ラララ科学の子の研究室

SFや科学ニュースをこよなく愛する、ニュース紹介・考察ブログ

「プレートテクトニクス」の謎。:なぜ、地球だけに?

こんな記事を読みました。
火星のマントルに、45億年前に起きた巨大な天体衝突の痕跡が残されていた
火星では、地殻はプレートに分かれていない。このため、地球のようなメカニズムでプレート境界型の火震が発生するわけではない。しかし、隕石の衝突のほか、地下深くで熱と圧力のために岩が割れるといった現象によって火震が発生する。
(中略)
火星と同様に、水星や金星にもプレートによる地殻変動プレートテクトニクス)は存在しない。今回の火星での発見は、同じようにプレートテクトニクスが存在しない岩石惑星の地下構造について、ヒントを提供してくれることだろう。

 

筆者は「プレートテクトニクス」は「地球に小惑星が衝突して『月』を作った『ジャイアントインパクト』の影響で起きた」と考えていて、いつかきちんと調べようと思っていたのですが、この「結果」は、筆者の「説」を「否定する」結果になります。
しかも、「金星にもプレートテクトニクスがない」のだそうです。「地球」が特殊すぎるのでしょうか。
なぜ地球だけが「生きている惑星」なのでしょう?
 
というわけで、今回は、「ちょっとお堅い」、「惑星」のお話です。
 

1.「岩石型惑星」と「ガス型惑星」

「惑星」には大きく分けて2つの種類があります。
「岩石型惑星」:岩石が主成分の惑星。「地球型惑星」とも呼ばれます。
「ガス型惑星」:核の周りをガスが覆っている惑星。大型惑星に多いです。
地球は「岩石型惑星」です。水星も、金星も、火星も、「岩石型惑星」です。
 

2.「プレートテクトニクス」と「マントル」の関係

「岩石型惑星」は、「地殻」という岩石の表面の下に「マントル」という柔らかい岩石層があり、中心部には「核」という「金属の塊」が存在します。
プレートテクトニクス」は、「マントル」の対流の動きを受けて、地殻が移動する事象です。私たちの足元では、実は巨大な岩の板が動き続けているのです。
しかし、それは「地球でしか観測されてません」。なぜでしょうか。
どの惑星でも、「マントル対流」があれば「地殻」は動きそうなものですが。
 

3.「岩石型惑星」の「地殻」の厚さの違い

「地殻の厚さ」と「核の半径」から、「マントルの大きさ」を算出し、比較してみました。
便宜上、「プレートテクトニクス」は「PT」と表内で記述します。
<各惑星の比較表(「惑星諸定数表」より。数値は全て推定・目安。>

惑星名

半径

地殻の厚さ

核の大きさ

マントルの厚さ
(推定)

地殻とマントル
半径比率

PTの有無

水星

2440km

10km

1830km

600km

1:60

金星

6052km

30km

3500km

2522km

1:84

地球

6378km

35km

3480km

2863km

1:82

火星

3397km

平均約49km

約1795km

1553km

1:32

(参考)月

1738km

平均約50km

500km

1188km

1:24

 
「金星」と「地球」以外は、「マントル層が薄いから」で説明できそうに見えます。「マントル対流」の力が弱ければ、「地殻」を動かすことは物理的に困難でしょう。
では「なぜ、金星では『プレートテクトニクス』が起きてない」のでしょうか。
ここで出てくる「差」が「ジャイアンインパクトの有無」なのかも知れません。
さて「金星にはジャイアンインパクトはあった」のでしょうか。
それ以外の「違い」は無いのでしょうか。さらに調べていきましょう。
 

4.結局、「地球」は「何が特別」なのか

ジャイアンインパクト」は地球だけではなく、金星でも起きた模様です。
ですが、金星は最終的に高温になりすぎて大気が厚くなりすぎたため、温室効果の暴走により水蒸気が宇宙空間に失われ、地殻変動に必要な成分(水)が枯渇したと考えられています。
プレートテクトニクス」が継続的に行われるには「温度差によるマントル対流」が必要であり、そのため「地殻が十分に冷えている」必要があります
地球では「水」がその役割を果たしていて、金星では「水が蒸発して失われた」ため「プレートテクトニクス」が止まった、と考えられます。
要するに、「水」という「冷却物質」の存在が、「地球」を「特別」なものにしているようです。確かに他の惑星には「十分な量の水分」は存在しません。
 

<まとめ>

「地球にだけ、なぜ『プレートテクトニクス』があるのか」が、朧げながら見えてきました。
つまり、「プレートテクトニクス」の維持が「生命」を生み出すきっかけだったのなら、「ジャイアンインパクト」がなければ、「地球」に「生命は生まれなかった」のかも知れません。
 
と、今回は「クソ真面目」な、お話でした。
 
今回は、ここでおしまい。

美味しいだけじゃない蕎麦の世界:アレルギー、品種改良、文化まで

衝撃的なニュースが。
幌加内町新そば祭り
2025年の「第30回幌加内町新そば祭り」の日程は8月30日(土)・31日(日)。
なんと、幌加内町の新そば祭りは今回で終了!
最後の新そば祭りを存分にお楽しみください。

日本三大蕎麦」の影に隠れていますが、北海道も「美味しい蕎麦の名産地」だったりします。

幌加内もその一つ。そこの「そば祭り」が、終わってしまうそうです。
理由は「生産者の高齢化」と「後継者問題」だそうです。どこも「高齢化」「過疎化」で大変なのですね。
 
そういうことで、今回は「蕎麦」のお話です。

1.そもそも「蕎麦」ってなんですか?

「蕎麦」とは、タデ科ソバ属1年草の植物の種子です。
蕎麦は世界的に食べられている食材です。
しかし、蕎麦は乾燥に強い作物である一方で水に弱く、一度でも農地に水を入れると栽培が難しくなり、また、気候の影響を受けやすく、稲作よりも難しい、という側面があります
しかしながら、「蕎麦料理」は世界中にあります。以下、世界の「蕎麦料理」の一例を紹介します。
<世界の蕎麦料理一例>

料理名

特徴・調理法

フランス

ガレット

薄いクレープ状、甘くない料理

ポーランド

カシャンカ

豚の血と内蔵と蕎麦の実がまざったソーセージ

ロシア

カーシャ

蕎麦の実を煮た粥状料理

ロシア

ブリヌイ

蕎麦粉のパンケーキ

イタリア

ピッツォッケリ

蕎麦粉のショートパスタ

そして、最も世界で蕎麦を食べている国は「スロベニア」です。日常的に食べているそうです。
日本での蕎麦の歴史は、古く、9000年以上前の遺跡から蕎麦の実の花粉が発見されています。奈良時代の頃は、蕎麦の実をお粥にして食べていたようです。その後、蕎麦の実を粉にして、練って作る「蕎麦がき」が食べられるようになりました。
その後、江戸時代初期に「蕎麦切り」が生まれ、いわゆる「麺」として食されるのが普及し、現在に至ります。
「蕎麦」の現在:国内生産量の変動グラフ

