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「金子差入店」(2025)差入れ屋になった元受刑者、社会の批判に耐えながらどう生きる!

 

今年最期の作品。明るい作品ではないですが、前向きに生きる人の話で今年を終ることができてよかったと思っています。1年間、お世話になりました

刑務所や拘置所への差し入れを代行する「差入屋」を家族で営む一家が、ある事件をきっかけにその絆が揺らいでいく姿を描いたヒューマンサスペンス。2024年釜山国際映画祭正式出品です。

タイトルで観ることにしました。私にも苦い経験がある。 (笑)これが罪かと思うほどのものでしたが、あの冷たいガラス越に面会者と話した経験がある。だから面会の大切さは分る。

差入屋の存在を始めて知りました。映画が始めると冒頭で彼が犯罪者だったと知った。彼は何でこの仕事に就いた。悩みは何だ?どうやってこれを克服する。こんな視点で観ることにしました。

 差入れする犯人像の描き方によく分からないところがある。でも彼は刑事でもないし、彼自身が犯罪者だったから分るか苦しみだと割り切って観ていました。

 犯罪者が社会に戻るのは難しい。こんな映画は沢山あるが、差入れ屋としてこの視点で描いた作品はない。だから泣けるところがあった。元犯罪者に対する世間の目は厳しいが家族の支えと自分の仕事で人を救えると耐えて、耐えて、これこそが贖罪と生きる姿に泣けます。

こういう人がいることを知っておくことが、この世を明るくするのではないでしょうか。初監督作となる古川豪監督にエールを送りたいです。

監督・脚本:古川豪、撮影:江﨑朋生、編集:小西智香、音楽:ベンジャミン・ベドゥサック、主題歌:SUPER BEAVER

出演者丸山隆平真木よう子、三浦綺羅、川口真奈、北村匠海村川絵梨甲本雅裕根岸季衣岸谷五朗名取裕子寺尾聰

物語は

金子真司(丸山隆平は刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を一家で営んでいる。ある日、息子の幼なじみの女の子が殺害されるという凄惨な事件が発生する。一家がショックを受ける中、犯人の母親が「差し入れをしたい」と店を訪れる。差入屋としての仕事をまっとうし、犯人と向き合いながらも、金子は疑問と怒りが日に日に募っていく。そんなある日、金子は一人の女子高生と出会う。彼女は毎日のように拘置所を訪れ、なぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。この2つの事件と向き合う中で、金子の過去が周囲にあらわとなり、家族の絆を揺るがしていく。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇差入れ屋の金子真司、彼は元受刑者だった

妻の美和子(真木よう子が勤めの合間を縫って幼子の和真を抱いてバスを使って収監されている真司に会いに行く。しかし、真司から「約束を守れ!生き甲斐の面接に遅れて、言いたいことがあるか!俺のことはどうでもいいのか?」と怒鳴り散らす。美和子がいたたまれず席を外した。真司は美和子が子供を抱いていたことに気付き、言葉を掛けようとするが面会時間終了だった。

真司は気が短く自己本位なところがあり、つまらんことで暴力事件を犯したのか?自分のことだからもう少し説明があったほうが良いい。

そんな真司が叔父(寺尾聰の指導で差入れ屋になり、男性受刑者に離婚届けの押印を求めて面会。すると受刑者は意見も聞かず、かって自分が妻を怒ったように怒鳴り散らす。真司はこれに耐えきった。叔父から「ころあいだろう。あとは任せる」と印籠を渡され、真司が店を仕切ることになった。

真司は刑務所を出たとことで男(岸谷五朗)にぶち当たって“ごめんなさい”と謝った。後にこの男の差入れ屋になるとは?こういう遊び心が面白い

〇真司は店を引き継ぎ、家族を大切にしながら過ごす中で、妻の友人の子娘が刺殺される事件に遭遇した。

真司一家は妻の美和子と小学生の長男の和真(三浦綺羅)、叔父と生活していた。家の前で造っている植木鉢がよく割られるが、美和子は掃除し新しい植木鉢に変えていた。

朝食時、TVニュースで「横川裕二、元暴力団員が強盗殺人で逮捕。太田区の二宮芳恵宅に入り刺殺」と流れていた。後に真司にとって大きな事件になるのだが、何気なくここで見せておくという演出が面白い。

真司は予定の差入れに出掛けた。その後、真司の母親・容子(名取裕子が店に顔を出す。美和子はそっとお金を渡して返した。

帰宅した真司が母親が家に来たことを知り、母親を尋ねて「家族に関わるな!男を追い続けて、俺の面会に一度も来なかった」と怒りをぶつけた。真司は母親からネグレクトされて育ったようだが、彼が犯した事件との繋がりなどが一切示されない。真司を理解するためにもう少し丁寧な描写が必要だった

妻の友人・徳山詩織(村川絵梨)の娘・カリンちゃんが川原で発見され刺殺されていた。。

美和子は捜索から発見、葬儀まで詩織に付き添った。ところが近所の人から「あんたみたいな商売している人に来て欲しくない」と非難さるが気丈に過ごしていた。金子夫婦が葬儀に参加し、帰宅すると植木鉢が悪戯されていた。

真司が世話になった弁護士の久保木(甲本雅裕が訪ねてきた。

偶然道行く二宮を見て「あの子の母親が殺されたが母親は自宅売春やっていたが事件には出来ない」と二宮芳恵殺人事件を話題にした。

真司は頼まれた差入れをしに刑務所を顔を出すと、受付で面会を拒否される女生徒(川口真奈)に出会った。真司は“何があったか?”と思った。まさかこの娘が二宮芳恵の娘とは思わなかった。

カリンちゃん殺害犯人は小島高史(北村匠海だった。報道陣が小島宅に押しかけるが、母親のこず江(根岸季衣は水を掛けて追い払う。どうやらこちらの母親も毒母のようだ

〇真司は小島こず江の依頼で高史に差入れした。高史に侮辱され腹が立った

真司はこの依頼は嫌だった。美和子に窘められて受け入れた。ブランケットと手紙を差入れだった。

面会室で高史に会った。

ブランケットを差入れたことを告げ、手紙を読もうとすると、高史が「あんた、何年入っていた。何でこんな仕事をしている?素人には難しいか?」と聞く。真司は「刑期は3年、後悔しかない」と答えた。すると「嘘をつけ!しばらく入ってさぼって出てくる。100匹の蟻の話を知っているか」と話し出した。真司は頭にきて席を外した。真司はこず江に“差入れは終った”と告げた。植木鉢が壊されていた。

高史が何故真司を知っていたのか。説明が欲しい。

真司はこず江の催促で再度高史に面会した

こず江は自分で会おうとはしない。真司の母親と一緒だった。いつもの女生徒が面会に来て、断られているのを目にした。

真司は高史に「何でやった?」と聞いた。「報復だ!社会に対して!」と答えが返ってきた。「何でカリンちゃんを、彼女の身になってみろ」と問うと「あんたの価値観で判断するな!あなたの家族が悲劇だ」と言った。真司は又頭に来て席を外した。

真司は高史の言葉に“どうして俺はこう見られるのか”と悔やんだ。やる気が亡くなった。

そこに久保木がやってきて「二宮芳恵殺害事件は母親が殺害されたことで終わらず、母親が娘に売春をさせていたことに触れそうでだ。そうなったら娘の人生が終る。犯人・横川に面会させてもらえない、特殊事情だ」と酒を飲みながら愚痴る。久保木は高史に手を貸して欲しかったのかなと思った。

横川は便器を使って首を締め自殺を図った。が、刑務官に発見され未遂に終わった。横川は芳恵を殺したとき娘が笑ったことを想いだしていた。

〇真司は息子・和真が学校でいじめられていることを知り、暴行事件を起こした。

和真へのいじめが“罪人の子だから”というものだった。妻の美和子もいじめられていることを知った。真司の怒りは収まらなかった。教員室を尋ね、担任の先生を殴った。教頭先生が「不注意だった」と取りなしてくれ、事件にはならなかった。真司は「もう差入れ店を辞める!」と美和子に言った

美和子が「あなたのやっていることは凄いこと、なんで自身が持てない。私たちがやっていることは凄いことなのよ。私は分かっている、しっかりしてよ」と励ました。

真司は叔父に「どうしていいか分からない」と聞いた。叔父は「俺は服役してないから分からないでこの仕事をやってきた。ひとつだけ悩んだことがあった。お前への差入れだ。まさか身内に差入れするとは思わなかった。しかしお前に差入れして良かった。おれは家族がもてた。さんざん迷惑かけたけどお前の母さんに感謝している。あいつが“差入れしたらどう”と言ったんだ。お前が思うようにやれ!」と答えた。寺尾聰さんの出番はほとんどないがこのセリフは良かった

真司は出所したとき美和子が和真を連れて迎えてくれた時、泣いたことをおもぃ出した。そして“この仕事を続けよう”と思った。

真司はこず江邸を尋ね、手紙を帰した。こず江は「いつまで子供の責任を取らされるの。私は20歳まで立派に育てました」と面会を無視した。自分の母はこれよりましだと思った。(笑)

〇真司は女生徒の面会を引き受けることに決めた

少女の名は二宮佐知。家に連れてきて一緒に飯食った。佐知は事件のことを「横川が家に来た時、自分が誘った。しかし横川は母を刺し、私には手を出さなかった。母にはまだ生命があったが。自分が母を殺した」と話した。

真司は「危ない面接になるので約束してくれ」と「嘘はつくな!」「事件のことはどうでもいい」「3つ目は直接話すな!」と話して、家に返した。

〇真司は袖の下を使って刑務官を買収し、佐知を連れて横川に面会した

横川(岸谷五朗は佐知を見て“約束が違う”と部屋を出ようとしたが刑務官に止められた。真司は“毛布と手紙を差入れにきた”と告げた。

佐知が「元気ですか?」と書いた画用紙を見せた。横川が「このリスク分かっているのか?」と聞いた。真司が「分かっている、墓場まで持ってゆきます」と答えた。「務所に戻りたかっただけだ」と横川が言った。「元気ですか?」と佐知が再び画用紙を見せた。横川はあのとき佐知に盗んだ金を、“新しい人生をおくれ”と渡したことを思いだした。「ダメだ、そんなことしたら人生が無駄になる」と横川が反対した。佐知が「すっと生きてください」とまた画用紙を見せると、横川は部屋を出て行った。佐知が大声で「ずっと待っています」と泣きながら叫んだ!横川はこれを聞いて泣いていた!

真司は高史に面会し、「自分は家族を持ちしっかり人生を歩んでいる」と伝えた。「君も環境が違っていたら俺の気持ちが分かる。可哀そうだ」と声を掛けた。高史が「もういいですか」と言うから「気になっていたことだが、その目はどうした?」と聞くと「何度も手術したが麻痺している。誤認医者ですよ」と言った。

〇佐知は施設に入り、真司に沢山の“いちご“を送ってきた。世話になった人にお裾分けした。母親にも!

まとめ:            

ラストシーンは壊された植木鉢を妻の美和子がきれいに掃除するシーンで終る。家族が耐えて、耐えて生きる姿に涙があふれる。きっとこういう人たちが沢山いるのだと思う。

金子は自分が収監されていた時、妻の面会に“思いやりがない”と妻を責めた。自分が差入れ屋となって受刑者に面会してみて、かって自分がやったと同じように受け入れてもらえなかった。金子はこのことで自信を失くしていくが、妻の美和子の支えで、横川に会い“この仕事が人助けになっている”と自信を取り戻し前向きに歩み出した毎日が贖罪の日々なんだろうと思った

刑を終えた人への普遍的な物語になっている

シナリオにあいまいなところもあるが、出演者の感情の入った演技でカバーしてあった

金子役の丸山隆平さん、一本気で切れやすいが優しさがある平凡な人だが傷つきやすい。経験を積みながら強くなっていく姿がよかった。金子の妻役真木よう子さん、鷹揚存在感があって説得力のある作品になったと思います。

小島高史役の北村匠海さん、金子に大きな影響を与えるこじれ役。とらえどころのない不気味さがよくでた演技で、金子が俺のやっていることが全く受け入れられないと分かればいい訳で、金子がビビるのが分かるいい演技でした。

演出として、植木鉢の意味が浮かび上がって来るのが面白かった

小さな作品ですが、犯罪者支援について色々考えさせてくれる作品でした。来年、どんな作品と出会えるかと楽しみです。来年もよろしくお願いします

              ****

「エミリア・ペレス」(2024)ヤクザ親分が何故“性別適合手術”で女性になった!痛快で涙!

