アウトロー(1976)の字幕

今年9月5日NHKBSで放映されたのを、いまさらながら最後だけ視聴した。
ラストシーンの字幕が、もしかして新訳になっていないかな? とかすかに期待していたが…
そのままだった。
最初の字幕をずっと踏襲しているのだろう。

 

I guess we all died a little in that damned war

皆 戦争の犠牲者だ

 

なんか、コレじゃない感の、日本では名言に成りきれなかったセリフだとずっと思ってる。
「犠牲者」に、特に違和感が有る。 
died とか damned  などの強い言葉を活かしてほしかった。
もっと殺伐というか即物的に訳したり、二行にしてもイイのじゃないか、とかいろいろ

 

googleのAIに訳してもらう。


我々は皆、あの忌々しい戦争で少しは死んだようだ。
あの忌まわしき戦争で、我々は皆少しずつ死んだのだ。
あの悲惨な戦争で、俺たち全員、少しは変わっちまっただろう。
あの忌々しい戦争で、俺たちゃあ、皆とっくに死んでたんだよ……
あの忌まわしき戦役において、我々は皆、命の灯火を幾許か失った。

 

DeepLではこうなった。

 

あの忌々しい戦争で俺たちは皆、少し死んだんだろう
あの忌々しい戦争で、俺たちは皆、少しだけ死んだんだ
あの忌々しい戦争で、我々は皆少し死んだのだろう

 


「あのクソ戦争で みんな 少し 死んでしまったのさ」

「皆んな クソ戦争の くたばり損ないさ」

 

とか考えてみたが、あんまりしっくりこない

 

 

 

イーストウッド監督作としては5作目。 最初はフィリップ・カウフマンが脚本・監督していたがイーストウッドに解任されるゴタゴタがあった。


映画公開当時、米国では商業的にも成功しているようだが、日本ではどうだったろう?
アメリカ建国200年記念として製作された映画だけど、「ロッキー」の影に隠れたような印象。 今さら西部劇? という雰囲気だった。

 

私は、この映画を「許されざる者」(1992)関連で、公開からかなり後になってから観たはず。
西部劇と言われていたけど「どこが?」というのが第一印象。  西部劇で連想される牛泥棒・銀行強盗・列車強盗・保安官などは出てこない。

1860年代なかばの南北戦争末期から終戦後の話で、「風と共に去りぬ」とか「若草物語」と同じ時間軸だ。
「続・夕日のガンマン」も同じ時間軸だから、まぁ西部劇なのだろうが…
南北戦争映画として観るべきだろう。

 

イーストウッド監督作品には「戦争で傷ついた男」を描いているシリーズがあるけれど、その最初期の作品だ。*1

 

*1:ファイヤーフォックス(1982) 父親たちの星条旗(2006)アメリカン・スナイパー(2014)

 グラン・トリノ(2008)も含めて良いかも。

母親との関係に注目 【推しの子】二人のエチュード

後日譚を期待して読んだのだが、前日譚がメインの小説だった。

 

2.5次元舞台編と映画編の個人オーディションの要素を解体・再構成している感じ。

 

興味深かったのが、黒川あかねと有馬かなの、マンガでは描かれなかった裏設定かな。

マンガの外伝というより、実写ドラマ・映画版の外伝のようにも感じた。

 

有馬かなのほうは、マンガでさらっと触れられていた「親も ちょっとアレだったしな」が詳しく描写されている。

14巻 135話 傍

マンガの方で、有馬かなの母娘関係まで描き込んだら、あまりにクドくなってしまいそうだ。

 

黒川あかねがプロファイリング能力を獲得した経緯と、その能力の限界についての描写も興味深い。

 

以下 ネタバレ全開

 

映画版では不知火フリルは名前のみの登場なので、私的オーディションは無くなっている。  そのために映画版は、あかねが母親に捨てられた娘の気持ちをつかみきれなくて、ルビーに演技を見てもらうというシーンに改変されてる。

マンガ版のルビーの苦悩を、映画版ではあかねが担うことになった。 黒川あかねの家族関係は良好なので、母親に捨てられた子供の心がわからない。

マンガ版では完璧にアイの思考までトレースしている感じだけど、映画版では解釈違いをルビーに指摘されていた。 

あかねのアイ解釈に納得できないルビーが、自分こそアイを演じるべきだと決意することになるという、うまい改変に成っている。

 

映画版の、アカネのプロファイル能力の限界についての解説、という読み方をしてしまった。

マンガ版の外伝というよりも、実写映画の延長線にある小説じゃないかと感じる理由だ。

 

