宗教・仏像
「あとがき」には、昭和57年12月の日付が記されている。末尾に「ありていにいえば、般若心経ほど、今日の出家僧のこっけいさに気づかせる経はない気がしたからである。」という一文がある。この後に末文「国師よ、禅師よ、ふたたびこんなことをいう私を地下…
奥書を見ると、1994年10月に出版されている。私はニ刷で読んだ。四半世紀前の出版と言えば、遠い昔の感じだが宗教と文化の歴史からみれば、この新書もほんの昨日に出された本という感じと言えようか。「キリスト教文化」が数十年で常識を覆すことはないだろ…
世界の文明と文化を理解していく上で、その根っ子の部分には宗教が厳然と存在している。宗教について基本的な事を知っていないと人々の行動の背景や価値観などを理解できないし、文化が適切には理解できないと言われる。『孫子』の謀攻篇に「彼を知り己を知…
神話と宗教はある地域・ある国の文化を深く理解するためには必須の基礎知識と言われる。そうとは知りつつ、中々手が出しにくい領域でもある。本書では、世界の三大宗教として仏教・キリスト教・イスラム教を扱っている。私にとっては、やはりこの順番で馴染…
だいぶ前にタイトルに惹かれて衝動買いし書架に眠っていた。それを取り出して読んでみた。深く考えること無しに「無宗教」と言いがちになることを、改めて問い直してみるのに役立つ書である。奥書を見ると、1996年10月に第1刷が発行され、2014年8月の第30刷…
奥書を読むと、この『完結篇』は全国各地の新聞37紙に2013年7月1日から2014年10月6日まで連載され、それに加筆修正して2014年11月に単行本が出版された。2016年5月に文庫化されている。 61歳で親鸞は激動の地・京都に戻る決意をした。この『完結篇』は、親鸞…
「承元の法難」と称される念仏禁制の弾圧で、師の法然は讃岐へ。親鸞は藤井善信の俗名を与えられ越後へ流刑となる。この時、自ら愚禿親鸞と名を変え、妻の恵信とともに北国に旅立つ。この「激動篇」は、親鸞が越後の国府の浜に着いた1年後の春から始まる。描…
本書は、奥書によれば、2008年9月1日から2009年8月31日まで新聞27紙に連載された後、加筆修正されて2010年1月に上・下巻の単行本として発刊された。2011年10月に「青春篇」の副題が付き文庫化されている。 この小説『親鸞』は親鸞の幼少の頃から30代にいたる…
本書は1997年7月に出版されていた。私の手許にあるのは、20011年4月の初版第5刷。 18年も前に出版された本をなぜ読む気になったのか。それは、梅原猛著『親鸞「四つの謎」を解く』を読んだことによる。梅原猛さんが親鸞について長年抱いていた疑問を再考す…
著者は2014年に数えで90歳になったと書く。親鸞は90歳まで生きた。そこで「親鸞とほぼ同年になった私には、年老いた晩年の親鸞の喜びや悲しみを多少なりとも理解できるかもしれない」(p18)という思いを抱く。一方、旧制中学(東海中学)4年の時に、『歎異…
タイトルにある「六つの顔」って? この語句にまず引き寄せられて購入した。それでいてしばらく書棚に眠らせていたこの本を読み終えた。 2019年8月に単行本が刊行されている。 著者は「序章 あふれだす親鸞」で、まず最初に、「六つの顔」の意味を明らかにし…
かなり以前に京都国立博物館の展示で、国宝『法然上人行状絵図』(総本山知恩院蔵)のどこかの巻を見たことがある。その後も現在までに断続的に数回眺める機会があった。全部で48巻、235段の詞書と232の絵図で構成され、その長さは548mに及ぶという壮大な絵…
京都に生まれ育ち住んでいると、子供の頃から地蔵盆があり、町内にはお地蔵さまを祀った小祠がある。社会人になり家庭を持つと、今度は町内の地蔵盆行事の世話をする立場にもなる。日常生活の身近な所にお地蔵さまが存在する。お地蔵さまはどの地域にもたぶ…
博物館や美術館に仏教美術展を見に出かけると、時折、マンダラ(曼荼羅/曼陀羅)が展示されている。密教美術としての胎蔵界曼荼羅、金剛界曼荼羅以外にも、当麻曼荼羅、智光曼荼羅、春日曼荼羅などがある。最初はあまり深く考えずに眺めていたが、その回数が…
2015年1月に書籍が、3月に電子書籍が発行された。 本書は日本全国にある巨大仏を探す巡礼をし写真に収めた仏像等の写真集。 写真が主体で、そこに少し解説が書き加えられている。 巨大な大仏という言葉を聞けば、奈良・東大寺の大仏殿に鎮座する大仏(銅造毘…
