
皆様、こんにちは。
マレーシアのHari Raya(ハリ・ラヤ)といえば、家族や友人を招いて料理を囲む「オープンハウス」。 皆さんは行ったことがあるでしょうか。
実は先日、マレーシアでちょっとユニークなオープンハウスが開催されました。主役はなんと「マレーシアの旦那さんたち」!

マレーシアの旦那さんたちが自慢の手料理を披露するユニークなイベント、その名も「Suami Masak Apa Hari Ini?(スアミ マサッ アパ ハリ イニ?)」
直訳すると 「旦那、今日何作る?」
今回は、そんな彼らが主催する温かく笑顔に包まれたオープンハウスイベントの様子をレポートします。
- 【「Suami Masak Apa Hari Ini?」とは?マレーシア旦那たちの料理コミュニティ】
- 【MCO明けに初のリアル開催!ハリ ラヤに合わせたオープンハウス】
- 【会場は終日満席!マレーシア人旦那たちの熱気あふれるイベント】
- 【マレーシア料理の名物がずらり!旦那シェフたちの手料理紹介】
- 【尽きないお料理!マレーシア旦那たちの本気度がすごい】
- 【マレーシア人旦那の優しさと笑顔にあふれたおもてなし】
- 【政治家も登場!SNSでも話題になった人気イベント】
- 【コロナ禍をきっかけに誕生!マレーシア人のポジティブ思考】
- 【最後に】
【「Suami Masak Apa Hari Ini?」とは?マレーシア旦那たちの料理コミュニティ】
「Suami Masak Apa Hari Ini?」は、2020年のコロナ禍で誕生したFacebookコミュニティ。
世界的にいわゆるロックダウンが行われるなか、マレーシアも例外ではなく2020年3月から約2年の間、MCO(Movement Control Order)(活動制限令)と称して外出や活動について罰則や逮捕も伴う厳しい制限が設けられていました。
マレーシア中の家庭がいつも以上に毎日の三食(いや、それ以上ですよね…)のご飯に楽しみを見いすことで変化のなさすぎる日々を乗り切る、という状況に。
そんな状況のなか
と立ち上がった男性たちが集まり、Facebookグループ「Suami Masak Apa Hari Ini?」がスタート。
日本語に直訳すると「旦那、今日何作る?」。意訳をすると「旦那ご飯の会」といった感じでしょうか(笑)。
こちらが彼らの活動の拠点、Facebookのクローズドコミュニティ。メンバーはMCO以降も増え続けていて、現時点で約31.6万人(2025年10月時点)という巨大グループです!
グループは男性限定で、女性は母や妻であっても参加できないという完全なる「旦那限定クラブ」です。自分の作った料理を投稿したりレシピを交換したり、そしてMCOで自由がなかった頃は時に励まし合ったりと、コロナ禍の心のより処になっていました。
私の夫ハムザもこのグループのメンバーで、時々自分の手料理を投稿して楽しんでいたようです。
私の感覚ではマレーシア人男性はどちらかというと家事全般をこなす人が多い印象ですが、そうは言ってもやはり料理は苦手という男性も多いかと。MCOが長引く中、子だくさんが多いマレーシアの家庭で妻だけに料理を担当してもらうことに支障が出始めたり、時には自分自身も家でできる新たな趣味を見つけたい、という気持ちから料理にトライする男性も増え始めた背景もあったようです。
【MCO明けに初のリアル開催!ハリ ラヤに合わせたオープンハウス】
約二年間続いた厳しいMCOがようやく緩和を迎えた2022年。それまでオンラインのみで交流をしていた「旦那ご飯の会」こと、このコミュニティが初めてオフラインでのオープンハウスイベントを企画することに!2022年5月のラマダン月明けのHari Raya Aidilfitri(ハリ ラヤ アイディルフィトリ)の時期に合わせてオープンハウスを開催することが決定。
マレーシアのお祝いの際によく開かれる「オープンハウス」。日本ではなじみの薄いイベントですが、普段お世話になっている家族や友人、近所の人を招いたり、職場単位で会場をレンタルして開催するカジュアルな食事会。マレー系文化の象徴ともなるハリ ラヤ中は主に週末に盛んに開催されます。
私たちもこのようなオープンハウスイベントを過去に開催しました。
「旦那ご飯の会」のオープンハウスですから、もちろんお料理の披露も兼ねてのイベント!二年間それぞれがあたためてきた腕前を披露する場になるということでまさに満を持しての開催、そしてコミュニティの発足以来初めてのオフライン交流の場ということでハムザも楽しみでたまらない様子でした。
コミュニティ自体は女人禁制ですが、オープンハウスですから家族や友人誰でも参加OK!という太っ腹ぶり。マレーカルチャーやマレー料理に興味がありそうな私の日本のお友達も誘い、当日は総勢7人で参加しました!
【会場は終日満席!マレーシア人旦那たちの熱気あふれるイベント】
迎えた当日。今回のイベントは、Cyberjaya(サイバージャヤ)のショッピングモール屋上で開催です。


会場に到着するとすでにたくさんの人で賑わい、テーブルはほぼ満席!かなり広い会場なのにこの盛況ぶりです。

オープンから日が暮れて22:00頃までずっとこんな感じの満席ぶりでした。

【マレーシア料理の名物がずらり!旦那シェフたちの手料理紹介】
早速お料理を見に行ってみると、おいしそうなマレーシア各地の伝統料理の数々。どれも本当に綺麗にディスプレイされていました。

食べ始めた頃には会場が暗くて肝心の料理写真が少ないのが悔やまれますが、ほんの一部をご紹介!








