海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

祖母のもとで回復する中学生。YAかな |『西の魔女が死んだ』梨木香歩

皆さん、こんにちは。

昨年12月より新しく部下さんが増えてしまい、諸々時間を取られ、本が読めておりません。

これが本来の働く姿なのかもしれませんが、どうにも面倒だなあと感じております。

とはいえ、先日読んだ上司が読む本的な奴には「仕事の細分化は上司の仕事」とあり、まあそうだよなあと思い、渋々?仕事をしています。

あと数年かけて、私の抱えていた仕事を図式化・定式化し、意義を書き、できれば使用しているマクロも共通部品化してシンプルで手入れが利くようにしたいと思います。

1人でやっていた仕事ですが今は(私を入れて)3人でやると。なんだか効率的ではないのですが、継承するというのはこういうことなのですかね。

 

ということで年始に読んだ本を今更ながらに綴っておきます。

概要(裏表紙から)

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

 

選書の背景

日本で帰国試験(高校)を受ける日本語のあやしい中学生たち(うちの子どもたち)に、小学生でも読めるレベルの日本語で、内容は中学生にもなじむものをかつて探していました。

わたくし的には森絵都さん、瀬尾まいこさんあたりがツボで、このあたりを押していました。

 

その中で本書がなかなか良い、みたいな話を小耳にはさみ、当時は購入に至らずも頭の片隅に残っておりました。下の子も既に大学生になろうかというところですが、今般手に取る機会があったもので、読んでみたものです。

 

大人には物足りないかな

表現力がなくて申し訳ないですが、「YAだなあ」って感じ。

大人が読むと少し物足りないかな。

 

クオーターの女の子(中学生)が学校を行くのがイヤになっちゃって、それを両親もそっと受け止め、山奥に住む祖母(英国人)のところに送り、そのうちに回復する、みたいな話です。

 

子ども目線で見れば、自分で決めること、他人を受け止めること、省察すること、リズムを刻むこと、みたいなところを読み取るのでしょうかね。

 

親目線で見れば、ぐっとこらえて見守ること、愛していることを感じさせる環境を作ること(けっして言葉でいうのではなくて)、ということでしょうか。

 

首都圏で生まれ育ったためか、田舎への憧れがアホみたいにあり、自然のリズムで生きてみたいなあという憧憬が頭をもたげてきました。まあ家内に真っ先に反対されるのでしょうが。

 

おわりに

ということで、梨木さんの本は初めて読みました。

どうやら氏の作品は、類似の路線の作品が多いようですね。ということは今後は余りお目にかかることはないかもしれません。

 

小中学生くらいのお子さんには読ませてみても良いのではないでしょうか。良質で上品なYA、といった印象です。

 

評価 ☆☆☆

2026/01/04

中年以降で転職をする前に読む本 |『早期退職時代のサバイバル術』小林祐児

概要(裏表紙から)

コロナ禍で早期退職の募集が急増している。対象は3年連続で1万人を超え、リーマンショック後に次ぐ高水準だ。業績良好な企業の「黒字リストラ」も少なくない。長年尽くした会社から突然、戦力外通告を突きつけられ、会社に残れば「働かないおじさん」と後ろ指を指される。なぜキャリアを積んだ中高年がこんなに邪魔者扱いされるのか。転職すべきか、留まるべきか、どう変わればいいのか。制度疲労を起こしている「日本型雇用」の問題を浮き彫りにしながら、大リストラ時代を生き残る術を示す。

 

「勝ち組」には関係ない本

申し訳ないのですが期待外れであったと思います。

 

本書の方向性としては、壮年でこれから「お荷物」になる労働者と、それを抱える会社と、二者へのメッセージであると思います。

ただ、前者の労働者に対する見方が、どうにもステレオタイプで、どのようにデータを集めたのか疑問に感じ、一回疑問に思うと何だか胡散臭く感じられてしまい、ずーっとモヤモヤしたまま読了してしまいました。

 

妖精さん」「Windows2000」(窓際で仕事をしないのに年収2000万)などから始まり、会社にしか居場所が無くて家に帰らないおじさん。家に帰らない人は想像できますが、あからさまに仕事をサボり外出したり、2000万も貰い窓際ってのは本当に居るのか、と疑問に思ってしまいました。

 

もちろんこれは私が海外にいることも起因しているのだとは思います。

 

