってしまうところなのでこれでいいわけです。

この特性は逆にいうと原形の仕上げが荒いとそのまま複製されちゃうってことですね。型取りを始めてわかったのが、原形の仕上げの大変さでした。ちょっとした傷も見逃せないんですね。

パーツを切り出したところ。もっと詰めて切ってもいいのですが、レジンキットの組み立ての楽しいポイントしてはこういうバリを自分で処理するというのもあると思うので(人によるでしょうけど。私は好きなんですね)、これくらいで止めとこうかなあ、と。

写真でみると結構なバリですが、デザインナイフで軽くなでるだけで切れる程度の薄さです。また、作り手の好みによってこういうバリやゲートを活用することもあると思う(このパーツに関してはないかもですが)ので、残したほうがいいかな?とも。

 

それはそれとして、バリを切り取った複製品と原形を並べたところ。

ご覧の通り、ちゃんと複製できました。各パーツは30個を少し超える数を複製したのですが、ゴム型は破損しませんでした。これもびっくりでした。粘土式だと、大体30個前くらいで割れてダメになってたんですね。PP式は割れることなく複製し続けられましたが、割れる前にゴムが硬化して変形し、合わせ目がずれ始めたので中止しました。恐らく、これがゴムの性質(レジンの硬化熱により弾力が徐々に無くなっていく)の限界なのでしょう。割れなかったということは、型として無理のない形状だったってことなのかなあ、と。これも想定外でしたね。

さて、いろいろと手間を省くことができたPP式なのですが問題点はもちろんあります。まず、紙コップが使い捨てになっちゃうという点。そもそもエコじゃないですし(エコってガラじゃないですけどね(笑)まあでも罪悪感はあるわけで、、)、制作費にコップ代が加わってしまいます。このキットだと1つにつき5個コップを消費します。30セット作ったら150個。制作費としては300-400円程度なのでまあ許容範囲なのですが、減らせれることに越したことはないわけで。また、ゴミの量も結構なものになります。

この点については、こういう風にすればいいのかも?と考えてます。以下図示します。まずレジンが張り付かない素材(ポリ系なら大丈夫かな?)のコップを切ります(①)。これはハサミで切れる程度の薄いものがいい(ノコで切ると小さくなって外のコップと隙間ができるかも)、かつ安価が望ましいです。

そのコップと同じコップに入れてゴム型を作り、レジンを注型します(②)。③レジン硬化後に下のコップから①のコップを外し(A)、①のコップを開けば(B)ゴム型と複製品が取り出せるかなあ、と。

これに合ったコップを探そうと思ってます。もし上手くいくのなら、コップ代は初期投資だけで以後不要となります。

次の問題点は型の自由度が低いというところ。粘土式は原形に合わせて型を凸凹にするなど柔軟に対応できますが、PP式はちょっと難しい。今回は比較的単純な形状のパーツばかりだったのですが、複雑な形状のパーツだとどうなるかな?と。で、これもまだやってないのですがアイデアはあります。こういう風に3-4分割できるかも?と。

①は3ピース、②は4ピースです。これなら複雑な原形もなんとかできるかもしれません。③のように、同じ形状のものを同時に複製することも可能かもです。今ブローニングM1900の実物複製グリップを複製しようと考えてるのですが、この方式だと左右一組が一度で複製できますね。注入口を別々に出来るのでどっちかが成型不良で数が合わなくなったとて、片側だけにレジンを入れればいいわけです。

3ピースのゴム型というのは粘土式だと高度なテクニックで、私もやったことがないんです。3ピースだと2ピースでは無理な複雑な形状でも複製できるので非常に魅力的なのですが、当然ゴム注入を3回やらないといけないので時間が掛かりますし、失敗した時のリカバーも大変です。なので興味はありつつやらないままでした。

でも、PP式だと案外簡単に出来そうな気がします。3ピースでも4ピースでもゴムの注入は一回だけですし、リカバーも楽です。

PP式は気軽に出来るので実験もやりやすいのがいいですね。やる気スイッチの入りがよくなったっていうのはでかいです。複雑な形状のもの(フィギュアなど)、小さいもの(35の銃など)などどれくらいまで可能かいろいろやってみたいと思ってます。

というわけでお終いです。前回今回は型取り方の紹介となりましたが、三号艦戦キットとしてはまた別のエントリーで進捗をお知らせしたいと思ってます。

 

 

森男の型取り万歳!(その1)