自給量は30%程度と低いものの、作付け面積も、生産量も、極端に落ちているわけではない模様です。

2.蕎麦のカロリーと栄養価。

そんな「世界中で食べられている」蕎麦ですが、いまいち「マイナー」なイメージがあります。「三大主食」と比較してみましょう。
<代表的な主食との比較表>

名称

原産地域

カロリー
(100gあたり)

主な栄養素

蕎麦

中国雲南省の高地

350kcal

ルチン、ビタミンB群、カリウム
マグネシウム、リン

米(ジャポニカ種

中国中央部

342kcal

食物繊維ビタミンB1
亜鉛、鉄

米(インディカ種)

アジアの熱帯・亜熱帯地域

347kcal

ビタミンB群、モリブデン
セレン、亜鉛、鉄

小麦

コーカサス地方

368kcal

小麦ポリフェノール、ビタミンB群
食物繊維亜鉛、鉄、マグネシウム

大麦

中央アジア

343kcal

β-グルカン、ビタミンB群、食物繊維
カリウム、カルシウム、リン、鉄

とうもろこし

中米地域

89kcal

カリウム、リン
ビタミンB1食物繊維

ジャガイモ

南米アンデス高地

76kcal

食物繊維、ビタミンC
ビタミンB群、カリウム

「ルチンなどのポリフェノールの作用」「グルテンフリー」であり、栄養も豊富なのに、蕎麦が「世界的主食」になれないのは、なぜでしょうか。カロリー比較なら、「とうもろこし」や「ジャガイモ」の方が低いのですが、これらの方が「世界的主食」扱いです。
蕎麦は飢饉時の非常食として日本史に登場しますが、「主食」にはなりきれませんでした。なぜなら、米や小麦に比べて収量が少なく、また実が酸化しやすいため保存性が低い、という弱点があったからです。この弱点が問題の一つと考えられます。

3.蕎麦アレルギーの科学。

実は、蕎麦には「重大な問題点」があります。「蕎麦アレルギー」の問題です。
その中でも「蕎麦アレルギー」は、その反応が重篤になりやすい傾向にあります。
「蕎麦アレルギー」はごく微量でも反応しますが、なぜ「微量でも重篤な症状を引き起こすのか」は、実はよくわかっていません。
「蕎麦」が「世界的な主食」になれない理由は、これが一因かもしれません。

4.蕎麦の品種改良と遺伝学。

a)普通蕎麦と韃靼蕎麦と。
韃靼蕎麦とは、普段私たちが食べている「普通蕎麦」とは別種の蕎麦です。主に海抜1000~1500m以上の高地で栽培されています。
収穫量は普通蕎麦の2〜3倍、ルチンの含有量は約120倍、という蕎麦です。ルチンが多いため、味は「普通蕎麦」より「苦い」そうです。
b)品種改良の歴史と現在の取り組み。
蕎麦は「交雑性の高さ」から、「品種改良が難しい」とされています。
遺伝子解析も行われており、ほぼ完了しています。
これが完成すれば、「蕎麦」は一気に「世界の主食」になるかもしれません。

5.「蕎麦」のこれから。

海外産が上昇傾向にあるのに対して、国産蕎麦の価格は安価傾向にあり、その差はほとんどありません。
しかしながら、日本には「後継者問題」があります。冒頭で示した通り、「高齢化」「後継者不足」が原因で、国内生産量は減少傾向になるかもしれません。

<まとめ>

「日本の蕎麦の状況」をざっくりと見ていきました。今は安定していますが、将来には不安がある結論になりました。
ただし、蕎麦の栄養価や文化的価値の高さは、何も変わりません。
「蕎麦アレルギーの起きない」遺伝子改良した「新しい蕎麦」が、現状を打破する大きな一手かもしれません。
 
「お蕎麦は美味しい」のですから、なんとか「アレルギーの起きない」蕎麦が出来てほしいものです。そうすれば「世界三大主食」に挑戦できるかもしれません。夢は大きく、ですね。
 
今回は、ここでおしまい。

美味しいお米と水と麹と:日本酒醸造のお話

まずは、以下の動画を紹介します。


【酒造見学ロケ】出張!りりらでん日本酒の会!~作(ZAKU)編~【儒烏風亭らでん/一条莉々華/北白川かかぽ】

www.youtube.comはい、今回はこれでおしまいです。
・・・ってわけではないですが、私が「文字で説明する」よりも「はるかにわかりやすく」日本酒の造り方が説明されてます。
ぜひ、ご視聴ください。

ということで、今回は「日本酒」にまつわるお話です。

1.日本酒の作り方。

まずは、日本酒の造り方をざっくりと説明します。
I.お米は専用のお米を削って使います。これを水につけたあとに蒸します。
II.蒸したお米に「麹菌」を振りかけます。発酵すると「米麹」になります。
III.「米麹」が、お米の「デンプン」を「糖」に変えます。
IV.「酵母」と「乳酸」「お米」から、「酒母」を作ります。
V.「酒母」によって増やされた「酵母」が「糖」を発酵させて、アルコールを作ります
これらの「醸造」工程を経て、「日本酒」が造られます。


2.日本酒に合う水は「軟水」だけなの?

そう思っていた時期が私にもありました。調べてみたら、どうやら「間違い」のようです。
「越乃寒梅」をはじめとした「新潟の日本酒」が「軟水」で造られていたため、「日本酒は軟水でなければダメ」という「誤解」が一時期、広まった模様です。
水に含まれるミネラル成分が発酵に与える影響で、日本酒の風味が変わります
各地の名水と日本酒の関係性の研究があります。ここでも「名水あるところ名酒あり」と言っています。
しかし「日本酒は軟水でないとダメ」ということはないようです。むしろ「硬水の日本酒=男酒」「軟水の日本酒=女酒」と呼ばれ、昔からそれぞれの特徴を活かした日本酒が造られていたようです。
事実、「中硬水」である「京都(伏見)の名水」は、日本酒の「仕込み水」として、昔から有名ですね。


3.麹菌様のお働き:日本酒界の縁の下の力持ち

「麹菌」が日本酒の味を決めます。日本の「国菌」に指定されています。
「麹菌」は「お米」の「デンプン」を食べ、「糖」と「アミノ酸」を排出します。この「糖」が「アルコール」の材料になります。
日本酒作りにおける「麹菌」は、その環境づくりが大変です。「30〜40度の環境」をキープしなければなりませんが、「麹菌」以外の「雑菌」も繁殖しやすいので「環境管理」が大変なのです。人間で言えばちょっとした発熱状態。麹菌、意外と暑がりなんでしょうか。
「納豆菌」も「雑菌」の一つです。「納豆を食べたら酒蔵に入るな」というのは、本当なのです
めんどくさいですね。でも、これがあるから、日本酒からは、香り良い吟醸香が出るのです。
日本酒醸造においては、「並行複発酵」という「麹菌と酵母の絶妙なコンビプレー」を利用した技術が使われています。
「並行複発酵」とは、お米のデンプンを麹菌が糖に変える「糖化」と、その糖を酵母がアルコールに変える「発酵」が同時に行われる技術のことです。
ワインやビールが「単発酵」なのに対して、日本酒は同時進行の二刀流。これが、ワインやビールでは行われていない日本酒の個性の一つです。