で、一度冷静になり考え直しました。

所謂「勝ち組」みたいな人(「上がり」の人も)はこういう本は読まないでしょう。むしろ、壮年というだけで一括りにされてしまう、けっして「勝ち組」とも言えない真面目なおじさん・おばさんがサバイバルするには、ということで本書が書かれていることと推察しました。

 

中年の転職のポイント

で、その割に(といってはなんですが)、裏表紙にもある後悔しない転職10のポイント、これは結構当たり前かな、と。

 

曰く、

・転職活動は「うまくいかなくて当たり前」の心構えで

・「孤独」に転職しないこと

・マネープランは「ライフプラン」と合わせて考える

・「肩書」「名刺」を求め過ぎない

・転職先の情報収集は多角的に

・「即戦力」を目指さない

・転職先では、経験や知識のアップデートを

・「出羽守」にならない

・「前の会社」とつながり続ける

 

即戦力を目指さない、という項目はちょっと異質で、むしろ過去の成功を捨てて一から価値観をその会社に合わせられるか、ということで上記の表記になった模様。これを一言英語でunlearn(学習棄却という訳をあてていました)と表現していました。

 

ありていに言えば、素直で柔軟な人はうまく転職できる、ということなのでしょうね。

 

日本の人事制度に詳しい

他方で、日本の人事制度についてはかなり詳しく書いてあり参考になりました。

同一組織内での競争を「校内マラソン」と称し、その中だけでニンジンをぶら下げて競争をさせた結果、出世が望めなくなり役職定年等になったあと、モチベ減退をおこしてすっかり働かなくなるという仕組みだそうです。

 

また、JV(Job Description)で縛るのではなく、良く分からない職能というものでランク付けするなどは特徴的だと思います。この職能は、年功を一部正当化するための制度であると解しましたが、要するにどうとでも判断できるようになっている、曖昧な部分・余白の多い制度なのだと思います。

 

おそらく現在の人事制度は緩やかに、人口のボリュームゾーンの現象とともに変化してゆくのでしょうね。

 

おわりに

ということでおじさんと日本の人事制度の本でした。

50代のおっさんとして応援して欲しいとの思いで読みましたが、わたくし的にはイマイチピンときませんでした。

 

評価 ☆☆☆

2026/01/05

優しき農場労働者らの苦境と人間模様 |『ハツカネズミと人間』スタインベック 訳:大浦暁生

皆さん、こんにちは。

50代になり、寝つきが悪くなることが増えました。

とりわけ夕方にうたた寝などするとてきめんで、その晩は眠れないことが多い。あとはちょっと日常と違うことが有ると、ペースが崩れるのかその晩は眠れないこともあります。

 

実は、さる大晦日・正月と、家内の友人夫婦が当地に遊びに来て、私達夫婦が当地をアテンドしていました。

うちの奥さんより4つ上の友人とその一回り(12歳)年上の旦那さん。で、旦那さんも69歳。50歳のわたしなぞ小僧ですよね。

因みにその夫婦は中国人で家内の日本留学仲間だったものです。69歳の旦那さんとは18年ぶりくらいにあいました。

 

2人とも時に日本語でしゃべってくれますが、久し振りに巻き舌たっぷりの中国語シャワーを浴び、気も使い、ちょっと疲れました。

で、疲れたけれど何でだか眠れない(普段のルーティーンから外れた!)。で仕方なく本でも読むかと手に取ったのが本作です。

 

スタインベック

ジョン・スタインベック(1902–1968)は、20世紀アメリカ文学を代表する作家で、労働者や農民の苦境を描いた作品で知られる。代表作『ハツカネズミと人間』(1937)、『怒りの葡萄』(1939)、『エデンの東』(1952)は社会的不平等や人間の原罪をテーマにし、特に『怒りの葡萄』はピューリッツァー賞を受賞した。1962年にはノーベル文学賞を受賞し、鋭い社会観察と人間への深い共感を結びつけた作風で「アメリカ文学の巨人」と称された。

 

概要(裏表紙から)

一軒の小さな家と農場を持ち、土地のくれるいちばんいいものを食い、ウサギを飼って静かに暮らす――からだも知恵も対照的なジョージとレニーという二人の渡り労働者の楽園への夢。カリフォルニアの農場を転々とする男たちの友情、たくましい生命力、そして過酷な現実に裏切られて起こる悲劇を、温かいヒューマニズムの眼差しで描く。戯曲の形式を小説に取り入れたスタインベック出世作

