メインコンテンツにスキップ

ワームホールを利用した宇宙旅行は実現するのか?可能性はあり。(各国研究)

記事の本文にスキップ

53件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 人類は、飽くなき探究心にとりつかれ、宇宙の最果てまで到達したいという夢をずっと心に描いてきた。日本では今月下旬に公開予定のSF映画『インターステラー』のメインテーマもこれである。

 宇宙は気が遠くなるほどに広大で、そこに存在する星々や銀河同士の距離も人類には手に負えないほどに離れている。例えば、地球から一番近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリは、太陽系から4.22光年離れている。これは最速の宇宙船ボイジャーを持ってしても80,000年はかかる距離だ。

 この数千世代もかかってしまうような距離を人類が克服するための手段として、SFの世界ではしばしば”ワームホール”という架空のトンネルが登場する。

 これは時空間を接続し、宇宙の2点間の距離を縮めるトンネルのようなものだ。これを利用することで、通常なら数万年もかかる移動距離であっても、一瞬で目的地まで到達することができる。

この画像を大きなサイズで見る

ワームホールの存在が明らかになれば宇宙旅行は実現可能?

 科学者によれば、ワームホールはあまり現実的な技術とは言えないが、実現する可能性はゼロではないそうだ。しかし、これを実現するには多くの条件を満たし、ワームホールがどこに存在するのかを解き明かさなければならないらしい。

ワームホールは実在する?

 そもそもワールホームとは何なのだろうか?1916年に発表されたアルバート・アインシュタインの一般相対性理論は、それまでのニュートン物理学を塗り替えた。相対性理論によれば、重力とは時空においてワープが起きた結果である。また、物体が周囲の空間を歪めて、宇宙にその痕跡を残すことができる。

 そして、アインシュタインと同僚のネイサン・ローゼンはここから一歩進めて、時空の歪みによってワープが起きた結果、時空の2点間が接続されると発表した。これはトンネル状の構造をしており、遥か遠くの宇宙であっても繋ぐことができる。これがアインシュタイン-ローゼンブリッジと呼ばれる理論、すなわちワームホールである。

この画像を大きなサイズで見る

ワームホールは小さすぎて発見不可能

 アインシュタインの数学モデルによれば、ワームホールは確かに存在するが、これまで実際に発見されたことはない。因みに名古屋大学の阿部文雄氏は、ワームホールの前を通過した恒星の明るさを観察することで、宇宙船が通行可能なワームホールを発見する方法を発表している。しかし、それでも十分に大きなワームホールがすぐに発見される見込みは少なそうである。

 これまでのところ物理学者は、宇宙でワームホールが自然に形成される仕組みを解明できていない。とは言え、理論物理学者のジョン・ウィーラー氏の量子泡仮説によれば、これが自然発生的に形成および消滅する可能性はある。

 だが残念なことに、この理論でのワームホールはプランクスケールと呼ばれる、10^(-33)cmという超極小サイズでしかない。すなわち小さすぎてほとんど発見不可能なのだ。

この画像を大きなサイズで見る

ワームホールを大きくするには?

 それでも、この超極小サイズのワームホールを発見できると仮定してみよう。ひょっとしたら、それを大きくすることはできるかもしれない。そして、これを可能とするにはエキゾチック物質と呼ばれるものが必要となる。

 通常の物理法則では、物質は正のエネルギー密度と正の圧力を持つ。ところがエキゾチック物質は一風変わっており、負のエネルギー密度と負の圧力を持っている。この負の特性がワームホールを外側へ広げ、人や宇宙船が通過できるほど大きく、安定したものとしてくれるかもしれない。

 しかし、エキゾチック物質を入手することは用意ではない。なにしろ、これは理論上の物質であり、どのようなもので、どうすれば見つけることができるのかなど、まるで判っていないのだ。

