【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#209】岐阜と愛知で注目のカレーのおいしい2店

東名阪という言葉がありますが東京と大阪に比べるとカレーの名店の数はかなり少ない名古屋エリア。しかしながら当然知る人ぞ知る名店は存在し、面白いお店も増えて来ています。

今回は岐阜の名店として昔からマニアに愛されているお店と、静岡・富士宮から名古屋に移転して早くも地元の方々に愛されているお店をご紹介します。

「bhang lassi(バングラッシー)」

2025年2月8日に移転オープンした「bhang lassi」

まずはカレーマニアの間でも唯一無二の存在と呼ばれ、全国のカレーの名店のシェフもその味を求めて立ち寄る「bhang lassi」。2025年2月8日に前店舗からすぐ近くの場所に移転オープンしました。

店内は真っピンク!

スナックの居抜きだというその場所は以前にも増して怪しげな空間。どぎついピンクの店内と、店頭に小さく書かれたさまざまなルールから入りにくい雰囲気満載ですが、それはお店があえて設定したハードルであり、これを越えてくるマニアックな客層のためにあるお店なのです。

入店ルールをよく読んでから入りましょう

注意書きにある「万人受けしんよ」の言葉どおり、広くイメージされる日本のルウカレーを愛する方にはわかりにくいテイストかもしれません。しかしインドカレーやスパイスカレーなどさまざまなカレーを食べている人にはこの凄さがわかるでしょう。

メニューは「覚醒カシミール」1,800円一択。定番のカシミールカレーに週替わりのカレーと付け合わせがのるワンプレートです。

「覚醒カシミール」

この日はバタチキーマというキーマ状のバターチキンに、菜花のスパイス和え、玉ねぎアチャールという組み合わせ。バターに合わせて菜花には陳皮を使い、爽やかなバランス感が良いです。ご飯にレーズンがのるのはバングラッシーの原点である「文化屋食堂」が洋食店だったことも思わせます。

ドバドバと汗が吹き出し、食べ終わる頃にはスッキリ!

そして何より凄いのが覚醒カシミール。ローストしたスパイスの香りが良く、手羽元のうまみもしっかりと出たチキンカレーなのですが、カシミールカレーとしては辛さ控えめでありながら食べるとドバドバと汗が吹き出し、毛穴のみならずさまざまな部分が開く体感があります。チャクラまで開いた気持ちになり、食べ終わるとスッキリ爽快。唯一無二のカレーなのです。

「ムルギアチャール」

「ムルギアチャール」300円もおすすめのトッピング。チキンのスパイス漬けなのですが、おかずにもなればカレーと混ぜてもおいしくなる逸品。

「チャイ」

食後の「チャイ」500円も是非。覚醒カシミールで上がりすぎたテンションを、インドスタイルのしっかり甘いチャイで穏やかに落ち着けてくれます。

元々は洋食店だった文化屋食堂を受け継ぎカレーの文化屋食堂としてリニューアルスタートし、前店舗のバングラッシー、そして今のバングラッシーと移転しているわけですが、段々とマスターの世界観が強くなっている印象です。文化屋食堂時代からのファンである僕としても、おいしさは変わらず、楽しさがどんどん上がっていると感じます。

カレー好きであればあるほど行くべき名店です。

「黄昏リリー」

続いては静岡・富士宮で「籠と風呂敷」として営業していたのが、2024年9月11日に愛知・名古屋の内田橋商店街へ移転し、店名も「黄昏リリー」として生まれ変わったお店です。

静岡・富士宮「籠と風呂敷」が、「黄昏リリー」として愛知・名古屋に移転リニューアルオープン

前店舗は老朽化で改装を考えていた際に、どうせお金をかけてリニューアルするならもっと人口の多い名古屋の地で勝負したいと考えて移転を決めたそうです。昔ながらの商店街で夜に飲めるお店が少なかった内田橋商店街にお店を構え、平日は15時から(土日は12時から)開店し、お酒を飲めるカレー店というスタイルで営業しています。

「黄昏サワー」

まずは店名を冠した「黄昏サワー」600円で乾杯。こちらはトマト酢をレモンサワーで割ったヘルシーなドリンク。トマトとレモンのベクトルの違う酸味が重なり、トマトのうまみも感じるヘルシーなおいしさのサワーです。

「グリーンカレー春巻き」

おつまみメニューからは「グリーンカレー春巻き」350円を。ドライに仕上げたグリーンカレーキーマを包んだ春巻きは、サクッとパリッとした食感の中にタイのグリーンカレーのおいしさがはち切れんばかりに詰まっていて最高です。常連さんの中には毎日のように通い、毎度これを2個3個と食べる方もいるそうで、ハマッたら抜け出せない魅力を持つおつまみです。

「2種盛り」

メインのカレーは「2種盛り」1,680円で。日替わりカレーメニューから酒粕豚バラ軟骨、セロリポタージュキーマをセレクト。これに、カトゥーリに盛り付けられたミニサイズの「ココナッツチキン」200円を追加して、カレー全種類をいただきました。

写真左が酒粕豚バラ軟骨、右がセロリポタージュキーマ

酒粕豚バラ軟骨は酒粕と豚バラのうまみがしっかり。油揚げが入っていて、それがカレーを吸い込んで口内でジュワッとおいしさが広がるのが楽しいです。

セロリポタージュキーマはセロリの爽やかさとミルキーなキーマの融合。籠と風呂敷時代からポタージュキーマは人気でしたが、そのおいしさは健在。盛り付けも美しくて良いです。

「ココナッツチキン」

ココナッツチキンはココナッツの甘みとチキンのうまみをスパイスが繋げたカレー。メインの2種盛りは変化球ですが、こちらは直球の王道。シェフのカレーのレパートリーの幅広さを感じます。

他にも楽しくおいしいお酒やおつまみがいっぱい。既に常連さんも多く、楽しい雰囲気のお店となっていました。近くにあったら通いたくなるお店です。

古くからマニアに愛される名店と、新しいながら既に地元の方に愛されている新店舗。どちらも違った魅力がある、僕の大好きなお店です。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
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※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部