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GIMPは切り抜きや特殊効果などの多彩な機能を備えていて、お絵描き用途だけでなくフォトレタッチや合成にも最適なソフトです。

無償ソフトでありながら、その高いポテンシャルと実力はデザイン業界で定番の某有名ソフト(しかも高価)にも引けを取らないほど。

Windows版も安定して動くようになってきたので、Windowsユーザーの間でもコアなユーザーが増えつつあります。

ところが、QHD(2560×1440ピクセル)以上の高解像度液晶タブレットを使う環境ではスタイラスペンと描画ブラシの位置が一致しない、なんて症状に悩まされることも・・・。

Windowsのシステム設定でディスプレイの拡大/縮小が影響

Windowsの「設定」を開いて「システム」という項目から「ディスプレイ」を開くと、「拡大縮小とレイアウト」のセクションに「拡大/縮小」の項目を見つけることができます。(Windows 11 バージョン24H2で確認)

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「125%(推奨)」となっていることが、この問題の引き金になっています。

デュアルモニターやマルチモニター環境で異なる解像度のモニター(ディスプレイ)を使用していると再現しやすいようですが、この問題を把握している一部のメーカー(あるいは機種)は液晶タブレットのドライバーで対策している場合があるので、すべての人に再現性があるというわけではありません。

そもそもWindowsはなぜ、こんな設定になっているのか。

実はディスプレイの解像度が高すぎると、同じ画面サイズのモニターを使っていてもFHD(1920x1080ピクセル)よりQHD(2560×1440ピクセル)の方がアプリケーションの表示領域が広がることで、相対的にメニューバーやツールバーの表示が小さく(縮小されたように)見えます。

23~24インチ以下のモニター(ディスプレイ)では見づらくて視認性が悪くなるという問題があるので、これを解決するためにFHDと同等の体感表示となるように拡大率を125%にしているわけです。

ところが、この拡大率が影響してGIMPの描画領域となるキャンバス(デバイスコンテキスト)上の描画ブラシの位置が、液晶タブレット上で実際に検知されているスタイラスペンの位置(カーソルやマウスポインターの表示)からズレてしまうという問題を抱えています。

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座標の起点では描画ブラシもスタイラスペンも位置がピタリと一致するものの、起点から遠ざかるにつれてキャンバスの座標とスタイラスペンの座標が拡大率に応じてズレていることに気づくと思います。

これでは、GIMPがいくら優秀なソフトであっても使い物になりません。

GIMPの実行ファイル(プロパティ)で「高DPI設定の変更」を行う

お絵描きソフトのような座標系のデータを扱うソフトの場合、アプリケーション側で実行する座標変数の初期化など何らかの動作がWindowsのシステム側の設定によって無視されてしまうと、スタイラスペンの位置と描画ブラシの位置が合わなくなってしまうことがあります。

このような時はGIMPの実行ファイルに少し手を加えてあげます。GIMPが立ち上がっている場合は一旦、GIMPのアプリケーションを終了させてください。

まずはファイルエクスプローラーでGIMPの実行ファイルを探し出します。GIMPの実行ファイルを見つけたら、右クリックメニューのプロパティから設定を変更します。

実行ファイルの存在している「AppData」というフォルダは隠しファイル属性になっていますので、あらかじめファイルエクスプローラーの「表示」メニューから「表示」を展開して「隠しファイル」の項目を有効(チェックマーク付き)にしておくとよいでしょう。

アドレスバーに直接、下図のようなディレクトリ階層を記述(コピー&ペースト)するときは<user>のところを自分のローカルアカウントの名前に書き換えてから開いてください。

下図はローカルアカウントの名前が<user>の場合の説明です。

 C:\Users\<user>\AppData\Local\Programs\GIMP 3\bin 

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ファイルエクスプローラーには似たようなファイル名(gimp-3.0.pdbやgimp-3.0.exe)が並んでいますが、間違えないように「gimp-3.exe」の上で右クリックします。

自分のGIMPを見てみたらバージョンが「3.0.6 (リビジョン 1)」になっていましたが、おそらく「3.x.x」ならすべて「gimp-3.exe」で良いはずです。

ポップアップメニューの「プロパティ」を選択したら「互換性」のタブを開いて「高DPI設定の変更」をクリックします。

ダイアログが開いたら「高DPIスケール設定の上書き」のセクションで「高いDPIスケールの動作を上書きします。」にチェックを入れて、「拡大縮小の実行元:」で「アプリケーション」を選択します。

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一通りの設定が終わったらOKボタンでダイアログを閉じていきます。

先程、ファイルエクスプローラーで「隠しファイル」を有効化していた場合で、隠しファイルを非表示に戻したいときは改めてファイルエクスプローラーの「表示」メニューから「表示」を展開させて「隠しファイル」をクリックし、チェックマークを外します。

これで次にGIMPを立ち上げた時はスタイラスペンと描画ブラシの位置がピタリと合うはずです。

但し、この設定によってGIMPのデフォルト表示ではフォントやアイコンが小さく表示されてしまいますので、必要に応じてGIMP側の設定からGUI(ユーザーインターフェース)の表示サイズを調整してみてください。

具体的にはメニューバーの「編集(E)」から「設定(P)」を開いて、「ユーザーインターフェース」のカテゴリにある「テーマ」を選びます。

下の方にある「▢ Override icon sizes set by the theme」にチェックを入れてスライドバーを「Large」に、Font Scalingのスライドバーも130~150くらいに調整すると適度な見やすさになります。

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これで高解像度の液晶タブレットでもWindowsの拡大/縮小の影響を受けることなくGIMPを快適に使えるようになると思います。

それでは、ごきげんよう~。