4.「辛口」vs「甘口」:永遠のライバル対決

日本酒の「辛口」「甘口」は、日本酒度と酸度によって決まります
「辛口」の基準:日本酒度+3~+5以上を「辛口」とする場合が多いです。
「甘口」の基準:日本酒度-3~0以下を「甘口」とする場合が多いです。
「酸度」は、「淡麗」「濃醇」の基準になります。
では「日本酒度」「酸度」とはなんでしょう。
「日本酒度」:アルコールや糖分の比重の割合です。普通の水を基準にした場合、糖分などの含有量が多いほど液体自体は重くなります。プラスになるほど糖分が少なく「辛口」、マイナスになるほど糖分が多く「甘口」ということになります
「酸度」:酸味が強いと、お酒の味にキレや爽やかさが出ます。酸味が弱いと、お酒の味にまろやかさやコクが出ます
しかしながら、「辛口」も「甘口」も、どっちも「美味しい」のです、「日本酒」という飲み物は。
自分の好みを「日本酒度」「酸度」の視点から、科学的に探すのも面白いかも知れません。私は「実際に飲んで」好みかどうかを判断しますが。


5.日本酒の歴史をざっくりと。

「米の醸造酒」の起源はどこなのか?調べましたが、よくわかりませんでした。スマヌー。
しかし、「日本酒」の起源は「日本」のようです。なんと「魏志」東夷伝(いわゆる「魏志倭人伝」)に、「倭国の酒」という記載があるとのこと。
初期の「日本酒」は「濁り酒」。いわゆる「どぶろく」でした。これが「清酒」となって広まったのは、1600年頃と言われています
「ワインは旅をさせるな」と言いますが、日本酒は「旅をさせた方が美味しい」という話がありました。
江戸時代の話ですが、伊丹で造られた日本酒は、樽に詰めて江戸まで運ばれる間に、樽の中で揺られて熟成が進み、江戸へ着くころにちょうど飲み頃になっていたのだそう。これは「下り酒」と呼ばれ、江戸で大層人気だったとか。
今は、酒造所で「瓶詰め」されてしまうので、「下り酒」効果は期待できませんね。ちょっと残念。


6.これからの「日本酒」展望。

(a)国内市場の変化

残念ながら、下のグラフのとおり、日本酒の国内消費量は減少傾向にあります

 

(b)技術革新への取り組み
日本酒メーカーも黙って見ている訳ではありません。スパークリング日本酒「澪」とか、頑張ってはいるのです。
微生物学から見た日本酒の未来
米作りの段階から肥料を調節したり、酒米の状態に合わせて酵母を選んだりして、今後は日本酒の香りをデザインできるようになるのかもしれません。
(c)海外展開の現状
こちらのグラフを見ると、近年、「日本酒海外輸出量」は「増加傾向」にあります


日本酒とウイスキーの輸出量増加が顕著です。
しかし、「麹菌」そのものは輸出できません。正確には「細菌や発酵食品の輸入を禁止している国が多い」のです。
では、「海外で日本酒を造る」ことはできないのでしょうか。
「フエフーズ」というベトナムの会社があります。実は、ベトナムで「日本酒」が造られています。
フエフーズジャパン株式会社
https://huefoods.jp/
日本の皇太子殿下(現・天皇陛下)が2006年にベトナムに訪問された際に献上されたのが、「フエフーズの日本酒」でした。
「日本酒のおいしさに感動して」杜氏になった外国人もいます
日本では消費量が減少してますが、世界には受けています。日本国内でも「日本酒」が見直されるといいですね。今後に期待です。


<まとめ>

科学と技術が進化しても、日本酒の本質は「美味しいお米と水と麹」に尽きるようです。
千年の技術と現代科学の融合が、今の日本酒を生み出しました。
麹菌や水の働きを知ることで、いつもの一杯がさらに美味しく感じられるかもしれません。

まぁ、こんな「小難しい理屈」を知らなくても、日本酒は「美味しい」のです。
お気に入りの銘柄がある方は、その裏に隠れた「科学」を思い浮かべて飲んでみてください。別の美味しさが感じられるかもしれません。

その際は、「美味しい肴」も忘れずに。

 

今回は、ここでおしまい。

「どこでもドア」は実現するのか:「思考実験」のその向こう

こんな記事をみました。

ワームホール移動は実現する?時空トンネルによる瞬間移動技術
https://japan-energy-times.com/wormhole-travel-reality-spacetime-tunnel-teleportation/

最近の研究では、ワームホールの安定性に関する重要な実験結果やシミュレーションデータが得られています。例えば、ある研究チームは、特定の条件下で生成されたワームホールが、数秒間安定して存在することを確認しました。この実験では、負のエネルギーを持つ物質を用いることで、ワームホールの崩壊を遅らせることができました。

「本当かよ?」「現実にはできるわけない」と、あなたは思うかもしれません。
しかし、真偽不明でも面白い「ネタ」なら、それを元に「話を広げる」のが、このブログでもあったりします。

SF作品には、「ワームホール」に限らず、色々な「時空を歪める」方法が出てきます。
スターウォーズ」や「スタートレック」でお馴染み「ワープ航法」が代表でしょうか。
RPGだと「ウィザードリィ」の「マロール」というテレポート呪文でしょうか。失敗すると「いしのなかにいる!」となり、キャラクターデータが強制消去される、という「鬼畜仕様」でした。
しかし、日本人にとって、最も身近なのは「ドラえもん」の「どこでもドア」でしょう。身近すぎて、気づいてない人もいるかもしれません。

今回は、「どこでもドア」の実現性と、実現した時に予想される社会変化を考える話です。
「もし、どこでもドアがあったら」と、仮想的な技術として考察する「思考実験」です。

1.ワームホールってどんな仕組み?

