
大相撲春場所は、写真の関脇霧馬山が小結大栄翔との優勝決定戦を制して初優勝しました。星一つリードしていた大栄翔を、本割、決定戦と連続して破った霧馬山の逆転優勝でした。霧馬山は上位に上がったときは軽量でとても優勝が狙える力士には見えなかったですが、次第に体重が増えて押しを残せるようになってきました。今日の相撲は2番とも、大栄翔の押しを土俵際で破った逆転の相撲でしたが、これもまた相撲のうちでしょう。
霧馬山と対戦した阿炎の証言では、霧馬山は突き押しを下から「あてがう」力が強く、相手の突き押しの威力を低下させることができるのが強さの秘密のようです。これで霧馬山は来場所大関昇進に挑むことになります。10勝で微妙、11勝なら当確でしょう。モンゴルでは遊牧民の家系に育ち、休みの日に実家に戻って馬に乗っていたのがその強さの要因と、NHKのインタビューで話していました。
大栄翔は目前の優勝を逃した悔しい場所になりましたが、それでも小結で12番は立派です。先場所10勝は挙げているものの前頭筆頭だったのがどう出るか微妙なところもありますが、大関昇進の目安である3場所33勝には大栄翔も挑戦できる位置にいます。来場所の成績次第では、霧馬山より先に大関に上がれる可能性もあるので、是非とも今場所のリベンジを期待したいです。
三賞は殊勲賞は該当者なし、敢闘賞は新入幕の金峰山、技能賞は大栄翔と霧馬山でした。この中では、カザフスタン出身で初の幕内、金峰山の11勝が光ります。基本は突き押しですが、四つになっても上手を引けば強く、その長身の体もあり将来性は十分です。この11勝で、来場所の番付は前頭中位に上がりそうで、そこでも好成績を残せば上位戦も組まれる位置です。
三役をめぐる争いは混戦模様です。関脇豊昇龍が9勝6敗、関脇霧馬山が12勝3敗で関脇に残りますが、小結で11勝の若元春、12勝の大栄翔を関脇に上げるかどうかは番付編成会議で議論がなされるでしょう。もし彼らが関脇に上がれば、前頭筆頭で10勝5敗の正代の小結復帰も実現する可能性があります。途中休場の関脇若隆景は7勝を挙げているので、関脇の地位は失うものの小結にとどまりそうです。
下位では、新十両の19歳、落合が10勝5敗と勝ち越しで十両の地位を守りました。鳥取城北高校時代に高校横綱の後、実業団横綱になって幕下15枚目格付け出しでデビューし、7戦全勝で1場所で幕下を通過してきた有望株は、十両でも結果を出しました。既に先輩力士に筋肉で見劣りしない体になっており、近い将来幕内でも見られると思います。