海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

じんわり面白いエンタメ短篇 |『きみはポラリス』三浦しをん

はじめに

三浦しをん氏は、2000年に『格闘する者に○』でデビュー。2006年に『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。

本作は2007年に出版された短編集になります。

 

所収作品

収録されたものも以下に挙げておきます。

「永遠に完成しない二通の手紙」「裏切らないこと」「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」「骨片」「ペーパークラフト」「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」「冬の一等星」「永遠に続く手紙の最初の一文」

 

最初と最後がまさかの連篇ですが、私は最後の短篇を読んでいて、それが終わろうかという段階でやっと連篇だと気づきました。

どれも滋味深いのですが、可愛らしい作りの「春太の毎日」、過去の誘拐を回想する「冬の一等星」は印象深い。でも、どれもひねりが効いていてよかった。面白かったです。

 

恋愛、青春、驚き。現実離れしないエンタメ

繰り返しますが、面白かったです。

昨年読んだ作品(『むかしのはなし』)も短篇集だったのですが、そちらは「すごい面白い」という感じでもなかったのです。

 

で本作『きみはポラリス』はどうだったかというと、こちらも短篇なので壮大なストーリーや構成を楽しめるわけではありません。だけどそれぞれの短篇に、洒脱の効いた会話や、ふと漂うペーソスが散見され、むむむ、と心を持っていかれることがしばしば。

 

全体的なトーンとしては青春、恋愛です。短篇ごとの主人公の心象風景の描き方が私は結構好きで、ちょっと変わっているけども、現実感をきちんと保つ造形に筆者のセンスが見て取れます。

 

大活劇ではない、小唸りさせる読ませるエンタメ、だと思います。

 

おわりに

ということで、三浦氏の作品は二冊目でした。

今後も渉猟してまいります。

 

評価 ☆☆☆

2025/04/30

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