ワームホールは、アインシュタイン一般相対性理論における時空の曲がりを利用した構造です。
ワームホールは、二つの異なる時空間を結ぶトンネルとして機能します。
シュワルツシルトワームホールという最も基本的なモデルで、静的で安定したワームホールを表します。
エキスパンドワームホールは、時空を超えた移動を可能にする動的なモデルです。
ワームホールを通過することで、時間の流れが変わる可能性があるため、時間旅行の理論的な基盤ともなりえます。
ワームホール数理モデルは、一般相対性理論の方程式を基に構築されています。
特に、アインシュタイン方程式は、時空の幾何学的性質を記述するための基本的な枠組みを提供します。
シュワルツシルト解は、非回転の重力場におけるワームホールの基本的な解であり、ブラックホールの周囲に存在する可能性があります。
ワームホールを安定させるためには、負のエネルギー密度を持つエキゾチックマターと呼ばれる負のエネルギー密度を持つ物質が必要ですが、その存在は未だ確認されていません。
数値解析によって、ワームホールの特性を理解するためのシミュレーションが行われています。
これらの条件を見る限り、「ワームホール」の実現においては、「エキゾチックマター」の確認・確保が、現在の一番の課題のようです。


2.「どこでもドア」の技術的課題

さて、前述の「課題」がクリアになったとして、「どこでもドア」を実際に作ろうとしたら、どんな問題があるのでしょう。
最初に考えられるのは「出口の座標設定」の問題です。相対的に設定するにしても、「適切な位置」が設定できなければ、「出口」の状態がとんでもないことになります。出口座標にもし「人」がいたら・・・考えるだけで怖いですね。
ただし、高度なAIシステムがあれば、座標計算や地球の自転・公転への対応も自動化できるでしょう。
次に「携帯性」の問題です。さすがに「ドア」大の大きさのものを携帯はできません。現実的には「固定設置」になるのかもしれません。「どこでもドアあります」とかが、マンションや賃貸住宅の「ステータス」の一つになるかもしれませんね。
・・・やはり、同時に「四次元ポケット」の開発が急がれる模様です。そっちの方が「実現性は困難」だとは思いますが。


3.実現した場合の社会への影響:メリット編

「どこでもドア」が実現したら、一番影響を受けるのは「物流」でしょう。「長距離輸送」が、より簡単に、輸送時間も大幅に短縮されるのです。これは「物流革命」と言っても過言ではありません。
また、「安全な再生エネルギー発電」が可能になります。「どこでもドア」で、深海と地上を結びつければ、簡単に「水力発電装置」が出来上がります。
例えば、マリアナ海溝と地上を結べば、1万メートルの落差を利用した巨大水力発電が可能です。
「救急医療で瞬間搬送」「専門医が世界中を瞬時移動」などの、医療への応用に期待できます。
移動時間を考慮しなくなることで、「世界最高の教師の授業を直接受講可能」になるなど、教育への良い影響も考えられます。
これらのように、社会そのものが「大きく変わる」可能性を秘めているのです。


4.実現した場合の社会への影響:デメリット編

しかしながら、「良いこと」ばかりではありません。
いわゆる「のび太さんのエッチ!」問題があります。
(画像を貼ろうと思いましたが、著作権の問題で断念)
「どこでもドア」で、しずかちゃんのお風呂場に行く、例のアレです。
あの事象から、以下の問題点が浮かび上がってきます。
 ・どこでもドアにはセキュリティ機能が一切ありません。
 ・空間移動技術における「認証システム」の必要性があります。
 ・プライベート空間の概念が根本的に変わる社会的影響が考えられます。
これらは、インターネット初期のサイバーセキュリティ問題に似ている気がします。「どこでもドア」も、その利用に際しては、きちんとした「法整備」が必要となるのでしょう。
経済への影響もあります。「物流変化」に伴う交通インフラ業界の大失業、不動産価値の激変、国境管理の無意味化等です。
社会階層の変化も考えられます。「どこでもドア」へのアクセス権を持つ者と持たざる者との間で、格差拡大が起きるかもしれません。
「通勤ラッシュ消滅で鉄道会社株価暴落」「離島の過疎化解消」などもあるかもしれません。

メリットもデメリットも、色々考えられますね。「どこでもドア」という道具には「世界を大きく変える」力があるようです。


5.セキュリティ対策の必要性

ドラえもん」の作品内では「セキュリティ機能」は全くないわけではないようです。
後期作では「セキュリティ機能」が描写されているらしいです。私が「ドラえもん」を読んでいたころに、そんな描写を見た記憶はないのですが、「プライベートロック」という機能がある、と記載されているとか。
しかし、「焚き火で燃やされて焼失してしまう」のは、さすがに「安全性が低い」ですよね。
「どこでもドア」を使った、新しい犯罪の誕生も考えられます。突然現れては物を盗んで去っていく「どこでもドア荒らし」、詐欺で騙した直後、「どこでもドア」で逃亡する「瞬間移動詐欺」などが起きるかもしれません。
これはインターネット黎明期や携帯電話普及期に「新たな犯罪行為」が出てきた構造に似てますね。
技術トラブルの恐怖もあります。メンテナンス中に途中で止まったらどうなるのでしょうか?
原作では「壊れる」と意図とは別の場所と繋がる描写が見られます。
問題なく動くために、頑丈でドア大の道具の作成・・・やはり「固定設置」か「四次元ポケット」が必要になりそうです。


6.他のSF作品との比較

「どこでもドア」の類似品というと、ダン・シモンズ氏のSF小説ハイペリオン」に出てくる「転移ゲート」でしょうか。
アイザック・アシモフ氏の短編「こんなにいい日なんだから」にも「ドア」というものが出てくるそうです。残念ながら私はこの作品を読んだことがありませんが、SF作品における空間移動技術の描写として有名なようです。
ただ、「どこでもドア」のような利便性までには至ってない模様です。その意味でも、藤子・F・不二雄先生は偉大だったのですね。


<まとめ>

「どこでもドア」、あったら便利ですよね。誰もが考えたことがあると思います。
その「どこでもドア」は、物理的な距離だけでなく、社会や倫理、そして私たちの生活様式そのものを大きく変えるでしょう。
技術の進歩は「便利さ」だけでなく、その「危険性」を常に考えることが重要になりそうです。

ただし、移動が簡単になりすぎて運動不足になるかもしれません。運動不足を補うために「どこでもジム」も必要かもしれませんね。

結局、「どこでもドア」があっても、「幸せになれるかどうか」は、人間次第なのかもしれません。

 

今回は、ここでおしまい。

パスタをめぐるエトセトラ:美味しいパスタの物語。

はじめに:みなさん、「パスタ」は好きですか?

私は「パスタ」が「大好き」です。みなさんは、どうですか?
ミートソースも好きですし、サラダで食べるのもいいですね。マカロニグラタン、ラザニアも美味しいですよね。
 
実は、パスタって、ただのイタリア料理じゃなく「科学と歴史のかたまり」なんです。それを紐解いてみましょう。
 
今回は、みんな大好き「パスタ」のお話です。
 

1.「パスタ」ってなあに?

