たぶん、今年の7月、8月は、私の人生で一番「アンテナショップ」に行った月だと思う。
都心にある各地のアンテナショップを中心に、どのような「もなか」が売られているかの実地調査に行っていたのだ。
Wikipediaによると
アンテナショップ とは、企業や地方自治体などが、自社の製品や地元の特産物などを広く紹介したり、消費者の反応を探る目的で開設する店舗のこと。
2024年時点の調査によると、東京都内にはこのアンテナショップが、なんと60件以上もある。とはいえ都内に全部の県があるわけではないのだが、お店に行くだけで小旅行感覚で名産品が買えるのはとても便利であり、何よりもたのしい。
というわけで、今年の夏に出会えたもなかとその記録を紹介していくシリーズ3回目です。
アンテナショップめぐりは今も続けていますが、先月までの記録が整理できている分は一旦これで終了です。
シリーズ①、②の記事と合わせてお楽しみください。

①菓子蔵楽部 倉吉舎「鳥取 かにと貝もなか」(鳥取県倉吉市)
実は私は甲殻類アレルギーで、エビやカニが食べられない。
そう言うと多くの人が「うっそ!かわいそう!人生半分損してるよ!」などと言う。
私からすれば、もなかを調べないなんて「うっそ!かわいそう!人生半分損してるよ!」だ。
そんな私でも食べられるカニがあった!鳥取県のアンテナショップにあった!
新橋駅前にある「とっとり・おかやま 新橋館」にあったのだ。
となりに貝もいた。よしよしカニの仲間だな。いっしょに帰ろう。
まあどっちも私が大きな口で食べてしまうんだけど…

そのお味は…
カニのもなかは珍しい「味噌あん」入り。
餡から感じるかすかな塩気が、日本海の海風を感じさせてくれるよう。
貝の中身はぎっしりの粒あん。薄めの香ばしい皮がいかにも「もなか」!
そうだこれは、子どものころ嫌いだった味だ。
香ばしい皮に、つぶあんがたっぷり詰まったもなかを、熱くて苦いお茶で流し込む。
子どものころに楽しめなかったことが楽しいのって最高だね。
ところでこの記事を書くにあたって、製造販売元として表記されていた鳥取県倉吉市の「菓子蔵楽部 倉吉舎」のサイトを調べてみたら、このもなかの説明はどこにも見つけられなかった。
でも↓のような記事にも載っていたし、商品名で検索したら鳥取県でおみやげとして購入した人もいるようなので、出会えたら捕まえてみてほしい。
あと「とっとり・おかやま 新橋館」には、もう一つ、見たら絶対に忘れられないインパクトあるもなかが並んでいるんだけど、そっちは別に記事にしたいのでもう少しお待ちください。
② 回進堂「栗もなか」(岩手県奥州市)
変わった形の「個性派もなかデータベース」を今年5月末から作り続ける中で、登録するか迷う皮の形が二つある。
それは何かというと、「栗」と「菊」だ。
皮の形としてベーシックであり、なおかつ秋の季節感も感じさせることのできるわりと身近な存在なため、「果たしてこれは個性派と言っていいのか?」と扱いを迷ってしまうのだ。
そんなことを考えているとき、歌舞伎座の前にある岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」で、この「栗もなか」と出会った。
製造販売元の回進堂は、岩手県奥州市にあるお店。
きんつばや、地名にちなんだ「岩谷堂羊羹」シリーズが有名なお店のようだ。
実は違う形のもなかを探しに行って、そっちが今年の取り扱い分は終了と言われてやや落ち込んで購入したもなかだったが、これがとんでもなかった。