 

選書の理由

外国文学作品は実は余り読んでおりませんでした。

 

一つは本作のようにペラペラの割に高いなあという気がして。もう一つは文学全般が、大抵訳を読んでいてつまらないと若い時分に思ったこともあったので。

 

いまとなれば、(純)文学はエンタメじゃあないし当たり前な話。当時は読書量が足りず、ホーソーン(緋文字)とS・キングを比較して、文学作品は翻訳も古くつまらない、と実に短絡的な判断を下しておりました。知らないって本当に怖い。

 

ただ、最近おじさん化が進み、名作を読んだと「言いたい」欲(「読みたい」欲ではなく)が湧いてきております。

そして、ピュリッツァー賞・ノーベル受賞作家ということもあり、また幾つかのブログでも取り上げられていたことも要因となり、今回手に取ることになりました。

 

古きアメリカの闇か

端的に言えば、意外に面白かった。

洋の東西に関わらず、風景描写は時として読者には単調で、本作にも壮大な自然が描かれている部分が冒頭部にありましたが、私にはイメージが湧かずやや意欲を減退させました。

 

ただ、知恵遅れも力持ちのレニーと、非力ながら口が達者なジョージの、このでこぼこコンビが最終的に悲劇的な終焉を迎える一連の帰結は、近代米国の貧しい農場労働者の有様をビビッドに描いており、興味深く読めました。

人種差別、使用者と雇用者の抑圧的関係、障がい者の扱いの難しさなど、色々な問題を見ることができました。

また労働者のヘッド格のスリムは実質的にはオーナの息子よりも立ち位置が上で、スリムの一言が現場を左右することなど、現代社会でもあり得るシーンだなあ等と感じながら読みました。

 

おわりに

ということで初スタインベックでした。

本も薄いし、原書でも読んでみたいなあと思いました。まあ原書が安かったらですが。壮大な自然を経験したことが有る方にはより共感して読んでもらえるかもしれませんね。

 

評価 ☆☆☆

2026/01/03

話は分かるけど、難しくない? |『自分の頭で考えて動く部下の育て方』篠原信

選書の理由

知人を職場に迎え入れ、初めての部下ということもあり、丁寧に教えているつもりで2年。成長が当方の期待ほどに達せず、切れキャラのようになりつつあり、これではまずいとハタととまったのが彼女が入社して2年半。

この部下さんとの関係・接し方を改善するべく、書籍を渉猟している時に本書に遭遇しました。まさに、そうなってほしいよ、というタイトルだったので。

 

概要

もうタイトルにある通りです。

色々書いてありましたが、裏表紙にもある上司の非常識な十訓というのが本書のキモといっても過言ではないとは思います。

 

懇切丁寧に教え込む、というのではないところに特徴があります。

 

・上司は部下より無能でかまわない

・威厳はなくて構わない

・上司は口ベタでかまわない

・部下を指示なしで動かす

・部下を褒めずに動かす

・部下にノルマを課さずに動かす

・部下のモチベーションをあげようとするなかれ

・部下の起源を取るなかれ

・部下には答えを教えるなかれ

・部下に成果を求めるなかれ

 

確かに、の気づきも

基本的には、「んなの無理」っとかって思いつつ、素直に読めませんでした。とはいえ、耳の痛くなる、傾聴すべきところも多かったと思います。

その幾つかを挙げておきます。

 

・自発的な行為での失敗は責めない→自発的に動いた挙句責められると次回から指示待ちになるから

・部下が出来たら楽になるわけではない(P.54)

・仕事の分解は上司の仕事(P.102)

・こなせたことには労いの言葉を(P.102)

・期待をするのではなく信頼する(P.218)

 

私はこれまで、オウム返し・禅問答のような会話を繰り返し、「あなたの質問の意図はなんですか?」「これは前にやったことですか?」「前にやったことは記録してありますか?」等々と問答を行い、質問に逆質問をするような会話ばかりを繰り返していました。考えてくれることを願って(効果はイマイチでしたが)。

 

その点、一部は筆者のやり方を既に取り入れていたことにもなる一方、感謝やappreciationはかなり少なかったかなとも思いました。これは大いに反省。

 