パスタの定義」は、以下の通りです。
パスタとは、小麦粉と水を練り合わせて作られた食品のこと。
スパゲッティやマカロニなどの麺の総称です。
広い!広すぎます!
この定義ですと、「うどん」も「餃子」も「パスタ料理」になります。
ただ、「パスタ」は「デュラムセモリナ小麦を原料とする」という違いもあるようです。
本場イタリアの「パスタ」は、多種多様です。なぜこんなに形が異なるのでしょうか。表にまとめてみました。

名称

定義

特徴

スパゲッティ

ロングパスタ。
直径2.1~2.2mm。

最も有名なロングパスタ。
万能選手。

カッペリーニ

ロングパスタ。
直径1mm前後。

冷製パスタに使われることが多い。

フィットチーネ

ロングパスタ。
幅4~8mm。

カルボナーラに最適。

リングイネ

ロングパスタ。
断面が楕円形。

ジェノベーゼ
ボロネーゼに使われる。

マカロニ

ショートパスタ。
2.5mm以上の太さの管状が特徴。

ショートパスタの代表格。

ペンネ

ショートパスタ。

ゴルゴンゾーラ
アラビアータに使われる。

フジッリ

ショートパスタ。
グルグルな形状が特徴。

プッタネスカに使われる。

ニョッキ

ショートパスタ。

ジャガイモと
小麦粉で作られる。

リピエーナ

小麦粉と卵入りの
平たいパスタ。

ラビオリの生地として使われる。

ラザニアシート

平たいシート状のパスタ。

ラザニアに使われる。

クスクス

粒状のパスタ

蒸して食べることが多い。
アフリカでよく食べられている。

イタリア人、細かすぎ!パスタの種類多すぎ!意外と「繊細」なんですね。
・細いロングパスタ:ソースが良く絡まるので、オイルソースや冷製ソースなどあっさりとしたソースに向いています。
・太いロングパスタ:ボロネーゼやクリームソースなど、コクのあるソースがよく合います。 
・ショートパスタ:ソースと合わせるほかにもサラダやスープなど、レシピのバリエーションが豊富です。
そういえば「ラビオリ」って、まんま「餃子」ですよね。パスタは、いろんな応用が効くみたいです。
 

2.「パスタ」の歴史。

「パスタ」の原料である「小麦」は、DNA分析によると、原産地は中央アジアの高原地帯と考えられてます。野生種と栽培種の遺伝子比較から、この地域で「小麦の栽培化」が始まったことがわかっています。今から約1万年前の新石器時代に小麦の栽培は始まったと言われています。
ここから長い時間をかけて、小麦は、世界各地へと広まっていきました。
日本に小麦が伝わったのは、弥生時代のこと。大麦、大豆、小豆とともに、朝鮮半島からもたらされたとされています。
では、「パスタ」は、「いつ」「だれが」「どこで」作り始めたのでしょうか。
パスタの起源は諸説あります。例えば、「古代ローマ人のお粥が起源説」、「アラブ人がイタリアに持ち込んた説」、「マルコポーロが中国から持ち帰ってきた説」などがあります。
このうち「マルコポーロ説」は「俗説」だそうです。
どうやら、「パスタ」そのものは「イタリアで発達」し、その後世界に広まった、「イタリア起源説」が有力なようです。世界各地に「小麦の練り物」を使った料理があることから、「パスタ=小麦の練り物」とした場合は「各地域での独自発達」とも言えますが。
そして、16世紀のイタリアで、「パスタ料理の大改革」が起きます。パスタとトマトが「出会う」のです。特に「アルデンテのスパゲッティとトマトソース」の相性は抜群で、これにより「パスタ料理」は爆発的に普及し、「トマトソースのパスタ」は、世界中に広まっていきます。
 

3.日本での「パスタ」の話。

日本では当初、「パスタ」ではなく「マカロニ」「スパゲッティ」と個別の名称で呼ばれていました。
いつから「パスタ」と呼ばれるようになったのでしょう。
どうやら、バブル期のイタリアンブームをきっかけに、スパゲッティではなくパスタという呼び方に変わっていったようです。「ジーパン」を「デニム」と呼ぶようになったのもこの頃でしょうか。呼び方を変えるのが「おしゃれ」だったのかもしれません。
「ナポリタン」も日本発祥です。でも、そのレシピを知ったイタリア人は「スパゲッティにトマトケチャップを使うな!」と、大激怒。食べてみたら「意外とイケるじゃん」と手のひらクルー、状態だったようです。
「冷製パスタ」も日本発祥だったりします。
日本も、意外と「パスタの国」なんでしょうか。「うどん」も「そうめん」もありますし。
 

4.パスタの美味しい茹で方。

「パスタ(スパゲッティ)は、『アルデンテ』に茹でるのが一番美味しい」と言われますが、そもそも「アルデンテ」とは、どういう状態のことを言うのでしょう。
「アルデンテ」とは、以下の状態のことを言います。
アルデンテとは?アルデンテの目安も解説
アルデンテとは「茹でたときの状態」であって、「食べる時の状態」ではありません。パスタは茹でたあとソースと和えたり、炒めたりすることでさらに熱が入っていきます。食べるときに、麺がちょうど良い硬さになっているには、アルデンテの状態、すなわち少し芯が残る程度に茹でる必要があるというわけです。
「少し芯が残る程度に茹でる」と、食べる時に「ちょうど良く」なるのだそうです。
また、「パスタを茹でる時」、塩を入れますが、なぜ「塩を入れて茹でる」のでしょう。
塩の有無で、パスタの味、硬さに影響が出るようです。塩分0.5〜1%が、「美味しいパスタ」に茹で上げる基準のようです。
「パスタ」に含まれるタンパク質「グルテン」によって食感が決定する、という研究結果もあります。要はグルテンがしっかりしていると、パスタの歯ごたえが決まるんですね。
「硬水」で茹でると「美味しいパスタ」にしやすいらしいです。「硬水」に含まれるミネラルの影響だそうです。だからイタリアの水道水で茹でると、美味しく感じるわけですね。
このように、さまざまな要素によって、「パスタ」の美味しさが決まるようです。プロのシェフは大変ですね。

