『何者』朝井リョウ 新潮文庫
第148回直木賞受賞作品(2012下期)
ほろ苦い就職活動期を思い出す。氷河期世代につき基本的に暗い思い出しかない。
あの時にネットが発達していてSNSがあったならば、意識高い系でいろいろやっただろう友人たちの顔は思い浮かぶ。
この物語は最後の最後まで気が抜けないものなのであえてストーリーには触れない。そこが重要なのだ。
別の角度から語ろう。
就活生でなくとも、現代ではSNSで自己プロデュースする人はいくらでもいる。斯くいう自分もXのアカウントを持っていて、このようなブログの投稿をシェアしているわけである。最近はすたれ気味かもしれないが、Facebookのアカウントも稼働している。そして地味にmixi2もやっている。どこかに自分を作り上げているんだよね。このブログだってそうだ。
そう思うと、この本に出てくる登場人物が全部自分だと共感・拒否感がないまぜになってえらいことになる。承認欲求の化け物たち。自分が化け物。飲み込まれる。
じわじわ嫌な感じがする。そして…すべてはラストに。
SNSやってる人すべてに一読をお薦めする。
◆直木賞 現代もの
