遊心逍遥記

遊び心で本の森を逍遥し、その時の思いを残しておこうと始めました。

梶よう子

『北斎まんだら』  梶よう子  講談社文庫

本書のタイトルが示すとおり、葛飾北斎を扱った小説である。だが、うしろに「まんだら」とある。まんだらに直接触れる箇所は本文になかったように思う。読後に気づいたことが「まんだら」は「曼荼羅」で仏教語から借りているということだ。曼荼羅は大日如来…

『父子ゆえ 摺師安次郎人情暦』  梶よう子  角川春樹事務所

摺師安次郎の第2弾が出ていることを知り、早速読んでみた。こちらも短編連作集で、5編の作品が収録されている。「ランティエ」(2013年3月号~2017年8月号)に断続的に発表され、2018年1月に冒頭表紙の単行本として刊行された。 2021年7月に、時代小説文庫…

『いろあわせ 摺師安次郎人情暦』 梶よう子 時代小説文庫(角川春樹事務所)

浮世絵の摺師安次郎を主人公にした江戸人情噺の短編連作集である。2010年8月に単行本が刊行された後、2013年6月に文庫化されている。 主人公は、浮世絵版画の通いの摺師安次郎。神田明神下にある五郎蔵店棟割長屋の一つに住み、御台所町にある長五郎の摺り場…

『お茶壺道中』   梶よう子   角川書店

宇治に住み始めて長くなり、今では地元となった。「お茶壺道中」が宇治茶に関係し、その道中イメージを多少は持っていた。タイトル「お茶壺道中」が目に止まり、どのように扱われているのだろうかという興味から本書を手に取った。 この小説は、「小説 野生…

『空を駆ける』  梶よう子  集英社

昨年8月に、著者の『広重ぶるう』を読んだことがきっかけで、作品を読み継いでいきたい作家の一人となった。本書のタイトルを目にしたことで興味を抱き先に読むことにした。この作品は「小説すばる」に2018年5月号~2021年8月号にほぼ隔月で連載された後、大…