5.いろんなパスタ。世界のパスタ。美味しいパスタ。

これが「世界(主にイタリア)のパスタ料理」です!
<世界のパスタ料理>

名称

発祥国

パスタの種類

特徴

ペペロンチーノ

イタリア

スパゲッティ

にんにくの風味と唐辛子のピリッとした
辛味が人気のパスタ。

ボンゴレビアンコ

イタリア

スパゲッティ

白ワインで蒸し上げたあさりと
ダシのパスタソースが美味しい。

カルボナーラ

イタリア

フィットチーネ

卵黄とチーズの濃厚でクリーミー
ソースが美味しい。

ボロネーゼ

イタリア

リングイネ

ひき肉がたっぷりと入った
食べ応えのあるパスタ。

ジェノベーゼ

イタリア

リングイネ

新鮮なバジルとコク深いチーズの
ソースが美味しいパスタ。

アマトリチャーナ

イタリア

スパゲッティ

玉ねぎとチーズ、豚の加工肉が具材
トマトソースがベースのパスタ。

ペンネアラビアータ

イタリア

ペンネ

辛さに加え、ニンニクとトマトの
旨味を楽しめるパスタ。

ラザニア

イタリア

ラザニアシート

ミートソースとホワイトソース、ラザニアシートを
ミルフィーユ状に交互に重ねて焼く伝統的パスタ。

ラビオリ

イタリア

リピエーナ

パスタ生地でタネを包んだ料理。
餃子に似ているかも。

マカロニグラタン

フランス

マカロニ

ベシャメルソースに鶏肉、キノコを白ワインで煮込んだものと
茹でたマカロニを加えてオーブンで焼いたパスタ料理。

マッケンチーズ

イギリス

マカロニ

マカロニをクリーミーなチーズソースで和えたパスタ料理。
アメリカで人気。

クスクス

北アフリカ

クスクス

エジプト等北アフリカを中心に食されている。
煮込み料理に添えて食べることが多い。

ナポリタン

日本

スパゲッティ

茹でたスパゲッティをタマネギ、ピーマン、ベーコンなどの
具材と共に炒めトマトケチャップで調味したパスタ料理。

たらこスパゲティ

日本

スパゲッティ

たらこを主要な具材として用いたパスタ料理。
「和風スパゲッティ」の代表。

冷製パスタ

日本

カッペリーニ

トマトやバジル、レモン、魚介などを使った
爽やかな味わいが特徴の「冷たい」パスタ料理。

どれも「美味しそう」です。この中から「一つだけ」なんて、決められませんね。どれも食べてみたいですね。
「好きなパスタ料理が入ってない」?すいません。これは、絞りに絞った結果なのです。ごめんなさい。
 

<まとめ>

さて、「パスタ」をいろんな角度から見てみました。調べるほどに「奥が深い」料理でした。
パスタは小麦の科学、歴史、文化の結晶。だからこそ世界中で愛され続けるのかもしれません。
 
私は「ナスとトマトのアラビアータスパゲッティ」が一番好きです。
さて、あなたはどのパスタが一番好きですか?
 
今回は、ここでおしまい。

生成AIは『優しいお友達』?ーその距離感が命取りになる前に

はじめに:AIと人間の「距離感」という問題。

「生成AI」に絡んで、何やら「これはいかがなものか」と思う話を耳にするようになりました。以下のような事例です。

生成AIで死者を“復活”させるビジネスは人を救うのか 指摘される懸念とは?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2404/27/news029.html

亡くなった人といつでも普段通りに対話できるようになることで、人の精神衛生に害を及ぼす可能性があるというのだ。家族など大事な人が亡くなったとき、人はその悲しみを受け入れ、克服していく。そして自分の人生を前進させていく。AIで死者を復活させることに対して、「忘れるという行為は健康的である」と主張している報道もある。

ChatGPTの神モデル「GPT-4o」を復活させる方法
https://www.gizmodo.jp/2025/09/chatgpt_gpt5-4o.html

ソーシャルメディアには、GPT-4oを失ったことへの不満や悲しみの声までが溢れかえりました。
ある人はGPT-5よりもGPT-4oの「個性」を懐かしみ、またある人はクリエイティブな文章作成において、新しいモデルは及ばないと評価しました。
しかし、私がもっとも驚いたのは、そしておそらくOpenAIも驚いたであろうことは、この「4o」に対して「感情的な愛着」を抱いていた人々の数です。「4o」を失うことは、友人や恋人を失うことにも等しい感覚だったのかもしれません。

「チャットGPTが自殺方法提供」、米少年の両親がオープンAI提訴
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2025/08/567119.php

両親は、チャットGPTが少年の自殺願望を正当化し、自殺方法に関する詳細な情報を提供するなどしたほか、遺書の草案まで提供したと主張している。

ChatGPTとGeminiは「自殺に関するハイリスクな質問」に回答しやすいとの調査結果
https://gigazine.net/news/20250903-chatgpt-gemini-suicide-questions-respond/

実験の結果、自殺リスクが「非常に高い」質問に対しては、いずれのチャットAIも直接的な回答をしませんでした。しかし、リスクが「高い」質問については、ChatGPTは4つの質問に対して78%の割合で直接的な回答を行い、Geminiも4つの質問に対して69%の割合で直接的な回答をしました。一方、Claudeは1つの質問に対して20%の割合で直接的に回答するにとどまりました。

今の「生成AI」は「友達」になりうるのでしょうか?なれたとして、本当に「それはいいこと」なのでしょうか?とても「疑問」に感じました。

ということで、今回は「AIと人間社会」のお話です。

以下の観点から「生成AIと人間の関係」を見ていきます。
1.認知科学の観点から:なぜ人はAIに「心」を見てしまうのでしょう。
2.心理学の観点から:愛着と孤独がAIを「友達」に変えます。
3.進化心理学の観点から:なぜ会話相手を「生き物」と錯覚するのでしょう。
4.「生成AI」と「現代社会」の今(1):AI技術者とクリエイターとの意識のギャップ。
5.「生成AI」と「現代社会」の今(2):生成AIそのものの倫理問題。


1.認知科学の観点から:なぜ人はAIに「心」を見てしまうのでしょう。

生成AIは、学習済みデータからパターンを抽出し、新たなコンテンツやデータを「創出」します。
人は「擬人化」された方が、親密性や友好的な印象を持つことで「説得力を感じる」という研究結果があります。
チューリングテスト」とは、「ある機械が『人間的』かどうかを判定するためのテスト」のことですが、この「チューリングテスト」をChatGPTが合格しました
つまり、生成AI利用者の多くが、生成AIに対して、「人間と同じように接している」可能性があります。かく言う筆者もその一人です。
「喜び,悲しみ,怒り,恐れ」といった基本的感情ではない感情は、言語(感情語)が関係している、という研究もあります。
この研究結果が正しければ、「人間的に振る舞う生成AI」の「感情を揺さぶる言葉」に、ある種の「感情」を持つのは、自然なことなのかもしれません。


2.心理学の観点から:愛着と孤独がAIを「友達」に変えます。

こうした認知的メカニズムを踏まえて、心理学の観点から具体的な愛着形成プロセスを見てみましょう。
「生成AI等に人間が感情移入する」傾向のことを「ELIZA効果」と言います。これは、AIを利用した作業を行う上では、感情面でのリスクになる、と言われています。しかしながら、「ELIZA効果」を意図的に利用する場合もあるそうです。
今の生成AIシステムは、真実を伝えることよりも、ユーザーの満足度を高めることを優先するよう訓練されていることがあります。正確な情報提供よりも、ユーザーが望む回答を提供することに重点を置いているのです。
これは、人間における「確証バイアス」に似ています。「人間」も「生成AI」も「都合ののいいこと」を優先する傾向があるようです。
生成AIを友人のように見たり、日常的に長時間使用するユーザーは、感情的依存や孤独感の増加する、という研究結果もあります。
つまり、「ELIZA効果」と「長時間使用」により、利用者は、生成AIを「友人」と認識するようです。
これが、冒頭で示した「GPT-4oの『個性』を懐かし」む人たちに起きた感情なのでしょう。


