キューピーのたらたら日記

日々、老後を楽しんで過ごしています。

『神の子どもたちはみな踊る』 村上春樹


阪神大震災の直後に書かれた

6つの短編小説からなる小説集。

どれも、阪神大震災のことが物語の中に出てくる。


QPは最近、最新作『一人称単数』を読んだばかりであるが、

比較して、『一人称単数』の語り口がいささか重たかった

のに対し、こちらはよどみなくすらすらと流れる。

そして、震災という暗いテーマを掲げているにもかかわらず、

感性が瑞々しく、溌溂としている。


僕は、この中で、『蜂蜜パイ』という作品が特に気に入った。

主人公:淳平は、大学時代からの友人:高槻、小夜子と

小説家になった今も親しく付き合っている。

高槻と小夜子は結婚して、娘:沙羅をもうけるが、

離婚してしまう。

学生時代から小夜子を愛していた淳平にとって、

これは千載一遇のチャンスだったが、

淳平はなかなか踏ん切りがつかないでいる。

そんな淳平に決意を抱かせたのは、、、、


主人公の過去の説明文が長く、

小説がモノトーンになるきらいはあったものの、

よく練られた、読者に希望を抱かせる心温まる作品でした。


この小説集、おススメです。