今回は、レジンキャストとシリコンゴムによる型取りについて書きます。

型取りというのは部品を複製する模型製作の技法です。以前からヤルヤルと言っている九六式三号艦戦の改造キット開発を再開してまして、そのためにあれこれ自分なりに方法を考えながら進めています。

その過程を紹介する前に、型取りがそもそもどういう技法かについて基本的な段取りを簡単に説明します。私なんぞが偉そうに解説できる立場ではないのですが、まあ流れ的に仕方ないのでご了承下さい。

これが型取りの手順の大体の概略図。複製したい原型はボール状のものと仮定してます。用語などは適当です。すいません。

①原型を粘土(油粘土が主流。紙粘土など硬化してしまうものはダメ)に半分埋めます。

②枠で囲みます。枠の高さは粘土の深さの倍くらい。粘土の高さがゴム型の分割点となります。

③そこにシリコンゴムを流します。シリコンゴムはどろどろの粘度のある液体で硬化剤と混ぜると7-8時間後くらいに固まって、ゴムになります。

④ゴムが固まったら、型をひっくり返して粘土を剥がします。すると、原型の半分が姿を現すわけです。

⑤粘土を全て取り去ってから再度ゴムを流します。その前に、先のゴムの表面に離形剤を塗っておきます。私はクレオスのメタルカラーを塗ってます。要は、ゴム同士が同化しないよう薄い膜を作るわけです。ゴムは、硬化前のものを硬化後のものに足すと同化してしまうのです。ここに離形剤を塗らないとどうなるかというと、ゴムの中にこの原型が埋め込まれた状態のかたまりができちゃうってことです。

⑥ゴムが固まったら型枠を外します。離形剤を塗っているのでゴムはAとBに分離します。これでゴム型ができました。原型をゴムから取り外すと、そこが空洞になります。そこにレジンを流すと空洞に充填され、その形状で固まって複製品となるわけです。レジンは2種類の液体を混ぜると10分後くらいに固まる樹脂です。混ぜた直後は水のようにさらさらなので型にながすことができるんですね。

レジンを流すために、原型に繋がるレジンの流れる溝と流し込み口と出口を作ります。「たまり」と書いてますが、湯口というのが一般的です。溝はあらかじめ原型と一緒に埋め込むか、ゴム型を彫って作るのかはケースバイケースです。溝の入口と出口は別にします。入口出口を同じにするとレジンが原型の空洞に充填されず気泡ができやすくなり、まあ不良品しかできません(でもこれもケースバイケース。要は原型の形状による)。

レジンを流す時は、ABの型を密着させる必要があります。でないとレジンがダダ漏れになります。一般的には板をあてがって、輪ゴムで縛ります。レジンを流し、硬化するとやれやれやっと複製品が出来上がるというわけです。

とまあこういう感じです。はっきりいって「メチャクチャメンドクサイ」です。模型製作の技法のなかでも、できることなら可能な限りやりたくない作業のひとつです。しかも、恐ろしいことにこうしてやっと出来上がったものは、ただの「パーツ」です。以後、ゲート処理や下地処理、接着、塗装などが控えている模型製作の1丁目1番地を一生懸命作っているというわけです、、。

とはいえ、インジェクションプラスチック部品の製造設備(要は工場レベルのもの)を持てない個人が同じ形の立体物を幾つも複製するという技法としては、長年唯一無二かつ簡単(これでも)・安価・確実なものだったのですね。今は3Dプリンター(以下3DP)が登場・進化し、この技法に代わって複製技術の代表になった感があります。3DPによるパーツは精度や簡便さなど、このゴム型取り技法をいろいろな面で凌駕していることは皆さんよくご存知かと。

このキットを作って売ろうと思ったのは7-8年前で、ぼんやりのんびりしてるうちにあれよあれよと3DPが一般的になってきました。なのでゴム型取りじゃなくてこっちでやろうかな、と考えるようになりました。私は3DPの知識も技術もゼロですが興味もあるし、ゼロからでもいいから始めてみようかなあと(気の長い話ですが)。

ただ、3DPはいくつか障害があって、結局回りまわってゴム型取りでいくことにしました。3DPは当然の話ながらパソコンと関連ソフト、プリンターを揃えてCAMでデータを作成してプリントアウトさせる技術がなければできません。先に書いたとおり私はどれもありません。とりあえずCAMからでも始めようかなーと思ったら私のパソコンのウィンドウズ7ではダウンロードできませんでした。あっはっは!そっからかよ!っていう。いやほんと、それはそれとしてさすがにパソコンは買い換えないと、、。

