
- にわか朗読者、原稿用紙を台本にトランスフォームする
- 読点だって気にしない!にわか朗読者、改行でリズムを生む
- 老眼でも一行の情報量は守る!にわか朗読者の台本は縦書き一択
- 朗読は音楽のようなもの?にわか朗読者、「間」をデザインする
- ないなら作る!にわか朗読者、自己流記号でリズムと間を操る
- ルビは練習の記録:にわか朗読者、文字装飾でリスクヘッジをする
- 濃縮の弊害!にわか朗読者、「プロミネンス」に集中する
- 番外編:この記事、ラジオ感覚で「聴いて」みませんか?
にわか朗読者、原稿用紙を台本にトランスフォームする
表彰式に参加して、朗読をしようと決意した翌日、読書感想文のテキストをepub化して、台本にしました。
表彰式で朗読することになったと知ったとき、まっさきに思い浮かんだイメージは、文字が埋まった原稿用紙をそのまま台本として読む自分の姿でした。
しかし、すぐに、「これはないな」と思いました。
原稿用紙は、一行あたり二十字の文字を二十行おさめることができます。
二十マスを埋めたら、次の行に移らねばならないので、形式段落は一字下げるとか、行頭に句読点や閉じカッコが来ないよう、前の行の最後のマスに入れる、などの禁則処理もあります。
しかし、これは、原稿用紙に合わせるためのルールであって、単なる「見た目」・「デザイン」の問題です。
つまり、原稿用紙は、文字数を意識しながら、目読(黙読)するにはよいけれど、朗読には向いていないことになります。
いや、「弘法、筆を選ばず」という言葉があります。
ベテランの朗読者なら、台本が原稿用紙であっても、さらっと読みこなすのかもしれません。
しかし、にわかな私が、このまま読むのは難しい。
そこで、テキストをepub化して、ガンガンカスタマイズしていくことにしました。
読点だって気にしない!にわか朗読者、改行でリズムを生む
原稿用紙からコピペしただけのプレーンなテキストは、マスが外れただけの文字列で、
「朗読ができる」状態ではありませんでした。
まずは、改行しまくりました。
内心、(改行島倉千代子)なんてくだらないオヤジギャグを飛ばしながら、エンターキーを叩いていきました。
改行は、句点(。)はもちろんですが、必要があれば、読点(、)でもおこないました。
読点(、)は、意味が取りやすいよう、文の途中に入れるものです。
ですから、本来は改行の対象にはなりません。
しかし、朗読となると話は別です。
「文」よりも単位の小さい「句」をぱっと認識できるよう、
改行していきました。
このあたりは、「読む」というよりは、「見る」という感覚に近い、ブログ記事を長らく書いてきた経験が活かされていると思います。
老眼でも一行の情報量は守る!にわか朗読者の台本は縦書き一択
ちなみに、今回の朗読台本、「縦書き」で作成しています。
これは、電子書籍リーダーやスマホが、縦に細長いデバイスだからです。
年齢を重ねてくると、小さい文字が読みづらくなります。
ですから、フォントサイズを大きくする必要が出てくるわけですが、
横書きだと、一行あたりに表示される文字数がかなり減ってしまうんですね。
老眼ではあるが、情報処理能力が衰えたわけではない。
「老眼をスクロールで補う」のは、私にとって新たなストレス以外のなにものでもありませんでした。
その点、縦書きならば、一行あたりの情報量が多いままにすることができます。
これに加えて、読点(、)でも区切って、読み取る文字列の幅を少し短めにしています。
結果、あまり目線を動かさずに済むようになり、天下無双状態となったのでした。(笑)
朗読は音楽のようなもの?にわか朗読者、「間」をデザインする
次に入れたのが「間」です。
音楽の記号でいうと、四分休符、すなわち、一拍ほどの「間」はV、
付点二分休符、すなわち、三拍ほどの「間」で転換や少し余韻をもたせたい場合は、
一行空白や改ページを入れることにしました。
頻回な更新に即対応できるのは、epub形式の強みです。
改行と、「間」の記号を入れては、epub形式に変換し、デバイスで実際に表示しては、さらなる改変・調整をおこなっていくと、元の原稿用紙とはまったく見た目が異なる、「朗読台本」ができあがっていました。
ないなら作る!にわか朗読者、自己流記号でリズムと間を操る
ちなみに、台本に入れた朗読の助けになる記号は、すべて自己流です。
ある意味、何事も形から入る私。
校正に記号があるように、朗読の世界ならではの記号とか、朗読固有の台本の作り方があるのではないかと思い、
「朗読台本 作り方」で検索してみました。
