今日、書いておきたいこと

自分の人生を、少しずつ振り返りながら言葉にしています。

時の流れが教えてくれた

#2025年仕事の思い出 元号が平成に変わるのと同時に、夫は開業した。あれから三十七年。夫はもういないけれど、働く場所だけは、ちゃんと私に残してくれた。 開業当時は、バブル崩壊後で決して景気の良い時代ではなかった。それでも少しずつ顧客は増え、夫…

「味噌」を取り戻した話

今週のお題「買ってよかった2025」 今どきは、便利でおいしいインスタント食品が巷にあふれているけれど、夫はそれを食卓に出すことを嫌った。私も同じ考えだったから、料理は得意ではなかったけれど、手作り、作りたてを心がけていた。 たった二人分の味噌…

似た者同士の会話

「俺のどこが悪かったのかなぁ」離婚後、いくつかの恋愛を重ねてもうまくいかなかったという彼が、ぽつりとつぶやいた。 私は少し意地悪な質問をしてみた。「お相手から愛されてるなって、感じてた?」 「ううん」と短い返事が返ってきた。 「でも、あなたは…

自分の言葉を読んでいたこと

今週のお題「今年読んでよかったブログ」 夫を亡くした喪失感と、これまでの人生の振り返りが押し寄せる中で、私はそれを抱えきれずにいた。ノートになぐり書きして気持ちをなだめてはいたけれど、それでも溢れ出す感情の波は、なかなか静まらなかった。誰か…

ストックをしない暮らし

今週のお題「ストックしているもの」 家の中を見渡しても、ストックしているものがほとんどない。隣に深夜まで営業しているスーパーがあるという環境のおかげで、子供が「明日、学校に人参を持っていく」と寝る前に言い出しても、慌てる必要がなかった。必要…

大人の習い事

今年の6月下旬にはじめてサーフィンスクールに参加して以来、先週末で12回目のレッスンになった。途中、怪我で1か月休んだこともあったし、海のコンディションで中止になった日もあった。それでも気づけば、12回という数字に到達していた。 その日はインスト…

生き急ぐということ

最近、「生き急ぐ」という言葉がふと頭をよぎる。その響きにはどこかせわしない印象があるけれど、私にとってそれは、決してネガティブな意味ではない。 思うように海へ行けなかった日、予定が合わずに誰かと会えなかった日。自分の力ではどうにもならない理…

こたつに罪はないけれど

今週のお題「あったかグッズ」 子供の頃、家の暖房器具といえば石油ストーブとこたつだった。スイッチを入れればすぐに暖かくなり、布団にもぐったり昼寝をしたりと、一度足を入れたらなかなか抜け出せなかった。あのぬくもりは、何にも代えがたいものだった…

お赤飯を一人前ください

今週のお題「久しぶりに食べたもの」 デパ地下を歩いていたとき、炊きあがったばかりのお赤飯から湯気が立ちのぼっていた。熱々で、小豆がたっぷり入ったその赤い色があまりに美しくて、私は思わず「お赤飯を一人前ください」と口にしていた。 義母は、誕生…

母への感謝の日

68年前、母が命がけで私をこの世に送り出してくれた日。そう、今日は私の誕生日。 この歳になると、もう「おめでとう」という気分ではないけれど、こうして今を生きていることを思えば、もうこの世にいない母へ、ただ感謝の気持ちしかない。 母はよく働き、…

懐かしの昭和の婚礼──あの日のこと

今日は海に行けず、なんとなく気分が晴れなかった。ストレッチでもしようと、バランスボールを探して押し入れを開けたとき、ふと目にとまったのは、昔のアルバムだった。開いてみると、そこには私たちの結婚式の写真があった。 昭和の演歌歌手かと思うような…

あじのひものが教えてくれたこと

冷凍のまま、小ぶりなあじのひものを皮目からじっくり焼く。焦げ目がついたところで裏返し、腹の部分を軽く炙ると、ふわっと香ばしい匂いが立ちのぼった。中骨を外すと、身はしっとりと柔らかく、塩気はほとんど感じない。程よく脂がのっていて、今までに味…

時間をかけて手に入れたつながり

今週のお題「最近ゲットしたもの」 「中年の助け合い」──そんな冗談めかした言葉がぴったりの関係だ。ふとした縁で知り合い、特に先のことを考えるわけでもなく、時々食事をしたり、他愛のない話をしたりする。お互いに無理をせず、それでいて“居心地がいい”…

ひとり立ちに向けて

「想像以上に上達してビックリ!テイクオフ足のひきつけが速くて綺麗」サーフィン動画を送った知人から、そんな嬉しいコメントが戻ってきた。その知人は、ビギナーにやさしい海でサーフィンを教えてくれると言ってくれた。最近、海のコンディションが悪くて…

人に寄り添える自分でありたい

「30年間、自分が信じてやってきたことは間違っていたのか」長年、取引先のご主人を支えてきた奥様が、電話の向こうで涙声になった。人を雇うということが、昔のあたりまえでは通用しなくなっている中での葛藤だった。 電話を切ってからも、彼女のことが気に…