おわりに

ということで人材育成の本でした。

本書は新人部下を持つという設定でしたが、当然新人以外でも使えるとは思います。また新人ではなくても配置換えとかで新たに来た人への対応としては使えると思います。

ただし、私のように関係がこじれた後では本書は使えないと思います。私の捩じれた心は本書を読んでも全然もとに戻りませんでした。また非日本人にたいしてもひょっとしたらちょっと難しいかもしれません。JDに書いた通りのことをより深く考えてほしいときに、「JDにあったことをやったまで」といわれたらぐうの音もでません。

 

いずれにしても私の場合、心穏やかに下の人のミス(の累積)を怒りなしに受け入れることが出来ず、内容はいちいちごもっともながら素直に読めませんでした。

また時間をおいて再読したいと思います。

 

評価 ☆☆☆

2025/12/28

殺人事件。女にハマる刑事。その先にあるのは。|『その先の道に消える』中村文則

皆さん、こんにちは。

明けましておめでとうございます。

いやああっという間に一年経ちましたね。

まだ一年の目標をきっちり立てていません。週末を使い、なんとか計画を立てたいと思います。

 

それでは本題に参ります。

 

あらすじ

アパートの一室で発見された"緊縛師"の死体。参考人の桐田麻衣子は、刑事・富樫が惹かれていた女性だった。現場を偽装する富樫。全てを見破ろうとする同僚の葉山。やがてある“存在告白”が綴られた驚愕のノートが見つかり、一つの事件が思わぬ境地へと飛翔していく。

 

相変わらずのダークさと性の奔出

中村氏の作品といえば、初めて読んだのが「掏摸」だったと思います。

悪の世界にある序列、そして圧倒的な「力」と性。その暴力的な支配。世の明るみに出ない世界をたっぷり堪能しました。

 

で、本書はといえば、相変わらずの方向性は踏襲しております。

二部構成であり、一部の語り手は刑事の富樫。

性にこだわりのある刑事の富樫。惹かれた女性を罪から救うため、蟻地獄にはまってゆく様が描かれます。

二部の語り手は富樫の同僚だった葉山。彼もまた過去のある刑事ですが、彼が少しずつ事件の全貌を解明してゆきます。

 

一言で言えば刑事モノですが、やはり人の暗部、なかでも性についての描写がすごいですね。隠されているから覗きたくなるのか、禁止されているから進みたくなるのか。刑事という公権力、その権力に対抗しうる武器としての性という側面も。

 

そうした暗部を包み隠さず語ることに、ある意味清々しさすら感じます。

縄・緊縛と日本文化とのリンクや、SMとの連携等も面白く読みました。

 

おわりに

ということで久しぶりの中村作品でした。

自分の性欲はおかしいんじゃないかと思う人は中村作品を読んでみても良いかもしれません。小説とはいえ、性の欲求というのは人間の根源に根差している、場合によっては抜き差しならないほど命に迫るものだということが分かるかもしれません。結構皆、猛獣のような衝動をなだめすかして飼いならしているのかもしれません。本作の富樫のように踏み外してはなりませんが。

 

評価 ☆☆☆

2025/12/27

2025年読書を振り返る(印象に残った5選)

今年一番感動したシーン、ケニアのサバンナで見た野生のライオン(本文とは関係ありません)

 

はじめに

皆さん、こんにちは。

今年も沢山見ていただきまして誠にありがとうございます。

基本的には備忘であり、おもねることなく書いてはいるものの、アクセスが少ないとやはり少し寂しいと感じることもありました。一年の区切りに際して、改めて来訪頂きました皆様に感謝を申し上げたく存じます。

 

貴重なお時間を無駄にしないよう、今後ともより簡便・明瞭な書き方を志向して参る所存です。

 

さて。

2019年の12月から始めました本ブログ、満6年を迎えることとなりました。改めて、有難うございます。

上にも書きましたが、皆さまの貴重なお時間を頂いてるのであれば、できるだけシンプルな書きぶりを目指して綴って参りたいと思います。そこに多少の誤解や語弊はあるかもしれませんが、大きな欠点が無ければそこにはかかずらわず、ポイントを絞って参りたく思います。

 

他方、引き続き美しい文章にも憧れはあります。優先順位は高くはありませんが、アンテナは引き続き降ろさず、自らの糧にできたらなあと思います。

 

 

今年の読書は170冊くらい

結構読みましたね。

今年は自分中計を作るべく、「今後どうすべきか」のヒントを中心に渉猟して参りました。

両親が高齢ということもあり、老後・死・認知症に関する書籍を多く読みました。またセカンドライフを考えるにあたって、自己啓発・生き方の本みたいなものも相応に読みました。効率化や自動化、部下の育成についてのビジネス系も結構読みました。

