マネジャーの休日余暇(はてなブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介しています。 すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

北吐田油掛地蔵盆


大永三年(1523)に造られたとされる川西町北吐田の地蔵菩薩は願かけに油を掛けた習わしがあることから黒光り。

古来から塗られてきた年代を表す油であろうか。

舟型光背を持つ石造り立像は泥田の中に埋まっていたものを引き上げて祀ったという。

クサ(できもの)が発症した子どもを持つ母親。



地蔵さんに油を掛けていればそれが治ったという伝説がある油掛け地蔵に夕陽が挿しこんで油が光った。

ここでは一年に一度の地蔵盆が営まれる。

夕方、日が暮れる前に幕を張って提灯を設える。

お花を飾って御供をおます。

自治会地蔵講の当番の人だ。

お供え膳の椀は五つ。

中央に茶葉の椀、四方にはシイタケ、カンピョウ、コーヤドーフの椀とナス、キュウリ、ジャガイモの椀。

それにソーメン、ユバの椀だ。

いずれも調理をしていないことから生御膳の一種であろう。



それには洗いコメに地蔵さんが食べられるようにと箸が添えられている。

この膳を仏膳と呼んでいる。

暮れなずむ頃、提灯に灯りが点った。

電球の灯りだ。

傍らには参拝者が手にしてきた提灯をぶら下げる提灯棚がある。

そこに一つずつ掛けていく。



その多くは古いもので家の名が記されている北吐田は40軒。

住職の法要が始まる前には相当な提灯にローソクの火が燈された。

油掛け地蔵さんの周りは田んぼ色の一色。

周りには住まいもなく風が吹き抜けていく。

その間、子供たちが楽しみにしていた花火もある。

村公認の花火大会なのであろう。



東方の斑鳩辺りからは大きな花火が打ち上げられている。

その様子は大和中央道を通り抜ける車からも見られるであろう。

田園の中で行われている地蔵盆の灯りは不思議な景観を醸し出す。



法要を終えてお下がりをもらって帰る人々。

灯りが点いた提灯を手にして暗がりの道中を帰って行った。

(H23. 7.23 EOS40D撮影)