この画像を大きなサイズで見る

ワームホールの安定性と時空の関係

 だが、この点も克服し、エキゾチック物質を手にしてワームホールを通過可能な大きさまで広げ、安定化にも成功したとしよう。そして、ここでまた難題が持ち上がる。カーネギーメロン大学の物理学者リチャード・ホルマン氏によれば、ワームホールにエキゾチック物質以外のものを投入すれば、トンネルは直ぐさま不安定になってしまうというのだ。つまり、ホームホールに侵入するや否や、その者はたちまち死んでしまうだろう。

 そして極めつけの大問題は、ワームホールが接続する先は全く違う時空である可能性があることだ。すなわち、何とかワームホールを通り抜けたはいいが、その出口は入口とは全く異なる時代であるかもしれないのだ。 

この画像を大きなサイズで見る
via:popsci・原文翻訳:hiroching

 と、このように難題だらけのワームホールではあるが、その実用化に多少なりとも楽観的な科学者もいる。オースティン高等研究所のエリック・デイビス氏もそのような1人であり、エキゾチック物質の制御方法さえ判明すれば、全ては解決するとしている。彼は現在、トロントの研究所でエキゾチック物質を作り出す方法を研究中だ。彼の研究に期待しようじゃないか。

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 53件

コメントを書く

  1. ワーム!
    ワーーム!!
    ヮーーー(゚д゚)ォーーー!

    • -12
  2. 素粒子だかなんだかで、左右対称で左の動作を変えると右も動作を変えるとかあったよね
    どんなけ離しても同じ動きをする。それは相対性理論を超える伝達速度。
    なんのことはないいま私たちの空間とは違う次元で繋がってるだけ。

    • -1
  3. 最近のアニメではワープの理論や概念も進歩しているしね。宇宙船側にワープ装置が搭載されているのではなく、空間ハイウェイ的なワープトンネル側に細工があるのが主流なのかな?

    • -12
  4. あったとしても一度通ったら二度と同じ世界には戻れ無さそう。
    たとえ機体が無事だとしてもね。

    • -1
  5. 空間移動は暗殺や完全犯罪に使われかねないし、時間移動は
    歴史の真実を見る事ができるから、完成しても制作者は
    抹殺されて永久に公に公表されることはない。
    ワープ・タイムマシン誕生と同時にあせって発狂する国は想像できる。
    ケネディ大統領のパレードの裏側も見られるとまずいかも。
    「解かれてはマズイ誤解」もこの世には存在する。

    • +3
    1. ※7
      「物質」って実態を持っているように思えて、実は中身スッカスカのほぼ空間のみなんだよね。ポリゴンの3D映像みたいに、実はどこかにある情報を投影しているだけだったりして。
      素粒子っていうのはその映像を投影するためのディスプレイみたいなものとか?

      • -3
  6. これ、実現したとしても任意の場所にワープするの
    無理なんじゃない? 前にここで紹介されてたワープフィールド的な
    ものを船体の周りに発生さて空間をニュルニュル移動するタイプの
    ワープのほうが有用性がありそうだね。

    • -7
  7. 科学とロマンは別物かもしれません。でも、夢を現実にするのに、科学は十分すぎるほどの手段じゃないか。
    byラーメンズ

    • +3
    1. ※9
      最初のうちはどこかへ飛んだり事故もあると思う
      でも現在事故の確率が低くなった航空機でも同じこと
      その失敗をもとにだんだんと安全かつ楽に行ける
      ワープ航法作り上げるじゃないのかな

      • +7
  8. マンホールから落ちてブラジルに出る確率のほうが遥かに高そうだ

    • +1
  9. 一つでも難題な「○○すれば~」という仮定条件が多すぎる。
    しかも一つでも欠けたら実現不能って。
    正直、エキゾチック物質は同じ理論上の物質であるミラーマター以上に実在しないと思う。
    負の質量(エネルギー)は数学上矛盾がないけど、物理上あり得ると同義ではないし。
    (数学上で球と面の接触面積は0だが、物理上それはあり得ないように。)