そして、障害はもうひとつあります。ただこれは複製品を販売しようとする場合のみの障害です。CAMは無料で利用できるソフトがあるのですが、それで製作したものを販売したければ所定のお金を支払う必要があります。利用料はソフトメーカーによって違いますがシステムは同じようです(この辺はちゃんと調べてないので、参考程度でお願いします)。要は「個人で楽しむだけに使うならタダっす。でもそれを売るならウチラに金払ってね」ってことです。

私はキットを販売したいので、ここがネックとなってます。利用料は「1件についていくら」じゃなくて「一定期間使っていくら」式なので(メーカーによって違うかもですが。そうしないと先方も大変ですわね。「1件いくら」式だとまあ処理不能でしょう)それをペイしようとすれば、年単位で製品を開発・生産・販売し続けなければいけません。要はメーカーになってしまわないとアカンわけです。私はとりあえずこの製品だけを売ってみようかな、と思ってるだけなのでこれはちと困ります。

で、そもそも3DPの技術も機材もこれから揃えるつもりだった私としては、そういう心配をする前に、原点に立ち戻ってゴム型で製品化してみようということにしたのです。まあそもそもキット化を考えた最初の時点からそうするつもりだったので、なにやってんのお前って感じなんですけどね。

長々と書きましたが、要は「なんで今時ゴム型取りなの?」という当然思われるであろう疑問にお答えしたということですね。とはいえ、ゴム型取りはメンドクサイながらもこれはこれでとても面白く、かつ奥深い技法なのです。「どないやねん」ですが、まあ模型製作って基本的に「徹頭徹尾メンドクサイけど楽しい!」の権化みたいなもんですからねえ、、。

さてゴムの型取りですが何度も書いてるように非常にメンドクサイです。他の作業に比べても明らかにやる気スイッチの入りが非常に悪い。なのでその辺のメンドクサイを少しでも無くせないかとあれこれ考えました。

でも、その前にまずゴム型取りのどこがメンドクサイのかを列挙します。もちろんこれは私がそう感じているだけで、個人差はあると思います。しかしながらどの方も多分大差ないんじゃないでしょうか。

1.粘土を触るのがイヤ

粘土は型取りに必須なんですが、一般的に使われる油粘土は手が汚れるし臭いしであまり触りたくないものです。また、原型を埋めるので原型も汚れます。油が入ってるので、綺麗にするのが難しいです。服に付いたらまあ落ちません。また工程④の際に、型から外して原型やゴムに残った粘土を除去するのが一苦労です。原型は特に、次回再度ゴム型を製作する場合には完全に清掃しないといけないので大変です。専用の型取り用粘土も使ってみましたが、多少はマシながら以上のような根本的な問題を払拭しているという感じではありませんでした。


余談ですが、私は子供の頃油ねんどが大好きでした。図工の時間の必須アイテムで、これを使って何かを作る課題がいつもなんだかんだとありました(今はどうなんだろう?)。これはほんと楽しくてたまらんかったですね。自分が手を動かしたら、何かがすぐ目の前に立体として姿を現すというのは非常に魅力的でした。指でなでたり爪や楊枝でディテールをつけたりとその気になれば凄い表現(自分なりに)ができるというのもポイントが高かった。自宅でも、暇があったら粘土をコネコネしてましたね。今から考えると、私に造型の楽しさを教えてくれたのが油粘土だったわけです。しかしながら今はこれを嫌いかつ排除しようとしてるんだよな俺、、、。イヤな大人になっちまったな、、。植民地の宗主国軍で教え育てられた将校が、独立戦争で独立軍を指揮して戦う気分ってのはこんな感じなのかもな、、(なんかええように言うな。はよ話を戻せ)

2・ゴム型を2回作るのが待ち切れない

工程④⑤の通り、型を作るには2度ゴムを流さないといけません。ゴムは硬化するまで5-8時間(経験値。硬化剤の量で変わるようです。メーカーの説明書では12時間)はかかります。よって、作業開始からレジンを注入できるまで最低丸1日以上かかるわけです。

経験者ならお分かりかもですがここまで来ると、とにかく成型品がどういう風になるかを速く見たくてたまらんのです。この時間はちとツライ。でもまあ、そういう「知らんがな」という個人的感情はともかくとして、失敗した場合のリカバーまでの時間として考えても長すぎるわけです。また、再生産しようとしてゴム型を再製作する場合でも同じです。これは製品として考えると結構大きな問題点です。

