ふなばし動物医療センター 日々の診療

ふなばし動物医療センター(かつまペットクリニック)での日々の診療などをご紹介いたします。(HP: https://katsuma-pc.jp)

右眼の眼瞼腫瘤

13歳のトイプードルの女の子

 

右眼の眼瞼腫瘤を主訴に来院されました。

 

犬の眼瞼腫瘤は多くの場合マイボーム腺腫、皮脂腺腫といった良性のことが多く、

悪性のものだと、メラノーマや扁平上皮癌といったものがみられます。

 

しかし、良性のものであっても発生部位によっては眼の角膜が傷つけられたり

出血がみられることもあります。

そして、その場合外科的切除が必要となる場合があります。

 

今回の場合も、経過から良性の病変だと考えられましたが、

角膜を傷つける危険性があったため眼瞼V字切開により腫瘤切除を行いました。

 

高齢な子だったのですが、麻酔にも頑張ってくれ、元気に帰っていきました。

 

眼瞼腫瘤での症状が気になる場合はご相談ください。

 

術前

 

術後

 

4ヶ月ゴールデンレトリバーの骨折

症例は4ヶ月、未避妊のゴールデンレトリバー
階段から落ちてから、前足の破行を主訴として来院されました。
レントゲンを撮影すると、右上腕骨顆間骨折を起こしていました。



成長期の骨格には、骨の両端にある成長板という場所から軟骨細胞が骨化して、骨が伸びていきます。成長板が骨折して損傷すると、骨の成長が阻害され、足の短縮や角度変形などの障害が起こる事があります。本症例も、成長板の所が折れてしまっている為、出来るだけ早い治療が必要となりました。
ピンとワイヤーを用いて、骨折を整復いたしました。


整復に用いた、ピンとワイヤーも成長板を阻害する為、骨折線の癒合を確認したらなるべく早く、インプラントを除去する必要があります。本症例は、迅速な対応が出来た為、骨変形も生じず、元気に走り回ることができています。
長板骨折による、骨格変形や足の短縮は受傷からの経過時間と固定方法などの要因に強く影響を受ける為、なるべく早い対応が必要となります。
骨折する様なアクシデントがあった際はなるべく早くご相談下さい。

膝蓋骨内方脱臼に対して滑車溝形成術を行なった症例

 

トイプードル、マルチーズポメラニアンなど、日本では小型犬を飼う機会が多いですが、日々診察をしているとよく遭遇するのが膝蓋骨の脱臼です。

 

通称パテラといわれるこの脱臼ですが、、

 

1日診察していると膝蓋骨脱臼と診断する子は3症例以上はあるといっても過言ではないのではないでしょうか?

 

 

症状はグレードにより様々ですが、一般的には歩いているとケンケンする、足を挙上するなどが多く、ひどい子では痛みが出たり悲鳴を上げたりします。

 

 

 今回は若齢のトイプードルちゃんの症例で、グレードは2でしたが症状が頻繁にあるということで滑車溝形成術という手術を行いました。

 

関節内を見てみると、滑車溝という膝蓋骨のはまる溝が浅くなっているのがわかります。

 

また膝蓋骨の裏を見ると、何回も脱臼することによって軟骨がすり減っている所見も見られました。

 

骨が剥き出しになることで痛みや炎症が悪化してきます。

 

一般的には膝蓋骨が外れないように、溝を深めるような手術(滑車溝形成術)がメインに行われます。

 

程度がひどい場合には、脛骨粗面を転移したり、筋肉の付着部や内側の関節包を切開なども行います。

 

今回は四角くブロック状に滑車溝形成術を行い、溝を深めて、外側の組織を縫い縮める手術を行いました。

 

写真だと少し分かりづらいですが、溝を約1.5mm程深めました。

 

わずかではありますが、これだけ溝を深めるだけで膝蓋骨は外れなくなります。

通常は術後1週間で足をつき始め、2週後には破行は残りつつも、しっかり体重が乗ってきます。

術後1ヶ月で普通の歩行ができるようになることが多いです。

 

今回の子も、膝蓋骨が外れなくなったことで、術後も足を上げるようなことは無くなったとのことで、

 

順調な経過をすごしています!

腹腔鏡下での避妊手術(卵巣摘出術)と同時に胃固定術を実施した犬の一例

8ヶ月齢のゴールデン・レトリバーの女の子


腹腔鏡下での避妊手術(卵巣摘出術)を目的に来院されました。

同時に腹腔鏡補助下胃固定術を行いました。

 

避妊手術にはいくつかの方法があります。

一つは、腹部正中を切開し、子宮と卵巣を専用の器具にて体外へと吊り出し、体外にて卵巣と子宮を切除する方法で、

他には、今回のように腹腔鏡を体内(腹腔)に挿入し、カメラで確認しながら体内にて卵巣を摘出する方法があります。

 

腹腔鏡を用いた避妊手術には、痛みが少なく、術後の回復が早いというメリットがあります。

 

今回、同時に腹腔鏡補助下胃固定術を行いました。

 

中高齢の大型犬では異拡張胃捻転症候群(GDV)の発症がよくみられます。

GDVは胃内にガスが急速に蓄積し、胃が回転してしまい、生命を脅かすことのある病態です。

 

GDVの好発犬種では予防的胃固定術が推奨されています。

今回は腹腔鏡補助下胃固定術を行いました。



画像は腹壁に固定した胃を内視鏡で確認しているところです。

 