どの料理もとても美しく盛り付けられ、味も本格的。「旦那料理」と侮ることなかれ、プロ顔負けのクオリティ!後から聞いたら、なかにはプロのシェフの方やこのMCO期間にオフィスワーカーからシェフに転職をした方もいらっしゃるとかで。そりゃあおいしいはずだと感心した次第です。
【尽きないお料理!マレーシア旦那たちの本気度がすごい】
会場を訪れる前、ハムザがFacebookページを見ながら「いろいろなマレーシア料理が用意されるみたいですごく楽しみ!」と言っていたのですが、私自身も東京で大人数参加のイベントを主催した経験もあることから、大勢の人が来るし開催時間は約4時間と長く、早い時間で料理が尽きたりしないんだろうか…と実は心配にもなっていたのです。
ところが、長時間のイベントにもかかわらずどの時間帯も料理は尽きることはなく。むしろ時間が経つにつれて、新しい料理が次々と追加されるという驚きの展開で、どれだけの量を用意したのだろうかと感心しきりでした。

聞けば、お料理担当の方の中にはプロの料理人もいるため準備もお手の物だそうで。しかしながら、もちろん本業は別にあって趣味としてこのイベントの料理を用意されている方も大勢いて、プロアマを問わず皆さんスキルが高くて感心しました。
味のレベルが高いことはもちろんですが、これだけの規模のイベントと準備に対応できるアドリブ力とおもてなしのパワーに感心。フレキシブル対応なら任せろ!というマレーシア旦那たちの本気を見せつけられた感じでした。
【マレーシア人旦那の優しさと笑顔にあふれたおもてなし】
今回のオープンハウスの参加者はなんと約1,000人!これだけの規模となると、当日はお料理を用意・サーブする人だけではなく、会場運営などさまざまなスタッフが必要となるわけですが、印象的だったのはそのスタッフ(全員旦那!)の温かい対応。
こちらがちょっと迷っていると「大丈夫?」「何探してるの?」と笑顔で声をかけてくれます。優しい笑顔とジョークも交えた楽しいやり取りがあるなど、良い時間を過ごせました。
こうしたフレンドリーで親しみやすい空気感は、まさにマレーシアの魅力そのもの。皆さんの気合いの入った民族衣装Baju Melayu(バジュ メラユ)姿も男前度100倍!という感じでした。

お料理に混ざってこの日のために作ったロゴ入りエプロンやTシャツも販売。

こういうグッズが大好きなハムザは早々に購入していたのですが、私が後から一人でそのカウンターで商品を見ていたら、「旦那さんにプレゼントなら半額にするよ!」と、私に総勢4人がかりでニコニコと笑い溢れる接客をしてもらったのが本当に面白かったです(笑)。
売り切りたい気持ちがあることはもちろん分かっていますが、それだけじゃなく、いつも笑いや優しさを惜しみなく前面に出しながら人と接してくれるところ、マレーシア人の良い所だと常日頃感じています。
【政治家も登場!SNSでも話題になった人気イベント】
この日のオープンハウスには、なんとコミュニティメンバーでもある政治家も登場!メディア取材も入り、ネットニュースやSNSでも話題になりました。


実は私も登場しまして、ハムザは自分が参加しているコミュニティなのに自分は載ってなくて妻の私が載ってると笑っていました。

【コロナ禍をきっかけに誕生!マレーシア人のポジティブ思考】
とても楽しい時間を過ごせた「Suami Masak Apa Hari Ini?」、「旦那ご飯の会」のオープンハウス。楽しかったこのイベントの背景にあるのは、MCOという長く厳しかった時間です。
自由が制限され誰もがストレスを感じていたなかでさまざまな問題も起こり、笑って話すことができないようなしんどい思いを経験した方もいるのではないでしょうか。
マレーシア人たちも精神面でいろいろとあったのではないかと想像しますが、そんな中でもそのネガティブに感じるあれこれをできるだけ楽しいことに転換していく姿勢から、日々欠かすことのできない「食」に楽しみを見つけて「料理を楽しむ」というポジティブな発想に変えたこと。そしてその発想からこのコミュニティが生まれていること。
今回のオープンハウスを過ごし、起きている事象を後ろ向きに捉えるよりも、楽しいことを見出して今後の糧にしていくほうが人生が豊かになる、ということを改めて彼らから教えてもらったように感じています。
【最後に】
今回ご紹介した旦那たちのコミュニティ「Suami Masak Apa Hari Ini?」の活動は現在も継続中。今後もハリ ラヤなどに各地でオープンハウスが開催されていくようですので、機会があればぜひ、マレーシアの人たちの温かい人柄と食文化を感じてみてください。
マレーシアらしい「笑いと料理の文化」を発信し続ける、頼もしくすてきなマレーシア旦那たちの今後の活躍に期待です!