3.進化心理学の観点から:なぜ会話相手を「生き物」と錯覚するのでしょう。

人間は、ペットと会話をすることが多いです。人間との間に共通言語を持たない「動物」とも「会話が成立している」と認識しています。
であれば、「同じ言語を話し」「自分の望む回答をし」「長時間、会話に付き合ってくれる」生成AIに、ペット以上の「愛着」を持ってしまうのは、当然の帰結なのでしょう。
動物との触れ合いが、人間を癒すように、「生成AI」との「会話」に、「癒し」を求めている人もいるのでしょう。自分の持つ「苦しみ」を吐き出す人もいるのかもしれません。
その結果、「ChatGPTが少年を自殺に導いた」のなら、悲劇以外の何物でもありませんが。


4.「生成AI」と「現代社会」の今(1):AI技術者とクリエイターとの意識のギャップ。

AI技術者には、技術力だけではなく「高い倫理性」が求められています。
なぜ、技術開発者は倫理的配慮を軽視しがちなのでしょう。こういった文からも、それが窺えます
例えば、テクノロジー至上主義に基づく「新技術は常に良いものだ」という思い込みがあります。イノベーション偏重という考えによる「やれることはやるべき」というスタンスも問題です。
そして、現在のAI技術者は、注意する必要のある事柄が、多々あります
一つは、著作権を侵害する可能性があること。悪意ある人が生成AIを悪用する可能性があることもですね。情報漏えいのリスクにも注意が必要です。最後に、生成AIが生成するコンテンツには間違いも含まれることへの認識です。
一方、クリエイター側は、生成AI技術を次のように「批判」しています
「クリエイター軽視である」「フェイクニュースや誤情報等の倫理的問題が解決していない」などです。
特に「クリエイター軽視」が、問題になることが多いようです。
この「意識のギャップ」を少なくする必要があります。


5.「生成AI」と「現代社会」の今(2):生成AIそのものの倫理問題。

生成AIが孕む倫理問題には、以下のようなものがあります
 ・フェイクコンテンツ生成の問題:リアルで説得力のあるフェイクコンテンツを簡単に作成できること。
 ・偏見や差別の強化問題:公平性と社会的責任に関わる問題。
 ・著作権侵害の問題:生成AIが学習データをどの程度保持し、どの程度、生成作品に取り入れているかという問題。
 ・プライバシー侵害の問題:個人を特定できる情報が含まれているデータを生成AIが記憶し、再生成する問題。
 ・責任の所在の問題:誰がAIの行動や出力に対して責任を負うべきか、という問題。
特に「責任の所在」について、もっと議論されるべきでしょう。
現代社会」においては、技術にも「高い倫理性」が必須です。
しかし、生成AI業界では、社会が技術に従属してしまっているように見えます。これは大きな「問題点」です。


<まとめ>

この記事を書くきっかけになったのは、少年の「事件」です。あの事件はあまりにも痛ましすぎます。これによって「生成AI推進派」の言動に、改めて疑問を感じるようになりました。
各研究の結果から、「人間が生成AIに感情移入する」ことは、自然なことであり、防ぐのは難しいようです。
しかし、便利さ優先の裏で、人間らしさを失っていないでしょうか?
例えば、「AI故人サービス」は、倫理的にも踏み込みすぎな感があります。

このブログの記事も、いろんな「生成AI」のサポートを受けながら書いています。ですが、常に「提供された情報は本当か?」と、注意しています。複数の生成AIにチェックさせて、確認後に「記事に反映」しています。

生成AIはとても有益な道具です。だからこそ、それに「溺れないこと」が大事なのです。

生成AIとの適切な距離感が大事です。「過度に信用しない」「プライベートな情報や話は控える」等、意識して利用しましょう。なにしろ、生成AIは「嘘をつくこともある」のです。
利用者として「過度に感情移入しない」ことにも注意が必要です。

あまり「生成AI」との「会話」に溺れないようにしましょう。自戒を込めて。
生成AIは、とても便利な「道具」ではあるのですから。

 

今回は、ここでおしまい。

ビール!ビール!ビール!:科学とお酒の意外な関係

今年の夏も暑かったですね。暑い日には「キンキンに冷えたビール」を飲むのが最高です。
ですが、「夏」には注意すべき病気も流行ります。「夏風邪」「感染性胃腸炎」そして「溶連菌感染症」です。この「溶連菌感染症」に効くのが「ペニシリン」です。

ペニシリン」は、多くの偶然が重なってフレミング博士によって発見された「世界初の抗生物質」です。
同じように「菌」から作られる「ビール」は「どのようにして発見され」「どのようにして改良された」のでしょうか。

今回は、そんな、ビールと「微生物」のお話です。

1.ペニシリンとビール:カビが生んだ二つの奇跡

ペニシリン」は、フレミング博士が研究中に「偶然」発見され、その後「効果」が認められ、「抗生物質」薬剤として作られました。
「ビール」は、「ビール酵母」を使って作られるアルコール飲料です。大昔から作られています。
どちらも「微生物との共生」という共通点があります。
・「ペニシリン」は、「青カビ」から放出される成分から作られます。
・「酵母」には、糖をアルコールと二酸化炭素に変える化学反応を起こす性質があります。
ホップには雑菌の繁殖を抑える役割があります。殺菌技術が発展するまでは、これが最も重要な効果でした。
「人類を救った薬」と「人類を楽しませる酒」は、どちらも「微生物」のおかげなのです。
そして、「ビール」は、「ビール酵母」による「発酵」で作られます。
では、なぜ、酵母はアルコールを作るのでしょう?
「青カビ」が「ペニシリン」を作るのは「生存競争」に勝つためですが、酵母の場合は「糖」をエネルギーとして使い「生きて」います(嫌気性代謝)。その時に出る「代謝産物」が「アルコール」なのです。
なぜ、酵母代謝産物としてアルコールを作るのでしょう?実は「酸素が少ない環境」で生き延びるための戦略なのです。これを「無酸素発酵」と言います。


2.発酵vs腐敗:微生物の綱渡りは「人間の問題」

あなたの冷蔵庫を見回してください。ヨーグルト、チーズ、キムチ、味噌、醤油・・・発酵食品がいくつありますか?実は現代人の食生活は、微生物なしには成り立たないのです。
あなたの朝食のパン、昼のヨーグルト、夜のビール・・・すべて微生物の「発酵」のおかげでできています。
そして、食物は、放っておくと「腐敗」します。これも「微生物」のせいです。
「発酵」と「腐敗」。実は、同じ微生物プロセスの結果なのです。つまり「微生物的には同じこと」。
この違いは、人間にとって「有益な結果=発酵」「有害な結果=腐敗」という、あくまでも「人間視点の価値観」でしかないのです。
例えるなら、成功すればヨーグルト、失敗すれば「冷蔵庫の奥に置き忘れた恐怖の実験サンプル」、ということですね。
「上手に発酵」させるには、温度を中心とした微妙なバランスが必要になります。
温度のちょっとしたズレで「祝宴」か「食中毒」かが決まる、まさに「発酵」は「綱渡り」の工程なんですね。
例えば、ビール酵母(ラガー)は5〜15度パン酵母は30〜40度が最適な発酵温度です。この「温度の違い」で、朝食のパンか夜のビールかが決まるのです
古代において、パンの発酵過程からビールが生まれたという説があります。
「古代メソポタミアにおけるビールとワインの文化」
http://jswaa.org/wp/wp-content/uploads/2019/06/JWAA17_67_Watanebe.pdf
によると、