致死的な疾患の予防となる処置ですので

大型犬を迎え入れる場合には相談していただければと思います。

PennHIP(ペンヒップ)と股関節形成不全

病院犬(生後約4ヶ月)の股関節を、PennHIP(ペンヒップ)という特殊器具を用いたレントゲン撮影を先日実施しました。

 

撮影をした理由としては少し腰を振って歩いていたり、足を投げ出す様に座っていていて、股関節形成不全が疑われたからです。

 

下にあるのが実際に撮影したレントゲンになります。

大型犬には、小型犬と比べて起こりやすい病気がいくつかあります。その中の一つに股関節形成不全(CHD) というものがあります。CHDとは、発達や成長異常により、股関節が変形・不安定症・炎症を引き起こす股関節の病気です。進行すると、骨関節炎により歩く度に痛みが出るようになります。

 

CHDの診断には股関節のレントゲン撮影が必要になります。しかし、一般のレントゲンで見つかる股関節の異常は、重度または進行した場合に限ります。ふなばし動物医療センターでは、このCHDの早期発見ができるペンヒップ(PennHIP)という特殊なレントゲン撮影を取ることが可能です。

 

 

Q. ペンヒップとは?

米国ペンシルバニア大学で開発された、CHDの早期発見につながる、「股関節の緩み」を評価する撮影方法です。一般的なレントゲン撮影方法ではこの緩みは測定することはできません。認定獣医師が特殊な器具を用いて撮影します。

 

Q. なぜCHDには早期診断が必要?

早期診断が行えた場合には、早期にしか行えない治療を行うことができます。特に、体に一番負担のかからない「若齢期恥骨結合癒合術(JPS)」を行うには、症状がほとんど見られない5ヶ月齢以内にペンヒップで適切な診断、治療ができるかが鍵となります。「2点骨切り術(DPO)」は次に負担の少ない手術で、5〜8ヶ月齢で診断できた場合に限ります。これらの時期を通り過ぎてしまうと、人工股関節置換大腿骨頭切除のみが適応となり、手術による体への負担が大きくなります。

また早期に診断することにより、その後の生活を改善し、症状の悪化を防止することもできます。

 

Q. 手術以外に治療法は?

内科療法では股関節の形成異常を治すことはできません。治療の目的はあくまでも進行を遅らせ痛みを緩和することとなります。鎮痛剤、サプリメント、レーザー療法、運動療法、体重管理などがあります。

 

Q. ペンヒップはいつからできるの?

ペンヒップは16週齢から可能となり、CHDが一番早期に診断できる方法になります。他のCHD診断法は1-2歳以降でないとできないと言われています。

 

Q. 他のレントゲン撮影方法との違いは?

下の図にあるようなディストラクター(下の写真)とよばれる特殊な器具を用いて、三つの体位で股関節を撮影し、股関節の緩みをレントゲン画像上で可視化し、その緩みの数値を測定します。

Q. ペンヒップは安全なの?

ペンヒップのレントゲン撮影は痛みにつながったり、関節炎を悪化させることはありません。しかし、力が入っている状態では股関節の緩みを測定できないため、基本的には麻酔か鎮静が必要となります。そのためペンヒップ撮影の当日は絶食絶水、麻酔前検査として血液検査と胸部レントゲン撮影が必要になります。

 

Q. ペンヒップができないケースは?

以下に該当する場合ははペンヒップは不可能となります。

  • 16週齢未満の犬
  • 妊娠中の犬(離乳が終わってから2か月は空けてください)
  • 重大な股関節の異常が認められる場合
  • 超小型犬

 

 

撮影したペンヒップの画像は、アメリカの専門読影医に送られます。犬種別データーベースと比較され、今後の関節炎リスクや推奨される治療法などを含む報告書が1~2週間程で送られてきます。

 

 

 

ご興味のある方、大型犬を新しく迎え入れた方、大型犬で股関節が心配な方はぜひPennHIPを検討してみてはいかがでしょうか。

皮膚腫瘤のわんちゃん

 

先日、顎の下の腫瘤を主訴に、ワンちゃんが来院されました。

 

約1年前に細胞診検査を行なっていましたが、診断がつかず(悪性所見はありませんでした)、経過観察としてましたが、徐々に大きくなってきた為、今回切除手術を行いました。

 

病理検査の結果は「皮膚付属器母斑」でした。

これは一種の組織の奇形と考えられる非腫瘍性の病変で、本来の皮膚の構成成分が不規則に配列し、腫瘤状を呈することが特徴となっています。

 

今回の摘出で、術後の再発はなく、経過は良好です。

チェリーアイの猫ちゃんの一例

症例は3歳のエキゾチックショートヘアの女の子

小さい頃から左眼にチェリーアイがあり、別件で来院された際整復を希望されたため手術を実施しました。

チェリーアイ(瞬膜腺脱出)とは、瞬膜(第三眼瞼)の基部に存在する涙液分泌をつかさどる瞬膜腺が眼窩内から脱出した状態です。明らかな原因は不明です。

術前写真です。左眼内側に脱出した瞬膜線がみられます。

 

手術はポケット法という術式で行いました。

術前

術後1日目

術後1週間(まだ腫れていますね)

術後3週間(だいぶきれいになってきました)

術後5週目(すっかりきれいな左眼になりました)

 

猫ちゃんのチェリーアイはワンちゃんに比べ稀ですが、しっかり治療すればここまできれいになります。

もし同じような子がいましたらお気軽にご相談ください。