また、ゴム型同様型枠も基本的に作り直しとなります。ここは流用できそうで工夫のしどころなのでいろいろやってみましたがなかなか難しいです。型枠はゴムに張り付くので、最後に外す際にはどうしてもバラさないとあかんのですね。レゴないしそれに近いブロックで任意の大きさにできる製品もありますが、それを個々の型のためにずっととって置くというのはコスト的にもしんどいですね。

3・レジン注入時の段取りがうっとおしい。

レジン注入前にABのゴム型を輪ゴムで縛って硬化後に外してという手間はとてもうっとおしいです。レジンは水のようにサラサラなので、油断するとすぐ漏れます。なので、きちんと縛るのがキモなんですね。かつ、型を歪ませないように均等に圧力がかかるようにしないといけません。これもうっとおしい。うっとおしいだけならいいのですが、当然時間もかかります。

製品化のために量産する場合、生産目標数までどれくらいの時間が掛かるのかが大事な要素となってきます。当然このゴム縛りの時間もそこに加算されるわけです。ゴム型は基本的に30個くらいでダメになります。レジンの硬化熱でゴムの接触部が硬くなり、最終的に割れたり変形したりします。つまり最高で30回同じ作業をするわけですから、可能な限り簡単に済ませたいわけです。たかが30回、と思われるかもですが、これがほんと長いんですよ、、。

とまあ、ざっとメンドクサイを列挙してみました。で、これらをできる限り簡略間便化できないか?と今回の作業にあたりあれこれ考えてみたわけです。

その際にふと思い出したのが、ちょっと前のモデグラの特集でした。2018年4月号。

ゴム型取りの複製を紹介したものです。How toはじめプロ業者の工場レポートなど非常に濃いかつ参考になる内容です。How to記事では私が冒頭に書いたような手順を、写真つきでステップバイステップで紹介してますので、興味のある方はご覧になってみて下さい。

その中に、クレイマンという原型師の方の技法が紹介されていました。それは型枠の代わりに紙コップを使うというものでした。簡単に図示するとこういう感じです。

原形をベースに宙に浮いた状態で固定し、紙コップの底を抜いてさかさまにして被せ、そこからゴムを流すというものです。ゴム型は以後同型の紙コップに入れてレジンを注入します。

ゴム型の分離はどうするのかというと、あらかじめ描いておいたガイドラインに沿って、メスなどでゴムを裂くんだそうです。荒技のように感じますが、実際はきちんと分離して複製できています。

これはいい!と思いました。紙コップが外型になるなら、枠もゴムも要りません。粘土も使いません。ただ問題なのが型を裂くという工程。記事ではクレイマン氏はさくさくとやられてますが、結構な技量が必要であることがわかります。この域に達するまでどれくらいの場数が必要なのかちょっと見当もつきません。ただ、失敗した場合のロスはかなり少ないな、とも。もう一度原形を置いて、紙コップを被せてゴムを流すだけです。スタンダードな技法に比べるとかなりの手間が省けています。

もちろん、紙コップという大きさの制約もあります。コップに入らないものは複製できません(当然ですが)。ただ、今回の私の原形はどれも簡単に入る大きさなので問題はありません。よって、この型を裂くという工程をどうにかできればなんとかなるかも、と。

いろいろ考えた結果、分割面をプラペーパー(→1 以下PP)で仕切ったらいいんじゃないか?という結論に。これがその概念図。

図Aのように原形をPPに半分くらいのところで埋め込んだようにしてゴムを流せば、ゴムが分離するのでは?と。


PPは図Bのようにコップの断面の形に切り抜き、原形と同じ形状の穴を開けます。そこに原形を入れ接着(→2)。PPと原形の接着は難しそうですが、接着剤が盛り上がるなどしないように可能な限りPPの厚みを越えないようにします(→3)。ここがきちんとできればPPの厚み分のバリしかできないはずです。

こうすると、ゴムを一気に流してもPPが仕切になるので型は一体化せず分離するのでは?と。粘土型のように、ずれ止めを作ることは出来ませんが、紙コップの形状に納まりますのでずれようとしてもずれないのでは?とも。

 

当然、PPの厚み分隙間ができますので、先に書いたようにそこがバリになります。しかし、PPの厚みは0.17ミリ。粘土ゴム型でも出来るバリと大差ないように思いますし、恐らくそのくらいのバリなら手でもげるレベルのものだろうと。

とまあ、頭の中で考えるだけだと上手くいきそうな感じです。なのでとりあえずやってみることにしました。原形はとっくに出来てますので、そこに以上の要素を加えてやってみたのがこれです。