    • +1
  10. ワームホールは別に人が通れなくても利用法はある
    電波などが通れればいい

    • +2
  11. 昔読んだタイムマシンの研究の本で、数億度の熱があればワームホールを開けることができるとあった
    そこでも人が通れる大きさを維持するのはむずかしいと書いてあったが

    • +4
  12. キップ・ソーン博士の理論だね。
    もともとカール・セーガン博士がSF小説「コンタクト(映画にもなった)」を書く時に、何か物理的に矛盾しない超光速航法は無いかと、キップ・ソーン博士に相談を持ちかけた事がきっかけになって考え出された理論。
    使い方によっては、限定的だけどタイムトンネルとしても機能する。
    今のSFでは主流になってるけど、やっぱりエキゾティック物質がなぁ・・・

    • 評価
  13. 『インターステラー』はコンサルタントと製作総指揮を務めるキップ・ソーンが重力理論、ブラックホール、宇宙論の研究をしている著名物理学者である。
    だって、見てえ

    • +3
  14. ディスヌフ~!
    エキゾチックマニューバ~ッ!

    • -8
  15. 『イベントホライゾン』という映画では、ワームホールが地獄につながっちゃったね。
    ワームホールから戻ってきた宇宙船を調査に行ったら、調査隊も地獄に連れて行かれそうになっちゃう話なんだよ。

    • -7
  16. ディスカバだったかで以前見たけど、ワームホールを開けると、
    こっちと向こう側のエネルギーが無限循環&増幅(番組ではマイクと
    スピーカーに例えてハウリングという表現を使っていた)が起こり、
    瞬時に制御不能な莫大なエネルギーが生まれてワームホールは
    崩壊し、周りもただ事じゃすまないみたいなこと言って気が・・・

    • +1
  17. ワープとかが当たり前になった未来・・・・
    どう思うよみんな!?想像しただけでもう泣きそう
    宇宙の果てまで旅するんだぜ。

    • 評価
  18. 量子テレポーテーションでも過去に情報を送れない以上
    マクロレベルでは過去に送れるだろうけど
    ミクロレベルで構造を維持した転送は失敗する予感がする
    仮にワームホールのサイズを広げたとしても

    • +3
  19. よくわかんないがエキゾチック物質とか億千万の胸騒ぎがするな

    • 評価
  20. 光速伸張法やマッカンドルー航法の実現を待つから、ワームホールはいらないよ。
    そもそもワームホールの利用が可能になったとして、そのワームホールまでどうやって行くんだ?

    • +4
  21. 見つからないほうが、使えない方がいいよ。
    他の宇宙まで汚しに行くことないじゃん。ここで滅びるべきだよ。

    • 評価
  22. ワームホールの出口は、並行宇宙につながっているかもしれないし同じ時の宇宙に出られると考えるのは大きな間違いだね。恒星間の宇宙開拓は基本的に片道キップで、生身の人間が行くというよりAIが操縦して遺伝子を運ぶ、種を播くと考えた方が現実的だね。

    • 評価
  23. アインシュタイン!カムバック!
    現代の 科学者を蹴散らしてくれ

    • -1
    1. ※32
      復活したので宇宙定数の存在を証明して見せます!

      • 評価
  24. まあ負のエネルギー作り出すのに一秒あたり銀河一個分のエネルギーがひつようだったりするみたいだけど。

    • 評価
  25. ワームホールでの移動=リニア新幹線
    地球からワームホール入口、出口からよその惑星=ローカル線
    ただし宇宙のローカル線は極端に時間がかかる。何万年もかかる。
    ワームホールの移動がいくらはやくてもしょうがないんじゃね?