 

メキシコの麻薬カルテルのボスが過去を捨て、“性別適合手術”を受けて女性として新たな人生を歩みはじめたことから起こる出来事を、“クライム、コメディ、ミュージカル”などさまざまなジャンルを交えて描く”という

第97回アカデミー賞で作品賞や国際長編映画賞をはじめ、非英語作品としては史上最多となる12部門13ノミネートを果たし、助演女優賞と主題歌賞の2部門受賞。

ミュージカルは苦手ですが、ヤクザ男が、“性別適合手術”で女になる、“なんで“と観ることにしました。

ミュージカルなんて気にならない、ユーモアがあって、あっと驚く結末。“人生は変えられる”と説く作品は多いが、ここまで変わった人はいないでしょう。(笑)そこには“大きな愛”があった。あたりまえだ!この男が膣の手術にこだわった理由が分かります。しかし、ちょっとメキシコをバカにし過ぎたかな。(笑)

男(女)を演じるのはトランスジェンダー俳優のカルラ・ソフィア・ガスコンですから見ごたえがあります。

監督:ジャック・オーディアール原作:ボリス・ラゾン脚本:ジャック・オーディアール レア・ミシウス ニコラ・リベッキ トマ・ビデガン、撮影、:ポール・ギローム美術:エマニュエル・デュプレ、編集:ジュリエット・ウェルフラン、音楽:カミーユ クレモン・デュコル。

出演者ゾーイ・サルダナ、エカルラ・ソフィア・ガスコン、セレーナ・ゴメス、アドリアーナ・パス、エドガー・ラミレス、マーク・イバニール。

物語は

メキシコシティ弁護士リタ(ゾーイ・サルダナは、麻薬カルテルのボスであるマニタス(カルラ・ソフィア・ガスコン)から「女性としての新たな人生を用意してほしい」という極秘の依頼を受ける。リタは完璧な計画を立て、マニタスが性別適合手術を受けるにあたって生じるさまざまな問題をクリアし、マニタスは無事に過去を捨てて姿を消すことに成功する。それから数年後、イギリスで新たな人生を歩んでいたリタの前に、エミリア・ペレスという女性として生きるマニタスが現れる。それをきっかけに、彼女たちの人生が再び動き出す。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇法学士・リタは妻殺人犯の夫の裁判を担当し、無罪判決を得た

リタ、弁護士事務所に所属しても仕事がつかない。そこに飛び込んできたのがメンドーサ殺人事件。妻を殺したが夫メンドーサは“無罪になりたい”という。リタはよくある話“愛の物語にすればよい”と金で買われた正義を発揮した。(笑)唄いながら“寛大なる妻がマスコミの誹謗中傷で亡くなった”というシナリオを書いた(この部分がミュージカル)。ミュージカルといってもこういう使われ方をしているので気にならない。

裁判ではリタは担当弁護士の補佐。無能な弁護士をしっかり補佐して勝訴した。リタは“裁判なんてとんだ茶番劇だ”と思った。そこに“大金持ちにならないか、10分後新聞スタンドに来い”と電話が入った。“このままじゃ人生絶望”と唄い、新聞スタンドへ。そこで目隠しされて連れ去られた。別に準備された車で会ったのが麻薬カルテルのボス・マニタスだった。

〇マニスタはリタに“女になりたい”と“性別適合手術”の手配を求めた

マニスタの要求を聞くと、“秘密を聞いたのは受け入れたこと”だとスイスの口座口座と預金額が示された。契約条件はアメリカとメキシコ以外で最高の外科医を探すこと。“女の体に女の人生がある”と膣手術にこだわった。(笑)

リタは世界中を駆け回って医者を探し、テリアビブのワッセルマン医師(マーク・イバニール)を見つけた。ワッセルマンは「身体を変えても心は変わらない。手術を止めて法的性別変更でよい」と勧めた。

リタはワッセルマンとマニスタを会わせた

マニスタは「自分の人生を生きずに死ぬが怖い!本当の人生を生きるため手術してくれ!」と訴え身体を見せた。マニスタの身体には2年間のホルモン治療効果が表れていた。ワッセルマン医師は手術を引き受けた。

〇リマニスタは手術に成功し家族はスイスに移住した。

マニスタの手術に伴い、妻ジェシー(セレーナ・ゴメス)“安全のため”とふたりの子を連れてスイスに移住させた。マニスタには“メキシコのことは全てを忘れる”よう促した。マニスタは“俺を忘れるために”と唄った!(笑)湯術が成功した。マニスタはエミリア・ペレスをして生まれ変わったマニスタはパラグアイで惨殺されたとニュースで流れた。ジェシーは泣いた。

〇4年後、リタはロンドンでエミリアに出会った。彼女は「子供と暮らしたい」という

リタはレストランでエミリアに会いその美貌に驚いた。リタが「なんでここに」と聞くと「わざわざ来るわけない、邪悪する者を殺す」と唄い出す。エミリアの計略だった。

エミリアは「痛みに耐えた。これで本当の自分に成れた。願いがある、一緒に暮らせるよう子供たちをメキシコに連れてきて」と言い出した。

リタは“マニスタの遠い従姉エミリアが面倒みたいと言っている”とジェシーをラス・ロマスに誘った。ジェシーは“何も聞いてない”と不安がったが同意した。リタが同行した。

エミリアジェシーと子供たちとの生活が始った

エミリアはふたりの子供と生活できることが嬉しかった。子供がここの生活になじまずスイスに帰りたがる。リタは“子供に注意して”とエミリアに忠告した。「スイスでは死んだ旦那の奴隷で子供の面倒みた。もううんざり!こんどはあんたが奴隷にしてやる」とジェシーはここで女として生きたいと唄い踊る。ジェシーはかっての恋人・グスタボ(エドガー・ラミレスに電話した。

エミリアが忘れた過去に心が痛み、行方不明者を探し出す!

リタはエミリアとカフェで会っていた。エミリアがリタをここに居させるため“男なら買ってやる”と言い出す。(笑)リタを見た夫人がテーブルに“探して!”と青年・オクタビオ(23)の写真を置いた。リタが「マニスタがやったと?」と聞いた。エミリアが「そんな男は知らない(笑)後悔している」と答えた。

帰宅したエミリアは次男のジョリスから「パパの匂いがする」と言い、マニスタに会いたがる。エミリアは胸が苦しくなった。このことがエミリの心に火をつけた。

エミリアは中央刑務所を尋ね、知合いの囚人を呼び出しオクタビオの写真を見せた。囚人は“サン・クリストバル精油所で焼いた”と吐いた。

エミリアは男たちを雇い製油所の床を掘削し遺体を探した。遺体が発見された。依頼主から手をキスされ、彼女の涙を感じた。

エミリアはリタに「被害者の力になりたい。元殺し屋に協力を頼んで欲しい」と言い出した。

リタは刑務所を尋ね、何人もの元殺し屋にあって情報を集めた

エミリアは行方不明者家族支援のためのNPO財団を立ち上げた

エミリアはTV出演して財団への協力を求めた。いつ、どこで、なにが起きたか知りたいと沢山の母親たち、“人生やり直したい“と男たちが詰めかけた。

ジェシーはグスタボに送ってもらって帰宅。

エミリアはそんなジェシーに嫌味ひとつ言わない。ジェシーに「旦那さんとの関係はどうだった?」と聞く。「彼は夢中だった」という。「あなたはどうだった」と聞くと「分からないが、子供が生まれてから彼が変わった。亡くなって寂しかった」と言う。「浮気したか?」と聞くと「なぜ聞くの。グスタボとは激しい恋だったが会いたくなくなって別れた」と答えた。「駆け落ちしなかったの?」と聞くと「どこに逃げるの!捕まって切り刻まれ犬の餌にされる」と答えた。(笑)

遺体発掘が進み沢山の遺体が発見された。エミリアはTVインタヴューで「密売人の犯行によって約10万人の行方不明者がいる。しかし市や警察の協力が得られない」と応えた。

エミリアとリタは“行方不明者家族のために”と慈善パーティーを開催した

大勢の人が集った。リタが「何故麻薬王汚職議員、詐欺師がいる?」と不思議がった。エミリアは「金持ちを呼んだ」と応えた。リタの元上司、メンドーサ夫妻も参加していた。ミリリアの挨拶が始まった。参加者に感謝したあと・・・

「真っ黒な錬金術大臣に化け邪悪なるパートナーに指示して殺害、遺体を酸化タンクに運ぶ。公共教育大臣は企業の顧問でジェット機やホテルを貰った。州知事に投票したのは密売人が書かせ、・・・みんな大きなツケを払え!」と政府、悪徳政治家・企業家の罪を暴いていく。これに合わせてリタが唄い踊る。(笑)

エミリアは被害者夫人のエピファニアと恋に落ちた。

財団事務所にエピファニア(アドリアーナ・パス)夫人が夫の写真を持って訪ねてきた。エミリアが写真を見て“見つかった”と言うと笑い泣く。「夫は私を騙しお金を奪い力ずくで犯した。もし生きていたらナイフで刺そうと思ってやって来た」と話す。(笑)エミリアはこのセリフが気に入り、エビファニアと同棲生活に入った。ここでエミリアが唄う“半分は彼、半分は彼女“。「生まれて初めて特別な気持ちを感じた。愛のない生活は底なし沼に沈んでいく。彼女に求められ、彼女から生まれた。私は変わった」と唄いまくった。エミリアは子供たちをエビファニアに会わせた。

リタもエビファニアに会った。リタは「学んでクソは金持ちを増長させただけ!(笑)40歳になるが恋愛してない仕事も中途半端」と毒ずいた。(笑)リタは「自分自身を愛したい、道を間違えてもいい」とホストクラブに出入りするようになった。(笑)

ここで終るのかと思ったら続きがあった。(笑)

ジェシーが子供つれて家を出ると言い出し、エミリアと大喧嘩になった

エミリアが子供たちと仲良く喋っているところに酔っ払ったジェシーが戻って来た。

ジェシーが「グスタボと再婚する!」と宣言。エミリアは“幸せならいい”と認めたが子供を連れて家を出ることに起こって“クソババ”と叫んだ。ジェシーが「あんたの女も売春婦!」とやった。もう収まらない!エミリアジェシーへの送金をストップした。シェシーは「あのお金はマニスタのもの」と怒った。(笑)

リタが仲介に入ったがふたりの喧嘩が激化しどうしようもなくなっていった

エミリアがグスタボ野郎に拘束され、リタに身代金を要求してきた

リタはエヴィアンの宅を尋ね、エミリアの子供を引取ることを話し合っていた。そこに“エミリアが誘拐された”と電話が入った。急いで事務所に戻ると机の上にエミリアの指2本が送られ、3000万円の要求があった。要求者はジェシーだった。

リタは8人の男に武装させ、金を持って指定場所に出向いた

リタはジェシーエミリアと金の交換を叫んだ。エミリアが出てきたところで発砲

!が起こり、エミリアが倒れ込んだ。彼女を救い出しにジェシーが出てきた。エミリアは「17歳の時ジェシーに出会った。姉のジュリアンとも付き合っていた。ジュリアンといるときも私はお前を見ていた。結婚式には前に許してもらうためにジュリアンにもネックレスを贈った」と話した。ジェシーは「あなた誰?まさかマニスタ?」と聞いた。(笑)エミリアは「赦してくれ!」と謝った

グスタボが車をつけてエミリアをトランクに突っ込み、ジェシー助手席に乗せて走り出した。ジェシーが「私の夫がトランクの中」と拳銃をグスタボに突き付けた。グスタボが運転を誤り横転、炎上した

リタが子供たちを引取った。葬儀はエミリアが救済した大勢の人たちが駆けつけ盛大なものとなった

まとめ:

これ実話?と思う程によくできたドラマだった!

マニスタが“性別適合手術”したのは“自分の人生を掴むため”だった。子供たちを手元に置き愛する人エピファニアも得た。そして麻薬戦争の闇に消された沢山の人を救済した。

ところがラストシーンの死に際、妻のジェシー“姉とジェシーを愛したこと”に懺悔した。“性別適合手術”の背景に妻への贖罪、麻薬王としての贖罪もあった。マニスタは大きな“愛“のために“性別適合手術”で女性になったのだった。

慈善パーティーでメキシコの麻薬組織を暴くシーンは強烈だった

これもテーマだったのか?これも面白かった。予測不能な作品でした

アカデミー賞で12部門13ノミネートを果たし、助演女優賞と主題歌賞の2部門受賞。ところが番外乱闘で大変な作品となりました。(笑)

クライム、コメディ、ミュージカルなどさまざまなジャンルを交えて描くというが基本はコメディーです。これでメキシコの怒りはないと思ったが、そうならなかった。(笑)メキシコは映画を観る目がないと思った。(笑)

リタは新米弁護士からヤクザ男の夢につき合い、結婚もせず、悔みながら彼の最後看取るという面白い役でした。ゾーイ・サルダナこの役に身を任せ楽しみながらコミカルに演じる、さすがの演技です。エミリア/マニスタ役のカルラ・ソフィア・ガスコン。地でいく演技は迫力があってよかった。その後もあばれまくったのは映画の続きだったのかな。(笑)

ミュージカルですが歌と踊りを楽しいというより、うまく間を繋ぐように使われていてよかった。歌がメキシコ風味でとてもよかった。

                                                 ****

「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」(2025)ほぼ完ぺき!シリーズで一番よかった、次作期待!

