
融通念仏を唱える金福寺の住職。
2メートルほどの高さの石仏地蔵尊。
立派な形は舟形光背をもつ。
ゴザを敷いた場に座っているのは上吐田の尼講たち。
「なんまいだぶっ なんまいだぶつ」を唱える地蔵尊の法要だ。
この日は暑かった。
西日が射しこむ時間になっても暑さはかわりない。
団扇で煽ぎながらの法要である。
舟形光背の地蔵尊は東向き。
法要の場の両脇には高張提灯を掲げている。
それはめいめいが持ってきた家の提灯。
ずらりと並ぶ。新しい花を飾ってローソクを灯す。
家内安全、五穀豊穣、除災を願う回向法要である。
上吐田の地蔵尊は大和川の堤防にある。
垣根に囲まれた中だ。
かつてはここより50メートル向こうの西側にあったそうだ。
大和川の堤防工事があった際に移された。
60年以上も前のことだと話す尼講たち。
上流の下永から流るる大和川。
下流にあたる南吐田は田原本町を流れる寺川と合流する。
ここら辺りはかつて水ツキに悩まされてきた。
堤防ができるまでは蛇行を繰り返す大和川であった。
安堵町との行政境界線をみれば明確だ。
かつての大和川に沿っている境界線は蛇行の跡を示す。
それはともかく、数人の欠席があったがこの日に集まったのは8人。
かつては30人の講員からなる大所帯だった尼講。
「若い人が入ってくれんから・・・」とこの先を案じる。
講の当番は二人。月に2回は地蔵尊を清掃しているという。

法要を終えれば般若心経。
続いて唱えるのが西国三十三番のご詠歌だ。
ご詠歌されている間も見られない村人たち。夕日が沈んでいった。
(H24. 7.23 EOS40D撮影)