Ramblin' On My Mind

エリック・クラプトン、ブルース。。。いろいろ

Gotta Hear This ~聴けこの一曲 #51 Storollin' with Bone/T-Bone Walker

今回の一曲はとうとうT-Bone Walkerです。

選んだのは1950年録音の " Strolling' With Bone " です。LPとしてはImperial レコードからT-Bone Walker Sings The Bluesアルバム収録曲として1960年に発表されています。47年のStormy Mondayなどなど有名なスローブルースは一杯ありますが、T-Boneの強みの一つは豪快なジャンプ・ブルースだと思っています。その代表となるインストです。

Sings The Blues LP (Imperial 1960)

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上の写真にある様にビッグバンドをバックに180度開脚をしたり、首の後ろにギターを持ってきたり、ギターを胸元で水平に構えて弾いたり結構なエンターテナーですが、音自体は”モダンブルースの父”と呼ばれた唯一無二の音であり弾き方でした。

彼は1910年生まれで、19歳の時(1929年)にOak Cliff T-Boneとして2曲初レコーディングしますが、それはアコースティックギターを使った少しシティーブルースの香りのあるテキサス・カントリー・ブルースでした。しばらくテキサスのダラスをベースにしていましたが1930年代半ばには一旗揚げようとLAに向かいます。ミシシッピーからシカゴに向かったデルタブルースマンと違ってテキサスからLAへのルートはビッグバンドを中心とした大衆音楽へ向かうケースが多いです。楽団内のギタリストあるいはボーカリストとして過ごした後に1944年に自己名義のシングルを出します。ロバートジョンソンがミシシッピーのクロスロードで悪魔に魂を売り、ギターの腕前を手に入れた伝説がありますが、T-Boneもかなりの変貌ぶりです。19歳の時には田舎のブルースを奏でていた彼が15年後、LAから最初のレコードを出すころには既に完全に唯一無二のモダン・ブルースが出来上がっています。25歳から32歳の頃の期間にLAでいったい何があったんだと思わざるを得ない音楽的変貌と成長具合が凄いです。ブルースの世界でエレキギターで最初に録音したのは1938年のBig Bill Broonzyのセッションで弾いたGeorge Barnesということになっておりますが、レコーディングの機会は無かったもののT-Boneも早くにエレキを手にしたと思われます。Freddie Slack楽団名義の42年の録音でエレキギターとボーカルをフィーチャーさせてもらっていますが、そこで既にあのT-Boneのエレキスタイルが聞けます。それから後はレコード契約もうまくいき47年にはStormy Mondayをヒットさせ名声を得ます。その後も大手ImperialやAtlanticと契約を結び新譜を続々と発表していた50年代後半まではT-Bone黄金期で、革新的エレキブルースを生み出していました。

どのブルースマンもそうですが、60年代に入るとプロデュースが難しくなってきます。白人市場がターゲットになるとオーバープロデュース気味のアルバムを制作させられることになっていき、その壁を突破することの出来るブルースマンはまれでした。T-Boneも例外では無かったように思います。そこにブルースマン寿命60歳のような時代で、彼も75年64歳にて没しました。