昨日、バイトを木曜日から土曜日に変更してもらった。
だから、今日のバイトはなくなって、
週末の土曜日にバイトになったのだ。
カレンダーに行事が無かったので、
大丈夫だと思っていた。
子供関連の行事が無ければ、
土曜日のバイトはそれほど嫌でもない。
ところが、学校連絡のアプリを見て、
今週末の土曜日に、とんど祭りがあることを知った。
とんど祭りとは、書初めや正月飾りを焚火で焼いて、
その火でみかんやおもちを焼いて頂くというもの。
小学校の校庭で行われ、
体育館では保護者らによるおにぎりなどの販売、
不用品回収によるバザーなどもある。
数年前はよく行っていた、
娘たちも好きな行事だった。
うーん、バイトの土曜日出勤、早まったか。
せっかくの、次女の小学生活最後のとんど祭り。
午前中なので、どうやってもバイトと時間が重なっている。
このままでは参加できない。
かといって、急に、店長にお願いした手前、
バイトの欠勤や有休は、すこぶる使いにくい。
どうしたものか。
頭を抱えてしまった。
ジムのエアロの間中、ずっと考えていた。
子供のために、今年の土曜日は、
かなりバイトを入れないでいた。
でもここにきて、小学生最後のイベントに行けないとは。
残念で仕方なかった。
結局、エアロが終わるまで、
とんど祭りの悩みは解決できなかった。
でもジムが終わって、ふらっと、
ショッピングモール内を見て回っていた時の事。
ふと、別の考えが浮かんできた。
「もしも、実家の母が病気になって、
土曜の朝から行かなくてはならなくなったら。
小学校のとんど祭りなど、吹き飛ぶのではないか。
主人に二人のお世話を任せて、
実家に飛んで帰るのではないか。
自動的に、私はとんど祭りには参加しないのではないか」と。
そこまで考えてから、
ようやく腹をくくることが出来た。
今はまだ、いろいろ、
子供と過ごしたいと思っているけど。
それは、きっと、今だからなのだ。
長い目で見れば、大きな問題ではない。
実家の母も健康で、
自分も主人も二人娘も健康で、
だから、とんど祭りのような小さな悩みが、
大きくなっているんだ。
そんな風に思ったのだ。
もしも、今日バイトに行っていたら。
苦手なベテランパートさんに絞られていたとしたら。
とんど祭りに行けないことくらい、
小さなことだったに違いない。
つまり。
とんど祭りに行けないことを、
うんうん悩んでいるというのは、
きっと私は幸せなのだ。
そんな平和な悩みで困っているくらい、
私は今、心に余裕があるのだろう。
ショッピングモールで、
ちょっと気分転換したあと帰宅した。
小学校を休んだ次女がこたつでユーチューブを観ていた。
「今週の土曜日に小学校で、
とんど祭りがあるんだけど、どうする?」
私は次女に聞いてみた。
「行かなーい」
即答だった。
「どうして?小学校最後だよ?
前は行っていたじゃない?」
さらに聞いてみた。
「うーん、めんどくさーい」
すぐに次女が答えた。
「そっか。
でももし行きたくなったら、パパと行けるから。
ママはバイトだけど」
そう言っても、
「たぶん、行かなーい」
と次女の決意は固い。
念のため、次女に確認してみた。
「ママがバイトじゃなかったら、
一緒に行けるんだったら、行きたい?」
私に気を使っているのかと、
気になって聞いてみた。
「めんどくさーい。家から出たくなーい」
テレビ画面から顔を動かさず、
迷いのない声で次女は答えた。
きっぱりとしたその返事に、
たぶんそれは本心だろうと思った。
私はもうそれ以上、
くどくど聞くことはしなかった。
人の欲望にはきりがないから、
なんでもかんでも、
思いのままにしたくなる。
一つの不満が解消されても、
新たな不満が顔を出す。
いくらやっつけても、
いたちごっこだ。
終わることは、きっとないのだろう。
私は38歳の時に、腰の骨にひびが入って、
入院したことがある。
数か月の入院の後、
すっかり骨がくっついて、
退院する時に医師から言われた言葉がある。
「フルマラソンとかしなければ、
普通に生活は出来ますよ」
医師は私を元気づけようとしてくれたのだ。
でも、私の心は100パーセントは晴れなかった。
小学生の頃から、マラソンだけは速かったのだ。
クラスメイトから、ほめてもらえる、
数少ない特技だったのだ。
その時に、思った。
「そうか。もう、フルマラソンは無理なのか。
だったら、なにかほかの趣味を見つけよう」
転んでも、ただでは起きないのが、
私のいいところである。
その後、私は油絵を習い始めたのだ。
物事にはなんだって、
表と裏がある。
人の性格だって、
短所は時に、長所にもなる。
自分に甘い、だらしない人でも、
他人にとても優しい、という面があったりするのだ。
さて、今年のとんど祭りはあきらめよう。
でもきっと、またなにか、楽しいイベントはある。
それを楽しめばいい。
いつだって、毎日は続いていくのだから。
前を向いて。
良い事を見つけられるように。
まっすぐに前を向いて、
歩いていこうと思っている。