
『望まれた以上を与えよ。歌を伝えよ。
目にしたこと、感じたことを全て伝え、完全なる人になれ。
…これでコイワノ族の一員だ』
黙示録を遡行する魂のオデッセイ。
「彷徨える河」(2015年/シーロ・ゲーラ監督-コロンビア ベネズエラ アルゼンチン合作-)
1900年代初頭。アマゾン川流域。ジャングルの奥深く、孤独に暮らすシャーマン、カラマカテ。侵略者(白人)に滅ぼされた村ただ一人の生存者。
重篤な病に冒され、カラマカテに救いを求めてきたドイツの民俗学者テオ。誰が白人の命なぞ、と突っぱねるカラマカテでしたが、治療に必要な聖なる植物ヤクルナを求めてアマゾンを遡行する旅に…。

何気にぶる下がっている“器具”のシルエットが怖い。
約40年後、老いたカラマカテの元にアメリカの植物学者エヴァンが。
テオの著書に記載されている聖なる植物ヤクルナは実在するのか。
しかし、歳のせいか孤独のためかカラマカテはかつてのカラマカテではなくなっていました。智恵も知識も記憶も薄れ、以前は語りかけてくれた岩や河も沈黙し…。
『ジャングルに敬意を払え!』と言っていたカラマカテがジャングルに見捨てられている!

自身を取り戻すため、再びカラマカテはエヴァンと共にアマゾンの上流に…。
ふたつの時代を行き来する精神の旅。誰もが「地獄の黙示録」(とその原作である「闇の奥」)を思い浮かべると思います。
多すぎる荷物を捨てた(カラマカテに捨てさせられた)エヴァンが最後まで手放さなかったものを見た時には『嗚呼、「フィツカラルド」も入っているのか!?』。
モノクロ画面を唐突に打ち破る色彩の波、光の洪水は「2001年」か「アルタード・ステーツ」か。
旅の終着点は各自の目でお確かめを。
★ご参考
