
Yardbirdsの頃にSmokestack Lightnin'、Creamの頃にはSpoonful、Sitting On Top of the Worldなど何曲かシカゴ・ブルースの超大物Howlin' Wolfのカバーをやっております。Yardbirdsのカバーの料理方法にはまったく興味がわきませんが、Creamの場合は基本のリフだけ使って彼らなりのアレンジでジャムバンドとしてのベース素材として扱っていると言っていいかもしれません。
Evil
そんな中、ウルフのカバーとして一番印象に残ったアレンジの妙はDerek & Dominosの2枚目のアルバム用に録音されていたEvil(71年5月録音)です。88年にCrossroads Box出始めて聴けました。
重く呪術的空気とドライブ感が凄いです。
どうやってこんなアレンジに辿り着いたのか?と思うと同時にこのアレンジはアメリカのハード・ロック・バンドCactusの71年のアルバムに収められたEvilに近いなと思いました。何で似ているのかなと思って調べていると、この両者のアレンジの元ネタは69年にウルフが発表した「This is Howlin' Wolf's New Album.....」に収録されたEvilがベースになっていたようです。その音源はこれです。↓
当時ブルースファンからはコケにされていたサイケ・アルバムですがロックバンドでやるにはもってこいだったのでしょう。実は私の購入した最初のウルフのアルバムがこれです。LPタイトルはおかしいし、疑問を抱きながらもSitting On Top Of The World, Smokes Lightnin', Spoonful, Red Roosterなど聴きたい曲満載なので購入したのを覚えています。これはRotary Connectionというソウル・ファンクバンドをバックに配して実験的に会社が作らせたもので、50年代の原曲集ではないとわかり、すぐに50年代の録音のLPはどれなんだとレコード屋に戻りました。何せ情報不足の時代でした。
Howlin' Wolfの54年のオリジナルはこちら。自分の耳には”イーボー”と聞こえたものです。
Meet Me In The Bottom(Down In The Bottom)
エリックはCreamの頃古いブルースLawdy Mamaを吹き込んでいます。
このLawdy Mamaを吹き込んだブルースマンの一人がBumble Bee Slim(それにしても何という芸名)です。彼は自分で吹き込んだLawdy Mamaの歌詞を変えて, 違うタイトル「Meet Me In The Bottom」として再録音(1936年)します。
その曲は後にHowlin’ Wolfが更に「Down In The Bottom」として大きく改造しました。
Creamはスタジオ録音のMeet Me in The Bottom(Down In The Bottom)は残していないようですが、ごく初期のライブ(例えば67年11月のKlooks Kleed Club)ではセットに入れています。完全独自のアレンジを決めています。この頃のクラプトンは音がわがままというか、刺すようというか威圧具合がすごい22歳です。
この曲はソロになってから1974年の461Ocean Boulevardの頃スタジオでジャムって録音されております。後に461の Deluxe 盤で蔵出しされました。一応Howlin' Wolfのバージョンをベースにしてはいるものの当時のレイドバックジャム用の材料というところでしょう。93年のRoyal Albert HallでのBlues ShowではHowlin’ Wolfバージョンをまっとうにフォローし生き生きとプレイしておりました。
原曲はこちら
London Session (1970)
クラプトンとウルフと言えばLondon Session (1970年5月)です。
エリックがビビったと言う大男WolfからLittle Red Roosterの教えを受けるリハーサルも貴重です。全体に演奏自体は原曲に極めて忠実なアレンジですが、ソロはかなり好きに弾いています。気持ちのよいストラト音です。彼のアイドルHubert Sumlinも一緒で刺激的だったことでしょう。
後にデラックス拡大盤がでました。その中にリハーサルと称するテイクのWorried About My Babyが収まっています。ほぼエリックのギターとウルフのハープと唄だけです。エリックは伴奏つけるだけですが、こういうのをやらせると楽しそうです。
この年1970年は激動の年です。
このLondon Sessionの後George HarrisonのAll Things Must Passを手伝い、6月にDerek & Dominosのライブデビューとなります。
1970年の頭の最初のソロアルバム->5月のLondon Sessionの頃-> 6月ドミノスのお披露目と、写真をみるたびに容姿が変わりまくります。どっちみち格好いいです。