 

ジェームズ・キャメロン監督によるSF超大作「アバター」シリーズの第3作。2作目が少し物足りなかったから期待していました!

神秘の惑星パンドラを舞台とし、「森」と「海」の世界を描いてきた前2作に続き、今作は「炎」というテーマを軸に、新たにナヴィ同士の戦いが描かれるというもの

部族間の対立や外部からの侵略、家族の喪失と再生といったテーマが一貫して描かれてきたが、今回は新たに“炎”という概念戦後3年の家族の変化が加わり、物語が面白くテーマに深みが増したように思う。

製作に当たってキャメロン監督は「“美しさ”と“面白さ”を作り出すために20年間頑張った」と仰る。その通りの作品になっていた。

 戦闘シーンが壮大で美しいこと。新しい兵器やアイデアを加え、前作の海に空の戦闘を加え美しくて壮大な戦闘シーンになっている。そして物語の面白さ。前作を上手く引き継ぎキャラクターに深みを持たせ感動的なストーリーになっていた。これらが次作にどう繋がるかと楽しみです。きっと未来の人類へのすばらしいメッセージが届けられるものと期待しています。

“炎”の物語というが“炎”とは何か?監督は「炎は増悪や暴力、怒りの象徴、灰はその余波、悲しみや喪失」と説明しています。この作品から暴力の無限化、それに対する喪失感が味わえるか?クラウゼヴィッツ戦争論”が出てきそうです。

すばらしい映像を楽しむため、少しネタバレを読んでおくのも一案だと思います。

監督:ジェームズ・キャメロン脚本:ジェームズ・キャメロン リック・ジャッファ アマンダ・シルバー、撮影:ラッセル・カーペンター、編集:スティーブン・E・リブキン ニコラス・デ・トス ジョン・ルフーア ジェイソン・ゴーディオ ジェームズ・キャメロン、音楽:サイモン・フラングレン。

出演者:サム・ワーシントンゾーイ・サルダナシガニー・ウィーバーブリテンダルトン、ジャック・チャンピオン、トリニティ・ジョー=リー・ブリス、クリフ・カーティスケイト・ウィンスレット、ベイリー・バス、スティーブン・ラング、ウーナ・チャップリンデビッド・シューリス

物語は、

パンドラの先住民ナヴィの生き方に共感し、自らもナヴィとなって彼らとともに生きる道を選んだジェイク・サリー。人類の侵略によって神聖な森を追われたジェイクと家族、仲間たちは、海の部族メトカイナ族と共闘し、多くの犠牲を払いながらも人類を退けることに成功した。しかし、そんなジェイクたちが、今度は灰の部族アッシュ族と対峙することになる。アッシュ族は過去に、パンドラの調和を司る神のような存在である「エイワ」に何らかの裏切りを受け、絶望していた。静かに、しかし激しく怒りを燃やすアッシュ族のリーダー、ヴァランに、ジェイクの因縁の敵であり、自らもナヴィとなったクオリッチ大佐が近づく。両者が手を組むことで、ジェイクたちサリー一家を追い詰めていく。(映画COMより)


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あらすじ&感想(ねたばれあり:注意)

〇3年後、ジェイク・サリー家族は長男戦死の喪失感と向かい合いながら、先に進もうとしていた。

次男のロアク(ブリテンダルトンは兄・ネテャムとイクランに乗り技を競った記憶の中で“自分が殺した”と兄に謝り、今だ前に進めない。母親のネイティリ(ゾーイ・サルダナはお祈りで哀しみを癒しながら、夫とロアクの関係に気遣っていた。父親のジェイク(サム・ワーシントンはナヴィの道を貫くために海で身を清める毎日。その一方で“威力のある兵器が必要”と沈没船から小銃などの武器を引き上げていた。特に軽量で威力のある擲弾頭を集めていた。ロアクには厳しく接していた。

スパイダーはサリー家の居候になっていた。ネテャムのことを想うと海に出たいがキリから“水中は無理”と止められる。

ジェイクは海の民の族長・トノワリに銃を持つことを薦めた

ジェイクは“また船がくる”と必要性を説くが、トノワリの妻・ロナル(ケイト・ウィンスレットが「エイワが消えるからやめて!」と言い、トリワリ(クリフ・カーティスも「獣になるな!君はトルーク・マクトだ!」とこれを拒否した。ジェイクは妻のネイティリに“力が必要だ”と小銃を持つことを薦めるが「これを持つと全てが失われる」と反対した、ジェイクは“これだけは持っておけ!”と擲弾頭を矢につけて見せた

RDAのクオリッチ大佐(スティーブン・ラング)がジェイクの沈没船調査を知り「必ず報復する」と細部調査を命じた

スパイダー(ジャック・チャンピオン)がマスク異常で苦しむ事態が発生した

子供たちはそんなことの知らず、海でバヤカン(くじら)を呼び出し遊んでいた。疲れが出たか、スパイダーがマスクの異変で苦しんだ。予備マスクで何とか事なきを得たが・・・・。

そこに風船で旅するウインド・トレーザーズが立ち寄った

サリー夫婦は“苦しまないでもいいように”と考え、スパイダーを森の民の聖地“ハイキャンプ”に運んでもらうことを考えた。しかし、子供たちに反対で、一緒に旅することにした

〇ウインド・トレーザーズと旅する途中でアッシュ族に襲われた

アッシュ族は火山地帯に住む民族で生活苦に喘いでいた。神の援助が得られなかった森の民を標的にしている。天からイクランに乗ったアッシュ族が攻めてきた。これに風の民と一緒にサリー一家の戦うが、風船を破られ、一家は分散して着地した。

子供たちは一緒になり逃亡が始った。

密林や川、滝を通過して逃走中、スパイダーのマスクが作動不能になった

キリ(シガニー・ウィーバーが懸命にエイワに祈り、呼吸を促すが停止した。しかし、特別な植物菌が身体に培養され呼吸が戻ってきた。スパイダーは“マスクなしで行動できる”と喜んだ

一方、地上に落ちたジェイクはクオリッチ大佐一味に捕まったが、手錠を掛けられ一緒に子供たちを追った。ネイティリは傷を負い、イクランに助けられてハイキャンプに助けを求めに走った。

子供たちはアッシュ族の族長ヴァランに捕まった

ヴァラン(ウーナ・チャップリンはロアクが保持する小銃に興味を持った。そこにクオリッチ大佐とジェイクが現れた。大佐がマスクを着けないスパイダーに驚いた。

クオリッチ大佐とヴァランは戦い、大佐が破れた。大佐がヴァランに銃の扱い方を教えた。その夜、キリが周りの植物たちにエイワの気を送ると花が開き毒を放った。

クオリッチ大佐とジェイク等は安全地帯に逃れた。

大佐は“決着を持ち越す”と言い、スパイダーに「世話になった、すばらしい子だ」と声を掛け消えていった。ネイティリがイクランでスペルマン博士たちとともに現れた。サリー一家はハイキャンプに移動した

スパイダーは病院で検査を受けた

結果は肺の中に菌が出来ており、パンドラの空気で呼吸できることがわかった。ジェイクは「このことがRDAに伝わるととんでもないことになる」と考えた。

キリは脳を調べてもらった。「祈っても母は現れない。エイワは来ない」と嘆くと「万脳の母があなたに触れている」と返ってきた。「母はいない、グレース博士がママ。父親はDNAだけ、ドリーム・ウオームよ、エイワの子」と分かった。サリー一家は海の民のもとに帰って来た

RDAの捕鯨ボートが現れ、トラルクンを捕獲する海の民の族長・トノワリが対策のための会議を開いた

〇RDA進攻を防止するため海の民の海からバヤカン追放を決めた

トリワリが「暴力は暴力を呼ぶ」とバヤカンに追放を言い渡した。バヤカンは“二度と謳わない”と出て行った。ロヤクはこの決定が受け入れられなかった。ジェイクが「パヤカンはRDAを引き寄せている」とロヤクを叱った。

ネイティリはジェイクに「ロヤクを責めないで!」と諭し、ジェイクも「家族がとりえだ」と反省していた。

ロヤクは「父は戦うなと言い、兄が死んだのを俺のせいにしている」と悩み自殺しようとするが死にきれない。そんなロヤクにロナルの長女ツィレア(ベイリー・バス)が弓を与え「これで戦って!」と励ました。

スパイダーはキリの力でイルに乗れるようになっていった

ロナルが身ごもった。スパイダーはキリによりトウルクンを紹介された。ロアクは弓の練度があがり成果をツィレヤに見せた。ツィレヤは喜んだ。

ロヤクは“しばらく旅に出る”と姿を消した。

ロヤクはバヤカンのところでイカの仲間と付き合っていた。

〇クオリッチ大佐はアッシュ族の村に出向き、ヴァランに“共闘”を申し込んだ

アッシュ族の村は火山地帯に存在する不毛地であった。大佐は軽機銃の威力を見せた。ヴァランが「エイワに背いても戦う。望みは対等関係だ」と共闘を求めた。大佐はこれを認めた。ふたりは肉体関係を持った。これにより大量の武器がヴァランに渡り一緒に戦うことになった。

水汲み作業中のキリとスパイダーの前にヴァランが現れ、スパイダーを連れ去った。

〇“海の民”族長の家に、ジェイクを求めてクオリッチ大佐とヴァランがやって来た。

トノワリが「いない」と答えるとヘリで家を焼き民を脅す。ジェイクは“俺を逮捕してくれ”と申し出て、捕らえられていたスパイダーとともにRDA基地に送られた

〇ジェイクは公開死刑と決まった

クオリッチ大佐はヴァランを伴いRDA基地に凱旋将軍のように帰還した。基地司令官のアードモア将軍はヴァランを野蛮人と呼び共闘を嫌がった。スパイダーは医療室で検査を受けた。

ロアクがツィレヤのところに戻ってきた。が、タコに絡まれ気を失った。ツィレヤの「ロアク!」の声で目が覚め、「助けてくれ!近くにいる」と声がする。 「部族は?」と聞くと「タノクだ!銛で目を潰された」と救済を訴えた。

クオリッチ大佐はスパイダーの檻にきて“父親だ”と名乗ったがスパイダーは“死んだ”と認めなかった。大佐は「船で助けてくれた、借りができた。味方だ、母親がお前と同じで気のつよい女だった」と母親のペンダントを渡した。スパイダーはこのペンダントでドアを開け脱出した。

クオリッチ大佐が檻の中のジェイクを尋ね「明朝6時銃殺だ」と伝えた。

〇ネイティリはジェイクが残した擲弾頭を見て、ジェイクを救出することにした

ネイティリがインクラに乗りRDA基地に侵入した。弓矢(擲弾頭)で燃料施設を襲い火災を発生させた。トラルクン禁止を主張するカーヴィ博士が大型ドーザーでジェイクが囚われている檻を破壊しジェイク脱出を援助した。ネイティリはインクラでジェイクとスパイダーを奪回した。

シェイクとネイティリは川原に降着、スパイダーを殺すことにした

シェイクもネイティリも悩んでの決断だった。シェイクはスパイダーの首にナイフを当てたが斬れなかった。ネイティリに「他の方法を考えよう!」と話した。

ジェイクは洞窟の中のトルークに会い、“トルーク・マクト”として海の民のところに戻った。

〇ジェイクはトルーク・マクトとして全ナヴィ族を集め「その時は来た!」と伝えた

空から、海から多くの部族が集った。ジェイクは「我々は逃げれられない!受けて立つ!」と話した。トノワリも聞き入れた。目を失ったタクノがジェイクの演説を後押しした。

アードモア将軍はクオリッチ大佐を作戦から外すことにした

〇RDAの大部隊が海の民の前に現れた。

揚陸艦から攻撃ボートが降ろされ、カニ型潜水艇、上空のヘリ援護下に突撃が始った。ナヴィは大量のサメを前面に配置し、兵士たちは岩の陰や洞窟などに身を隠し待ち構えていた。

攻撃ボートがサメに気付き“いつもと違う”と攻撃を中止、そこにトラルクンの大群がジャンプ攻撃。戦艦が炎上!「今だ!」とナヴィ兵士の攻撃が始まったナヴィたちが優勢だった。子供たちはジェイクから“負けたら遠くへ逃げろ”と命じられ、洞窟から戦況を見ていた。