知的好奇心でいうと歴史の本は今年は余り読めず、代わりに聖書の通読をずうっと続けていた感じです。聖書は2026年の初頭にはフィニッシュする予定。

読書の大半は文芸でしたが、余りテーマも決めずドンドン読む感じでした。なんというか、もう少し方向感のある読書を2026年はしたいと思います。

 

そんなこんなの本年の読書ですが、以下9つのトピックにて振り返ります。

 

1. 読み直し(コンプリート)シリーズ(伊坂幸太郎村上春樹

どちらも大好きな作家さんです。

伊坂幸太郎氏については2023年は17作品、2024年は12作品、そして2025年は5作品を読みました。

 

伊坂氏の奇想天外なツイストや根の良い悪人?みたいな造形が好きで、いつ読んでも面白いと感じます。また、倫理的な疑問を投げかけているような作風も多く、そうしたところも好きな要因の一つです。

 

今年読んだ中では『逆ソクラテス』が良かった。

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もう一つの好みの村上春樹氏。

いつもスかしている「僕」を苦々しく眺めつつ、ああいう風に生きれたらどうなのかな?と羨望の混じった嫉妬とともに夢想しつつ読む読書。

2024年は7作品、2025年は8作品を読了。

 

今年読んで改めて胸にズンときたのは『1Q84』ですかね。

人を思い続けるということの重さ、脆さ、強さ、儚さ、そうしたことを考えさせてくれる作品だったと思います。妻とあと10年?20年?何年共に居れるのかは分かりませんが、私の「青豆」たる妻を守っていきたいなあと感じました。

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2. 生き方の参考本:『DIE WITH ZERO』『限りある時間の使いかた』『東大八年生』

仕事の方が結構落ち着いてきており、転勤も異動もないものですから(そもそも窓際みたいなものですし)、ワークライフバランスでいうとライフに比重を置くべく、幾つかの本を渉猟しておりました。

国民年金(一人分)の資金を妻とシェアしてゆく老後には恐怖しかなく、お金の不安が後をたたない状況でしたが、『DIE WITH ZERO』を読んで考えがかなり変わりました。

必要な資金を或る程度溜めることは必要ですが、『今』をもっと考えられるようになった良書だと思います。周囲にもおすすめしました。

 

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同じように『限りある時間の使いかた』にも感銘を受けました。

本当に当たり前ですが、時間は有限です。いっくらバケットリストを作ったとしても、それをこなす時間はあるのか? そういう話をしてくれる本です。

いま建築の本を読んでいますが、予算があって叶えたい希望もある。予算内に希望を収めるならば、希望に優先順位をつけて下位の希望を切るしかない。そのような当然すぎる話を人生のスケールで淡々と諭してくれた作品です。

 

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もう一つ、『東大八年生』もなかなか良かった。

人間生きてて辛いのは、実は世の中(つまり他人)の価値観に縛られているからではないでしょうか? 筆者は自分の価値観と人生を紡いで、切り開き、生きていらっしゃると思います。子どもたちに真似されたら親としてはキツイですが、でも最後に幸せと本人が感じるならばそれが一番良い人生。私自身だってこれくらい自由に生きたいし生きるつもりでいます。

 

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3. 死に方の参考書:『透析を止めた日』『母さん、ごめん』『介護未満の父に起きたこと』

両親が80オーバー。海外に居るものの、両親をどうやって看取るか。私たち夫婦も50オーバー。お互いにボケの兆候?みたいなものを見つつあるなか、どうやって死やボケを迎えるかは親の問題のみならず、私自身の問題でもあります。

 

で。末期がん患者以外だと緩和ケアが受けられない現実を教えてくれたのが『透析を止めた日』。透析についても存じ上げませんでしたが、キツイ治療であることも学びました。在宅死の困難など、多くの学びがありました。

 

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うちは父が認知症ですが、遠くない将来、自分もそして妻も認知症になると考えています。その時どう対処するか。耳年増になりすぎても良くないかもしれませんが、ある程度情報収集しておくことでスムーズな認知?につなげてゆきたいということで笑。

 