しかし、出てくるのは、製本のやり方ばかり。(笑)
(いや、私、KindlePaperWhiteを持っていくつもりなので⋯⋯)と思いつつ、それでも淡い期待を抱いて、各記事をチェックしましたが、記号やそもそも台本の作り方に関する情報は得られませんでした。
「ないなら、我流で作るのみ!」
自分流のルールと記号を作ることにしました。
全角スラッシュ/は、区切りの記号にしました。
対句表現とか、耳で聴くと、意味が取りにくい漢語の前などに入れるようにしています。
リズムをもたせることで、聴きやすく、理解しやすくする記号です。
全角の大文字Vは、短い「間」を表します。形式段落のような意味合いです。
一行空白は、転換です。文章でいうと、意味段落のようなものですね。
この少し長い「間」によって、聴き手を引き付けたり、考えさせたり、転換への準備を促します。
中黒・は、全角スラッシュよりも少し短い区切りです。
全角スラッシュが四分音符だとしたら、中黒は、八分音符とか、スタッカートみたいなイメージですね。
かぎかっこ「」は、強調です。セリフや印象付けたいキーワードにつけるようにしています。
地の文とは違うことがわかるので、読み始めのトーンが少し高くなる印象があります。
隅付きかっこ【 】は、プロンプトです。これは、台本のト書きのようなもので、読み方とか、ページをめくる指示などを書くのに使っています。
ルビは練習の記録:にわか朗読者、文字装飾でリスクヘッジをする
また、ルビや太字などの文字装飾も使っています。
ルビは、何度か朗読してみて、読みまちがえたものにつけています。
たとえば、
- 「時期」と書いているのに、「時代」と読んでしまった。
- 「忌避」とか「辟易」など、日常生活であまり聞かないことば
- 例ですが、「鶏とひよこ」と書いているのに、「ひよこと⋯」と入れ替えて読み間違えてしまったとき
など⋯⋯
Googleドキュメントの置換機能とか、でんでんコンバーターを使えば、ルビの追加は簡単なので、練習で読み間違えたとか、つっかえたところは、どんどんルビをふっています。
表彰式ごろには、漢字読めない子みたいなルビだらけの台本になっているかもしれません。(笑)
太字は、初出の漢語とか、強調したいところに使っています。
濃縮の弊害!にわか朗読者、「プロミネンス」に集中する
「朗読台本 作り方」で検索していたとき、
朗読には、「習得するべき技法」がいくつかあることを知りました。
本来ならば、すべての技法を意識するべきなのでしょうが、私にそんな余裕はありません。
そこで、今回は、「プロミネンス」だけを意識することにしました。
「プロミネンス」についての詳細は、また別の機会にゆずりたいと思いますが、ざっくりいうと、「際立たせる」「強調する」「メリハリをつける」という技法です。
たとえば、「初出のキーワードが、聴き手の心に留め置かれるよう、少していねいにはっきり読み上げる」とか。
「プロミネンス」という技法や概念を知ったうえで、台本を見てみると、それだけでも、意識することが増えました。
ということは、朗読の技法は多々あれど、プロミネンスの意識さえ持っていれば、たとえ、にわか朗読者でも十分聴きごたえのある朗読になると考えたのです。
今回、「プロミネンスだけでも!」と思うようになったのは、読書感想文ができあがる経緯にありました。
5400字から2000字に濃縮したことで、耳慣れない漢語を含んだ読書感想文となってしまったのです。
漢字は表意文字ですから、目読すれば意味が取れますが、
耳で理解するのは、なかなか難しい。
かといって、やまとことばにすれば、2000字をオーバーしてしまう。
苦肉の策でした。
朗読の練習をするようになって、やまとことばがやわらかく、わかりやすいのは、
私たちの祖先が長らく固有の文字を持たず、音声で確実な意思疎通をはかってきたからではないかと思うようになりました。
なんとか2000字におさめよう、また、読んだ本との世界観と合わせよう、という思いで漢語を使いましたので、
そのぶん、朗読では聴きやすくする、意味をとりやすくする工夫が必要なんですね。
いやはや、大変な文章を書いちゃったものです。(笑)
番外編:この記事、ラジオ感覚で「聴いて」みませんか?
記事を音読した音声を、ポッドキャストで公開中です。よかったら耳でも楽しんでみてください。
なお、一発録りですので、つっかえたり、文意に支障のない程度の読み間違いがありますことをご了承ください。
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