夕刻、クオリッチ大佐とヴァランたちが戦闘加入、ナヴィたちは一気に劣勢になった。

 キリが“勝てない”と海に飛び込む。スパイダーとロアクが彼女を追った。夜の海の中で敵の艦船を狙った。キリはエイワの女神を探すが見つからない。スパイダーとロヤクの妹・トゥク(トリニティ・ジョー=リー・ブリス)がキリを援助してエイワを見つけ、助けを求めた。爆発の音がした

イクランで戦うネイティリがヴァランの火炎放射で海に墜落した。ジェイクもクオリッチ大佐に撃たれ海に落ちた。ロアクはジェイクを陸に上げ洞窟に匿った。ジェイクは足に矢が刺さった矢を抜いた。ロアクが「持ち場を離れすいません」と謝った。するとシェイクが「よくやった」と誉めた

 ネイティリは陸に上がり、ロナルの出産に立ち会った。ロナルは生まれた赤ん坊にプリルと名付け亡くなった。ネイティリがフリルを引き取った。

スパイダーが海の中にキリを発見、無事だった。タノクが海面に浮上び潮を吐いた。

〇“1000億ドルの価値あり”と攻撃ボートがトゥルクン狩りを開始

クオリッチ大佐が「ネイティリを捕まえた、拷問する、出て来い」と無線でジェイクに伝えてきた。シェイクが“お前が必要”とロアクを連れて向かった。

ボートが浜を目がけて一斉に発進し、トウルクンが小判ザメで突撃中止となった。そこをイカの大群が襲い掛かった

上空でグレイト・レオノプテリクスが咆哮!イクランの大群が空から敵艦船を襲った!タノクが海に落ちた突撃隊長スコーズビーを喰った。(笑)

アードモア将軍が“船を捨てる“命令を下した

シェイクとロアクがクオリッチ大佐の待つ艦艇に到着した。ヴァランもいた。スパイダーとキリも駆けつけた。

スパイダーが「俺とネイティリを交換しよう」と近づいた。大佐が「家に帰るか?」と隙を見せたところで、ネイティリが逃げ出した。ロアクはヴァランに挑んだ。キリがヴァランに近づき髪を繋いで「母に謝れ!」と命じた。ヴァランはほうほうの態でナイトレイスで逃げ出した。大佐がスパイダーを連れてインクラで逃げた。シェイクがこれを追った!

シェイクとクオリッチ大佐、スパイダーは空中に浮かぶ岩場に降り立った。

大佐とジェイクの格闘が始まり、スパイダーが大佐に矢を放とうとして態勢が崩れ岩から落下しとうになった。ジェイクがスパーだーと手を繋ぎ、さらに大佐がジェイクの手を握って支え、スパイダーを救出した。そこにロアクとネイティリが現れた。大佐は岩場から身を投げた

〇海の中で赤ちゃん・プリルの海の民になる儀式が行われた。

キリは、母親のグレース博士にスパイダーを紹介した。グレース博士は「あなたは一族を救った、エイワよ」と褒めた。ロナクはスパイダーに「ナヴィだ」と祝った。

まとめ

面白さのひとつが親子関係。シェイクとスパイダー、クオリッチ大佐とスパイダー、そして3人の関係。めんどくさい人間関係をもってくる。(笑)

シェイクは家族の関係にありながら人間スパイダーはナヴィ族に迷惑をかけると殺そうとする。クオリッチ大佐とスパイダーはDNAで繋がっているが、スパイダーはサリー家の人間で敵対関係にある。崖台からスパイダーが落下するのを3人が手を繋いで守るシーン。血ではない育ての“愛“なのか、DNAの”愛”なのか?いがみ合っても、最期はこうありたい!クオリッチ大佐は悪だが憎めない!(笑)

シェイクと息子のロアク。ロアクが自殺したいぐらい苦しむ。家出を図る。その背後にツィレヤがいて彼を援助する。ロアクとツィレヤが少しずつ成長する展開が微笑ましい。

キリとスパイダーの関係。キリがスパイダーがマスクなしで行動できるように改造して以来、ふたりの間はより親密となり、スパイダーはキリの力は発揮するように行動する。これが物語を面白くしている。

新登場のヴァラン。美貌にオーラがあってよかったが、もっと激しさや厭らしさがあってよかった。次の作品で出てくるのでしょうか?

ジェイクがこれまで受けなかったトルーク・マクト役を自らかって出た

ネイティリの戦闘参加。戦闘参加を避けてきた子供たちの戦闘参加。平和を獲得するために理想と現実の中で苦しむ状況が描かれます。人類最大の悩みです。

ロナルの出産。戦争の痛みをこれで描く発想がすばらしい

戦闘シーンは各段と面白くなっている!

ウインド・トレーザーズの登場には驚きました。この発想に驚きです。そして最期のRDA対ナヴィの戦闘。新型兵器の登場、イカやタコの活躍。何でもありが良い。ナヴィの戦いが勝から負け、キリがエイワとして覚醒しパンドラの自然が動き出して勝利する展開が良かった。こんな壮大な戦いは「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019)以来だった。

さすがにラストシーンには“もう腹満!”と感じましたが、引き続き準備されている4作目に大きな世界感のあるストーリーとメッセージを期待しています

             *****

「セプテンバー5」(2024)真実をリアルに伝えるだけでいいのか?TV調整室の現場に立ち会う臨場感が半端ない!

 

タイトルでは気付かなかった!“9月5日“は1972年ミュンヘンオリンピックにおいてテロ事件が起こった月日

ミュンヘンオリンピックで起きたパレスチナ武装組織によるイスラエル選手団の人質テロ事件の顛末を、事件を生中継したテレビクルーたちの視点から映画化したサスペンスドラマです。第97回 アカデミー賞 脚本賞にノミネートされた作品です。

事件の存在は覚えていますが、どういう事件でその結末など覚えていない。テロ事件報道に大きな影響を与えた作品だろうと観ることにしました。

事件内容を知らなかったのが好かった!テレビクルーの一員になった気分ではらはらしながら楽しめました。デレクターや編集長の人間関係を見せるドラマになっていて、これも面白い!

全く不明状況の中でどう報道するかと番組を決めていくプロセスに魅入った。報道の目的は何か?真実をリアルに伝えるだけでいいか?と疑問に抱き、その結果を知った時、報道の難しさを知りました。

ジャーナリズムのあり方や、情報を伝えるメディアの責任について深く考えさせられる作品でした。

大部はTV調整室で番組を組み立てていくプロセスが描かれますが、これがリアルで引き込まれました

 監督:ティム・フェールバウム、脚本:モリッツ・ビンダー ティム・フェールバウム アレックス・デビッド、撮影:マルクス・フェルデナー、編集:ハンスエルク・バイスブリッヒ、音楽:ロレンツ・ダンゲル。

出演者ピーター・サースガード、ジョン・マガロ、ベン・チャップリン、レオニー・ベネシュ、ジネディーヌ・スアレム、ジョージナ・リッチ、コーリイ・ジョンソン、マーカス・ラザフォード、ダニエル・アデオスン、ベンジャミン・ウォーカー

物語は

1972年9月5日。ミュンヘンオリンピックの選手村で、パレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団を人質に立てこもる事件が発生した。そのテレビ中継を担ったのは、ニュース番組とは無縁であるスポーツ番組の放送クルーたちだった。エスカレートするテロリストの要求、錯綜する情報、機能しない現地警察。全世界が固唾を飲んで事件の行方を見守るなか、テロリストが定めた交渉期限は刻一刻と近づき、中継チームは極限状況で選択を迫られる。(映画COMより)


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あらすじ&感想

04:00時、ABCスポーツは水泳大会の決勝を放送して4日の競技日程を終了。明日優勝したスピッツのインタヴューを予告していた。

15分前に出勤したBグループデレクターのジェフ(ジョン・マガロ)は運営責任者のマーヴィン(ベン・チャップリンから「番組終了までに来るのがルールだ」と注意された。マーヴィンがジェフを編集長のルーン(ピーター・サースガードに紹介した。ルーンはふたりにユダヤ人であるスピッツ紹介に強制収容所を絡ませるうまい説明を考えるよう求めた。ルーンは4日の放送予定を確認し“10:00時まで休む“と宿舎に帰って行った。

マーヴィンは強制収容所を尋ねたイスラエル重量挙げ選手のインタヴューとドイツ報道機関代表ハンスの「単なるスポーツ大会じゃない、新しいドイツが世界を迎い入れ過去から脱出する機会だ」のコメントを見て仮眠に入った。ジェフは前放送分のフィルムを調べて始めた。

〇ジェフに選手からの異変問い合わせがあって、事態が動き出した

ジェフにケネス・ムーア選手から「銃声のような音を聞いた、何があった?」と問い合わせ電話を受けた。ジェフがドイツ女性の秘書マリアンヌ・ケブベルト(レオニー・ベネシュ)に聞くと「発射音らしき音を聞いた」と言った。

ジェフはマリアンヌにドイツ情報部に電話させ“通報により確認中”を確認した。ジェブはマリアンヌに無線機を持たせバイエルン放送(BR)に向かわせた。彼女から「橋の上で警察車両を見た」や「ラシオ局の人がイスラエル宿舎からの銃声を聞いた」という報告から事件発生を確認したとしてマーヴィンを起こした。マーヴィンは「クルー集合!」を掛けた。

このあたりの演出がスムースで劇中に放り込まれる

BRが「選手村で事件発生があった。複数の通報があった。警察による事実確認はまだです」と放送した。

〇マーヴィンは緊急対応体制の立ち上げ

クルーの全員は集まらなかった!レポーターのピーター(コーリイ・ジョンソンが真っ先に駆け付け「PLOか“黒い9月”だ」と判断し、イスラエル宿舎を確認して飛び出した。マーヴィンがベンをピーターのカメラマンとして追わせた。ジェフが寝ているルーンを起こし、BR放送を聞かせ「イスラエル選手団への襲撃です」と納得させて、呼び出に成功した(本人納得に時間がかかった)。次いで休暇中のアナウンサーのジム・マッケイを呼び出した。

ルーンがスタジオに駆けつけ「1~2名のイスラエル選手が死亡。ゲリラが人質を取った」の情報を確認して、衛星放送枠を交渉し1200から1500までを確保した

徐々に体制が出来上がっていく。ジェフは“映像が要る”とスタジオカメラを野外に出してベイダーに選手宿舎を狙わせた。これはすばらしい処置だった

「何かあれば一番知っているのはお前だ」とマーヴィンがジェフに「お前に任せる」と言った。

BRからマリアンヌが戻って来てた。「IOCは大会続行イスラエル人2名が襲撃中に脱走したが、負傷したコーチが死亡。犯人たちはパレステニア人200名以上の解放を要求している。断れば一時間に一人づつ殺すと言っている」と報告した。

NY本部から“報道班が引き継ぐ”と言って来た。ルーンは無視した。

BRから「人質は10人。5人が選手、5人がコーチ」と分かった。人名がマリアンヌが選手名簿から見つけ出し、TVで流せるようで拡大映像を造った。逃亡兵士がワインバーグであることも確認できた。ベイダーから「カメラの位置確保できた」と報告がきた。シェニーが外に出て確認した。

ピーターから「宿舎ベランダに犯人が顔を出した」と報告が入った

ジェブがピーターのカメラマン・ベンが撮ったフィルム回収のためギャリー(ダニエル・アデオスン)を伝令として送ることにした。ベンの撮ったフィルムを現像、そこに小銃を持った覆面の犯人が写っていた。

BRで警察本部の会見が放送された

これまでに得ているもの以外の情報はなかった。記者団から“武装した警官が選手村にいなかったのか?”という質問が出た。マリアンヌが「戦時中のドイツ軍を思い出させたくなかった」と翻訳したことで、クルーから「イメージ回復が安全より大切か?」とドイツ批判が出た。

ルーンがスポーツ班で生実況することをNY本部に伝えた

「報道班には渡さない!我々はミュンヘンの現場付近にいる。スポーツ班が放送する」と本部に報告した。

“犯人を何と呼ぶか?”

