遊心逍遥記

遊び心で本の森を逍遥し、その時の思いを残しておこうと始めました。

柚月裕子

『風に立つ』 柚月裕子   中央公論新社

「辛い思いをしたあなただからこそ、誰かのためにできることがきっとある」(p308)というメッセージがこのストーリーの出発点になっている。そして、「人生はいいことばかりではない。その逆もある。なにが幸いで、なにが不幸と思うかは、人それぞれだ。ほか…

『教誨』   柚月裕子  小学館

死刑囚・三原響子の処刑が東京拘置所で執行された。吉沢静江と娘の香純が身元引受人になっていた。静江は東京拘置所の職員からの突然の連絡に驚く。静江にとって響子は従姪(ジュウテツ)にあたる。静江と香純は身元引受人の件を知らされていなかったのだ。 娘の香…

『チョウセンアサガオの咲く夏』     柚月裕子    角川書店

オムニバス短編集。掌編集ともいえる。巻末に所載の初出一覧を見ると、『5分で読める!~~』並びに『10分間ミステリー』というフレーズを冠して発表された短編が本書に収録された短編の6割を占めている。様々なテーマを扱っている作品集なので、収録され…

『合理的にあり得ない 2 上水流涼子の究明』  柚月裕子  講談社

『合理的にあり得ない』の第2弾。短編が40ページ前後の作品とするなら、この第2弾は、短編「物理的にあり得ない」と、中編「倫理的にあり得ない」「立場的にあり得ない」の2本を合わせて収録された連作集である。最初の短編は「メフィスト」(2017VOL3)に…