目黒区寺社巡り「目黒不動尊」の奥深い神仏習合の世界(2)

 東京都目黒区の寺社巡り、前回に続いて瀧泉寺目黒不動尊」の後半になります。前半は、仁王門から始まり、役の行者倚像、大本堂そして大日如来坐像などを巡りました。

 大本堂の裏手は広く大日如来坐像はじめ多くの仏像、祠があります。

再度、境内図を掲載します。

 

大行事権現

 大日如来の後ろに鳥居と祠があります。ここの境内地を守護する「大行事権現(だいぎょうじごんげん)」です。天台宗の守り神で神仏習合の形を今もとどめています。

 大行事権現は、山王二一社(日吉大社に所属する二一の神社の総称の中七社に数えられます。目黒不動尊は、境内には山王一実神道の拠点として、大日如来や山王鳥居など、神仏習合の形が残されています。

 

大日如来を守る四天王像

 四天王は仏教における守護神で、大日如来を含む仏様や仏法を東西南北の四方から護っています。本堂裏手にも大日如来像を守っている四天王像があります。

四天王は次の4体の神様で構成されています。

 持国天:東方を守護「国を支える者」

 

 増長天:南方を守護「恵みを増大させる者」

 

 広目天:西方を守護

 

 多聞天:北方を守護

 

 多聞天のみ単独で祀られることがあり、単独では「毘沙門天」と呼ばれています。生前の釈迦の教えを聞いており、釈迦から自分が亡くなった後に仏法を守護するように託されたと云われています。

 

独鈷の滝

 独鈷(とっこ)の滝は、天台宗泰叡山瀧泉寺の開祖である円仁(慈覚大師)にまつわる伝説が残っています。

 

 本堂へ登る石段の左手にあります。平安時代初期、円仁が独鈷(密教用仏具)を投げたところ、その場所から霊泉が湧き出したという伝説を持つ滝です。開山以来1200年以上にわたり枯れることなく流れ続けていると伝えられています。独鈷の滝の前には注連縄が張られており、信仰の滝であることが伺えます。

 

 2体の龍の口から水が吐き出されており、その水の勢いは龍の彫刻とともに見事です。この滝の水は「龍御神水」とも呼ばれます。

 

 この独鈷の滝の斜面には沢山の石仏が並んでいます。しかし池の向こうであり容易には近づけません。不動明王庚申塔など多数見られます。

 

 説明書きです。

 

 独鈷の滝の前に「水かけ不動明王」がおります。参拝者が霊泉をかけることで心身の浄化や健康を願うパワースポットです。1996年建立。

 

 その隣の「垢離堂こりどう)」です。堂内には石製の不動明王立像と、女身の龍神である「青龍大権現」が祀られています。かつては、独鈷の滝で滝行を行う人々が着替えをする場所として使われていたようです。

 

前不動堂

 垢離堂の左側にあるのが前不動堂です。

 

 江戸時代に将軍や大名が参拝する際、庶民が本堂に近づけないため、庶民が参拝できるように建てられたと伝えられています。堂内には木造不動明王三尊立像が安置されています。

 

 そして、前不動堂の前には狛犬がいます。一般的な狛犬とは異なり、従順な和犬のような姿をしています。

 

大本堂周りの仏像

 目黒不動尊の大本堂の周囲には様々な仏像があります

縁結びの「愛染明王像」

 

「微笑観世音菩薩像」

 

「意志不動尊像」

 

地蔵堂

 本堂へ行く女坂の右側に地蔵堂があります。地蔵菩薩を祀っています。閻魔大王、奪衣婆も祀られています。

 

 地蔵堂の右に立派な石碑が立っています。その右に精霊堂、供養碑があります。

 

 石碑です。「春洞西川先生碑」と大書しており、明治、大正にかけて活躍した書道の大家のようです。

 

 その右の「精霊堂」です。堂内には、中央に地蔵菩薩、その両脇に六地蔵です。前の方に、閻魔様、奪衣婆とお馴染みのメンバーが並んでいます。

 

 その右手に「刷毛筆供養塚」で、西川春洞先生碑とで精霊堂を挟んだ形です。

 

阿弥陀堂

 目黒不動尊の「阿弥陀堂」は、瀧泉寺の本坊にあたります。観音堂に隣接しており、正面には「天台宗大本山/目黒不動尊別当/瀧泉寺本坊」と書かれた看板があります。

 

 阿弥陀堂には阿弥陀三尊像(阿弥陀如来勢至菩薩観音菩薩)が祀られています

 

 阿弥陀堂の左側に「観音堂」があります。堂内には、慈悲の仏様である「聖観音(しょうかんのん)」を中心に、「千手観音」、「十一面観音」が祀られています。

 

御朱印

 最後に御朱印です。阿弥陀堂に続いた書院が寺務所になっており御朱印を受け付けています。

 

大日如来

不動明王

「聖観世音」

山手七福神の「恵比寿神

 

 御朱印についての説明書きも戴きました。

おわりに

 「目黒不動尊」がこのように大きな境内がある寺院とは知りませんでした。都心にありながら豊かな自然に囲まれ、歴史を感じさせる大きな寺院でした。境内は多くの見所がありどこから巡るか迷うほどで、まだ見逃した場所が多数あると思います。

 ここのお寺は瀧泉寺という名称ですが、今日では目黒不動尊という方が一般的かもしれません。関東で最古の不動霊場であり、熊本の木原不動尊、千葉の成田不動尊と並んで日本三大不動の一つに数えられています。

 大本堂へ行く前にある役の行者倚像、荘厳な広い大本堂、奥の大日如来銅像、独鈷の滝、前不動堂、阿弥陀堂など数多い堂宇、境内の至る所にある仏像等々、見応え十分でした。しかも清々しい空気が漂っていて、心身ともに気持ち良い空間でした。有難う御座いました。

 

 尚、この界隈には以前拝観した「五百羅漢寺」もありますので、併せて御覧いただくと幸いです。

五百羅漢寺 - クマケア治療院日記

                               以上