ピーターが「交渉が始った。政治家と犯人のリーダーが話している。イスラエルメイヤ首相と国会が犯人の要求に応じることはない。もうオリンピックじゃない!」と送って来た。ジェフはこの意見に感謝し、“犯人を何と呼んだらいいか”尋ねた。「武装ゲリラ」と答えた。マリアンヌが「テロリスト」と主張した。ルーンが「表現には慎重を期したい。スポーツ班には荷が重い!」とピーターに任せた。そして「100m先で命の危険に瀕している人々のことを伝えるのが我々の仕事だ。カメラを適切に配置し、起きる出来事をリアルタイムで伝える。分析はあとで報道班がやればいい」とチームに発破を掛けた。

放送準備が出来上がったが、人質の人命が問題になった

放送冒頭でベランダに立っている覆面男の映像。各カメラ影像のチェック、16mmで撮った記録映像(ワインバーグのインタビューなど)準備を完了した。しかし、問題が出てきた。「交渉期限が正午であるため、生放送中に殺害されたらどうするか?」。

ルーンとマーヴィンが論議を始めた。マーヴィンが人質の親族が見ていること、スポンサーのことを持ち出すと、リーンは「視聴率ではなく起きた事実を伝える」と放送継続を主張した。マーヴィンが「“黒い9月“は世界が注目するオリンピックを選んだ。やつらがもし生中継中に撃ったら、誰に伝える。世界に放送される」と応えた。時間がないので(3分前)ジェフが「緊迫したら16mmだけ回しその間に放送するか決める」と提案し、両者に認められた。

〇放送開始!

冒頭に覆面男の映像をアップで映し出した。タイトルは“テロリストが襲撃”、ジムの事件概要が始まり、ピター記者による現場からの中継を挟み、“黒い9月“の解説、人質の紹介と続く。

ギャリーが持ち帰ったフルムが現像され、マーヴィンとマリアンヌが“女性警官とテロリストの交渉映像”を分析した。さらにBRを聞き、必要なものをジェフとジムに渡した。ピーターから「ドイツ側から試みた作戦が失敗だ、期限を17:00まで延長した」と伝えてきた。

その後、CMを挟み、脱出に成功したソコルスキーのインタヴューが始った。15:00時の終了時間を迎えるがCBSから共同放送を提案され、引き続き放送することになった。

IOCがオリンピック中止を決定した

観客がスタジアムからコノリー通りに溢れ収拾がつかない情報が伝えられた。これをジムがTV放送した。マリアンヌが警察無線からだと「警察が報道陣を排除する!」と伝えた。ジェフはピーターに「直ぐ隠れろ!警察だ」と無線で送った。

TV塔のカメラが小銃を持つ警察官がイスラエル宿舎の屋根からテロリストの部屋に近づく姿を捕らえた。ピーターもこれを確認しレポートを始めた。ジェフは警官の行動みて“準備不足の行動だ”と評価した。ルーンが「この放送をやつらは見ているぞ」と言った。

警察隊が調整室に来て“放送禁止”を求めた。ルーンが「スタジオからでろ」!」と厳しく抗議し彼等は出て行った。

ピーターから「警察が屋上から去っている。警察の作戦は失敗したようだ」と伝えてきた。クルーから「うちのせいでか!」と声が上がった。ジェフはCMを流すことにした。

マーヴィンは「うちのせいではない」と言ったが、ジェフは「うちのせいで状況を悪化させた」と認めた。マーヴィンは「警察と軍の連携の拙さだ。軍はライフルを与えるだけで使い方を教えてない」と言った。マリアンヌが「憲法の規定だ」と応えた。

ジェフは放送を再開させた。

ピーターから「ゲリンジャー内相がリーダーと会っている」「部屋から人質が連れ出されている」と伝えてきた。マリアンヌが警察無線を傍受し「国外に脱出させるようです」と言った。さらに「婦人警官がヘリ2機で人質とテロリストを空港に運ぶと言っている。目的地はカイロです」と報告した。

人質とテロリストがバスでヘリポートに移動、ここからヘリで飛び立つまでを放送した。

ジェフたちは空港を軍飛行場と決めて、ドイツ語ができるマリアンヌを派遣した。ピーターも急いだ。

〇スタジオはマリアンヌからの報告を待った

「選手村での仕事が済んだ!」とスタジオでは放送結果の分析を始めていた。

マリアンヌが「人質が解放されたという噂がある」と伝えてきた。第2ドイツTVは「銃撃戦中、人質全員が避難したもよう」と伝えていた。マーヴィンは「放送するな!」と指示した。ジェフは「今、放送すべきだ」と主張した。マーヴィンは「CBSNBCが追随する。確認まで待て!」と反論した。

ジェフはジムに「人質全員解放されたようです。詳細な経緯は不明です」と放送させた。マーヴィンは激怒した。他局が一斉に報道を始め、“イスラエル人の全員が解放された」という文書が配布された。ルーンは「歴史的な報道であった」と褒め、クルーは乾杯した。

この後、TVでアーランド報道官が事件の顛末を語った

アーランドは「我々に国外に脱出させる意図はありませんでした。我々が見る限り、警察が成功してくれうれしいです。まだ銃声が続いています」と語った。ジェフは“何か変だ”と気づいた。

ジェフは「人質全員死亡」をジムに伝え、放送した

マリリンは「罪にない人が又ドイツで亡くなった。私たちドイツはしくじった」と言った。

まとめ

「飛行場に運ばれたイスラエルの人質は全員が無事か?」と案じていたジェフは上司のマーヴィンの反対を無視して“未確認だが“とフリをつけて全世界に「人質全員解放されたようです。詳細な経緯は不明です」と流した。その後、これが誤報であったという結末。

ジェフの気持ちが痛いほど分る物語だった

ジャーナリズムの役割や責任について深く考えさせる作品だった。

ジェフはデレクターでありながら情報収集の指示、編集、カメラ運用など全部仕切った。その彼が“放送がテロリストに情報を与えたことで警察の作戦が失敗した”と知った。それだけにジェブは警察とテロリスの取引で空港に連行された人質全員が生きて欲しいを願っていた。しかし、叶わなかった!

責任はジェフだけにあるのではなかったと思う

ルーンは報道班を無視してスポーツ班で放送すると決めたが本当に正しかったか。クルーは能力不足ではなかったか。放送の目的は正しかったか。ドイツとの連携を理解していたか?マーヴィンは“責任を取る”という覚悟があったか?

しかし通訳のマリアンヌはよくやった。この人がいなかったらもっとひどいことになっていたと思う。

映画作品としてとても面白い作品だった

当時のカメラ(フィルム)や無線機で活動する情報収集の特性を生かした演出、さらに人間関係がリアルで臨場感を生み、ドラマに引き込まれた。

「リー・ミラー」(2023)でも描かれていましたが、報道は目的(視点)でその価値が決まる、このことを再認識しました

             ****

「ツイスターズ」(2024)竜巻災害と戦う!ストームチェイサーも究極、人助けに貢献!

 

超巨大竜巻が多数発生したオクラホマを舞台に、知識も性格もバラバラな寄せ集めチームが竜巻に立ち向かう姿を描いたアクションアドベンチャー

「ツイスターズ」(1996)を見ていますが、本作には関係ないとのこと。「ザリガニの鳴くところ」のデイジー・エドガー=ジョーンズと、「トップガン マーヴェリック」のグレン・パウエル、「トランスフォーマー/ビースト覚醒」のアンソニー・ラモスが出演していることで観ることにしました。

ストームチェイサーが実在することに疑問がありましたが、1996年版では気象学者の話、今般のキラウエア火山で噴火の美しい映像を見て、こういう人が実在すると認識でき、感想を書く気になりました。

竜巻をチェイサーする二つのグループ、竜巻のデータ-収集を目的とするグループと竜巻のいい写真を撮りたいグループの行動を通して、竜巻の脅威を描くだけでなく、チェイサーを遊びでやっていいのか?と考えさせ敦巻威力の実体を明かし対処法を考える真面目な作品になっています。

監督:リー・アイザック・チョン、原案:ジョセフ・コジンスキー、脚本:マーク・L・スミス、撮影:ダン・ミンデル、編集:テリリン・A・シュロプシャー、音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ

出演者:デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル、ソニー・ラモス、デビッド・コレンスウェット、サッシャ・レイン、ハリー・ハッデン=パットン、ダリル・マコーマック、他。

 物語は

ニューヨークで自然災害を予測して被害を防ぐ仕事をしている気象学の天才ケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は、故郷オクラホマで史上最大規模の巨大竜巻が連続発生していることを知る。彼女は竜巻に関して悲しい過去を抱えていたが、学生時代の友人ハビ(ソニー・ラモス)から必死に頼まれ、竜巻への対策のため故郷へ戻ることに。ケイトはハビや新たに出会ったストームチェイサー兼映像クリエイターのタイラー(グレン・パウエル)らとともに、前代未聞の計画で巨大竜巻に挑む。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇5年前、大学生にケイトは仲間と竜巻勢力の鈍化に挑戦し、失敗した。

ケイトは幼い頃から竜巻に興味を持ち、竜巻発生装置を造って研究していた。雲をみて竜巻発生を予言する才能に優れていた。

実験の日、ケイトが黒い雲を発見し「竜巻内部の湿度を下げ、勢力を弱られる実験開始!高分子物体を竜巻に放り込む!」と寝ている仲間を起こした。

実験クルーは車2台構成。先頭車が樽を搭載したトレーラーを引っ張る。樽には混合剤が詰められている。運転手がジェブ(ダリル・マコーマック)でケイトの誘導で走る。後走車がドローンを飛ばして竜巻のデーターを収集する。運転手はハビアンだった。

CAPE4000m、風速51m/sec、EF1と観測して2台は竜巻の前進路に入り、猛烈な風雨の中で樽の蓋を開けて放置し脱出した。が、竜巻に追いつかれ、車を捨て橋脚の隙間を目がけて脱出した。しかし、ケイトとハビアンを覗いて3名が帰らぬ人となった。ケイトは竜巻の等級をEF2(Enhanced Fujita Scale)と考えていたが、結果はこれ以上ではないかと思った

この事故から5年後

ケイトはニューヨークの国立気象台の気象学者のひとりとして勤務し、竜巻の注意報を出す仕事に携わっていた

〇ケイトはハビアンに誘われ、1週間だけ竜巻のデーター収集に参加することにした

マイアミに竜巻注意報が出たところに、ハビアンが訪ねてきた。ケイトはハビアンから「君の竜巻発生予告能力を信じている。位相配列レーダーで3次元観測をやりたい」との協力を求められたが、学生時代の失敗に懲りて断った。しかし、「俺たちだけが生き残った」の言葉で、1週間だけハビアンにつき合うことにした。

ハビアンの竜巻観測のやり方。

ケイトがハビアンのチームが待つキャンプ・ヴィレッジにやってきた。チームの名は“ストーム・パー“NASAFEMA、NOA、NWS出身者がそろっていた。ハビアンの相棒スコット(デビッド・コレンスウェット)はMIT出身者だった。住宅地開発業者・リックスがハビアンのポンサーとなっていた。

チームは4台車両編成。レーダーは3機で、3台の車にそれぞれ搭載されており、竜巻の進路が決まると2台の車(ブリキ、カカシ)が左右に、そしてハビアンの車(ライオン)が正面にレーダーを配置して竜巻圏外に逃げ出す。もう1台の車ががレーダー情報を分析とドローンによる竜巻の進路取集に当たる。

そこにストームチェイサー兼映像クリエイターのタイラーが現れた。

チーム名は“竜巻カーボーイ”。情報発信のためにロンドンからやってきた記者・ベン(ハリー・ハッデン=パットン)を帯同していた。そして彼らを追う沢山の竜巻オタクが現れた。テームはこの追っかけ屋にTシャツなどを売って金を稼ぐ。彼らはユーチューバーでもあるんだ。

〇両チームによる竜巻チェイサー争いが始った

“どちらに進むか”とハビアンはケイトに予想を任せた。ケイトはタンポポの綿毛を飛ばして“西”を判断した。タイラーがケイトに”どちらだ“と聞いた。ケイトは”不安定だが、大きいのを狙うなら東“と答えた。

ストーム・パーが西を目指しスタートした

黒い雲が正面に現れ前進方向に確信を持った。遂に竜巻が現れた。その時、竜巻カーボーイが側面からハビアンの車を抜いて前に出た。ふたつのチームの先頭争いが続く。防風にあおられ風力発電機のブレードが飛んでくる。進路を右に変更した。

ストーム・パーは2つのレーダーを設置完了、ハビアンとケイトが下車してレーダー設置しているところに、「竜巻はあっちだ!」とタイラーの車がぬき返して竜巻の中に突っ込んでいった。すると竜巻の中で花火が破裂した。火柱が天に上った

ハビアンとケイトがレーダーのデーターを確認しているところをタイラーたちが歓声を上げて去って行った。ケイトが「ごめんね“と謝るとハビアンは「失敗はつきものだ」と答えた。