京都の寺々の探訪を続けていると境内に石仏が集合している箇所をよく見かける。石仏一体ごとに涎掛けがかけてあるので、お地蔵さまとして石像が集められ信仰されているということがわかる。 その石仏群を見ていると、時折双体の石仏をみかける。これはお地蔵…
東京都調布市は古代には武蔵国と呼ばれていた地域に位置する。第52世住職、長辨の文集『私案抄』によれば、750年に満功上人がこの武蔵国に祇園寺を創建し、12年後の762年に深大寺を創建した。その深大寺にいつ頃か「釈迦如来椅像」(以下、深大寺像という)…
奥書には標記のタイトルが書名となっている。1985年11月に第一刷が出版された。 表紙の上部に副題として「路傍の道祖神」と記されている。道祖神が様々な形でつくられてきた歴史と比較すれば、1985年と現時点の時間の経過など、微々たるものと言えるだろう。…
子供の頃、京都市に住んでいたので、夏の地蔵盆を通じて、石仏の地蔵・お地蔵さまには親しみがあった。毎年、地蔵盆にはお地蔵さまを水洗いし乾かし、石仏に化粧をして、祭壇に飾るというプロセスがあたりまえだった。長じて、「六地蔵」や「六地蔵巡り」を…
日本仏像史は、山本勉さんが研究者の立場から書かれた『仏像 日本仏像史講義』が別冊太陽40周年特別号(2013/3)として平凡社から刊行されている。大きなカラー写真で数多くの仏像を掲載していて、実に有益である。以前に読後印象を記している。私にとっては…
仏像の鑑賞に対するガイドブックとしてはいくつかのアプローチがある。一番一般的なのが、如来・菩薩・明王・天部という分類のもとに個々の仏像について解説する本である。また、仏師自身が仏像について解説する本がある。さらに仏像愛好家が仏像を語る本も…
先般、『阿修羅像のひみつ』(興福寺監修 田川・今津他共著 朝日新聞出版)を読んだ。X線CTスキャンという技術を駆使して、阿修羅像を解析しその造立に関わる未知の部分、いままでわからなかったひみつに挑んだ本だった。この読後印象記は既に書いている…
2009年に東京と九州で国宝阿修羅展が開催された際、九州国立博物館で事前に阿修羅像他の仏像がCTスキャナで撮影された。その画像データが解析され、阿修羅像の秘密が明らかにされたという。そのCTスキャナの画像を載せた新聞報道を読んだ記憶があった。…
一神教の世界では偶像崇拝は原則禁止されている。その典型はイスラム教だろう。ユダヤ教もまた、モーゼの十戒の中で偶像崇拝が禁止されている。キリスト教ではキリストの磔刑の姿の彫刻や聖母マリアの像などがあり、宗教画としての絵画が存在する。著者は「…
たまたま目にとまり読み始めた。なぜか? それは手許に久野健著『仏像風土記』(NHKブックス)があるから。まず同じタイトルだったことに惹かれた。手許の本は部分参照していただけで、まだ通読していないのに・・・。そして、本書を先に通読してしまった。 もう一…
般若心経には関心を持っているので、題名と文庫本の表紙の写真に惹かれて、読んでみた。作家は写真家とのコラボで写真入りの本を出すことが多い。写真家の名前が載っていないので、ちょっと奇妙に感じたのだが、掲載写真はすべて著者の撮った写真だった。ネ…
本書は現在、角川文庫で『見仏記 <2> 仏友編』として出版されている。単行本で読んだので、題・出版社の表記をそのままとした。 『見仏記』は、拝仏という信仰の視点ではなく、一方、仏像美術研究という学者視点でもなく、その中間の「見仏」という視点で二…
単行本で読んだ。1997年6月に角川文庫版が出版されている。 『見仏記ガイドブック』(以下、ガイドブックと略す)を最初に読み、おもしろみを感じて最初の『見仏記』から読んでみようという気になった。 本書の末尾を見ると、この『見仏記』は当初、『中央公…
『見仏記』という書名は新聞広告などで以前目にしていた。だが手にとったことがなかった。たまたまこの書名が目にとまり、ガイドブックって何かな?という好奇心から手に取った。この本を読んだことから、逆に『見仏記』に遡ってみようと関心を高めている。 …
文庫本の背表紙を見ていて、「ぶつぞう入門」とひらかなで記されているのが目にとまった。著者を見ると「柴門ふみ」。どんな本? 表紙を見ると3躰の仏像イラストが載っている。ペラペラと中を見ると、イラストや漫画のページもあるエッセイ。最近集中的に仏…