カワセミは、その鮮やかな色彩と狩りをする姿から、いろいろな物語や詩歌、そして絵画に登場します。
今回は、自然保護や生態をテーマにし、1965年に発行された絵本『かわせみのマルタン』童話館出版刊 を紹介します。

この絵本は、東欧の冷戦時代、チェコスロバキアとロシアの作家による共同作業によって生まれました。文は、詩人としても知られているチェコのリダ・フォシエ。絵は、ロシア生まれのイラストレーターのフェードル・ロジャンコフスキー。訳編は、いしいももこさんです。
内容は、カワセミの夫婦(マルタンとマルチーヌ)を中心に、川辺で暮らす動物たちの営みを通して、命が生まれ育ち、そして次の命に繋がって行く「生命の循環」が描かれています。
文化背景が異なる二人の才能が融合して、個性的で魅力あふれる「カワセミのマルタン」が誕生しています。自然を描きながらも、文学的な感動を与えてくれて、大人が読んでも愉しめます。
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現在、都会の中には、絵本のような自然は少なくなって来ています。私の住む近くの川は、コンクリートで護岸されていますが、近くに里山もあり、カワセミが飛来し採餌できる自然が、まだ残っています。
ある日、お茶目で可愛いカワセミに出会いました。その様子を、絵本風にまとめてみました。

この川に、よく飛来するカワセミくんは、大変好奇心が旺盛です。特にカルガモさんとは、いいお友達です。
しかしカワセミ君は、カルガモさんの行動が、いつも気になっています。

時には、カルガモさんの採餌の邪魔をしたりして、嫌われたりします。

ある昼下がりに、橋の下でのんびりと休んでいると・・

目の前に・・黒い輪のようなものが、風に飛ばされて来ました。

虫のように見えますが、見たこともない形をしています。
「何だろう??」

「でも動かない」
気になって嘴で触ってみると・・

「少し硬いが・・暴れたりしないぞ」

「食べてもいいものかな!?」
「・・やめてとこ」

振り回しながら「でも食べてみたいな・・」

嘴から落ちた黒い輪は、風に吹かれてコロコロと動いたのです。
動くと美味しそうに見えて来ました。

もう一度咥えます。 「暴れない、もう死んだのかな」

「食べよう・・」

「待て、こんな形・・美味しそうでもないな」

その黒い輪を、しっかりと見つめ直したカワセミくん・・
「食べるの止めた・・捨てちゃえと」

食いしん坊のカワセミくん。「食べようか・・食べてたくないな・・」と、迷った末に食べずに、川に捨ててしまいました。
この黒い輪は、いったい何だったのでしょうか。
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カワセミくんは、やっぱり、元気に暴れる魚の方が大好きなようです。



あ・・あ・・美味しい。ご馳走さま。
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