ケイトたちはキャンプ・ヴィレッジに戻って次の竜巻を待つことにした

「ここ数日間、オクラホマの竜巻の発生数は記録的だ。36時間以内に大規模嵐が州を横断する恐れがある」とウエザーアラートが流れた。

ハビアンとスコットはスポンサーの“リックスに”被災地域”を教えていた。

〇南からの湿った空気を感じ、再びふたつのチームによるストームチェイサーがスタートした

湿度が上りはじめ、今度はタイラーがドローン飛ばし先にスタートした。これを“ストーム・パー“が追った。竜巻が現れた。双子の竜巻フジタ効果だという。

今度はハビアンたちがタイラーたちを追い抜いた。進路を右左に手ながら、タイラーたちの追随を避けた。タイラーたちはそのまま直進し、車体のドリルで地面に穴を開け車体を固定して花火を上げる準備に入った。しかし、竜巻は側面を通り過ぎた。タイラーは作戦に失敗した

ハビアンたちは上手くレーダーを設置し、竜巻進路から脱出を図ったが、竜巻に追われ、車に鶏小屋がぶち当たる。車を止めて竜巻が去るのを待った。竜巻が逸れ、レーダー記録が取れた

ケイトが“レーダー記録”を見て竜巻が町の方に進むのを確認した

ケイトとハビアンは町に走った。町では警察のパトカーが避難を警告していた。ふたりで市民の避難を誘導した

スコットがリックスを「壊れたバーのオーナーだ」と店主に紹介していた

これを見たタイラーが「商売やっているのか?」とケイトにケチをつけた。ケイトは「被災者を助けている」と言うとタイラーが「被害者からさらに奪う気か?」と皮肉った。「あんたたちはTシャツを売って設けている」と反発すると「忙しい」と離れて行った。あとでドロー操縦士のリリー(サッシャ・レイン)から「被災者救済のためにTシャツを売っている。これで焚き出しをする」と教えられた。

ケイトの宿舎にタイラーがピザを持って訪ねてきて「この町にはいいところもあるから」とロディオ大会に誘った。

〇夜間、ケイトとタイラーがロディオ観戦中に竜巻に襲われた

タイラーの「恐怖に立ち向かうんじゃなく、乗りこなすなめに雲を追っている」を聞いていると空気が重くなった。するとスマホに“近くに竜巻発生!退避!」と表示された。会場が大混乱に陥った。ケイトとタイラーは協力して子供たちを水の無いプールに誘導、底に貼り付かせた。竜巻に吹きとばされた車が落ちてきた。竜巻が去って、子供たちは助かった。

ケイトは駆けつけたハビアンに「リックスの狙いは何か?被災者の弱みに付け込んでいるのでは?」と聞いた。ハビアンは「彼は被災者の今後を考えている、君の研究で友人を3人失った」と言った。ケイトは論議する気がなくなって、自宅に戻ることにした。

〇ケイトはタイラーの協力で竜巻勢力の鈍化研究をやってみた

ケイトは母の牧場に身を寄せていた。ここには竜巻の実験室があり亡くなったジェブと「竜巻を手なずける」と話した思い出に浸っていた。

そこにタイラーが「君の昔の記事を見つけ気の毒になったから」と訪ねてきた。母も交え食事しながら“何故竜巻を研究するか”を話し合っていた。

そこに“大型竜巻がオクラホマに接近中”のニュースが入ってきた

タイラーはケイトに“3D画像が得られる今なら出来るかもしれん”と提案した。しかし、ケイトは“竜巻を甘く見て子供じみた夢だった”と乗り気ではなかった。タイラーは「竜巻の等級は風力でなく破壊力で決まる。竜巻が去った後で決まる。君には気の毒だった!一生悔むか?」と再実験を促した。

ふたりはEF1の条件で計算し、気流の鈍化が可能であることが分かった。

吸収体1500kgが300倍の水分を吸い、水分45万kgが上昇気流に乗り雨になれば上昇気流は弱まる、気流が鈍化できると推論した。かって失敗したのはEFが1ではなく“大きな数値であった”からだと結論を下し、実験することにした

ふたりは吸収剤を積んだトラクターをタイラーの車(底に車固定用のドリルが憑いている)で牽引して竜巻が出現するのを待った。

雲が出現し、うまく竜巻の下に入り込め、吸収剤を吸わせることが出来た。が、竜巻に変化は起きなかった。ケイトはモデリングの失敗だと判断した。そこに「いい過ぎた!」と謝罪に来たハビアンから竜巻の3次元観測データーを入手した。

ケイトは竜巻の3次元観測データーをPCで見て、湿度の変化が想定と違うことに気付いた。雨だけが吸収されも湿度が下がらないからもっと吸い取らないといけない。ヨウ化水銀で水蒸気を雨に変え吸収体を放り込んで嵐の水分を吸えば冷気でプールが増加し竜巻が消えると分かった

竜巻カーボーイの仲間全員で「積荷だけをどうやって竜巻に吸わせるか、吸収体の配合剤比率は?」と考えた。

〇人工雨による方法で実験することにした。

ケイトが雲を捕まえ、“竜巻カーボーイ“チームが走り出した。これにチーム“ストーム・パー“も加わった。ストーム・パーは負けじと突っ走る。前方の工場が炎上!ケイトは危険と判断!停止した。竜巻が過ぎ去って実験は出来なかった。

ケイトがエルリノの町の上空に雲を発見した

何事もないように少年たちが野球に興じていた。ケイトは“市民の避難“を提案しチームは町に駆けつけ、地下室か大きなビルへ誘導を始めた

“ストーム・パー“はこの竜巻を捕らえようとレーダーを配置していたがハビアンがケイトたちの行動を知って”市民救助“を言い出し、スコットと揉めていた。

強風にあおられ球場のテントが飛ぶ。電車が脱線、給水塔が倒壊。このような状況でケイトとハビアンはタイラーを救出し劇場ビルの中に逃げ込んだ。

劇場の天井が崩壊し始めた!地下室を探すが、ない。ケイトは外に出てトレーラーを動かし竜巻の中に突入し、車をドリルで穴を開け固定した。そして吸収体溶液の蔦を開けるスイッチを押すが、“開かない“。車が横転した!

ハビアンとタイラーが避難者を劇場ビル裏側に廻すよう誘導していた。ビルの中から人が吸い上げられる床にへばりついているリリーが吸い上げられそうになりタイラーがこれを引っ張った。すざましい風力だった!

突然、風がやんだ!ケイトが横転した車から這い出してきた。ケイトは竜巻勢力を鈍化することに成功した?

〇空は晴天、ケイトの1週間は終った

ケイトは“約束だ“とハビアンに空港に送ってもらっていた。「ニューヨークの審査会は竜巻が消えたのは精油所の火や煙のせいだというと思うが、でも竜巻は消せる。研究を進めないと、俺もやり直す」とケイトを励ました。(笑)

空港に消えるケイトをタイラーが追った!すると空港アナウンス「近くで嵐が発生し出発便は延期します」。

まとめ

前段ではストーム・チャイサーが竜巻を追うアドベンチャーのスリリング、危険性を見せ、なんのためにこんなことをやっているのかを考えさせる。後段で科学的に竜巻を考え、竜巻に挑む姿を見せて終わる物語

ただ、竜巻を見せるだけの作品ではなかった

非常にまじめに、学理的に作られている。それだけにドラマに感情が入り込まない!これが欠陥かな!(笑)

ケイトとタイラーの恋も気象専門語で薄くなってしまう。(笑)

竜巻の威力がCGやVFX、セット撮影によりうまく描かれていた。“こんなに怖いものか”と思った。特にラストの劇場ビルのシーン、人が吹っ飛ぶところに驚いた。

“低いところに逃げる“というのは強烈に残った。避難誘導が他の災害と違って知識がないと無理。”プールの底にへばりつけ”これだけは覚えておこう!!

竜巻の恐ろしさを見せるだけではなく、技術の進歩や知見が加えられ、新しいものが描かれている。3次元レーダー観測、人工雨による竜巻の鈍化法、避難法の工夫等。

チューバーたちへの警告もある。“市民救済に動け!”というのがよかった。

ケイトとタイラー、ハビアンの三角関係ドラマ

タイラーのケイトへの憧れが恋へと移行する様が描かれるが、なんか薄っぺらでピント来なかった。(笑)突竜巻が強烈だから、エピソードがぱっとしなかったのかな。(笑)

デイジー・エドガー=ジョーンズはとても華があった。恋よりも科学とすっきり筋を通す透明感がよかった。それだけにグレン・パウエルもソニー・ラモスも影が薄かった!(笑)

竜巻対策には避難所や3Dレーダー装備もあるが、やはり望まれるのは竜巻の威力鈍化法だと思いながら観ました。面白い作品でした。

              ****

「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」ピアノ演奏で綴るフジコさんの人生、人生で一番大切なことは愛!

 

2024年4月に92歳でこの世を去った世界的ピアニスト、フジコ・ヘミングの日々を見つめた“ドキュメンタリー”

2018年に公開されロングランヒットを記録したドキュメンタリー映画フジコ・ヘミングの時間」の小松莊一良監督が、2020年からの4年間にわたるフジコの旅路を撮影したもの

2018年版を観ていますが、弟・ウルフさんが生存されて、まだまだ精力的に活動されているときのものでしたが、本作は死を覚悟して、自分の人生を総括するような作品になっています。

両親の離婚、混血、戦争、片耳の視力を失う等人生の苦難を乗り越え、60歳で突然のレヴューという転機を踏まえて、人生を語るそこには筋の通った生き方が見え、とても面白い。

人生は辛いことの多い。多い方がいい一番大切なのは愛、自分のことでなく他人や動物への愛。ピアノは楽譜どおり正確に弾くのではなく間違えてもいい、同じところを何回弾いてものいい、“要は魂を送り込むこと”等、フジコさんらしい名言を沢山残してくれています。

私はピアノのことは分かりませんが、フジコさんの生き方が好きで彼女のピアノを聞きます。沢山の曲が収録されていますが、一番はやはり「ラ・カンパネラ」です。

監督・編集:小松莊一良撮影監督:藤本誠司、録音・整音:井筒康仁、音楽:フジコ・ヘミング演出補:小松上花、フジコ・ヘミング

物語は

戦時中を過ごした岡山に残されているピアノとの再会、父や弟との思い出、コロナ禍での暮らしと祈りを捧げる演奏、思い出の地・横浜でのドラマティックなステージ、そして秘めた恋の話など、いつの時代も、どこで暮らしても、自分らしく生きてきた彼女の姿を、4Kカメラで撮影したダイナミックな演奏シーンを盛り込みながら映し出す。23年3月のパリ・コンセルバトワール劇場でのコンサートでは、「ラ・カンパネラ」「別れの曲」「月の光」など数々の名曲を披露した。(映画COMより)


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あらすじ&感想

ドキュメンタリーは“人生なんて、うまくいかない、悪いのがあたりまえ!”で始まります。

 

2020年から2023年3月のパリ演奏会まで、コロナ禍で制限を受けましたが、演奏会を軸にフジコさんの思い出や生活信条を綴ったものです

印象に残ったものを拾い出してみます

〇冒頭で、2023年3月19日パリ、コンセヴァトワール劇場におけるフジコさん最期の演奏会が紹介されます。

この演奏会の細部は最期でまた出てきます。このコンサート後、自宅の階段で転倒し骨折、カーネギーホールでの復帰を夢見てリハビリに励むも5カ月間の療養の末、2024年4月21日未明、病院でひとり静かに天に旅立たれたとのことです。合掌!

3年越しに実現したパリの歴史的劇場でのコンサート。ここは18世紀末から大音楽家たちが演奏してきた音楽ホール。ここで演奏された曲名・アンプロンウチュOP.90.3/F.シューベルトを聞きながら、この作品の意義が語られます。

名前はフジコ・イングリッド・ゲオルギー・ヘミング、父の血が少し入っています。今世界で演奏していてどこも私のコンサートはソールド・アウトです。とても素敵なことで、そのことがとても嬉しいです。多くの苦難を乗り越え60代後半に世に認められたフジコです。“魂のピアニスト”衰えぬ人気の秘密とその魅力を伝えます。

〇2020年、春のサンタモニカの生活。

フジコさんはいくつかの自宅をお持ちですがここはアメリカの自宅。長いツアーを終え、この街で休暇を過ごしています。

自宅の紹介、古いものへのこだわり!

