キューピーのたらたら日記

日々、老後を楽しんで過ごしています。

鰹は半分もらったよ


放送大学の授業は、たいていが大学教授か准教授あたりが講師を務めるのだが、

『演劇入門』は、渡辺保とおっしゃる演劇評論家が、

能から三谷幸喜、ミュージカルにわたる全15回の講義全部を担当してらっしゃる。

その守備範囲の広さは脱帽に値する。

でも、歌舞伎がそのうちの4回取り上げられていることから察すると、

「歌舞伎」あるいは「日本の古典演劇」がご専門なのかも知れない。


今日、受講した第8回は「髪結い新三」が取り上げられていた。

先生の解説と共に劇の名場面が映される。

主演は中村勘三郎

嬉しいねえ、知ってる人が出てくると。


時は江戸中期、享保十二年、場所は深川。

人口100万人を越えていた大都市江戸は

周辺地域から労働力を取り込んでますます巨大化しようとしていた。

江戸ッ子に憧れ田舎から集まってくる若者たち。

新三(しんざ)もその一人。

生まれは木更津、髪結いでしのいではいるが、実は刺青者(前科者)。

当時は刺青者には家を貸してはならないという法律があった。

小悪党の新三に承知の上で家を貸す大家:長兵衛は輪をかけた悪党。

小悪党をゆすっては甘い汁を吸っている。


ある日、新三は白子屋という商家の娘:お熊が意に沿わない結婚をさせられそうになるのを聞き、

お熊の恋人:忠七をそそのかしてお熊を誘拐。

その後、忠七に暴行を加え白子屋をゆする。

仲裁に来たものには、これは駆け落ちだとしらばっくれる。

当時、営利誘拐は死罪だったが、合意のもとの駆け落ちは無罪だった。

新三を説得できるのは長兵衛ただ一人。

長兵衛は恩をちらつかせながら、三十両でお熊を開放することに成功。

ところが新三には十五両しか渡さない。

「鰹は半分もらったよ。」


この後、新三は町の顔役:弥太五郎源七に殺されるんだそうな。


結構なクライムサスペンスでござんす。