明けましておめでとうございます。今年も中国ドラマに明け暮れる予定ですので(笑)宜しくお願い致します。
技術賞を選んでいる時から「2024年の一番面白かった作品はどれ?」で悩んでいたのは、突出した作品が少なかったからでもある。全体的に何となく小粒、製作時から話題になっている作品の多くが2025年に持ち越し…成毅の新作武侠ものは一つも来なかったし「狐妖小紅娘・竹業篇」「凡人修仙傳」とかも早く観たいんだけどな。
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監督賞
アカデミー賞の主要6部門とは「監督賞」「作品賞」「主演男優賞」「主演女優賞」「助演男優賞」「助演女優賞」のこと。まずは監督賞から。
中国ドラマの監督さんは数が多すぎて覚えるのが大変なので、自分の好みを作る監督さんの名前しか覚えていないけど、選んでみよう。2024年の候補は二人。どちらの作品も大変面白かった。
-「繁花」導演:王家衛
極めて美しい画面作り、巧みな音楽の使い方、お話の時制が前後するところや、お話が急に飛んだりする分かりにくさも含めて極めて「王家衛らしい」作品。
-「辺水往事」導演:算
算監督はタイムリープものの秀作「開端(邦題:開端 Reset)」(製作:東陽正午陽光影視 主演:白敬亭)を作った人。「開端」も非常に巧みなストーリーテリングが魅力だったけれど、「辺水故事」もお話がすこぶる面白い。端役に至るまでキャラが立っているのも魅力。新作「悬案」は2024年9月に撮影終了。楽しみだ。
<受賞者>「繁花」導演:王家衛
2023年~2024年にかけて「繁花」はいろいろな賞を受賞したけれど、どういうわけか「監督賞」には名前も挙がらなかった。王家衛がはなから辞退していたのか、香港映画出身だからなのか、理由はよく分からない。でも「繁花」のクオリティの高さは明らかに監督の手腕によるものだと思う。製作期間の長さも含め、王家衛でなければ作れなかったドラマだ。
ただこのドラマ、一年経っても日本に上陸する気配がない。単純にお値段が高いのか、それともふんだんに使われている香港や台湾の流行歌の著作権処理が問題か…。

助演男優賞・助演女優賞
主役ではないけれど、その人がいなかったらその作品が成立しなかった、と思える俳優さんに贈る「助演」賞。男優さんは迷いなくこの人。
詳しくは「辺水往事」の記事に書いたけれど、このドラマの真の恐怖は呉鎮宇の演じた猜叔にある。ある時は実の父のように優しく、ある時は血が凍る程冷徹。香港映画での活躍の時代から呉鎮宇を観てきたけれど、素晴らしい役者さんだと改めて感服。
同じ「辺水往事」では拓哥役の江奇霖も凄くいい兄貴ぶりで、印象に残る。

若手でいいなあと思ったのは「少年白馬酔春風」の葉鼎之役の何与、「七夜雪」の妙風役の王弘毅辺り。何与は「九重紫」で現皇帝の若い頃を演じているみたいだけど気が付かなかった…。王弘毅は「金庸武侠世界」で楊康を演じていたけれど「七夜雪」の方がよかったな。
それと、出番は少ないけれどものすごく印象が強かった「天行健」で光緒帝を演じた尹正。あの目力、あの迫力は圧倒的。最近姿を見ないので寂しい。
助演女優賞は正直思いつかなかった。「繁花」の吳越(汪小姐の上司役)は確かに素晴らしかったけれど、出番少ないしなあ。「花間令」の郑合惠子(入れ替わる前の楊採薇役)は出番は少ないけどとても自然で良かった。「大夢帰離」の裴思婧役、程潇は身体が柔らかくてアクションが美しかった。(前後開脚で蹴りまでできる!)本職は歌手みたいだけど、これからの期待大。それと「群星閃燿時」の子役、李祉默。このドラマで泣かされたのは彼女が余りに健気だったから(前半で出番なくなるけど)。李祉默は「九重紫」でもやっぱり健気な子役をやっている。
これからを期待して
<助演女優賞・受賞者>「大夢帰離」裴思婧
にあげておこう。目力が強くてアクションが上手にできる女優さんは貴重。

主演女優賞
女性が主人公のドラマは多い。「七夜雪」の女性医師「珠簾玉幕」の唐代の女商人はどちらも仕事に熱心で使命感・正義感も強い独立した女性で、好感が持てた。演じる李沁も赵露思も、いい女優さんになったなあ、と思う。でも今回はこの人に。
<主演女優賞・受賞者>「繁花」辛芷蕾
艶っぽい役を演じる女優さんは中国では余り多くない。敢えてそういう役に挑む勇気を評価したい。「繁花」の李李は豪華で艶っぽく美しく、哀しかった。一方「慶余年」の海棠朵朵は聖女なのに気さくでさばさばしていて、魅力的。振り幅の広さも…というか、単純に彼女観ているの、好きなんです。

主演男優賞
こちらも突出してすごい!とかブレイクした!とかはなかった気がする2024年。
「天行健」は秦俊杰も刘宇宁も良かったけれど一番印象に残ったのは王家洛役の庞瀚辰。旧体制に人生を狂わされたのに他の生き方を知らないが故に旧体制に固執する、という役を説得力をもって演じた。
「辺水往事」郭麒麟は騒がしさを封印、ごく普通の善良な青年がありったけの知恵と勇気を振り絞って密林で生き抜く様を見事に演じていた。こんなにお芝居が上手だなんて思ってなかったので驚いた。
「大夢帰離」侯明昊。とにかく趙遠舟が素敵だった。綺麗な大妖最高。
ニューカマーとしては「九重紫」の李昀锐をあげておこう。かっこいいです。
<主演男優賞受賞者>「大夢帰離」侯明昊
…理由は簡単。観終わって趙遠舟ロスになって「少年白馬酔春風」や「十天以後回到現実」を観ちゃったから。2024年、男主ロスのあまりもう一周しようと思ったのはこのドラマだけだったし。

作品賞
これは割と早くから決められた。1年を思い返して、やっぱり一番夢中になれたドラマはこれだった。
<受賞作>「辺水往事」
とにかく展開がスピーディで目が離せない。義理も掟もない密林で起こる事件は血も涙もない。その中を主人公は自身の善性だけを武器に生き抜いていく。後半、そうして得た貴重な友人が次から次に堕落し、飲み込まれていく様は胸が痛くなるし、更に思いもよらない真相が見えてくる。
標準語だけでない中国語、現地の言葉(造語)が混じるし、複雑な物語なので、是非日本語字幕付きで観たい…WOWOWさんあたり、買ってくれないかな。

<作品賞・バラエティ部門>開始推理吧 第2季
バラエティ部門はドラマと比較できないので、別枠で。この番組を選ぶ理由は簡単で、人生でこれほど一生懸命観たバラエティは他にないから。出演者と一緒に推理してみよう、ということで証拠品の手紙やメールはもとより壁の落書きまで読み込んだし。お陰で中国語が少し進歩した気もする。何より推しがずーと画面に映っている幸せ。

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というわけで2024年の振り返りはこれで終わりです。
2025年はどんな面白いドラマが観られるのか、今から楽しみです。
お付き合い、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。
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