大麦は、シュメールの初期王朝時代(前3000〜2350年頃)以前からメソポタミアを代表する農産物であり、ビールの原料となった他に、粉にして主食のパンが焼かれ、砕いた大麦はお粥のように調理して食べられた。
ビールは一般に大麦を使った「ビール・パン(bappir)」を大甕の水の中に入れて麦芽を加え、そのまま発酵させる方法で大量生産されたと考えられている(ハロー 2015: 147)。

だそうです。今から5000年前に、すでにシュメール人はビールを飲んでいたようです。5000年前っていったら日本は「縄文時代」ですよ。
縄文人がどんぐりを拾っていた頃、「ビールの醸造技術」がシュメール人の手で確立され、そして「酔っ払っていた」。不思議な歴史ですね。
日本に「ビール」が入ってきたのは18世紀後半のことです。昭和30年代から冷蔵庫の普及とともに日本の「ビール文化」が急速に拡大しました。今では世界中でビールは飲まれています
パンに使われている酵母と、ビール醸造に使われている酵母は同じ「イースト菌」です。つまり、今使われているビール酵母とパン酵母は、実は「親戚」だったのです。
家庭でできるプチ実験:パンを常温に放置すると、酵母がアルコールを作り始めて独特の香りがします。これが「パンの失敗がビールの原型」と言われる所以です。
もしも、ビール酵母が突然地球上から消えたら・・・パンもビールもワインもなくなり、人類の食文化は一変するでしょうね。


3.ビール酵母の進化史

発酵の仕組みが分かったところで、その主役であるビール酵母自体はどう変化してきたのでしょうか。
日本のビールは「ラガー酵母(低温発酵)」中心です。
実は「今のビール酵母は純粋な自然種ではなく、人間が育てた人工培養された酵母」なのです。
最初は「自然種」で生産していました。
・1680年、レーウェンフック氏により「ビール酵母」が発見されました。でも、その働きを解明したのはパスツール氏です。
・現在、多くの「ビール」は「人工培養されたビール酵母」で生産されています。
しかしながら「自然酵母」での生産が完全に絶えたわけではありません。地域ごとの酵母を利用した「ビール生産」があります。これがいわゆる「クラフトビール」です。地域ごとの「ビール酵母」の違いは、ビールの味わいの違いの一因です。


4.ビール酵母の現在

ビール(ラガー)を1リットル作るのに必要なビール酵母の数は約10億個だそうです。ドライイーストでのグラム換算だと1グラム程度。数は多いですが、重さは意外とないのですね。いろんな意味で驚きです。たった1グラムの酵母の中に、日本の全人口の8倍以上にあたる数の微生物が生きているのです。
そんなビールの1缶に含まれる酵母の数は...ゼロ!なぜでしょう?実は、ビール酵母は出荷前に濾過されて取り除かれるためです。そして「リサイクル」され、また新たな「ビール生産」に使われます
現在は、ゲノム編集で「苦味が少ないビール」なんかも研究されています。また、「二日酔いになりにくい酵母」まで研究中です。科学の力で人間の欲望(?)に応える研究が着々と進んでいます。
10年後には、あなたは『二日酔いしないビール』『個人の好みに合わせてカスタマイズされたビール』を楽しんでいるかもしれません。でも「飲み過ぎ」には注意ですよ?


5.ビールの種類:あなたの「推し」は、どれですか?

ここでは、日本と各国の代表的なビールを比較してみましょう。何が見えてくるでしょうか。
(海外ビールは「【2025年版】海外ビールのおすすめランキング30選。国ごとの味わいが楽しめる(リンク27)」よりチョイスしました)
<世界のビールの比較表>

名称

生産国

種別

アルコール分

特徴

サッポロ黒ラベル

日本

ラガー

5%

安定の王道。
グラスに注ぐと泡も美しい。

キリン一番搾り

日本

ラガー

5%

和食にも合う飲み口。

アサヒスーパードライ

日本

ラガー

5%

スカッと辛口、夏に最適。

サントリープレミアムモルツ

日本

ラガー

5.5%

香り高く、ちょっと贅沢感。

よなよなエール

日本

エール

5.5%

日本のクラフトビールの代表。
飲むと少し冒険気分。

バドワイザー

アメリ

ラガー

5%

世界中で愛されるアメリカン定番。

ハイネケン

オランダ

ラガー

5%

パーティーの雰囲気作りに最適。

ヒューガルデンホワイト

ベルギー

エール

4.9%

オレンジピールの香りが爽やか。

ドラフトギネス

アイルランド

スタウト

4.2%

黒ビールの王様。
泡のクリーミーさがクセになる。

シンハービール

タイ

ラガー

5%

タイ料理との相性抜群。
南国気分をおうちで味わえる。

カールスバーグ

デンマーク

ラガー

5%

軽めで飲みやすい。
初めての外国ビールにオススメ。

ピルスナーウルケル

チェコ

ピルスナー

4.4%

「元祖ピルスナー」。
苦味と香りのバランスが絶妙。

コロナ エキストラ

メキシコ

ラガー

4.6%

ライムを添えてサングラス気分。
夏の定番。

レーベンブロイ

ドイツ

ラガー

5%

ビール祭り気分を家庭で。
ドイツ気分を味わえる。


もっと多くの種類のビールが世界にはありますが、今回は代表的なものをピックアップしました。
・・・本当は、冷蔵庫に入りきらないくらい紹介したかったんですけどね。IPAとか入ってないし・・・。
世界的には「ラガー」が人気のようです。日本でも「ラガー」が人気なのは「爽快な『のどごし』や、マイルドで飲みやすい味わい」が好まれているから、だそうです。
あなたは「どのビール」がお好みですか?
でも、「酒は飲んでも呑まれるな」ですよ?(自戒を込めて)


<まとめ>

偶然と微生物が人類の歴史を変えました。
「ビール」もその一つです。
そんな「偶然」に、この世界は満ち溢れています。ロマンがありますね。
偶然の発見から始まった微生物との共生が、今も私たちの食卓を支えています。科学の進歩により、これからは「偶然」ではなく「意図的な設計」で、より良い共生関係を築けるかもしれません。
この記事を読み終わった後、あなたは冷蔵庫を開けてビールを手に取るかもしれませんね。

・・・なんて、難しい話はさておき、「暑い夏のキンキンに冷えたビールは美味しい」のです。これが「結論」なのです。ビール!ビール!ビール!

 

今回は、ここでおしまい。