    • 評価
  26. エネルギー収支は都合ゼロになればいいから、
    「どっかから借りてくれば」いいんだけどね、宇宙規模のエネルギーだろうと。
    反応の最初と最後で0になっていれば何も矛盾しない。
    そんなアホみたいに巨大なエネルギーを借りる方法が現段階で不明。

    • -2
  27. 人間が想像できる範囲は全て実現できる可能性がある
    みたいな言葉がなかったっけ

    • 評価
  28. エキゾチックマニューバって言いに来たらもう言われてた

    • 評価
  29. 途中ホームルームかとおもったw
    結局生命は、生命活動は、情報に変換することが出来る。
    生命が通れなくても情報が通れれば向こう側へいけるんじゃないか。

    • 評価
  30. 現在の物理学的に不可能ではないという点において、不老不死への技術的ハードルの方が圧倒的に低い件。

    • 評価
  31. エキゾチック物質ってエネルギーがマイナスなもんだから、無限速時の運動エネルギーが0で、減速させるにはエネルギーが必要で、光速まで減速させるには無限のエネルギーが必要とか、
    通常物質と混合すると熱収支が反転、低い温度の物質から高い温度のエキゾチック物質に熱が移動、またはその逆が起きるので、片方は際限なく熱くなり、片方は際限無く冷たくなるという、既存の物理法則を2つ3つぶち破る代物。
    一応トータルの収支では通常物質と合わせてプラマイゼロになるから矛盾はないというけど、なんだかなぁ。

    • 評価
    1. ※40
      だねえ。
      ただ恒星間飛行のエネルギー確保が相当な問題。
      正攻法も大変なハードルがあるね。

      • 評価
  32. 出来たとしても肉体が耐えられないだろうと思う。
    意識と肉体を切り離すことが出来れば可能かもね。

    • 評価
  33. イベントホライゾンて事象の地平面だっけ。そこに入ったら二度と出てこられないという…
    ブラックホールはワームホールの半分みたいな形だよね。

    • 評価
  34. いつも思うんだけど、なんで都合よく空間がUの字になってるんだろう。

    • 評価
    1. ※45
      化学ロケットという縛りを無くせば、理論値で光速の3%まで加速できる推進システムを
      現在の技術で制作することは可能と結論付けられているけどね。
      部分的核実験禁止条約を宇宙全体に適用したのは、正直やりすぎだったと思うんだ。
      せめて静止軌道内における禁止とかにしておけば、オリオンロケットも実現していた可能性があったのに。

      • -1
  35. 空間がUの字になってるのはそのほうが理解しやすいからだよ
    こうなってますよ といってるわけではなく こんな感じですよ と言ってるわけだ
    3次元空間を我々が紙を折り曲げるようにひん曲がる状態を理解できるのか?
    それこそ数学者や物理学者だって数式として理解しているのであって
    その情景を3次元に住む生命体が見ることはできないだろう
    我々の視界が2次元である以上、2次元面に投影できる形で見せるしか一般人に理解させる方法は無い
    数式で見たいなら専門書や解説書を買って勉強すれば良い

    • 評価
  36. 技術的に可能だとしても嫌だわ。一時的とはいえ自分たちがいる宇宙から存在が消えるんだぞ。

    • 評価
  37. ホワイトホールはそもそも理論的に存在するかもしれないってだけで
    実際いまだ見つかってないし
    仮に見つかったとしてそこまでどうやって?ってハードル高すぎるわな
    スピード上げる方向も大事だけど
    時間を掛けることの方が確実かつ重要なのでは?と思う
    世代型移民船団かつ自立型(自己増殖)探索機でも作ってじっくりやるべき
    いずれ地球は住めなくなるでも今のところ時間はまだある
    後は人類の心理次第・・・これが一番の問題・・・

    • +1
  38. 現在の人間が観測できる最も小さいものでも通れない、人間が何かしらの影響を観測できるようなエネルギーの行き来もない、といった程度の大きさのワームホールは日常的に発生してるのかもしれないよ。技術レベル的に活動範囲がせいぜい太陽系内であるうちは何の問題もない、みたいな。それ以上になったら案外ポロッと見つかるかもしれない。発生させるというより、そこにあるものを束ねて揃える技術とかね。

    • -1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。