そのお味は…
まず印象的なのがその大きさと重さ。手にずっしりくる。測っておけばよかった…!
奥州市といえば大谷翔平選手の出身地だ。大谷選手もこのもなかを食べたことあるかもしれない。
お味は赤あん、白あんの2種類。どちらも中心に大きな栗が一粒。それだけでなく、細かく刻んだ栗が混ぜ込まれている。
これは甘そうだな…と思いながら、抹茶を点てて用意して頂いてみたところ、驚くべきことが起きた。
確かに甘い。甘いんだけど、後を引かない甘さなので、飲み物が必要ないくらい。
この大きさでこの甘さなのに、何がどうなっているのか信じられない!
まるで消える魔球のような不思議な設計のお味だった。
前回の記事の最後にも書いたけど、アンテナショップの棚は結構熾烈なレギュラー争奪戦なのかもしれない。その中で勝ち抜いて選ばれるのは理由がある。
そして「栗」と「菊」のもなかを軽んじるなんてとんでもない!
どのもなかも、農家の人たちが材料を生産してくれて、職人さんが一生懸命に作って、それを物流の仕事の人たちが遠くから運んでくれて、店員さんが並べ、レジが混んでもイヤな顔をせずに売ってくれるからこそ、こうして楽しむことができるのだ。
それを忘れないようにしていこうと思わせてくれた。
③大忠堂/近江 大黒屋忠兵衛「びわ湖銘菓 鮎もなか」(滋賀県大津市)
だいぶ昔、まだ北陸新幹線ができる前に滋賀県で仕事があった。
仕事が終わり次第、次の仕事がある金沢へ移動だったので電車に乗って向かっていた。
もうだいぶ寒くなってきていた11月で、その日は朝から雨が降っており、足元のヒーターから出る温風で眠気が誘発され、折り畳みのガラケーみたいに二つに折れて眠ってしまった。
自分の身体が「ビクッ!」ってなるやつで何度か目を覚ましたけど、それでもまだ琵琶湖が延々と続いていた。一体どんだけ広いんだ!!!
広すぎてこれはネッシーが複数いますよ、と一緒に移動していた先輩に話すと、あなたそんなの信じてるのと爆笑された。信じています。
そんな琵琶湖を擁する滋賀県は結構有名なお菓子屋さんが多く、デパ地下で見かける「たねや」や「クラブハリエ」の発祥の地。あとこんな魅力的なチーズケーキもある。
まさにお菓子天国な滋賀県のアンテナショップは、「ここ滋賀 -COCOSHIGA-」。
コレド日本橋の目の前にある。
滋賀県大津市にある大忠堂/近江 大黒屋忠兵衛の「鮎もなか」は、和菓子が並んだ一角にサンプルと一緒に並べられて売られていた。
滋賀県を代表する銘菓の一つとして、県内の様々な場所で売られているっぽい。

そのお味は…
おっ、皮がおいしいな、という第一印象。
食べるときは餡の添え物のような印象になってしまいがちな最中皮だが、この「鮎もなか」は歯ざわりも口どけもちょうどよい。
皮に使っているもち米は滋賀県産。この美味しい皮の頭からしっぽまで、餡がしっかり詰まっている。餡は甘すぎず、よくマッチしていた。
銘菓として重宝されて販路が広がるのは、見た目やネーミングだけでなく、お菓子としての美味しさも大切なのだ。
鮎の形のお菓子はこのもなか以外に、カステラ生地で求肥を包んだ「若鮎」など、全国で数えきれないくらい存在している。
これをお読みになっているあなたの街の和菓子屋さんにもあるかもしれない。誰か私みたいに調査してブログをやってみてほしい(他力本願)。
次回予告
3回にわたってお送りしてきた「アンテナショップで出会えたもなか」シリーズ、いかがでしたか?
いきなりですが、現在私はある形とエリアにこだわった「もなかZINE」の制作中です。
今年中に完成させたかったのですが、不注意で右手を怪我してしまい、最近はそれですっかり弱気になっていて、年内に入稿できたらいいな、くらいになってきてしまいました。
ZINE制作の挑戦は初めて。あと取材用に自分の名刺を作ったのも初めて。
次回以降はどんなZINEを作っていくのかなどを書けたらいいなと思っています。
あと最近noteも始めました。こっちよりも文字数を減らして、読みやすさを意識しています。
今後どう差別化して運営するか悩んでおり、ビューも「スキ」も少ない状態ですが、合わせてご覧いただけたらうれしいです。