披露するのも憚れるほどの「うっ」となるガビガビの出来栄えです(笑)。まあでも最初の試行錯誤の結果なのでご了承下さい。色を塗っているのは、全体を再確認するためです。なぜ濃緑色かというとこの頃東海の塗装をしていたので、そのついでです(笑)。左右の明るいグレーの部分は、紙コップの断面に沿うよう塗装後にPPを付け足したものです。PPはウェーブ製です。

PPを見苦しく貼り足したりしてますが、原形の周囲にはPP1枚分の厚みしか加わらないよう気をつけてます。当然ながら、製品としてはパーツと近くのゲート以外は全て切り離して捨ててしまう不要部分なので、幾らガビガビでもレジンが流れるなどの機能を果たしてくれればそれでいいのです。

紙コップに入れるとこんな感じ。

ここにゴムを流し込むわけですね。

すると、こういうのが出来ます。これは原形を外して紙コップに入れた状態。灰色のはレジンの名残(既に注型した後の写真なんです)

上面が凸凹なのは、埋め草で過去の不要なゴム型を切り出したものを追い足ししたから。先に書いたとおり、ゴムは硬化後でも硬化前のゴムと同化するのですね。レジンと触れて硬くなった箇所以外は、ゴム節約のためにエンドレスに流用が利くのです(限界はあるでしょうけど)。

ゴム型にレジンを流したのがこれです。

ご覧の通り、PP部には全てレジンは流れていません。薄すぎて流れきれてないんですね。流れたところはもちろんPPの厚み分。灰色の濃い部分はPPを2枚重ねにした箇所なので、それなりにきちんとレジンが流れていることが分かります。

光に透かすと、バリはかなり薄いものになってることが分かります。

先に予測したとおり、手で簡単にもげるレベルです。

パーツをゲートから切り離したのがこれ。

バリ部は当然ながらパーティングラインになってますが、デザインナイフの刃を立ててコリコリやったら消えるレベルです。レジンキットとしては「まあこんなもんか」って感じかと思います。

とまあ、ダメもとでやってみたところ想像以上に上手くできてよかったです。これで「粘土を使わない」「ゴム型を一気に作れる」「型枠のゴム止めが不要」とかなりの「メンドクサイ」を排除することができました。また、この写真のゴム型は実は2回目のなんですね。1回目でちょっともたついて不良品が多々出て、目標の30個に届かなかったのでゴム型を作りなおしました。でも、原形をコップに入れてゴムを注ぐだけで出来たわけです。従来のやり方と比べると一瞬でできたといっても言い過ぎではないくらい。これまでゴム型の再製作でフウフウいってただけに「おおおお、、。なんて楽なんだ、、」ってなりましたねえ、、。しかも出来たゴム型は1回目のと全く同じという。

しかしながら、これはこれとて問題はあるのでもっと改良する余地はあるな、と。次回はその問題・課題点や、この方法の手順をもう少し詳しく説明したいと思います。

さて、この「PPを挟む技法」は多分既にどなたかが思い付いてやっていると思います。まあ、私でも思い付けるわけですからね(笑)。この投稿を見たどなたであれ「俺のをパクりやがった!」とお怒りにならないようお願いしたいです。この技法は、先のクレイマンさんの記事を元に自分で考えたものです。それをこうやってお披露目しています。

この技法に限らず、何かを紹介する際どなたかのを参考にしたのであれば必ずそのことは書きますし、その場合は事前に連絡して了解を得るのが筋だと思っています(当然ですが)。また、そもそも人様のアイデアならば有難く活用させてもらうに留めて、こういう風にわざわざ自分の発見した技法のように喧伝することはしません。その旨、ご了承ご了解いただければ幸いです。

いずれにせよ、この技法については私が初ではなくて「車輪の再発明」なんだろうなあと。こうやってドヤ顔で書くこと自体恥ずかしいことになってるのかも、とも。しかしながら、自分なりにあれこれ考えていろいろ解決できたっていうのはほんと嬉しかったので紹介した次第です。なんであれ「自分でやり方をあれこれ考えて実践して、上手くいったときの頭のスカッとした感じ」はもの作りの醍醐味のひとつだよなあ、と思います。

 

最後に、過去の九六式三号艦戦キットの製作記を貼っておきます。興味のある型はご覧下さい。最初に書いたとおり、キット化の構想スタートからえらい時間が経ってしまいました。しかし、おかげさまでパーツ生産は終わってヤレヤレといった感じです。もうちょっとでほんとに発売できると思います。

morinomorio1945.hatenablog.com

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