片寄ゆらとは何だったのか【推しの子】

片寄ゆらはマンガでは11巻109話で登場。 

というか、本人はこの話だけしかでてこない。

11巻109話

アニメだと第2シーズン最終話の24話ラストに、原作より先回りで登場している。

実写版でも名前が出てくる、それなりに鍵となる人物っぽい。

 

五反田監督のパソコンに「hajimari」「hikaru」「hoshino」「aqua」と4つのフォルダが有るのを映し出されたのが、アニメの15話。

第3シーズンは、そこあたりの伏線回収をするのだろう。 ということは「映画編」をやって、そして最後までやるのだろうなぁ。

 

以下、ネタバレ全開。

 

「15年の嘘」のキャスト案の変遷。

 

11巻110話

 

 

12巻112話

鏑木Pのイチオシだったのが片寄ゆら。

実写版でヒロインを演じたのは齋藤飛鳥で、彼女は撮影当時26歳。 年齢的には問題ない、と鏑木Pは考えているのだろう。

もし存命だったらヒロイン役を受けたのだろうか? 

 

「15年の嘘」のキャスティングで不自然なのは不知火フリル。 最初はマネージャー役=斉藤ミヤコ役をオファーされ、最終的に姫川愛梨役を演じることになる。 ミヤコさんは20代後半の設定だし、実写で姫川愛梨役を演じた片山萌美は34才だった。

実年齢はアクア・ルビーと同じはずなので不自然すぎる。*1

14巻 139話 ルッキズム



 

不知火フリルが半裸でうろついてたとき撮影したと思われるシーン。

14巻 第140話 正しいですか?

コミック中の映画で、これをアクアとフリルが演じてるわけだけど、難易度が高すぎるんじゃないのか? 役者の実年齢がお互い18才で、設定が中学生男子とアラサー子持ちだぞ。

 

姫川愛梨役を演じるキャラとして構想されていたのが、25歳の片寄ゆらなのではないか?

カミキヒカルが姫川愛梨役の女優を殺害するのは、物語的の構造的に正しいのだろう。

 

 

 

 

 
 

 

 

*1:

リアタイでマンガを読んでいたときは、同級生つながりで寿みなみと一緒にB小町メンバー役をやるのじゃないかと予想していた。 

ドーム公演の特別ゲストに黒川あかね・不知火フリル・寿みなみが参加し、1曲披露するのではないか、とかまで妄想済。

 

 

子役・元子役たちが活躍する【推しの子】(実写)

子役、元子役が大集合なキャスティングだった。

 

 


子役は星野家の3人、アイ・アクア・ルビー。 天童寺さりな、有馬かな、黒川あかねの6人。

アクアの子役デビューからアイの死までの期間を、撮影時に9〜10才だった子役たちが演じている。
そのため時系列の再構成をしているが、これが良い改変になっている。
漫画版で時系列を考察してるサイトをいくつか見たけれど、みな苦労していたからなぁ。

 

アイの子供時代は映画オリジナル。 コミック1巻でのセリフ、「殴られるより 施設のほうが ましに思えるし」を映像化している。

【推しの子】1巻 172P

若い頃のアイの母親・星野あゆみに剛力彩芽を持ってきたのには驚いた。

やっと、正しい剛力彩芽の使い方が定着してきたなぁ、と感慨深い。*1

 

 

 

元子役というか、子役出身の役者を、多分意識的に起用しているのだろう。


有馬かな        原菜乃華
吉祥寺頼子    安達祐実        母親のステージママ活動や、母親自身の芸能活動も話題になった。 有馬かなのモデルの一人
鮫島アビ子    志田未来        かつての主演ドラマ「14才の母」が、微妙にテーマに関係してる
金田一敏郎    尾美としのり    劇団ひまわり出身で小学生の頃から芸能活動してる。 マンガ原作実写映画として、いろいろな意味で伝説となった「火の鳥*2翔んだカップル*3に出演


子役出身というわけではないけど、ちょっと面白い配役として、雨宮吾郎の同僚看護婦として初めて役名が与えられた川村恵理子役の濱田マリ。 けっこう重要な役回りを担っている。

彼女が20代の頃の1990年代にモダンチョキチョキズでバンド活動してたのを覚えてる。 あんまり詳しく知らないけれど、MEMちょ役のあの女史と印象がかぶる。

 

 

