
本日2025年12月6日(土)未明。
2年前に引退した「小田急ロマンスカー5000形 VSE(50001編成)」が、喜多見検車区から大野総合車両所へと自力で回送された。
引退後の車両が深夜の本線を走る──そんな“もう二度と見られないと思っていた光景”が、再び現実になった日だった。
私自身、小田急線沿線で育ち、ロマンスカーに強く心を動かされてきた世代。
この“復活走行”のニュースは、大人になった今でも胸がぎゅっとする出来事だった。

本日の回送は、大野総合車両所で開催されるイベントに合わせて行われたものだ。
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12月6日(土) 深夜開催
「小田急 大野総合車両所 VSE50001編成 深夜の撮影会ツアー」 -
12月6日(土)・7日(日) 開催
「さよなら『VSE50001編成』お別れ見学会」
このため、引退からちょうど2年の時を経て、50001編成が再び本線を走るという極めて珍しいシーンが実現した。

小田急沿線で育った私にとってのVSE
ロマンスカーは、子どもの頃からの“憧れそのもの”だった。
デザイン、展望席、連接車体、走る喫茶室──それらすべてが、鉄道という存在を特別なものにしてくれた。
5000形 VSE(Vault Super Express)が登場した2005年は、私が小田急沿線から離れていた時期だったけれど、それでも小田急伝統の「展望室」「連接台車」「喫茶室」が復活した事実を知ったときの衝撃は忘れられない。
登場直後、わざわざ試運転を追いかけて撮影したことも、今となっては貴重な思い出だ。

20年を待たずして訪れた“予想外の結末”
そんなフラッグシップのVSEが、まさか20年を待たずに引退するとは、誰が想像しただろう。
複雑な構造と、ホームドアの推進──時代の流れが、名車を静かに舞台から下ろしていった。
今日未明の回送、もし時間を知っていれば絶対に見に行っていた。
しばらく引きずりそうなくらいの“心残り”がある。

深夜撮影会は20人限定・参加費7万円
今回の「深夜の撮影会」は、20歳以上20名限定で、参加費はなんと 70,000円。
撮影会がここまで“高額イベント化”していることに、正直驚くしかない。

50001編成は先頭車を残して保存へ
2023年時点で、日本の鉄道において“最後に新造された特急用連接車”となった5000形VSE。
50001編成については、
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展望車(先頭車)は保存
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その他は解体
という方針が示されている。
先頭車は2026年3月下旬から、神奈川県海老名市の「ロマンスカーミュージアム」で展示される予定だ。
なおミュージアムは、VSE搬入工事のため 2026年2月下旬〜3月下旬は休館 となる。

もう一つの編成、50002編成の行方
残る50002編成については、社内資料では
「動態保存を継続し、活用方法を検討」
と記されているという。
もし本当に“動くVSE”が今後も残るのだとしたら──それは、小田急ファンにとって大きな希望だ。
VSEが本線を走る姿を見られる機会は、もうほとんど残っていない。
それでも、最後の最後まで美しく走り切る姿を、できればこの目で見届けたいと思う。
胸の奥にしまっていた「ロマンスカーへの憧れ」を、久しぶりにそっと呼び起こされた朝だった。
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