原題は「夜校女生」、夜間学校の女子生徒と訳したいところだが、夜間学校のニュアンスが日本とはだいぶ違う。台湾の高校のシステムを本作を観るまで知らなかった。
試験によって全日(昼、16:30まで)と夜間(16:30以降)に分けられる。また男女も予め分けられている。
舞台は1997年の台北。デイティールの再現に腐心をしていて時代を象徴するアイコンを畳み掛けてくる。
全日の子・敏敏は勝気で溌剌、夜間の子・小愛は背が低く、メガネ(だが客観的にはそれが魅力)。同じ机を昼と夜で使う二人は仲が良いが全てが対照的。
やがてバスケットが得意な男子・路克を巡る、二人の恋の鞘当てが始まる。
小愛は夜間部ということだけでなく、貧しい母子家庭という点もコンプレックス、亡父の借金を懸命に働いて返す母親は金銭と教育にはシビアだが前向きで明るい。仰天するような節約料理を饗し娘たちがそれを吐き出すギャグ。
小愛は卓球が得意、それが縁で路克の気を引くことに成功、路克は小愛を「アルマゲドン」('98)に誘う。帰り道、雨が降って、雨宿りで告白‥‥ってこれ「She's Rain」じゃないか。優柔不断な男の子を勝気な子と素直になれない子が取り合うってのも一緒。
もうそこから痺れっぱなしで観た。尤も1993年時29歳のデビュー作の私より、1973年生まれで長編映画4本目の莊監督の方が数段巧い。編集秀逸。
学歴、階層、貧富とコンプレックスの要素がむき出しになり、取り繕った嘘が剥がれる残酷。台湾のこうした青春映画が輝かしいのは煩悩や欲求に素直なところ。
'90年代のバンドではない告五人の優しいボーカルソングが絶妙の化学反応、掛け替えのない青春の一時期へのノスタルジーを掻き立て未来への希望をサジェストしている。
久しぶりにパンフレットを買い求め熟読。
脚本家の一人・王莉雯は私の大好きな「父の初七日」(2021)で父の葬式のしきたりに振り回される娘を演じていた人だったことを知る。
傑作、お勧め。
監督デビュー時代を思い出し、清々しい気分で自分の映画の舞台挨拶に向かう。