1920年に立てられた、このあたりに残っている古いスペイン風の小さな建物。大きな木が気に入って買ったということです。死後もマンションなどが建たないよう弁護士に遺言しているそうです。古いものにこだわるのは家だけでなく家具や衣服、宝物にまで及ぶ古いものには魂が宿っているという。パリの家では泥棒に入られたが何も取られなかった。自分が作った人形、猫が潰した鈴、天国に行った猫ピョンの毛など取るものが無かった。(笑)しかし、宝物のなるとフジコさんの考えが正しいのではないでしょうか。

衣服は40年にストックホルムで買ったものを着ている。小さくなったら切って着る。(笑)一番楽しいのは音楽を聴きながら縫物をする時だそうです。

経歴について

10才で天才少女と呼ばれ、ヨーロッパでキャリアを積む。レ・バースタインから支援を受けるが風邪をこじらせ右耳の聴力を失いチャンスを逃す。以後はピアノ教師のかたわら演奏を続けた。“60歳で有名になったから大変だった”という(NHKのドキュメント番組「ETV特集」で紹介され、フジコブームが起こった)。私もこのドキュメントでフジコさんを知りました。

TVで紹介されCDレヴューで有名になった。“シューマンなんか野垂れ死にしたがこんなものがあったら悲惨な運命にはならなかった”と悔やみます。(笑)

本当の自分はバカのような少女で頭の中を覗くと、18から66歳だという。(笑)こんな年を取って悲しい!しかし、最近は90歳を過ぎた指揮者もいるから頑張るという!

指には大きなリングをつける。なぜなら細く見えるから。(笑)昔、小さな自転車に乗れば可愛く見えると乗ってみたらひどいものだった。(笑)人生はそういう経験で賢くなっていく。(笑)

教会のお祈りを欠かさない

カトリックでも何でもないが教会でお祈りをする。父は神を信じないバカものだった。母は仏教、祖母が生長の家に凝っていた。それぞれ違うが、どんな宗教でもよい。教会にくるのは色々な人に会うために来ている。音楽会もそう、いろんな人に会うのが楽しみ。教会では布施に応じ、チャリテイ活動に熱心です。物乞いに出会えば必ず応じます。

愛犬・猫家である

ここには愛犬アンジンがいる。フジコさんと旅を続けてきた相棒です。猫が二匹います。

1年前から歩行器に頼らねば歩けなくなった

朝はこれでアンジンを連れて散歩、買い物にも出かける。歩かないと歩けなくなる。

人間関係には気を使っている

友達関係、人間関係はすごく難しい。相手を怒らせるのは嫌だし、あっちを見てもこっちを見ても癪だからと“このやろう”と思ってもやらない方がいい。やったら終わりです。私は大丈夫だと言い、子供の頃この曲を聞きながら眠るのが好きだったとピアノを弾いてくれます。この曲で安らかな気分になることです!

夜想曲第2番/F.ショパン

毎日数時間の練習を欠かさない

練習の間、犬のアンジー、猫のチャンスキー、アドルフが聞きながら寝ています。

絵を描く

ピアニストとしての理想と現実の間で苦しんでいた頃から本格的に絵を描き始めたそうです。“自分は特別だということを周囲に知って欲しかった”からだという。絵のほうがずっと楽だそうです。ピアノは毎日やらないとダメになるから。

父親はスエーデン人でイラストやポスターを描く画家で恰好よかったがお金が全くない男だったそうです。(笑)父親の血を引いたのでしょうか。

母親は日本人でピアニスト。留学中のベルリンでフジコさんを産んだ。日本に帰ったが外国人ということで苦労した。その後、父親は祖国に戻り、母親がピアノを「教え子供たちを育てた。浮気性の男だった。(笑)父の思い出はほとんどない。が、レコードで父と踊った記憶があるという。後にこれを絵にして見せてくれます。

うまく行っているときはだいたいよくない!(笑)

うまく行っているときはふわふわして演奏も力が入らない。失恋すると自分に打ち込めるからもっとうまくなる。人生は苦しいことがあるほうが上手く行くのではないかと思っている

〇2020年、春、コロナ禍で街から人が消えた

フジコさんは東京の家(下北沢)にいた。世界中のコンサートがキャンセルになった。

フジコさんがSNSでフアンにメッセージを送った。

“戦争中に大変な目に合っているからそれに比べれば大したことではない。頑張ってください”と送った。戦争と比べるところがおもしろい!みなさん、元気づけられたでしょうね!(笑)

〇2020年8月4日、教会で観客ゼロのコンサートを開いた

会場は東京阿佐ヶ谷教会、牧師でシングソングライターの陣内太蔵さんと一緒に、映像を全国に配ることにした。

フジコさんが選んだ曲は“英雄ポロネーズ/F.リスト”と“ラ・カンパネラ/F.リスト”

心を清らかにしてもらいたい”と選んだという。

自分は決して清らかな人間ではないがだんだん清らかにする、一生かかってこれが生きる目的、いい人間になって、人生にがっかりしている人が多いが、そんな人のための曲、死ぬときにかけて欲しい曲、これを聞いていると痛みが取れる曲だと言い、神様だけでは祈りだけでは利かない、そこに音楽が必要だと。

こんな気持ちになりましたか?“ラ・カンパネラ/F.リスト”を聞いてみてください

この日、22:30、フジコさんの3歳下の弟・ウルフさんが亡くなった。

ウルフさんは父親を知らない。母親の最期を看取ったという。“お母さんと会っていると思う。心をあらためると天国に行けるので、皆行けると思う”と祈っている。

〇2021年1月、動物愛護とシングルマザー支援コンサート(東美教会・吉祥寺)。

フジコさんは貧しい時代から地道に慈善活動に参加してきた。今回はフジコ・ヘミング主催で行われた。曲は夜想曲第2番/F.ショパン

名曲を沢山弾いたが、名曲を避けて、あまり聞かないものがかえって勝負あったからこれに決めた。名曲はそうない、日本なら荒城の月とか涙が出るようなもの。名曲はよっぽどうまく歌わないと笑われるから。この後、お琴の演奏で“荒城の月”、フルートによる“ふるさと“を聞いた。古い日本の歌を大切にする。

先の大戦時、疎開先の岡山で練習したピアノと再会、生徒たちへのコンサート

13歳のフジコさんは1945年、東京の空襲激化のため1年間、岡山県総社市疎開。小学校のピアノで練習したという。グランドには兵隊さんたちの設営隊がいて、兵隊さんのために弾いたこともあるという。そして初恋もここで体験した

新幹線で岡山に着き、伯備線に乗り換え、総社市美袋駅で下車。今は廃校となった旧小学校をみて、昭和小学校での演奏会が紹介されます。

伯備線に乗り換えての風景に“あのころ風景!美しい、ここに1年いたのが不思議だ”と仰る。世界を歩いているフジコさんに褒められると嬉しいですね!高梁川沿いの渓谷美は楽しめます。美袋駅で降り、駅舎を見て“昔のままだ”と。駅舎横の赤い郵便ポストに“このままにしておいて欲しい”と。今では登録有形文化財として保存されています。「山あり、谷ありでいいところだったが食べるものがなかった“と。恐らくお婆ちゃんの家は農家ではなかった。この時代でも岡山の農家に米がないなどありませんから。(笑)

学校のグランドを見て、“ここに兵隊さんいて元気が出た“と言い、”黒板に恋文を書かれた”と。外人の血が入っていることは絶対に言わなかったそうです。

ピアノは現在、昭和小学校で現存している

フジコさんが脚光を浴びたことで破棄を逃れ、調律されて演奏に耐えるようになっていた。13歳の時練習したピアノに77年振りに再会。東京に去る時、コンサートして欲しいと頼まれ、ショパンのバラードとか一杯弾いたピアノだった。

生徒の皆さんに披露した曲は“エオリアンハープ/F.ショパン”

〇岡山からの帰り、京都祇園の自宅で、恋について語ります

京都祇園の自宅は取り壊される寸前の町屋を買い取り保存したという。さて恋の話・・・・。

初恋は総社の小学校に疎開したとき。兵隊さんだった。高い処(踏み台)にたって演説する人だった。(笑)おそらく若い隊長でしょうか?東京から来た人で“ピアノ弾かないの”と言われたひとことに惹かれた。一言も話さなかったが、終戦で帰る姿を美袋駅で見たことが忘れられないと話す。

フジコさんの母さんが“男運がない一族だから食べて行けるように”とピアノを教えたという。(笑)

東京藝術大学に進学したとき、変な男にストーカーされ、この変態男に悩んだと。

今、恋をしている

もう4年経っている。指揮者のマリオ・コシック。すごく感じがいい。好きだけど嫌なところもある。でも完全に私に合うやつなんていない。私が“言いたいことがある”というと“まだ時間がある“とドイツ語でいうの。”時間があるという意味がわからない“。それで4年も経った。(笑)

ヴァスコ・ヴァツシレフ、来日中のヴァイオリニストとリハーサル。心やさしい彼はフジコの良き理解者だ。

〇 “フジコ・ヘミング ソロコンサート”「CoLors ~色を付けるように弾く」(2023年1月16日、神奈川県民大ホール)

フジコさんにとって横浜は特別の場所。ヨーロッパと日本を繋ぐところだった。特に父親を感じる場所(父の描いたポスターが日本郵船歴史博物館に展示されている)ここで新たな挑戦をしたかった。ヨーロッパ留学中にシャンソン歌手のジュリエット・グレコのコンサートに通った。光の演出で美しいグレコのステージに憧れ、いつか自分もと夢見ていた

白いガウンで弾き始めた。“エオリアンハープ/F.ショパン

色彩のような作品が好きドビュッシーの“月の光”とか。みんな色彩のようなものがある。俳優が何かを演じているような弾き方があるし色々ある。私はその度に違った弾き方をする。特にカンパネラでは色彩を変えるように弾く。始めから終わりまで青でなく紫になったり青が濃くなったりする。

衣装にこだわりがある。演奏に影響を与えない生地で舞台映えするようにしている。第2部では大正の緋銘仙をまとった。バラの花に光る糸を織り込んだお気に入りの衣装だった。

コンサートを終えて思うこと。私はやっぱり人間嫌い!

色々失敗した。お互いに理解できない。外国でいじめに合い、日本でも。それを乗り切ってきた。ひとりでは何もできんない。人間はひとりでは何もできないことを知った

春、パリのマレ地区のアパルトマンにもどって来た

パリ在住の現代アート作家トモコ・カザマ・オペールと芸術家同志のふたりは女学生のようにつき合っている。新しいプログラムのために練習相手の男性と練習に励む曲。“亡き王女のバヴァーヌ/M.ラヴェル

私の若い頃はロマンチックはなくなって貝のようなものが流行った。今はそれはダメだと言われている。私はリストやショパンの時代のように弾きたい!誰が悪口言ってもそうする。その人のためという弾き方はしない

コンセルヴァトワール劇場公演。フジコさん最期のコンサートになった

国立音楽院を起源として200年以上の歴史を誇りフランスの文化遺産に指定されている。ラヴェルドビュッシーベルリオーズなど偉大な音楽家たちを輩出した劇場。

コンサートの主催はフランス人のダミアン・グルダン・タカハシ、フジコさんの友人。フロントアクトはバリトン歌手のグルダン・エイジロウ。ふたりの結婚証明人はフジコさん。

「人生最後のコンサートはどんなもの?」と問われれば、“これ“と言えるコンサートだった。(実際にこうなっちゃった!)

“幻想即興曲/F.ショパン“でスタート

3回弾いたとかそんなことはどうでもいい私なりに弾く。みんなを感激させる力があればいい。魂が入っているかどうか、それが大切だ

出だしを間違えて「私はドビュッシーを弾くんだったわ」と弾き始めた“月の光/C.ドビュッシー

この曲は子供のころから練習した曲で大好きな曲のひとつだった。“別れの曲”も好きだが“黒鍵のエチュードが一番という人もいるという。

このコンサートのあと、サンタモニカからの電話で愛犬のアンジンがコンサート前に亡くなり、愛猫のキャンスキーもその2週間後亡くなった。フジコさんの愛すべきものがすべて思い出となってしまった。

〇愛犬・猫の死を受けて、自分の死について語る

どうやって死ぬかは年中思うけど、寝たままがいい。老死でいたい。葬式はいらない。貧しい人に寄付するか動物に寄付して!。ろくでもない顔で死ぬから顔は見せたくない。母が死んだとき葬式に行かなかった。葬式に意味はない。聖書にあります、死は新しい出発と。

人生で一番大切なものは愛です。窓から見る色んな歩いている人に幸せを祈ります。自分のことだけではダメ。自分を乗り越えた愛でなければダメです

「長い時間をかけてフジコは自分らしい生き方を探してきた。そして歩んできた人生を演奏に投影してきた。苦難とときめきがちりばめられたそのフジコの音色は傷だらけだけどロマンティックだった」。

まとめ

すばらしい要約がありますので、フジコさんの人生で感動したことを書きます。

人生で一番大切なことは“愛”。ひとりでは生きていけないと貧しい人に、動物たちに一杯の愛を注ぎましたね

そして演奏では「3回弾いたとかそんなことはどうでもいい。私なりに弾く。みんなを感激させる力があればいい。魂が入っているかどうか、それが大切だ」という演奏姿勢に感動。

特に私は岡山県総社市の隣町に住んでいますので、フジコさんが戦争時疎開されて練習されたピアノの復元お披露目演奏会シーンが印象に残りました。 “岡山の風景が昔と変わらない、忘れられない風景”と当時の練習曲を弾かれる飾らない姿が印象に遺っています。

もう聞けないかと思うと残念です!ご冥福をお祈りします

                                                *****

「花まんま」(2024)こんな奇跡が?暖かい話!人は繋がって生きる!