適材適所なキャスティング、というだけではなく役者たちのキャリアが作品のテーマを浮き彫りにするような効果をもたらしている。

*1:極悪女王(2024年Netflixライオネス飛鳥 役はよかった。無理やり主役に据えるのではなく、あえて脇で使うと効果的。

*2:1978年 超一流スタッフとオールスターキャストの超大作で、公開当時に観ているはずだが記憶から消えてる。 この映画以降、マンガの実写化(特にSF)には期待しなくなったのかもしれない。

 

*3:1980年、相米慎二監督の初監督作。独特な作風なのに、なぜかアイドル映画として成功してしまう。 配信がないのが意外。 相米監督追悼なかんじで去年放映されてた。

 

【推しの子】にハマった

アニメ第3期の年明け放映決定で、いろいろ」キャンペーン中。

ichigoproduction.com

 

完結して1年もたったマンガについての考察を書くのも時期を外してるような気もするけど、まぁそれでも書き留めておこう。

 

私が実写版を観たのは、今年のはじめころ。
ドハマりしてしまい、関連公式動画を観まくり、コミック全巻揃え、小説を買い、映画のノベライズまでも買ってしまった。

映画ノベライズまで買ってしまったのは、映画版の内容で確認したかった所があったため。
コミック完結後に出た「二人のエチュード」も、どちらかというと実写ドラマ・映画の補完という感覚で読んでしまったかもしれない。
そんなわけで、まぁ、あれこれ書いていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画「見える子ちゃん」ホラーというより怪談っぽい

 

そんなに怖くないという評判をみたので視聴。

 

原作漫画のような化け物っぽいヤツは出てこない。 幽霊とか地縛霊が出てくる怪談風味だった。

1本の映画として、きれいにまとまった、観たあとに嫌な気分にならない佳作。

 

主役は原菜乃華。 ロングヘアーがキラキラしてる。

やっと、待望の単独主演のヒロイン役ができて良かった。

 

 

原菜乃華を実写番「推しの子」でやっと認識したのだが、経歴を確認すると子役時代を見ていた。

実写映画「3月のライオン( 2017年)」の 幸田香子(少女時代)役で、予告編に一瞬写っていたのを確認。 当時はロングヘアーだったんだな。


www.youtube.com

 

2010年代のCMも観ていたはずだし、「すずめの戸締まり」「ミステリと言う勿れ」も観ているのに、名前を覚えてなかった。

 

日本テレビの「ちはやふる-めぐり-」は、彼女を主役に据えた普通の明朗快活スポ根ドラマにしてほしかったな。

 

もっと貯金をしていたら、ミッシェル・ポルナレフは私たちの貯蓄ソリューションを宣伝する必要はなかったのに!

曲はCMに多数使われてきたのだが、本人が出演するのは初だった。

2023年、個人向け資産管理会社のTVCM第一弾。


www.youtube.com

ロゴまみれのスタジオでCM撮影の準備がすすむ。

背中にロゴ入りステッカーを貼られ不満げなポルナレフ

垂れ幕が落ちるシーンを撮影中、女性ディレクターが「もう少し近づけない? そうしないと、あのそっくりさんにお金を払ったと思われてしまうよ?」

ナレーション「もっと貯金をしていたら、ミッシェル・ポルナレフは私たちの貯蓄ソリューションを宣伝する必要はなかったのに!」

 

第二弾CM


www.youtube.com

「銀行口座の情報はちゃんと受け取ってるの?」とマネージャーに尋ねています。

 

1970年代に金銭トラブルを経験した人なので、説得力が違うね。

*1

 

「そっくりさん」というのもツッコミどころだ。

2011年頃から消費者金融信販のセテレムがポルナレフなどのそっくりさんを集めてCMを打っていた。

しばらくは無視していたが、2015年に110万ユーロの損害賠償を請求。

2016年、歌手の画像使用料として1万ユーロ、訴訟費用として4000ユーロを支払えという判決がでている。

 

youtubeを「Cetelem pubs」で検索すると、結構な数のそっくりさん起用CMが見つかる。

そもそも故人であるマリリン・モンローマイケル・ジャクソンブルース・リー、たまにエルヴィス・プレスリーと組ませる人選に悪意があるし、5年以上も引っ張るネタでもないだろう。

その後の2017年にセテレムは似せてない新バージョンCMを作っており、懲りていない姿勢を示してる。

 

自虐的であると同時に、そっくりさん起用企業に対して皮肉たっぷりに応じているCMでもある。

*1:マネージャーに全財産持ち逃げされ、脱税容疑から逃れるためアメリカに亡命した。