 母さん、ごめん』は、読みやすい筆致で、本人の追い詰められ具合が淡々と描かれています。突然母親や妻がボケたら? そういう状況を想像しながら読める良書。

介護未満の父に起きたこと』はジェーン・スー氏のエッセイ。認知症には至っていないものの老年の親を遠隔で見守るのは容易なことではありません。工夫とテクノロジーと試行錯誤で構築では現在のベストを参考にしたいです。

 

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4. 文芸・エンタメ:『カササギ殺人事件』

エンタメ関係ですと、これが一番印象に残りました。

なお、こちらは2019年の本屋大賞(翻訳部門)受賞作品。

劇中劇、オマージュミステリ、等々、ミステリの玉手箱のような作品だったと思います。

私は劇中劇は結構好きで、ここまで大々的に劇中劇になっているのはなかなかないかなあ、と感じた次第です。訳も読みやすくて良かった。

 

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5. 英語:”The Finkler Question”

こちらは2010年の英国ブッカー賞受賞作品。

英語力が無くて、端々まで文意が汲めませんでしたが、それでも感じるユーモアと洒脱さ。

 

人間はないものねだりをする生き物。なのに、その夢が叶ったらすぐに飽きてしまう。夢の実現が人生の歯車を狂わせるという皮肉を、シニカルにならない程度にユーモアを込めて描いたのが本作。

ユダヤ人になりたい』と願いそうなった主人公。結果あんまり幸せでないかも、っていう話。

昇進したい、金持ちになりたい、キレイで若い奥さんが欲しい、優しくてカッコいい旦那さんが欲しい、FIREしたい、等々、色々な夢や願望があるかもしれません。でも、ひょっとしたらそういうのって、叶っても幸せになれないかもしれませんよね。自分の「身の程」もよくよく考えないといけないかもな、と思わせる作品。

きちんと文意把握がしたいので早く翻訳が出てほしいところです。

 

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おわりに

ということで2025年の読書、5つの切り口で振り返りました。

 

2026年は読書よりも勉強に時間を使いたいと考えています。またエンタメよりも古典を読みたいと考えています。

 

とは言え、親のこと、子どものこと、妻のこと、全てが変化し流動的ですね。これらのことが第一優先で、本は二の次、三の次。ゆっくりやってゆきたいと思います。

 

では皆様、良いお年をお迎えください。

 

 

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建築家と現実化する素敵な家づくり | 『家を建てたくなったら 令和版』丹羽修

選書の理由

『実家は死んでも渡さない(意訳)』という母親の発言により、自分たちの終の棲家、そして子どもたちの「実家」を作りたいと思うに至った2025年11月。

少ない予算、というかそもそもお金をいくら用意できるのか分かりませんが、とにかく家の購入についてのTo-Doを整理したいという一心で、AIにおすすめの本を幾つか選んでもらったものの中から読んでいるものです。

 

建築家と家を作りたい!になるよ

いや、家が欲しくなります。注文住宅で欲しくなります。

土地や建築費がどれくらい高騰しているのか・いくら払えるのか等々、全く考えていませんが、家が欲しくなる本。

ぼんやりした思いが具体的になってゆく本だと感じました。

 

幾つかなるほどと思った点としては、以下の通り。

・理想を文字に落としきる。家づくりでブレインダンプ(P.58)

・すべて新調ではなく、お気に入りの家具インテリアを集めておくのもあり(P.64)

建築士は会って決める(P.98)

建築士への支払いは建物価格合計の15%-20%が相場(P.110)

・家族の増減を考え、子ども部屋に金を掛けない(P.202)

・経年劣化は抑え込むよりも、味わう(P.280)

・工事の見積もり、相見積もりをとるよりも値段提示と直談判がおすすめ(P.304)

 

等々。

 

住むこと・家についての「想い」をスタート地点として、資金を制約条件として、その両者のせめぎ合いを建築家・工務店と苦心して作り上げる、というスタイルなのかもしれませんね。

そういう家づくりが出来たら素敵でしょうね、と思わせる内容でした。

 

おわりに

ということで、家についての勉強のための本を読みました。

老後のお金も溜まっていない50代に、いまのいまこれは不可能です。でも、理想形はこれでしょうねえ。きっと家内に見せたらウットリして夢中になって読んでくれそうです。でも先立つものがありません…。

 

こうなると、やはり中古・リフォームについての勉強、メリットデメリットを突っ込んで調べてみることになりますね。道のりはまだまだ長い様子です。

 

評価 ☆☆☆☆

2025/12/26

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