 

花まんまってどういう意味?これで観ることにしました

大阪の下町に暮らす兄妹の不思議な体験を通して、人の哀しみや温かさを繊細な筆致で描くヒューマン・ドラマ

たったひとりの妹の親代わりとして生きる熱血漢の兄が妹の結婚に悩みながら自分も成長し、みんなが幸せになる話

暖かい人と人の繋がりを描いた作品。泣ける作品ですが、“不思議な体験“が受け入れられるかどうかで評価が変ります。

“これを受け容れるところに意味がある”のではないでしょうか。この作品を見ながらクリスマスを暖かい気持ちで迎えてはどうでしょう!お勧め作品です!

原作;第133回直木賞(2005)を受賞した朱川湊人の小説「花まんま」、未読です

監督:「そして、バトンは渡された」の前田哲、脚本:北敬太、撮影:山本英夫編集:高橋幸一、音楽:いけよしひろ、イメージソング:AI。

出演者鈴木亮平有村架純鈴鹿央士、ファーストサマーウイカ安藤玉恵オール阪神・巨人、板橋駿谷、田村塁希、小野美音、南琴奈、馬場園梓、六角精児、キムラ緑子、酒向芳。

物語は

大阪の下町で暮らす加藤俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)の兄妹。兄の俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹のフミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったのだが、遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子のある秘密がよみがえり……。(映画COMより)


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あらすじ&感想

〇俊樹がみる夢は亡くなった父母から託された“しっかり妹の面倒をみること”と“妹が彼氏と去っていくこと”だった。

亡くなった父母が夢に現れ「兄ちゃんだから、フミ子の面倒しっかりみて!」と言われたこと。なのに「フミ子さんください」と彼氏が現れ、フミ子は男と一緒に去っていく。俊樹は毎日こんな夢を見て、朝がやってくる。

俊樹(35)は山田金属の社員で旋盤工。妹を大学に行かせるため、大学進学せずこの工場で働いている。それだけに妹・フミ子への思いは強かった。

妹のフミ子(30)は国立大学の職員で、同大学の助手・中沢太郎(鈴鹿央士)に見染められ結婚の約束をした。俊樹は中沢から“フミ子さんと結婚したい”と伝えられても“うん”と直ぐには返事できない

フミ子は兄・俊樹に内緒で「お父さん、お兄さん、お姉さん、私結婚します」と伝えると兄と姉は“よかった!“と大喜びだが、父は悲しんでいる。

一体、これはどういうことか?

俊樹はこれを知って怒るに決まっているがどうなるのか?ここから物語が始まります。

〇俊樹はフミ子が産まれた時の父の喜びを思い出し、フミ子と中沢の結婚を認めた

俊樹は中沢が勤務する大学を訪れ、彼の仕事ぶりを確認した。動物学者の中沢がカラスと話すことに驚いた。(笑)

そのあと、世話になっているお好み焼き屋“よしみ”で結婚式の話になったが、まだ結婚を認めることが出来ず、店を出てフミ子が産まれた時のことを思いだしてみた。

母親のゆうこ(安藤玉恵が急に産気づき救急車で病院に急いだ。病院の玄関で事故で運ばれる救急患者とすれ違い、この患者の死とともにフミ子が産まれた。父親の恭平(板橋駿谷)は「フミ子は大学に行くぞ」と喜び、病院の外で俊樹と一緒に万歳三唱したことを思いだした。“フミ子は大学を卒業し、大学の先生と一緒になる。きっと父は喜ぶ”とフミ子の結婚に賛成することにした。

俊樹は店に戻り「なにが欲しい、プレゼントしたい」とフミ子に結婚賛成を伝えた。

結婚準備がどんどん進む。

フミ子は結婚衣装を決め、引っ越し準備を始めた。俊樹はモーニング服を調達。姻族代表としての挨拶文を作り、練習を始めた。

フミ子は最期の別れと彦根の繁田家を訪ねていた

俊樹はカラオケバーに“よしみ”の娘・三好駒子を誘い、フミ子結婚の喜びを伝えた

 駒子(ファーストサマーウイカはチャキチャキした大阪娘で口は悪いが俊樹に惚れている。が、微塵にもそれを口にしない。俊樹は「俺の頑張りでフミ子が結婚することになった」と自慢した。駒子もこれを認めた。

そのあと、俊樹は中沢のアパートを尋ね一緒に飲み始めた。中沢が「フミ子さんはオープンキャンパスの準備で遅くなる。終電に間に合わないときは大学の寮に泊まる」と話した。俊樹はおかしいと思った。

俊樹はスマホで「帰宅中の女性が刺殺された」ニュースを見て、フミ子とふたりだけの秘密を思い出した

アパートに戻り、引越し準備中のフミ子は荷物を調べた。フミ子の漢字練習帳に繁田喜代美、宏一、房枝、仁の名前があり、繁田仁とやり取りしている沢山の手紙を見つけた。

〇俊樹は会社の車に、中沢を乗せて彦根の繁田家に急いだ

俊樹が「誰かの記憶が誰かの記憶に入り込む話を信じられるか?」と中沢に聞いた。中沢は「信じられる」と言った。俊樹は“フミ子の秘密”を語り始めた。

俊樹(田村塁希)が小学6年生でフミ子(小野美音)は小学1年生の時フミ子におかしなことが起こり始めた。

フミ子が練習ノートに漢字の名前・繁田喜代美、宏一、房枝、仁を練習し始めた。その後、フミ子が行方不明となったが京都で発見された。

俊樹が「繁田喜代美は誰か?」と聞くと「昔、私は繁田喜代美だった。お父ちゃん、おじちゃん、おばちゃんと一緒にいた夢を何べんも見た。私はバスガイドになりたい。迷子になったのは彦根に行こうとしていたから。喜代美はお客を守ろうとして刺されたの。新聞に載っていた」と話した。フミ子が「最期の願いだから彦根に連れて行って!」と言うから、俊樹は母に内緒でフミ子を彦根に連れていくことにした。

フミ子がお父ちゃんの家(繁田仁)まで案内した

俊樹が近所の人にお父ちゃんのことを聞くと、「娘さんを失くしてそれ以来ご飯を食べないないから骸骨のように痩せている」と教えてくれた。フミ子はお父ちゃんには会わない約束だったから、ふたりでつつじが一杯咲いている公園で弁当を食べて帰るつもりだった。ところがフミ子が「お父ちゃんの気持ちが分かる」と弁当箱につつじの白、赤、黄、緑で弁当(まんま)を作って「これをお父ちゃんに!」と渡した。

俊樹が家に弁当を届けるとお姉ちゃんが「誰からや?花まんま、喜代美がよく作った」と声を上げ、お父ちゃんが泣きながら食べていた。

俊樹とフミ子は大阪に帰るため駅にいると、繁田家の三人がやってきてフミ子を見て「喜代美だ!」と言った。俊樹は“触るな!うちの子や!”と言い返した。お父ちゃんが“よう来てくれた、ありがとう”と泣いた。俊樹はフミ子に二度と会わないと約束させた。

俊樹は柴田家に怒鳴り込んだ

繁田仁から「これが最後だと家に泊めってくれました、立派に育ててくれました」と又長女の房枝(キムラ緑子から「フミ子さんのお陰で食べるようになり感謝の言葉もない、昨日は喜代美の命日でした」と感謝された。俊樹は「フミ子をおかしくさせなでくれ!」とアルバムを取り上げ、家を出た。

帰りに思い出のつつじ公園に寄ると、そこでフミ子に出会った

俊樹が「明日は結婚式だぞ!」と話し掛けるとフミ子が「喜代美さんは2日後に結婚式だった。3人を結婚式に呼びたい」と言った。「関係ない!」と怒ると「私の中には喜代美さんがいたお兄ちゃんはお父さんがいるが私の中にはいなかった。私はお父さんの気持ちが分かった。私は私や。心配せんでいい。結婚式参加は断られた!喜代美さんが消えている。私の思い出も消えて行っている。結婚したら全て消える。花嫁の姿は見せてあげたい」と答えた。俊樹は「ダメだ!」と言って、中沢を残し別れた。

俊樹は帰りの車の中で繁田仁の手紙を読んだ

「結婚おめでとう。御両親が喜んでおられるでしょう。喜代美も喜んでいる」と書いてあった。

俊樹は“よしみ“で大酒を飲み、駒子に不満をぶつけた

俊樹は「フミ子は何で花嫁姿を見せてやりたいんや!」と駒子に愚痴った!駒子が「頑張ってきたのはあんただけか?人の気持ちも分からんやっつだ!」と頬を引っ叩いて、泣いた。

俊樹は店の外のベンチに座っていると父母がトラックで現われ、そこに観光バスで喜代美(南琴奈)さんが現れた。母・ゆうこが「喜代美さんが天国に行くとき丁度文子が生まれる時で、うっかり喜代美さんの命をフミ子に移してしもうた。ようやくあっちに行くことになった。結婚式の姿を見たいのは親なら同じ気持ちや言っといて!」と三人がトラックで天国に去って行った。店が終わり、駒子は眠っている俊樹を店の中に入れ、ソファーに寝せた。

翌朝、駒子が起きて俊樹を確認すると、俊樹が消えていた。俊樹は彦根に車で走っていた。

〇気婚式当日

俊樹は彦根で繁田家の三人を車に乗せ、フミ子に「いいのものをプレゼントする」と電話して式場に急いでいた。

フミ子はホテルで花嫁姿になり、式の開始を待っていた。俊樹が現われず、“よしみ”の店主(オール阪神)がエスコート役を務めることになり練習を始めた。

結婚式の開始、そこに彦根から4人が着いた。繁田仁がエスコート役で式が始った

式が終わり、披露宴も順調に進んだ。いよいよ親族代表としての俊樹の挨拶

俊樹の挨拶は準備していたものでなく即興で行うことになった

替えた理由は“自分がフミ子を育てたと自負していたがそうではなかったことに気づいたこと。「皆さんにお世話になりました」というところに泣けます。“俊樹が頑張ったことを知っている”からこそ、皆さんがこの挨拶に涙しました。

このドラマでここが一番大切です!今年の雅子皇后陛下誕生日の感想文、とても感動的でした。祈りと感謝に溢れたもので、あれほどにバッシングした平成4人組を暖かい謝意を伝えたことに感動しました!

披露宴も終わり皆さんをお送りする際、フミ子は繁田仁に「誰でしたかね?」と声を掛けた。俊樹は驚いてみていた。

繁田家の三人、帰りの電車の中で“引き出物”を開けると“花まんま”だった。仁が泣き始め、皆で泣いた。

まとめ

フミ子が産まれるとき、偶然事故で運ばれてきた喜代美が亡くなるときでフミ子が喜代美の命を継いだという縁。これを信じるかどうかで作品の評価が分かれる。とてもテンポのよいドラマで“そんなことがあったか”と後で気付かされます。(笑)

「人の縁とはこういうものだ」と“縁の不思議”と割り切ってみる作品だと思いました。すると泣けるところが一杯で、感動的なドラマになっています

私は交通事故で小学2年の孫を失いましたが、この子の同級生の小学校卒業式に父親と一緒に呼ばれ卒業証書(番号なし)授与に参加しました。皆さんの胸にこの子の記憶が残っていることに感動しました。繁田仁さんもきっと同じ気持ちだと、自分の経験からこの作品はとても泣けるものでした。酒向芳さんの泣き方がうまかった!(笑)、

役者さん、みなさんが上手い演技で笑わせ、泣かせてくれました

鈴木亮平さんのオーバーな演技もドラマによく合っていた。“よしみ“の一人娘・駒子役のファーストサマーウイカさんとの会話、息の合った漫才のようでとても楽しかった。ファーストサマーウイカさんって何者ですか!すばらしい演技でした。鈴鹿央士さんのカラスとの会話、これも面白い。有村架純さんの花嫁姿は可愛かった。兄の挨拶に涙するシーンがまたよかった。

花まんまとは子どものままごと遊びで作った、大切な人に贈る小さな花のお弁当のことです。

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