ドバラダ飛空船〜ブルースからハワイまで〜

ギターをひいたり真空管アンプをつないだり

イスラエルのジャズ

 凝縮された高圧のエナジー。緊張感、テンションとドライブ。硬質な抒情。現地の伝統的な音楽と、西洋音楽の正統教育をうけたうえでのポストモダンな感覚との融合。

 

 さいきん、ティグラン・ハマシャンの作品を何枚か聞いている。このひとはスタンダードを再解釈するよりは、オリジナルでガンガン突っ走ってもらいたい。

 

 アヴィシャイ・コーエンといい、ダニエル・ザミールといい、イスラエルにはとんでもない連中がゴロゴロいる。アヴィシャイは同姓同名のトランペット奏者もいるらしい。

 

 非常にナチュラルにプログレッシブで、それでいてスケールの大きな物語性のある音を紡いでいく。とにかく技術が当然のように高い。それとおなじかそれ以上にエモーショナルなので、リリカルになりつつも流されず、しかしときにはあまりにも壮大な音のなかで激情をうたうような、ボルテージのたかい演奏が聞ける。

 

 なんというか、放っておくと音が湧きでてきてしまうようなひとたちなのだろうとおもう。ボルテージのタコメーターがひと回り大きいというか、ダイナミクスの大きさがひとケタちがい、それを巧みなコントロールで御しながら、ときには床までアクセルをベタ踏みしているような音楽。

 

 むろん、スケールが大きければいいというものでもなく、ダイナミクスはあればいいというものでもなく、技術があればいいというものでもなく、端正であればいいというものでもない。自分の行く道は雰囲気音楽であり、ムードミュージックであり、コードではなくサウンドだということを再認識した。フルタイムミュージシャンの鑑のようなひとたちの演奏の高風に打たれて、そうおもったというだけのはなし。

 

 レディオヘッドもうっすらイスラエルのアーティストとつながりがあるようだし、彼の地には音楽的な震源があるのかもわからない。以上、報告おわり。