
評価4
再読。
2015年の谷崎潤一郎没後50年にあたって、出版社が企画した谷崎作品にちなんだ書下ろし作品の中の一作。本書に登場する牧田家の母・鶴代、娘の佐知、同居人の雪乃、多恵美の名前は谷崎潤一郎の名作「細雪」の四姉妹(蒔岡鶴子、幸子、雪子、妙子)から来ている。
さて、牧田家は、70近い唯我独尊の鶴代を中心に刺繍作家として家にへばりついている一人娘の佐知37歳、と二人の同居人=同い歳の大手生保社員の雪乃、雪乃の10歳下後輩・多恵美の四人で構成されている。この個性豊かな四人が雪乃の部屋の雨漏り事件や多恵美のストーカー男事件に大騒ぎ、そして、内装業者への恋心に目覚める佐知の行く末は?
笑いと珍事に事欠かない牧田家の日々が思わず読み手の心をほぐしてくれるそんな物語。おっと、敷地内に住まう謎の老人・山田さんの存在も忘れてはならん。
自然体に生きている人々の姿がとても素敵な一作です。