あぁ又大好きな俳優さんが逝ってしまった…
ダイアン・キートンと言えば有名な出演作がありすぎて「これ」と一つ選ぶのが難しいくらい。個人的に好きすぎて何回観たかわからない「ゴットファーザー」シリーズも捨てがたいし、これまたクセの強さが特徴だった初期のウッディ・アレンとの共演作でも素敵だったし、晩年さらさらのグレーヘアで見せたコミカルな演技も良かったし…なので記憶に一番古い彼女の出演作をチョイスすることにしてみると、初めて「ちゃんと」観たのは確かこれだったような。まだ中学生かそこらだったと思うのだけれどどこで観たんだろう、劇場じゃなかったのは(内容からして)確かなのだけれど。「グットバイじゃなくてグットバーだよ」と友達と言い合いしていたのを思い出しました。
「ミスター・グットバーを探して」
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テレサ(ダイアン・キートン)は、聾唖学校の教師として勤める一方で、満たされない心を埋めるように夜になると酒場に通う日々。やがて酒場でトニーという若者(リチャード・ギア)の誘いで麻薬も覚えるようになる。酒場通いを続ける中リチャードという真面目な青年と出会い、トニーと何とか分かれる事ができ、生活が一変できるかのように思われるのだが…
酒とドラッグと性に溺れる若者…当時のアメリカを象徴する存在だったのでしょうか。家庭環境の影響で抱えた心の闇を払拭できずに、教師としての昼間の自分を打ち消すように夜の盛り場に入り浸る主人公。
それでもそんな生活に終止符を打とうとする矢先に悲劇的なラストをむかえます。
全く救いのない場面で終わるのだけれど、彼女の顔が苦痛で歪むというよりも何故かどことなく解き放たれたように見えました。
それは、子供の頃に患った病気からくる「健全なもの」へのコンプレックス、厳格な父親による抑圧、二重生活を送ることによって生じるアンバランスなどが複雑に絡み合って自身に住み着いた屈折した感情からの解放だったのかもしれません。
聾唖学校で子供たちを相手にする真摯な姿も、夜な夜な男を連れ帰る自暴自棄な姿もどちらも「本当の」彼女ではあったのでしょう。そしてそれぞれの顔を演じ分けて見せてくれたダイアン・キートン、スタイリッシュで大人の魅力を感じる素敵な女優さんでした。
当時はわからずスルーしてましたが、ブレイク前のリチャード・ギアやトム・べレンジャーも出演していて、共演者を見る楽しみもありますね。
書いているといろいろ思い出したので、また他の出演作もレビューしたいなと思います。