心に響いた一文

「親族以外で自分の葬儀で泣いてくれる人がいるというのは、悪い人生でなかった証」──その一文が、ふっと目に留まった。何気なく読んでいたネット記事の中で、胸の奥に小さな棘のように刺さった言葉だった。 夫を亡くして間もない頃、心の中はまだ悲しみでい…

花火と心の距離

「ドーン!」と地響きのような音が、秋の夜空を震わせる。もう夏は終わったはずなのに、花火の音だけが取り残されたようだ。今夜は海上花火大会らしい。いつの間にか開催時期が変わってしまったけれど、その音を聞くと、かつての夏を思い出す。 嫁いだ頃、毎…

懐かしい味を求めて──車窓からの風景に想う

先日、思いがけない場所で“イタ麺”の店に出会った。イタリアンのようでラーメンのような、不思議な一杯。濃厚なのに丁寧に脂が処理してあって、食べても罪悪感のない味。かつて家族でよく通った、お気に入りの店を思い出した。店主が「このスープは手間がか…

人生の対比

かつて、夫の仕事がまだ駆け出しだった頃から長くお世話になった会社の奥様が逝去された。今日は、そのご家族にお参りをしてきた。祭壇の遺影は、生前の穏やかで凛とした姿をそのまま映していて、かつての記憶が静かによみがえった。 久しぶりに、その娘さん…

介護で背負ったもの

「この思いは、墓場まで背負っていく──」義父を看取ったとき、寄り添ってくれていたケアマネージャーの前で、私は泣きながらそう言った。 義父には持病こそなかったけれど、年齢とともに運動機能が低下し、やがて歩けなくなった。トイレも難しくなり、車いす…

素直になるまでの時間

「話聞いてくれるだけでも違うんですよね。愚痴ってみてわかりました」普段は弱音も愚痴も吐かない知人から、そんなLINEが届いた。 私自身も、人に甘えたり弱音を見せたりすることは“恥”だと思って生きてきた。婚家でつらいことがあっても、実家に泣きついた…

あの店に、もう一度

小さな食用花やハーブが彩られた料理。盛りつけにこだわる夫が好んで通っていた、馴染みのフレンチの店がある。 夫が亡くなってからも、私はひとりでその店に通い続けた。カウンターでシェフと夫の思い出話をし、隣には夫の写真。シェフはその写真の前に、い…

海に戻った日

「この天気で行くとか、本気ですね」と、知人からLINEが届いた。悪天候の中、サーフィンスクールに参加したことを、動画付きで送った返事だった。 8月末、サーフィン中に左膝を痛めた。海では気づかなかったけれど、帰宅すると腫れが出ていて、診断は「左膝…

むりなく食べて、むりなく生きる

今週のお題「わたしの体調管理法」 私は一日二食、だいたい1300キロカロリーを目安にして暮らしている。肉や揚げ物はもともと得意ではないし、お菓子やパンもほとんど口にしない。ジュースやお酒、コーヒーも習慣がない。 特別に我慢しているわけではなく、…

幸せを言葉にしないということ

「あなたは、生きている意味を意識したことはありますか?」ある記事の中に、そんな一文があった。 普段は考えることはほとんどないけれど、苦しいときは、生きている意味を知るきっかけになり、自分の生きている意味を見つけた人は、幸せな人生を送ることが…

目線を落とさないということ

背筋を伸ばし、胸を張り、目線はまっすぐ前に。それに、7センチのハイヒールを合わせて歩くと、不思議と気分が高揚する。 ずいぶん前、あるプロゴルファーがこんなことを言っていた。「どんなに成績が悪くても、気分が落ち込んでいても、決して下を向いて歩…

老いを意識した時、老いは始まる

「どんな時に老いを感じますか?」そんな質問を受けたら、私はつい強がってこう答えたくなる。「まだ感じたことは無いなぁ」と。 もちろん歳を重ねれば、できなくなったことも増えるし、若さにはかなわない。けれど、それを「老い」と呼んでしまうのは、どう…

夫の迷言、忘れられない一言

「服着て、飯も食ってるのに金が無いって言うな!」子ども二人が大学生だった頃、家計の苦しさを訴えた私に、夫が放ったひとことだ。 夫は浪費家ではなかったが、自分の持ち物や人付き合いにはお金を惜しまなかった。仕事の経営も家計も、結局のところお金に…

同級生という唯一の友

今週のお題「同級生」 中学時代の同級生。その人が、私にとって唯一の「友達」だ。 彼女は昔から周囲の目を気にせず、自由奔放に生きてきた。ある意味で、私の予想を超える存在だったスキューバーダイビングをするために、ひとりでどこへでも出かける行動力…

一度だけ着たアロハシャツ

今週のお題「自分で作った◯◯」 後にも先にも、私が海外旅行をしたのは新婚旅行のときだけだ。義両親が奮発して旅立たせてくれた、アメリカ西海岸と最後にハワイに寄るという欲張りなツアーだった。 そのとき、夫は「お揃いのアロハシャツを作ってほしい」と…